判断の良さが光るプレーで、20得点11リバウンド21アシストを記録
ジェームズ・ハーデンが今シーズン最初のトリプル・ダブル、そしてキャリアハイとなる21アシストの大活躍を見せ、セブンティシクサーズがクリッパーズに119-114で勝利した。
試合開始から6分あまりで、ハーデンのアシストからエースのジョエル・エンビードの得点が5回も決まる。クリッパーズのディフェンスがこれに対応しようとすると、今度はエンビードがチャンスメークに回ったり、トバイアス・ハリスが得点に絡んだりと、シクサーズのオフェンスは相手の先手を取った。
前半はクリッパーズが3ポイントシュートを19本中10本と高確率で決めて最大20点のリードを奪ったが、シュートがずっと決まり続けるわけではない。後半に3ポイントシュートが19本中4本と決まらなくなったことで失速したクリッパーズに対し、シクサーズは中と外のバランスを取りながら良いシュートチャンスを作り続けて逆転した。
開幕から好調を維持するエンビードは44得点7リバウンドを記録。ハーデンはフィールドゴール17本中6本成功とシュートタッチは必ずしも良くなかったが、テレンス・マンがしつこくマークに付く時はチャンスメークに徹し、スイッチしてスピードのないニコラ・バトゥームにマークが入れ替わった時には積極的に仕掛けて得点を奪う判断の良さを見せ、20得点11リバウンド21アシストを記録した。
ハーデンとエンビードのツーエンゲームはただでさえ強力なのに、今のシクサーズではそれを囮に使って他の選手が攻めるオプションも機能し始めた。立ち上がりはエンビードに得点が集中したが、後半に入ってディアンソニー・メルトン、ポール・リード、ジョージ・ニアンがハーデンの作り出したチャンスをきっちり決めてくると、その多彩な攻めにクリッパーズは付いていけなかった。
指揮官ドック・リバースは「スコアラーがポイントガードとしてチームを引っ張るのは決して簡単ではないが、彼はそれをやっている。彼がチームを動かすことは、我々にとってとても大きいんだ」と称賛する。
21アシストはシクサーズの球団記録で、ウィルト・チェンバレンとモー・ハークスに並んだ。試合後の会見で「勝因は後半にディフェンスが良くなったことだ」と、自分がリードしたオフェンスよりチームディフェンスを話題にしたハーデンだが、この記録については「その質問を待っていたんだ」と笑顔を見せ、「レイアップとかイージーシュートをミスしたチームメートに腹が立つよ」とジョークを飛ばした。
「チークスはサンダー時代に僕のコーチだった。ウィルトはあらゆる記録を持っている選手だ。最高のバスケ選手と一緒に語られるのは本当に幸せなことだよ。できれば、その記録を抜いてみたい」
ハーデンは慣れ親しんだロケッツを離れてネッツに移籍するも、チームの将来性を信じられずにシクサーズにやって来た。ネッツは苦しい状況を抜け出して8連勝中と、今NBAで最も調子の良いチームとなっているが、シクサーズも7連勝と負けてはいない。大混戦の東カンファレンスでシクサーズが抜け出すには、ハーデンの活躍が欠かせない。