シェーファー・アヴィ幸樹

昨シーズン最終節で敗れた川崎から連勝「しっかりリベンジできたのは大きいです」

シーホース三河は10月22日、アウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦した。主力選手のアンソニー・ローレンスⅡが欠場したが、日本人選手たちのステップアップによって穴を埋めると、最後までもつれる激闘を77-75で制している。

この試合、三河はダバンテ・ガードナーが19得点、西田優大が13得点とダブルエースがしっかりと役割を果たしたことに加え、シェーファー・アヴィ幸樹が3ポイントシュートを7本中4本成功させて14得点を挙げたことが勝敗を分かつ一つのポイントとなった。前日の敗戦からリベンジを狙い序盤から激しく仕掛けてくる川崎に対し、第1クォーターに4本中3本の3ポイントシュートを沈めたシェーファーの爆発は主導権を渡さない上で大きな意味を持った。

同一カード連勝となった三河は、開幕3連敗スタートから4勝4敗と勝利を5割に戻した。シェーファーは「ホッとしていますし、とにかくうれしいです」と安堵の表情を浮かべた。また、三河にとって川崎は、昨シーズンの最終節で連敗を喫しチャンピオンシップ出場を逃す原因となった因縁の相手だ。それだけに、この連勝は大きな意味を持つとシェーファーは続ける。

「リーグ屈指のチームである川崎さんに2連勝できたのはチームとしても自信にもなります。昨年の苦い思いがあるのでしっかりリベンジできたのは大きいです。それに開幕でかなりこけて、チームとしてまとまっていなかったのが、この2試合で一気にまとまれたと思います」

また、開幕直後と今のチームの変化をこのように見ている。「全員が勝ちに貪欲になったのが大きいです。川崎との2試合がどれだけ重要なのか全員が理解していました。これまでに比べると、試合の入りからみんなの気持ちが一つになって、コミュニケーションも良く取れていました」

日本代表の合宿招集に「最後のチャンスくらいの気持ちで臨もうと思います」

チームと同じく、シェーファー個人のパフォーマンスの質も上がっている。その代表的なものが3ポイントシュートで、開幕5試合で計7本中1本成功だったのが、今日を含めたここ3試合では17本中9本成功と高確率で沈め、3試合続けて2桁得点を記録している。

この大きな変化の背景に何があるのか。シェーファーは、ディフェンスで自分のやるべきことを遂行することで、オフェンスにも良いリズムが生まれていると考える。「開幕からチームの状況も良くない中で自分のプレーができていなかったので、空いていたら打つ。あとはリバウンド、ディフェンスをとにかくハードにすることを意識していたら良くなりました。自分はシュートを打てる力があると思っています。この2試合はシュートが良い形で入ってくれましたが、それ以上に僕としてはリバウンドなどでハードにやったことがシュートに返ってきたと思います」

また、シェーファーは自身の長距離砲に対してチームメートが信頼してくれていることに感謝している。「ローレンスとは昨シーズンから良いコンビになっていて、彼からのパスでシュートを結構打っていました。それが今年はあまりシュートを打てていなくて、彼に加え、他のチームメートからも『どんどん打っていい』と言われていました。この言葉は大きかったですね」

昨日、ワールドカップ2023アジア予選Window5に向けた直前合宿の参加メンバーが発表され、シェーファーも名を連ねた。トム・ホーバス体制になって以降、代表では本領発揮とならず出番が少ない状況が続いていただけに「呼ばれないかも、という不安はありました」と率直な思いを明かした。

その中で選出されたからこそ、合宿には崖っぷちにいるとの認識を持って臨む。「ホッとしていますし、楽しみな気持ちです。前回のWindowでは最終メンバーから外れているので、その中から選んでいただけたのは光栄です。最後のチャンスというくらいの気持ちで臨もうと思います」

代表合宿の前には水曜ゲームに天皇杯3次ラウンドと過密スケジュールが続くが、シェーファーはこう意気込みを語る。「迷いなくプレーして空いていたらシュートを打つ。持ち味であるディフェンスとリバウンドをとにかく徹底してやり続けます」

基本に立ち返り、今の良い流れをしっかりキープすることで、日本代表でも得意の3ポイントシュートやリバウンドで本領発揮してくれることに期待したい。