渡邊雄太&八村塁

絶好調の渡邊は八村、ビール、ポルジンギスを止め、オフェンスでは14得点

11月4日に行われたウィザーズvsネッツは、開幕から2勝6敗と苦しみ、ヘッドコーチの退団にカイリー・アービングの出場停止とトラブル続きのネッツが奮起の好パフォーマンスを見せ、128-86と快勝を収めた。

試合序盤はホームのウィザーズが2試合連続で30得点超えと好調のクリスタプス・ポルジンギスを軸にした攻めで先手を取るも、第1クォーター終盤にネッツが逆転する。ここでは八村塁と渡邊雄太の日本人対決も実現した。2人ともベンチスタートとなったが、第1クォーター残り5分を切って八村が投入され、ドライブからマーキーフ・モリスをかわすフックシュートを決めて幸先良く得点を挙げる。残り2分で渡邊がコートに入ると、日本人プレーヤーによる直接のマッチアップに。ドライブで仕掛ける八村に渡邊が身体を寄せ、リングから遠ざけつつファンブルを誘う素晴らしいディフェンスを見せた。

渡邊が投入された時点でスコアは30-26だったが、渡邊の投入でディフェンスが締まったネッツはエースのケビン・デュラントが気を吐く。フリースローを3本連続で決めた後は、自分にダブルチームが来るのを待って渡邊のコーナースリーをアシスト。さらにはディフェンスを翻弄してのジャンプシュートとオフェンスを引っ張る。渡邊投入の前、まだビハインドを背負っていた残り6分から第1クォーター終了までにネッツは23-8のランで逆転しているが、デュラントはこの23得点すべてで得点かアシストを記録する大活躍だった。

第2クォーター最初のプレーも攻める八村と守る渡邊のマッチアップ。八村はコースを塞ぐ渡邊をスピンムーブでかわし、リバースレイアップに持ち込んだが、動きは良かったもののシュートはリングに嫌われて得点ならず。ネッツが10点前後のリードを守ったまま前半を終えた。

69-57で迎えた後半、ウィザーズは追い付こうとオフェンスに意識が向くが、これでもともと強くはないディフェンスが崩壊。簡単にズレを作られ、イージーシュート連発で点差を広げられていく。第3クォーターはブラッドリー・ビールがフル出場したにもかかわらず13-27とネッツにビッグクォーターを作られ、70-96と大差が付いたことで第4クォーターはビールもポルジンギスも出場せず。あっさりと勝敗が決まった。

第4クォーター序盤には、今度は攻める渡邊と守る八村のマッチアップが実現。ここは渡邊がアタックする進路を八村に塞がれ、ステップでかわそうとするもブロックで止められた。ただし八村はその後にベンチに退いている。

18分の出場で2得点2リバウンドと不完全燃焼に終わった八村に対し、ビールやポルジンギスが相手でも良いディフェンスを見せた渡邊の活躍は、両チームの主力が下がった終盤にも続いた。第4クォーター、デュラントがベンチに引き上げる前に最後に記録したのは渡邊へのこの試合2つ目のアシスト。右コーナーでオープンになった渡邊はこのシュートを決めると、主力が下がった後は得点も積極的に狙い始める。ポストアップを狙うパスを読んでのスティールからの速攻、味方のシュートがリングに嫌われたところを押し込むダンクと、いつもの『ディフェンス専任』とは違う姿を見せ、第4クォーターでチームトップの9得点を記録。試合を通じて24分の出場で14得点8リバウンド1スティール2ブロック、『日本人対決』で注目される試合でシーズンベストのパフォーマンスを見せた。

最終スコアは128-86、ネッツにとってはチーム周辺を取り巻く悪い雰囲気を払拭する大勝となった。ウィザーズはビールが20得点、カイル・クーズマが19得点を挙げたが、好調だったポルジンギスが止められ、セカンドユニットが揃って不調。八村だけでなくデニ・アブディヤ、ウィル・バートンも悪い流れを止められなかった。