日本人選手最長となる33分50秒の出場
3月19日、レバンガ北海道は敵地で宇都宮ブレックスと対戦。終了間際に同点に追いつきオーバータイムに持ち込むと、橋本竜馬が値千金となる連続3ポイントシュート成功、さらに本日32得点と大暴れだったデモン・ブルックスの活躍で98-89と激闘を制した。
連敗を6で止めた北海道の佐古賢一ヘッドコーチは「1試合を通じて、ずっと追う展開でした。そこでしっかり選手たちが第1クォーターから最後まで食らいついた。それが形になったゲームだったと思います」と粘り勝ちを強調する。
そして17-8とオフェンスが爆発したオーバータイムは、積極性が功を奏したと続ける。「ここ最近の試合では、我々としては珍しく3ポイントシュートが入りました。オーバータイムは短い時間なので、先手を取るのが重要と選手たちに伝えました。その通り、強気で打ってくれたシュートが良い形に繋がったと思います」
冒頭で触れたブルックス、橋本に加え、北海道では寺園脩斗が15得点、葛原大智が11得点とインパクトを与えた。また、5得点とオフェンスは不発に終わったが、山口颯斗が33分50秒の出場で8リバウンドを記録するなど、ディフェンスでのハードワークで勝利に貢献したのも大きかった。
「今日は第1クォーターに自分たちのディフェンスができて失点を減らすことができたのが勝てた一番の要因だと思います。その中でもデモン選手が、攻守に加え、メンタル面でもチームを引っ張ってくれたことで、この結果になったと思いました」
こう試合を総括した山口だが、栃木県出身の彼にとって、地元での試合はレギュラーシーズンの1試合以上の重みがあった。筑波大時代、3年生のシーズン終了後、宇都宮に特別指定選手で在籍していたが、その時に公式戦でプレーすることはなく、昨シーズン途中に北海道の特別指定選手としてプレーしていたが、宇都宮での試合はなかった。
「スタメンの映像紹介を見た時には鳥肌が立ちました」
彼にとって今日は、ブレックスアリーナで初のゲームで「簡単にいうと特別なものでした」と思いを語った。「自分がバスケットを初めてすぐくらいにブレックスができました。小さい頃はブレックスの前座試合、モッパーとかでコートに立つのを目標にバスケットをやっていました。学生の時はずっとブレックスを見ていました。試合前、スタメンの映像紹介を見た時には鳥肌が立ちました。これまでの努力が実ってやっとコートに立てると感じました」
この記念すべき試合、持ち前の得点力は発揮できなかったが、勝利をもたらすプレーを披露した。「最後、負けたら戦犯となってしまうターンオーバーが続いたのは悔しいです。得点面は、自分が欲しいタイミングでボールがもらえなかったですが、チームシステムがあるのであまりに気にしていないです。ディフェンス、リバウンドは本当に意識して臨めたのでそこは本当に良かったと思います」
そしてルーキーの奮闘ぶりについて佐古ヘッドコーチも次のように称える。「山口選手は日本人の中では一番長くコートに立ってもらいました。今日はアウトサイドシュートのところよりディフェンス、リバウンドで良い働きをしてくれたと思います。若い選手が最後のフィニッシュに絡んでタフな試合を勝ち抜くのは重要なことです。良いパフォーマンスをして、良い経験ができたと思います」
小さい頃からあこがれていたコートにプロバスケットボール選手として立ち、勝利をつかむ。そして指揮官が言及したように、これからの成長の糧となる貴重な経験を積むこともできた。山口にとって、今日は記録に残る試合になったはずだ。そして明日は、持ち味のオフェンス面でも本領を発揮し、チームを連勝へと導くことが期待される。
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