文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

ミスマッチを生かして大量リードを奪った大阪

10勝9敗で西地区3位の大阪エヴェッサと2勝17敗で中地区最下位に沈む富山グラウジーズが対戦した。

前半はオン・ザ・コート「2-1-2-1」の大阪が「1-2-1-2」の富山に対し、高さのアドバンテージを存分に発揮した。

大阪のエグゼビア・ギブソンが210cm、ジョシュ・ハレルソンが208cmに対し、富山はサム・ウィラードが205cm、嶋田基志が197cmで、必ずミスマッチが生まれる。大阪はそこを起点にオフェンスを展開。インサイドを起点にすることでアウトサイドシュートも高確率で決まっていく。

富山はギブソンとハレルソンの単純だが強力な1on1を止められない。インサイドを攻められず、外からのシュート一辺倒となりシュート成功率が上がってこない。こうして大阪が第1クォーターを29-11とし、大量リードを奪った。

第2クォーターは、オン・ザ・コート数が逆転。富山は宇都直輝を投入しテンポを上げる。宇都はこのクォーターで6得点を奪い流れを作ったが、それでもオン・ザ・コート「1」のハレルソンが3ポイントシュートを含む11得点をこのクォーターで決めて、大阪の優位は動かなかった。

46-29で始まった後半、大阪の相馬卓弥が故意にユニフォームを引っ張り、アンスポーツマンライクファウルをコールされると流れが富山に傾く。

そのファウルで得たフリースローを2本とも沈められ、リングへの積極的なアタックからディフェンスで後手になったところでウィラードにバスケット・カウントを許し0-9のランを受ける。富山は平面のバスケットで10点差まで戻し最終クォーターを迎えた。

連動した攻めで反撃する富山に立ちふさがるギブソン

富山は岡田優が中心となり、連動した流れの中でインサイドを攻め、6点差まで詰め寄る。しかし、ギブソンがパワーに頼らない、柔らかいタッチでペイントエリア付近のシュートを成功させていき点差を保ち続ける。

残り1分19秒、ギブソンのフリースローで83-73、第4クォーター開始時と同じ10点差に。富山は残り時間を考慮しファウルゲームへ持ち込むも、しっかり対応した大阪が85-79で勝利した。

大阪はハレルソンが25得点13リバウンド4ブロック、ギブソンが20得点を記録。2人の外国籍選手で総得点の半数以上を稼いだ。

桶谷大ヘッドコーチは「第1クォーターは気持ちが入ってて、良いディフェンスからチームのバスケットができた」と勝因を語った。それでも「第2クォーター、第3クォーター、第4クォーターとすべて負けていたのはチームとして不甲斐ない。プロとして勝敗にはこだわらなければいけませんが、プロだからこそもっとお客さんに喜んでもらえるようなパフォーマンスをしなければいけません」と満足はしていない。

富山は第1クォーター以外はまずまずのパフォーマンスで接戦を演じている。それだけのポテンシャルはあるものの、出だしに18点のビハインドを背負っては勝利するのは難しい。この「ムラ」をなくし、浮上のきっかけをつかみたいところだ。