「たとえ彼らのことを嫌いだとしても、リスペクトはしている」
現地12月25日、ウォリアーズはホームでグリズリーズと対戦。チーム全体で18本の3ポイントシュート成功と持ち味を炸裂させると、勝負どころでのディフェンスも光り123-109で勝利した。16勝18敗とまだ黒星が先行しているが、ホームでは13勝2敗と圧倒的な強さを見せている。
前半はウォリアーズの5点リード(59-54)と互角の展開だったが、第3クォーターに入るとジョーダン・プール、クレイ・トンプソン、タイ・ジェロームと3人のガード陣が揃って2桁得点を挙げてリードを15点にまで広げた。第4クォーター残り9分20秒には、この日32得点を挙げてオフェンスを牽引していたプールが、2度目のテクニカルファウルを犯してキャリア初の退場処分となり、嫌な流れが漂った。しかし、この日のウォリアーズは第4クォーターだけで奪った5スティール、3ブロックに加え、相手にオフェンスリバウンドを1本も取らせない強度の高いディフェンスを続け、プール退場後も2桁リードをキープして楽々と逃げ切った。
ウォリアーズとグリズリーズといえば、昨シーズンのプレーオフカンファレンスセミファイナルで激しくやりあったのが記憶に新しい。当時在籍していたゲイリー・ペイトン2世がトランジションからレイアップを決めようとした際、後方から跳んできたディロン・ブルックスのブロックを受けて空中でバランスを崩し、床に落下して左肘骨折の重傷を負った過去がある。
このような背景もあってか24得点を挙げたトンプソンは試合残り3分40秒、自身が3ポイントシュートを決めた後に目の前でバランスを崩して倒れたブルックスに挑発行為を行ったとしてテクニカルファウルを受けた。ただ、本人は「これは古き良き時代のトラッシュトークだよ」と深い意図はないと釈明している。「テクニカルファウルになるとは思っていなかったけど、挑発行為を禁止するルールを忘れていたんだ。ただ、トラッシュトークをするのは好きだ。僕たちはこれを中学生の頃からやっている。トラッシュトークをやりあって最高のプレーをするのか、動揺するかのどっちかだけど、僕は前者だよ」
とはいえ、トンプソンがブルックスを全く意識していないとは考えにくい。昨シーズン中にブルックスがグリズリーズについて「王朝を築いている」と発言をしたことを例に出し、トンプソンは試合終了後のコートサイドインタビューで痛烈なコメントをしたからだ。「彼らは王朝とか口にしていたけど、一度も優勝していないのに王朝について話すことはできない。みんなは優勝することがどれだけ大変なのか分かっていない。王朝という言葉に触れるのすら時期尚早だと思う」
そして、トンプソンはグリズリーズとの関係についてこう締めくくった。「彼らが僕たちのベストの力を引き出すし、それは僕らも同じだ。たとえ彼らのことを嫌いだとしても、脅威な存在でありリスペクトはしている」
ステフィン・カリー、アンドリュー・ウィギンズの中心選手2人が欠場する中で快勝したように、今回の対決でもウォリアーズが王者の貫禄を示した。だが、次の対戦ではグリズリーズがリベンジに向け、より闘志をむき出しにして戦ってくるだろう。引き続き両チームによる熱い戦いに期待したい。