札幌山の手

森岡「みんなでこのコートを楽しんで、あきらめないで戦いたい」

ウインターカップ女子準決勝、札幌山の手vs岐阜女子の一戦は要所で3ポイントシュートを沈め、トランジションも機能した札幌山の手が98-68で快勝した。

谷口憂花の3ポイントシュートで先制した札幌山の手が序盤からペースをつかんだ。ペイントアタックを繰り返し、隙あらば全員が積極的にシュートを狙っていき、守っては軽快なフットワークで個の打開を許さず、ジュフ・ハディジャトゥには身体を当てつつダブルチームで自由を与えない。こうして岡井遥香の3ポイントシュートで締めた札幌山の手が第1クォーターで10点のリードを奪った。その後、拮抗した展開が続いたが、前半だけで17得点を挙げた岡井が再び、第2クォーターを3ポイントシュート締めた。

後半のファーストプレーでジュフにオフェンスリバウンドから3点プレーを許したが、すかさず森岡が3ポイントシュートをお返しする。さらにトランジションからアウトナンバーとなり、野原一華が3ポイントシュートを沈めれば、鮮やかなボールムーブから再び野原が3ポイントシュートを射抜きリードを広げた。この試合の札幌山の手は相手に流れが行きそうな時にビッグショットを次々と決めた。合計で24ものターンオーバーを誘発した激しいディフェンスで反撃の芽を摘み、13本の長距離砲を高確率で沈めたことで最終的に30点差をつけた。

札幌山の手は先発の5人全員が2桁得点を記録とバランスの良さが目立った。その中でもただ一人フル出場し、すべてチームハイとなる23得点7アシスト5スティールを挙げた、森岡の存在感は目立った。「インターハイに出れないつらい思いもしたし、この大会にかける思いは強かったです。みんなでこのコートを楽しんで、あきらめないで戦いたい」

札幌山の手にとって決勝進出は長岡萌映子(ENEOSサンフラワーズ)を擁し、日本一となった2011年大会ぶり。森岡は高校バスケのその先も見据えつつ、恩師のために決勝を戦う。「プロバスケットボール選手になりたいという夢が小さいころからありました。町田(瑠唯)さんなど、あこがれの先輩のようにこの舞台で活躍し、今後のバスケ人生に繋げていきたいと思います。そして、上島(正光コーチ)さんを勝たせてあげたいです」