ジェフ・バズデリック

写真=Getty Images

喫緊の課題はカーメロ出場時の守備改善

今シーズンの優勝候補に挙げられているロケッツは、開幕スタートに失敗したものの、3連勝を記録し勝率5割復帰まであと1勝に迫っている。そのロケッツを救うため、昨シーズンまで2年間アシスタントコーチを務めたジェフ・バズデリックが復帰を決断。指揮官のマイク・ダントーニも、「彼が戻ってくれて良かった。彼との仕事を再開させたい」と『HousutonChronicle』に語り、胸を躍らせている。

昨シーズンのロケッツは、リーグ2位の平均得点(112.4)を記録したオフェンスと、リーグ6位タイの平均失点(103.9)だったディフェンスが噛み合い、球団記録の年間65勝をマークし、プレーオフでも王者ウォリアーズを追い詰めた。しかし、今オフに守備の要だったトレバー・アリーザとルーク・バー・ア・ムーテが退団し、トレーニングキャンプ直前には、守備の戦術を任されていたバズデリックが個人的な事情を理由に引退することを発表した。懸念された通り守備力は低下し、100ポゼッションあたりの平均失点はリーグ20位(110.1)に低迷している。

だが、3連勝した直近3試合では、100ポゼッションあたりの平均失点はリーグ6位(103.2)にまで改善。ディフェンシブ・コーディネーターとしてロケッツと新たに契約したバズデリックは、今月中にはチームに合流する予定で、本格的に守備改善に取り組む予定だ。

バズデリックが最初に改善させなければならない課題は、カーメロ・アンソニー出場時の守備だろう。もちろん、ロケッツの守備が機能していない原因の全てがカーメロにあるわけではない。だが、『ESPN』によれば、カーメロがプレーしている時間帯の100ポゼッションあたりの平均失点は113.9で、同選手がプレーしていない時間帯の100ポゼッションあたりの平均失点は98.6にまで下がる。この数字からも分かる通り、守備が機能していない要因の一つになっているのは明らかだ。

バズデリックの復帰だけで全てが解決するほど、ことは簡単ではないだろう。それでもようやく波に乗りつつあるチームにとって、追い風になることは間違いない。