『勝利の鬼』と化したコービー・ブライアント
1997-98シーズンのマイケル・ジョーダンとブルズに密着したドキュメンタリー作品、『The Last Dance』は大きな話題を呼んだ。今年配信された『HUSTLE』も、ヨーロッパからNBAへのアメリカンドリームに挑む主人公に立ちはだかるライバルをアンソニー・エドワーズ(ティンバーウルブズ)が名演し、他にも多くのNBA選手や関係者が出演してヒット作となった。
そのNETFLIXから、2008年の北京オリンピックを戦った男子アメリカ代表のドキュメンタリー作品が10月7日に配信されることが発表された。
タイトルは『The Redeem Team』。国際オリンピック委員会が運営するスタジオとNETFLIXの初のコラボレーションであり、プロデュース陣にはドウェイン・ウェイドが名を連ねている。
『リディームチーム』とは、銅メダルに終わった2004年大会からの名誉挽回を目指して結成された、当時の最強メンバーによるアメリカ代表のこと。2004年の失敗を受けて代表をマネジメントするようになったジェリー・コランジェロ、ヘッドコーチを任された『コーチK』ことマイク・シャシェフスキーの下に集まったのは、レブロン・ジェームズとウェイド、カーメロ・アンソニー、クリス・ボッシュ、ドワイト・ハワード、クリス・ポール、ジェイソン・キッド、デロン・ウィリアムズ、テイショーン・プリンス、カルロス・ブーザー、マイケル・レッドという超豪華な顔ぶれ。
注目すべきは『リディームチーム』の中心的存在だったコービー・ブライアントだ。当時すでにNBAのトッププレーヤーだった彼は、そのキャリアを通じてそうだったように『勝つこと』にすべての意識を向け、『勝利の鬼』と化した。複数の言語を操る彼は、対戦相手の言語を用いて挑発し、相手のスタープレーヤーのマークを買って出て徹底的に叩き潰した。
2020年に事故死したコービーのスタープレーヤーとしての記憶は色褪せないが、本作ではこれまで国際オリンピック委員会が撮影して未公開だった映像が多数出てくるはず。チームUSAに威信を取り戻した『コービーと仲間たち』の喜怒哀楽すべてが詰まったものになるであろう作品の配信が楽しみだ。