文=鈴木健一郎 写真=FIBA.com

相手のエースを封じ、素早いオフェンスでリベンジに成功

『FIBA ASIA U-18選手権』準決勝、予選ラウンドを3位で通過した日本は、韓国と対戦した。韓国は予選ラウンド3戦目に対戦し、64-70で敗れた相手。若きAKATSUKI FIVEは、その韓国のバスケットボールへの対策を練り、40分間実行した。

立ち上がりこそ韓国の運動量に圧倒され、受け身に回ってリードを許した日本。第1クォーター残り2分23秒の時点で6-13と突き放されかかるが、そこから9-0のランを展開する。馬瓜ステファニーのステップバック・ジャンパーが反撃のきっかけとなり、栗林未和がゴール下で強さを生かし逆転に成功した。

これで流れに乗った日本は、積極的なディフェンスから素早いオフェンスを展開。第2クォーター終盤には山本麻衣の3ポイントシュートで27-19までリードを広げる。しかし韓国もここから反撃。195cmの高さを誇るエース、パク・ジスの強引な攻めで連続5得点を奪われて27-24と1ポゼッション差に。それでも最後はオフェンスリバウンドを奪ってのセカンドチャンスから、栗原がゴール下でパクをかわしてレイアップを沈め、31-24と再び突き放して前半を折り返す。

そして後半、韓国のキーマンであるパクのマークをさらに厳しくし、ペイントエリアに容易に入れさせない。前半だけで14得点を許したパクを、第3クォーターは4点、そして第4クォーターは無得点に抑え込んだことで、韓国にリズムを作らせなかった。

そして前から激しく当たりに来る韓国のディフェンスをくぐり抜けて素早いオフェンスを展開。シュートの確率はなかなか上がらなかったが、10点前後のリードをキープしながら時計を進めていく。

日本の強みであるスピードとスタミナを生かす

第4クォーターに入ると、韓国がスタミナ切れで運動量を落とす。ここを見逃さず、日本は攻守ともに積極性をさらに強めて試合を決めに行く。赤穂ひまわりと馬瓜はリバウンドと得点の両方で安定したパフォーマンスを発揮。粟津雪乃も少ないプレータイムながら貴重な得点を次々と決めた。

54-39と15点リードした残り3分41秒、8秒バイオレーションを犯した韓国がタイムアウト。悪い流れをここで断ち切り、逆転に向けた勝負に出たいところだが、直後のプレーで山本が強引にドライブで持ち込みレイアップを決めて56-39。これで勝負アリ。

その後も粟津の3ポイントシュートが決まる一方で、韓国はイージーシュートも落としてしまう悪い流れ。残り3秒で藤永真悠子がレイアップを決めて、63-41で勝利を決めた。

キャプテンの馬瓜は14得点14リバウンドのダブル・ダブル。粟津が11得点、栗林が10得点、山本が9得点。赤穂は11リバウンドを記録した。

韓国のエース、パクは18得点14リバウンド5アシストと、すべてでゲームハイを記録したものの勝利には届かず。パクはフィールドゴール15本中7本を決めたが、エースを除くフィールドゴール率は47本中10本の21.2%と振るわなかった。

日本の強みであるスピードとスタミナを生かして韓国にリベンジ。6大会連続となる決勝進出を果たすとともに、今大会の上位3チームに与えられる、来年7月にイタリアで開催される『U-19世界選手権』への出場権を確保した。

決勝は明日行われる。