ケビン・デュラント

「ウチの力が不十分だとは思っていない」

シーズン開幕前の予想では、ネッツは東カンファレンスの首位争いに加わると見られていた。

ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームズ・ハーデンの『ビッグ3』による初のフルシーズンに期待が高まったものの、新型コロナウイルスのワクチンを接種しないアービングの出場が認められず、デュラントも負傷により離脱し、そのシナリオは崩れた。

ニューヨーク市の規則によりアービングのホームゲーム出場が認められなかったシーズン序盤こそ、ネッツはデュラントの活躍で上位争いに加わっていた。ところが今年の1月になってデュラントが左膝の内側側副靱帯挫傷により離脱すると、チームの風向きも大きく変わり始めた。

平均30.1得点、7.3リバウンド、6.1アシストを挙げるデュラントが欠場していた間、チームは5勝16敗と苦しんだ。アービングは敵地での試合のみプレーできるようになったが、それでは十分とは言えず、もう一人の柱だったハーデンもベン・シモンズと交換でセブンティシクサーズにトレードされ、『ビッグ3』時代はわずか1年で終わった。

優勝候補とまで見られていたネッツが、レギュラーシーズン最終盤をプレーイン・トーナメント最後の枠である東の10位で迎えるなど、誰も想像していなかっただろう。

デュラントは「チームが脱線してしまったのは、自分のケガのせい」と語る。「だから、ウチの力が不十分だとは思っていない。カイリーと僕が抜けていた時期があって、継続性を保てなかった。それが原因だ。チーム全員が揃っていれば良いプレーができていると思う」

最終的に何位でプレーイン・トーナメントに臨むことになるかは分からないが、対戦する可能性があるキャバリアーズ、ホークス、ホーネッツはいずれも簡単な相手ではない。仮に9位か10位でシーズンを終えれば一発勝負となるため、より厳しい戦いになる。

低迷理由を「自分のケガ」と断言したデュラントだが、順位を落とした責任はチームの全員にある。残り4試合、そしてプレーイン・トーナメントでどういう結果になるのか、シーズン前とは違う意味でネッツに注目が集まる。