ステフィン・カリー

同じような経験を経てステップアップした両チーム

現地5月1日からNBAプレーオフカンファレンスセミファイナルがスタートする。3年ぶりにプレーオフに帰ってきたウォリアーズは、セミファイナルで新鋭のグリズリーズとの対戦が待ち受けている。

ジャ・モラント、デズモンド・ベイン、ディロン・ブルックス、ジャレン・ジャクソンJr.ら伸び盛りの選手が中心のグリズリーズの勢いは、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンが揃った2012-13シーズン当時のウォリアーズと比較されている。

当時のウォリアーズは2012-13、2013-14シーズンのプレーオフで苦い敗退を経験したが、14-15シーズンに優勝すると、そこから5年連続のNBAファイナル進出、そして3回の優勝を達成して黄金期を形成した。

メンフィスで行われるシリーズ第1戦前日の会見に出席したカリーは、当時のチームと今シーズンのグリズリーズの比較について聞かれた際「それぞれ異なる道を歩むわけで、比較するのは難しいけど」と前置きした上でこう答えた。

「若いコアが次のステップに進もうとしているという点では、彼らはプレーオフシリーズに勝利して、レギュラーシーズンとプレーオフとのインテンシティの違い、プレーを実行することの大切さ、集中することの重要性を理解したと思う。どのシリーズも、1試合ごとに異なる。自分たちも、スパーズとのセカンドラウンド(2013年)がチャレンジで、良いプレーもできたけど勝てなかった。翌年は(ファーストラウンドで)クリッパーズに第7戦で負けた。そして自分たちにとって初めての優勝に繋がったんだ。だから、当時の3年間で多くを学んだ。きっと今のグリズリーズも同じように学ぶのだろうね。ただ、あまり多くを学習してもらいたくはないかな」

今シーズンのプレーオフが開幕してから100ポゼッションあたりの平均得点でリーグ1位の121.9得点を記録しているウォリアーズが、被ターンオーバーで同1位の17.7を記録しているグリズリーズの守備を打破できるかが今シリーズのポイントになる。グリズリーズのターンオーバートラップ対策を聞かれたカリーは「相手の守備の傾向を理解しないといけない」と答えた。

「過去に対戦した試合も、ティンバーウルブズとのシリーズも見直さないといけない。どうやってオフェンスを組み立てるかをしっかり考えないといけないね。完璧なプレーはできないだろうから、どうしたって試合の中でターンオーバーは生じてしまう。相手にトランジションからの得点機会を与えてしまうことになるから、ターンオーバーには気をつけないといけない。特にロードでの試合では、ターンオーバーが勝負の分かれ目になりかねないし、相手に流れを与えてしまいかねない。どういうタイプのターンオーバーなのか、そしてターンオーバーを記録してしまうタイミングも重要」

厳しいプレーオフシリーズを経てステップアップしたウォリアーズと、まさに今その経験を積んでいるグリズリーズとのシリーズは、好勝負必至だ。