ジミー・バトラー

写真=Getty Images

シクサーズが誇るディフェンシブ・デュオ

先月セブンティシクサーズがティンバーウルブズからジミー・バトラーを獲得した当初、ブルズ、ウルブズ時代に若手と衝突した過去を挙げ、周囲からはロッカールームの秩序が乱れる危険性が指摘された。だが蓋を開けてみれば、バトラーは即チームにフィットした。そしてチームは、103-95でグリズリーズに勝利した12月2日の試合を含め、彼が出場した10試合で8勝2敗という成績を残している。

バトラーは、11月17日のホーネッツ戦、それから11月26日のネッツ戦でブザービーター3ポイントシュートを決めるなどオフェンスの活躍が目立つが、守備での貢献も光っている。そのプレーはベン・シモンズにも影響し、11月最後のウィザーズ戦から、2人はお揃いの白のヘッドバンドを着けてプレーしている。そんな彼ら2人は、『ヘッドバンド・ブラザーズ』というニックネームで呼ばれ始めた。

2人がヘッドバンドを着けているのは、単にファッション性を求めているからではない。バトラーもシモンズもその理由を明かしていないが、指揮官ブレット・ブラウンは、「彼らはディフェンシブ・ブラザーズだ。あのヘッドバンドは、私には彼らの絆の証のように見える」と語る。

グリズリーズ戦でも、2人は堅守を誇るグリズリーズを相手に守備で違いを生み出した。最も大きかったプレーは、グリズリーズに4点差(93-89)に詰め寄られて迎えた第4クォーター残り1分41秒のプレーだろう。グリズリーズのポゼッションとなり、マーション・ブルックスがボールを持って前進すると、後方から忍び寄ったシモンズがスティールを奪い、バトラーのフリースロー2本、そして勝負を決めたターンアラウンド・ジャンプシュートに繋がった。この試合では、シモンズが2スティール、バトラーが1ブロックを記録したのだが、2人は守備に関連したスタッツで勝負をしていたらしく、試合後バトラーは「本来なら俺のブロックになったのを(ジョエル・エンビードに)取られたからね。だから、実際には2-2だよ。これからもベンとはプッシュし合うさ」と語った。

シーズン開幕前から東の上位候補の一つに挙げられていたシクサーズだが、バトラー加入後のケミストリーは順調で、今ではラプターズと並びカンファレンス優勝候補筆頭と見ていいだろう。これからも切磋琢磨し合い、シクサーズの牙城を守る『ヘッドバンド・ブラザーズ』は、対戦相手にとって厄介なユニットになりそうだ。