ジミー・バトラー

写真=Getty Images

「可能な限り多くの勝利に貢献する」

11月13日、ティンバーウルブズからセブンティシクサーズにトレードされたジミー・バトラーの入団会見が行われた。今回のトレードでは、シクサーズがバトラーとジャスティン・パットン、ウルブズがロバート・コビントンとダリオ・シャリッチ、そして2022年のドラフト2巡目指名権を獲得した。

会見に出席したバトラーは、「興奮している」と語った。「この街の人たちは、努力し、全力で取り組む姿勢を好む。そこが良いところ。僕はこれまで、そうやってバスケットボールの才能を伸ばしてきた。自分は誰よりも才能に恵まれているわけでもないし、ベストシューターでも、誰よりも高く跳躍できるわけでもない。自分はハードにプレーしているだけ。練習場には誰よりも早く来て、多くの選手よりも遅くまで練習する。努力することをチームから求められているし、可能な限り多くの勝利に貢献することを期待されている。自分は骨を折るような努力が大好きなんだ。それは変わらない。むしろ、さらに努力するようになると思っている」

今回のトレードにより、シクサーズでは、バトラー、ジョエル・エンビード、ベン・シモンズのビッグ3が結成されることになった。GMのエルトン・ブランドは「優勝を狙える。チームの力を最大限に生かすことが重要だ。チームにとっては、優勝するためにスーパースター、それから若手を獲得することが重要だった。(バトラーの)ゴールは、フィラデルフィアが望む目標とマッチしている」と、述べた。

バトラーも、エンビード、シモンズとの共闘に興奮している様子で、「(ビッグ3の)響きが気に入っているよ」とコメント。そして、シクサーズでの目標を「優勝」と言い切った。

「もちろん、目標は優勝。そのために、みんながプレーしているんだ。これまでにプレーした選手たちだって、全員が優勝のためにやった」

今シーズン終了後、バトラーは契約最終年を破棄してフリーエージェントになれるプレーヤーオプションを保持している。ほぼ間違いなくオプションを行使すると見られ、来オフにはニックス、ネッツらキャップスペースに空きがあるチームが獲得に動く可能性が高い。それでも金銭面でどのチームよりも好条件を提示できるのはシクサーズで、他チームが4年1億4100万ドル(約160億円)のオファーになるところを、彼らは5年1億9000万ドル(約216億円)のマックス契約の提示が可能だ。

ブランドは、契約交渉に関しては明言を避けつつ、今シーズンの残り試合がバトラーを評価するためにあるのではないと話した。「彼の才能は理解しているので、チームのあらゆる部分にフィットしてもらいたい。もちろん彼はスーパースターだ。(契約交渉の)話し合いは視野に入れている。しかし、それは今ではない」

バトラーは、14日に敵地で行われるマジック戦でシクサーズデビューを飾り、16日のジャズ戦がホームデビュー戦になる予定。

ブルズ時代の後期、そしてウルブズでは、若い選手の取り組む姿勢に疑問を持ち、ロッカールーム内の秩序を乱したと言われるバトラーだが、勝利に対する欲が他者より強いことが災いし、悪い方向に進んでしまった。万が一にもエンビード、シモンズと折り合いが悪くなれば、このトレードは失敗同然。シクサーズの今シーズンを左右する刺激的な実験が、始まろうとしている。