富樫勇樹

指揮官「フィジカルの部分で負けてしまったところが敗因だと思います」

千葉ジェッツは4月27日、敵地に乗り込んで川崎ブレイブサンダースと対戦。内と外のバランスが取れた川崎オフェンスを食い止めることができず77-92で敗れた。

千葉は第1クォーター、川崎にミスマッチをうまく作り出されて高確率でシュートを決められ3-16と出遅れてしまう。その後、3ポイントシュート13本中7本成功の富樫勇樹の活躍などで反撃し、前半終了時点で1点差にまで詰め寄った。しかし、後半に入ると再び川崎のペースで試合が進み、第4クォーターに11-20と差をつけられ及ばなかった。

千葉の大野篤史ヘッドコーチは、試合をこう振り返る。「川崎さんにジャンプスタートされて、巻き返すことができた時間帯もありました。ただ、多くの時間帯でフィジカルの部分で負けてしまったところが敗因だと思います。これからチャンピオンシップに向けてこういった試合が続いていくと思うので、負けないようにしっかり準備していきたいです」

大黒柱の富樫も「準備していたものが出せた部分はありましたが、やられてしまった部分が多かったです。負けてしまいましたが、こういう強いチームと対戦できることはチャンピオンシップに向けてチームとして準備する上で大切になります」と内容について語る。

川崎の佐藤賢次ヘッドコーチが「一番のキープレーヤーとして意識しています。フィジカルの強いインサイドアタックが当たりだすと、外も当たり出します。一番ディフェンスの良い選手をつけて守りました」と明かしたように、千葉は徹底マークを受けたジョシュ・ダンカンが2得点に終わったことも響いてペイント内での得点が伸びなかった。

富樫勇樹

富樫勇樹「チームとしての動きがないと、川崎さんのようなチームには勝てない」

個人としては22得点7アシストと見事な数字を残した富樫も、チームとしてもっとボールシェアして攻めるべきだったと語る。「チームとしてリズムが取れない中、なんとか繋いで後半にという思いでプレーしていました。3ポイントシュートは入りましたが、もうちょっといろいろなところでボールを散らすことができました。もっとチームとして動きがないと、川崎さんのようなチームには勝てないと思います」

東地区優勝に向けマジック4の千葉だが、一方で残りのスケジュールは明日から宇都宮ブレックスと2試合、5月4日に琉球ゴールデンキングス、7日と8日はサンロッカーズ渋谷とタフな相手が続く。しかし、富樫はチームのさらなる成長にとっては良いこととポジティブにとらえている。

「東地区の優勝がかかっているのでもちろん負けられない試合が続きます。たまたまだと思いますが、昨シーズンも同じで強豪との対戦が続き、インテンシティの高い試合をすることはチャンピオンシップに向けた良い準備になる。さらに勝つことで勢いをつけて臨めます」

千葉にとって目標はリーグ連覇で、地区優勝は通過点の一つに過ぎないだろう。だが、地区タイトルの獲得は結果として連覇に向け万全の状態でチャンピオンシップを迎えられることを意味する。だからこそ、レギュラーシーズンをどんな形で終えられるのか興味深い。