好調の要因に『コミュニケーション』と『ディフェンス』を挙げる
名古屋ダイヤモンドドルフィンズは週末のレバンガ北海道戦を2連勝で終えた。第1戦は第1クォーターこそ大量失点を許したが、第2クォーター以降はゲームを立て直し、90-60で完勝した。
しかし、第2戦は一時19点ものリードを奪ったが第3クォーター終盤にリズムを乱し、後半のオフィシャルタイムアウトの時点で4点差にまで詰められた。昨シーズンの名古屋Dだったら、そのまま相手の勢いに飲まれるケースも少なくはなかったが、この第2戦では勝負どころで集中し直して最終スコア89-77で勝利した。このように今シーズンの名古屋Dは踏ん張りどころで耐え、勝利をつかみとるチームになっている。
齋藤も「第3クォーターのところでかなり苦しい時間帯がありましたが、選手同士でも、コーチともしっかりコミュニケーションが取れていたので、そういうタフな時間帯を乗り越えられて勝てたのはすごく良かったです」と手応えを語る。
名古屋Dは開幕序盤こそ3連敗を喫したが、直近10試合での戦績を9勝1敗とし、シーズンを通しても20勝8敗で西地区2位につけている。まだシーズン半ばとはいえ、今までとは明らかに違う。齋藤は昨シーズンまでとの違いに『コミュニケーション』と『ディフェンス』を挙げた。
先にも書いたように、北海道との第2戦の苦しい時間帯を乗り越えた要因を「コミュニケーションを取れたから」としており、「(ショーン)デニスコーチがそういうチーム作りを上手くしてくれている」と齋藤は言う。「フリースローの時にすぐにハドルを組んだり、そういう些細なコミュニケーションだけでもかなりチームの士気が上がったり、ケミストリー自体もすごく上がると思います。そこがチーム力として、シーズンが長くなればなるほど高まっているので、その部分では昨シーズンよりもかなり実感しています」
そして、もう一つが『ディフェンス』だ。名古屋Dは1試合あたりの平均得点でB1首位となる90.3得点を記録している。昨シーズンもトランジションからの速いバスケットを目指していたが、今シーズンは速いバスケットに加えて、ディフェンスが大きく異なるという。この北海道戦でも名古屋Dはゾーン、マンツーマン、オールコートでのマンツーマンやゾーン、そしてトラップを仕掛けたりと、いろいろなディフェンスを織り交ぜて相手にオフェンスのペースをつかませなかった。
そのため「相手の打ちたいショットじゃないショットを打たせて、そこからリバウンドで自動的にポゼッション数が増えている」と、ディフェンスが機能していることが得点数を伸ばしていると齋藤は語る。実際に、Bリーグ開幕2シーズン目以降の名古屋Dは平均リウバウンド数が36本台だったが、今シーズンは38.0リバウンドと向上しているのが数字にも表れている。
「自分たちがどうすれば勝てるのかという手応えは取れてきています」
試合を重ねるごとにチームケミストリーを高めて結果を残している名古屋Dだが、齋藤自身は「夏から練習してきてシステム的にかなり難しい部分も感じていたので、時間はかかるだろうなと個人的にはすごく思っていました」と明かす。それでも「思いのほか、フィットしてきたのが早いのかなと感じています」と続け、手応えを語った。
「思い返せばシーズン開幕の頃は連敗だったり、1勝1敗が続いたりして、ものすごくもったいないなとは思っていました。ただ、今の自分たちと比べると当然の結果だなと受け入れられるので、シーズン前半のうちに自分たちがどうすれば勝てるのかという手応えは取れてきています」
この良いリズムを繋げられるかがシーズン後半戦を戦う上での大きなポイントとなる。齋藤は言う。「シーズンが長くなればなるほど、苦しい時間帯や強豪との戦いが続いて苦しい時期もあると思います。上手く勝てないとか後半が上手くいかないとか、いろいろと乗り越えないといけない壁はあると思うけど、長くなればなるほどケミストリーを高めていけるチームだと思うし、それぐらいのメンバーがいるのでもっともっと高めていけたらと思います」
「そうしたらシーズン後半でもタフな部分は乗り越えられるチームになると思うので、僕はそこを含めてすごく楽しみです」
名古屋Dは次戦の水曜ナイトゲームでアルバルク東京、その次が宇都宮ブレックス、そして3月には千葉ジェッツと東地区の強豪との対戦が控えている。シーズン前半戦の良いリズムを維持して、後半戦ではどんな戦いを見せてくれるのか期待したい。
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