ドノバン・ミッチェル

写真=Getty Images

2年目の重圧を作ったのは、他者ではなく自分

開幕からパフォーマンスが安定せず、『2年目の壁』に直面していたジャズのドノバン・ミッチェルが、スランプ克服のきっかけを掴んだ。10月24日にトヨタ・センターで行なわれたロケッツ戦で、38得点5リバウンド7アシストを記録し、100-89での勝利に貢献。試合後ミッチェルは、今シーズン開幕から悩んでいたことを告白した。

「あまり眠れていなかった。ここ何試合かの不調は、自分で自分にプレッシャーをかけていたようなところがあった」と語り始めたミッチェルは、「今日は、オープンなチームメートを探すことだけを考えて試合に臨んだ。昨シーズンのプレーオフでは考え過ぎてしまって、正しいプレーができないことがあった。でも今日は、試合序盤に相手のプレーを的確に読めて、少し楽になった。いつも自分にプレッシャーをかけていた。昨シーズンの開幕もそうだったけれど、パーフェクトになろうとしていた。でも、それは不可能だから」と、続けた。

スランプの原因になった重圧は、周囲の期待から生まれたものではなく、自分が作り出したものだった。ロケッツ戦では、何かが吹っ切れたようにアタックし、キャリアトップ3の得点をマーク。オフから磨きをかけてきたパスでも納得のいくプレーができたが、ミッチェルはパフォーマンスを安定させる必要があると考えている。

フィールドゴール25本中14本を成功させたミッチェルだが「悪いシュートを何本か打ってしまった」と、問題点を指摘。「急ぎ過ぎてしまって、エアーボールになってしまった酷いシュートもあった。第4クォーターには、深いところまで攻め過ぎてターンオーバーになった場面もあったし、フリースローを2本外してしまった。ユーロステップからのレイアップをミスした場面もあった。今は、こういうところを気にしている。昨シーズンだったら、『まぁ良かったよね』と考えていたかもしれないけれど、今は『もう終わった試合なんだ。次の試合に切り替えて進まないといけない』という感じかな。今は、勝っても負けても、『これは単なる1試合』と言うだろうね」

またミッチェルは、「次の試合では、これまでのような自分に戻ってしまうかもしれない。でもね、自分を信頼してくれるチームメートのおかげで、楽にやれている」とチームメートへの感謝を語った。

後々、この日のロケッツ戦は、ミッチェルが2年目のスランプを克服し、選手として一段上のレベルに成長するきっかけになった試合と言われるようになるかもしれない。ともかく、苦しみから解放されたミッチェルは、精神的にも逞しくなった。重圧から解き放たれたミッチェルのプレーがどう変わるのか、まだ始まったばかりの2シーズン目が、より楽しみになった。