アーロン・ゴードン

シャメットの上から叩き込むポスタライズ・ダンクで決着

現地12月25日に行われるクリスマスゲームは、リーグ側がレギュラーシーズンの日程の目玉として組むもの。ナゲッツは去年、その前のシーズンにニコラ・ヨキッチがリーグMVPに選出されたにもかかわらずクリスマスゲームに選ばれずに悔しい思いをした。

それでも今年はホームでのサンズ戦という好ゲームが組まれた。ナゲッツではヨキッチとジャマール・マレーに加え、アーロン・ゴードンとマイケル・ポーターJr.の『ビッグ4』が揃い踏み。試合の流れが行ったり来たりする慌ただしい展開で延長に入ったが、最後は気迫で押し切って128-125で勝利した。

ヨキッチは41得点15リバウンド15アシストとMVPに相応しい活躍を披露。マレーは劣勢だった第4クォーター終盤に流れを変える3ポイントシュート連発で26得点と勝負強さを発揮している。ポーターJr.はケガから復帰2試合目とあって控え目だったが、その分までド派手に活躍したのがゴードンだった。

ゴードンは28得点13リバウンドを記録。ヨキッチほどの数字のインパクトはないが、ダイナミックに走り、跳び、相手とぶつかり合う迫力は両チームの中でも抜きん出ていた。かつてダンク・コンテストでザック・ラビーンと歴史に残る名勝負を繰り広げた彼は、最近では堅実なプレーを優先する傾向にあるが、この日は注目度の高いクリスマスゲームで気合いが入ったのか、試合序盤からダンクを連発する。

マレーがふわりと上げたロブパスをリバースで叩き込むアリウープに、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープが出した長すぎるパスを長い滞空時間を生かして強引につかみ、そのままリムに叩き付けるアリウープも披露。ヨキッチの超絶技巧が続いたと思えばゴードンの異次元ダンクが炸裂するのだから、デンバーのファンは否が応でも盛り上がった。

「今日は良いエネルギーを出すことができた」とゴードンは言う。「ウチは優勝を本気で狙えるチームの一つだと思っている。これだけの素晴らしい選手がいて、僕たちはチームメートのためにプレーし、お互いのために勝とうとして、それぞれの良さを引き出している。そうやって全員がどんどん良くなっていくのがこのチームなんだ」

極め付けは124-123と1点リードで迎えた、オーバータイムの残り30秒を切った場面だ。相手のシュートが外れて、こぼれ球を拾ったゴードンはそのままボールをプッシュする。オーバータイムまでの激闘の終焉間近で、サンズの選手は彼に追い付けない。唯一残ったランドリー・シャメットがコースに入るも、ゴードンはその上からダンクを叩き込んだ。最初はオフェンスチャージの判定が下ったが、映像判定で得点が認められ、バスケット・カウントに。ゴードンがダンク・コンテスト級の派手な一発で激闘に終止符を打った。

ゴードンはこのダンクをこう説明する「リバウンドからのルーズみたいな感じでボールが僕に来て、自分でアウトサイドを走った。僕とジョーカー(ヨキッチ)で2対1になって、相手がどっちで来るか迷うのが見えた。そこで飛び出した相手がぶつかって来たおかげで、ちょっと高く跳べたよ。彼が僕に近付くのを感じたし、僕は彼を回り込むようにしていたから、ファウルだとは思わなかったよ」

このスーパープレーに対しヨキッチは「僕がオープンだったぞ、と言ったけどね」と肩をすくめたが、「アーロンはあまり評価されてないかもしれないけど、このチームの本当に大きな部分を担っている。しかも毎試合でね。彼がチームにいてくれるのは素晴らしいことさ」と頼れる仲間のゴードンを称賛している。

ゴードンは自分のエネルギッシュなプレーについてこう語る。「僕はそういうプレーをして育ってきた。全力で戦うのが僕のバスケであり、僕にとってプレーすることは全力でやるという意味。すべてのボールに対してハッスルしていくよ、どんな試合であってもね」

この試合でゴードンが決めたダンクは実に7本。去年にナゲッツの試合がなくて憤慨したファンたちは、2年分の満足感を得てクリスマスを過ごしたことだろう。