ケビン・デュラント

ネッツGM「我々のパートナーシップを継続させることで合意した」

ケビン・デュラントのトレード要求は、これを撤回してのネッツ残留という結果に終わった。8月23日にネッツのショーン・マークスGMは声明を発表し、オーナーのジョー・ツァイ同席の上でデュラントと代理人と面談し、「我々のパートナーシップを継続させることで合意した」としている。

6月30日のトレード要求から8週間、この間にはトレード交渉が進まないことにフラストレーションを溜めたデュラントから「自分を取るか、ヘッドコーチとGMを取るか」との要求もあった。

サンズやヒート、セルティックスがオファーを出すも、ネッツは要求を引き下げることなく交渉はまとまらない。デュラントがトレード要求を取り下げたことは、結果としてマークスGMの『粘り勝ち』だろう。

昨年夏に4年間の契約延長を結んだばかりのデュラントのトレード要求には無理があり、ネッツがスター選手のわがままに屈する必要はなかった。ただ、問題がこれで終わったかどうかは怪しいものだ。感情的なしこりは関係者全員に残るだろう。チームが上手く回っていれば良いが、調子が悪くなれば不協和音が出る。デュラント残留が決まったことでネッツは引き続き優勝候補となるが、他のチームより懸念すべき点は多い。

もともとデュラントがトレードを要求したきっかけは、仲の良いカイリー・アービングにネッツが契約延長をオファーしなかったからだと言われている。カイリーは契約最終年のプレーヤーオプションを行使して新シーズンもネッツでプレーするが、来年オフには契約が切れる。カイリーが起こしてきたトラブルの数々を考慮するに、ネッツには再契約の意図が薄いのだろう。今後の契約が決まっていなければ、どんな選手でも落ち着いてはプレーできないもの。カイリーはその立場に置かれるし、デュラントもそのことでストレスを感じるはずだ。

そんなネッツが空中分解しないためには、勝ち続けるしかない。勝てばチームの結束力は増し、余計な雑音も入ってこないもの。シモンズは1シーズンのブランク明け、カイリーはワクチン接種問題を残し、ジョー・ハリスを始め複数の主力がケガからの復帰と、スタートダッシュを決めるには課題となる点が多いが、それでもシーズン序盤から勝つことで『行ける』という雰囲気を作り出すことがネッツには必要だ。

デュラントから一度は『NO』を突き付けられた指揮官スティーブ・ナッシュには、ただでさえ難しいチームの舵取りに余計な思惑も加わる。デュラント自身もトレード騒動で騒がせた分、心機一転エースとして結果を出さなければならない。プレッシャーは大きいが、それをプラスの方向に持っていけるか。開幕までにどんな準備ができるかが、ネッツの明暗を分ける。