女子日本代表

文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

第3クォーターの勝負どころを見逃さず19-0のラン

インドで開催されているU18女子アジア選手権。バスケットボール女子U18日本代表はニュージーランドとマレーシアに快勝し、グループリーグ最終節で中国と対戦した。

立ち上がりは先行しながらも、相手の高さと強さに押されて41-45とビハインドを背負い前半を折り返す。それでも第3クォーター残り7分を切ったところで今野紀花が1on1からレイアップを沈め、直後に竹原レイラ、今野が立て続けに速攻を決めると、中国が崩れる。受け身に回った中国に対し、日本はアグレッシブなディフェンスから良い攻めへと繋いだ。

今野が再び1on1を仕掛けてバスケット・カウントの3点プレーで56-56の同点に追い付く。中国もここが勝負どころとディフェンスの強度を高めてしばし拮抗するが、今野がドライブに行くと見せかけて今度は奥山理々嘉に好アシスト。奥山が接触を受けながらもゴール下のシュートを沈め、ボーナススローも決めて逆転に成功する。

坂本雅が中国ディフェンスの間隙を突くプルアップ・ジャンパーを決め、続くポゼッションでは自らレイアップまで持ち込みバスケット・カウントをもぎ取る。チームファウルが5に達し、強く当たれなくなった中国を攻め立て得点を重ねた日本は、今野のレイアップから5分以上を無失点で乗り切る19-0のランで68-56と一気に大量リードを奪った。

女子日本代表

A代表の強化合宿にも参加した今野、成長を示す

第4クォーターも試合をコントロールして、中国にイージーな得点を与えないことで2桁前後のリードを保ったまま時計を進める。残り3分、東藤なな子のスティールから速い展開に持ち込み、竹原の得点で88-75とリードを広げると、もう中国に追いかける力は残っていなかった。

最終スコア94-79で日本が完勝。高さのある中国にリバウンドで劣勢を強いられながらも、アグレッシブな守備から12スティールを稼ぎ、相手のターンオーバーを確実に得点へと繋ぐ効率の良さで上回った。エース今野はゲームハイの19得点。この春、奥山とともに高校生ながらA代表の合宿にも参加した今野は、大きなステップアップを示している。

これで日本は全勝でグループリーグを突破。準決勝進出を決めるとともに、上位4チームに与えられる来年のU19ワールドカップへの出場権を獲得した。準決勝は11月2日に行われる。