「ブレイザーズの一員になることに本当に興奮している」
ジェレミー・グラントは今オフにピストンズからブレイザーズに移籍した。サンダーで頭角を現し、2019-20シーズンのナゲッツの躍進をオールラウンドな能力で支えた後に、フリーエージェントとなってピストンズと契約。そのピストンズではエースの役割を与えられ、22.3得点、19.2得点を記録したものの、2年で43勝111敗と再建段階にあるチームを浮上させることはできなかった。
ブレイザーズではデイミアン・リラードが絶対的なエースで、アンファニー・サイモンズも点の取れる選手。グラントはエースの重荷から解放され、本来のオールラウンダーとしてプレーすることができる。
スモールフォワードあるいはパワーフォワードとして、攻守両面でのフル回転が彼に求められる役割だ。運動能力の高さとウイングスパンを生かし、ガード相手に守ることもできればリムプロテクト能力も高い。そしてピストンズで身に着けた、多少強引にでも得点を狙いに行くスタイルは、彼のオールラウンドな能力を一段階上へと引き上げた。
「僕はキャリアの中で様々な異なる役割を演じてきた。ピストンズではリーダーとして大きく成長できたと思っている。このチームでは役割はまた変わるだろうけど、チームを引っ張るエネルギーとメンタリティは同じで行きたいと思っている」
指揮官チャウンシー・ビラップスは「コートのどの場所でも機能する選手」と、リラードは「サイズと運動能力のあるオールラウンダーだけど、スキルもすごい」と、そしてユスフ・ヌルキッチは「ものすごくパスを合わせやすい。レイアップもダンクもすごく楽だ」と、加入したばかりのグラントの能力を絶賛している。
グラントは「新しいチームに慣れるのは簡単じゃないけど、僕は何度も経験してきたから大丈夫。経験は最高の教師なんだ」と言う。
それは彼が様々なチームを渡り歩いてきたからだけでなく、ブレイザーズに馴染みがあるからでもある。彼の父、ハーベイ・グラントは元NBA選手で、1993年から96年までブレイザーズでプレーしており、ジェレミーはその時にポートランドで生まれている。
「選手としてここに戻って来たことは、何か運命的なものを感じるよ。父がプレーした街、僕が生まれた街、そしてずっと僕らが住んでいる街でプレーできること、ブレイザーズの一員になることに本当に興奮している」
ブレイザーズは長らくリラードとコンビを組んできたCJ・マッカラムを放出し、リラードもトレードして再建に向かうのではないかと噂されたが、リラードを治療に専念させた昨シーズンに若手に経験を積ませ、グラントという多彩なバイプレーヤーを獲得した。西カンファレンスの強豪に返り咲き、32歳になったリラードとともに優勝を再び狙う体制は整った。