ケネディ・ミークス

文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

ミークスがオールラウンドな能力を披露

金曜ナイトゲームのシーホース三河vsライジングゼファーフクオカ。ホームの三河が本来の試合巧者ぶりを見せ、4つのクォーターすべてで上回り99-74の快勝を収めた。

もっとも、立ち上がりに勢いがあったのは福岡だ。アイザック・バッツが故障中の三河はジェームズ・サザランドを登録外としてケネディ・ミークスを先発起用するが、重量級のデクスター・ピットマンがインサイドを制す。ゴール下で強さだけでなくシュートの多彩さも見せるピットマンを三河はダブルチームでも止められず、ここを起点に外にも展開される。金丸晃輔の3ポイントシュートで17-16とリードしたものの、福岡の動きに苦しんだ第1クォーターだった。

それでも、三河の修正は早かった。第2クォーター最初のプレーで、マークする相手を桜木ジェイアール、グラント・ジェレットと2段構えのオフボールスクリーンで引きはがした金丸が3ポイントシュートを決めると、内と外のバランスの良い攻めを展開。アウトサイドに開くジェレットを福岡のディフェンスが捕まえられないと見れば、そこをすかさず突いての連続3ポイントシュートで38-29と一気に突き放す。

44-37で迎えた後半、ほとんど出ずっぱりのピットマンとエリック・ジェイコブセンの動きが鈍ると、第1クォーターはパワー負けしていたミークスがそのオールラウンドな能力を発揮し始める。プレーエリアが広いミークスはインサイドで巧みな動きからボールを呼び込み、仕掛けると見せかけてパス、パスと見せかけてアタックと状況判断良くオフェンスを引っ張る。特にポストプレーからの中距離のベースボールパスは福岡のディフェンスを易々と切り裂いた。ミークスは加入間もないとは思えぬ連携の良さを見せ、合わせのパスを次々に決めて試合を通じて17得点15リバウンド7アシストと勝利の立役者となった。

福岡は立ち上がりこそ勢いがあったが、点差が広がるにつれて粘れなくなっていく。簡単にシュートを打っては外し、そこから相手に走られる悪循環に陥った。

岡田侑大

福岡ディフェンスを手玉に取った岡田侑大

71-52で始まった最終クォーター、加藤寿一のハッスルが三河の勝利を確実なものとする。小林大祐のジャンプシュートを背後から手を伸ばしてブロック。タイミングの良い飛び込みでオフェンスリバウンドを奪うと、すぐに動き直してフリーでミークスのベースボールパスを呼び込み3ポイントシュートを決めて78-52。7分半を残して勝負アリ、の一撃だった。

三河のショーはこれで終わらない。最後を締めたのは岡田侑大だ。ラスト3分半で投入された岡田は自らゴール下に切り込み、フェイクでマークについた城宝匡史を飛ばして落ち着いてシュートを決めると、今度は同じような形から青木ブレイクを一瞬の加速で振り切ってゴール下を決める。最後は合わせのプレーから再びゴール下を狙うも、これはダブルチームに阻まれ決められず。しかしリバウンドを自ら拾い、青木のファウルを受けながらバスケット・カウントを獲得。このフリースローも確実に決め、わずかな時間で7得点を荒稼ぎ。99-74で三河が勝利した。

これで三河は10勝10敗と勝率を5割に戻した。5本の3ポイントシュートを含む23得点を挙げた金丸を筆頭に、5選手が2桁得点を記録。桜木に加えてミークスもインサイドのパサーとして機能するとなれば、どこからでもチャンスができるオフェンスは他チームの脅威となりそうだ。

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