杉浦佑成

第3クォーターで8得点、守備では第4クォーターの11失点に貢献

2月15日、仙台89ERSはホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。第4クォーターにわずか11失点と、ここ一番での堅守が光った仙台が83-74で難敵を撃破し、前日のゲーム1で敗れた雪辱を果たした。

試合の出だし、仙台は積極的なアタックからズレを作ると、第1クォーターだけで3本の3ポイントシュートを決めた渡辺翔太の活躍もあって先手を奪う。しかし、名古屋Dもすぐに大黒柱の齋藤拓実が連続で長距離砲を沈めて悪い流れを切る。そして第2クォーターに入ると、名古屋Dのプレスディフェンスによってボール運びに苦しむことで、オフェンスのリズムを崩し逆転されてハーフタイムを迎える。

後半に入っても仙台は名古屋Dの前から激しく当たるディフェンスにパスが思うように通らず、劣勢の展開が続いていく。だが、この苦しい時間帯に杉浦佑成、荒谷裕秀の得点によって食らいついていく。そして、相手にオフェンスリバウンドを取られても粘り強いディフェンスを続けて得点を与えないことで我慢の時間帯を耐え切ると、トランジションからゴール下の得点を着実に重ねることで、第4クォーター残り5分で7点のリードを奪った。そして仙台は最後まで強度の高いプレーを続け、第4クォーターで相手のフィールドゴールを22本中4本成功と抑え込むことで勝ち切った。

この試合、仙台はジャレット・カルバーが26得点7リバウンド5アシストとエースの役割をしっかりと果たした。そして後半にカルバーがベンチに下がった際、他のメンバーのステップアップによってオフェンスが停滞しなかったことも大きかった。特に杉浦は第3クォーターだけで3ポイントシュート連続成功を含む8得点をマークと、大きなインパクトを与えた。

また、第4クォーターで11失点に抑えた鍵となったのは、本来はシューティングガードである194cmのセルジオ・エル ダーウィッチをポイントガードに使うビッグラインナップがはまったこと。仙台の司令塔は通常、168cmの渡辺と171cmの岡島和真を併用しているが、エル ダーウィッチを起用することでオールスイッチでのディフェンスが可能となり、ミスマッチを突かれなくなった。196cmでウイングを守れる杉浦は、ダン・タシュニーヘッドコーチが信頼を寄せるディフェンス能力を生かし、ビッグラインナップに欠かせない存在として第4クォーターでは10分フル出場を果たした。

杉浦佑成

上位チームで主力としてプレーするやりがい「楽しいです」

このように攻守で大きな貢献を見せた杉浦は、「素直にうれしい気持ちです」と勝利の喜びを語ると、昨日のリベンジを果たせたことに安堵の表情を見せた。「(91-96で敗れた)昨日の試合、第4クォーターの僕の簡単なターンオーバーが勝敗の行方に大きく左右したと思っています。すごく悔しかったですし、なにかモヤモヤした気持ちがありましたが、昨日は昨日、今日は今日とうまく気持ちを切り替えられたことがよかったと思います」

第3クォーターの見事な連続得点については、「自分的には『パスをくれ!』みたいな思いがあり、シュートを打ちたい気持ちが強かったです。それが良い方向に働いてくれました」と振り返る。

ここまで1試合平均3.5得点の杉浦だが、今日を含めここ4試合の内、3試合で8得点をマークするなど最近は得点が増えている。この理由を杉浦はこう語る。「どうですかね。やっぱり序盤よりタッチが良くなっているのは大きいと思います。また、ウチにはすごい個の力を持った選手がいますけど、それ以外の選手も積極性をもたなければいけないと強く意識しています」

そして、タシュニーヘッドコーチが「(杉浦)佑成は、このリーグでも有数の日本人ディフェンダーに成長しつつあります」と評価する守備についての手応えを続ける。「ディフェンスで重要な役割を与えてもらっていることで自信がつきました。相手によってどこまでプレッシャーをかけていいか、どのタイミングでプレッシャーをかければ抜かれないといった自分の間合いを確立できてきていると思います」

現在30歳の杉浦は、これまでサンロッカーズ渋谷、島根スサノオマジック、滋賀レイクス、横浜ビー・コルセアーズに在籍し、各チームでローテーションの一員を担っていた。だが、ここまでチャンピオンシップの舞台に立ったことはない。それが今シーズン加入した新天地の仙台で主力の座をつかみ、自身初のポストシーズンを狙える位置でプレーできていることに、「そうですね。楽しいです。楽しいです。楽しいですね」と、楽しいを連呼し、充実のシーズンを送れていると強調する。

その上で、チームの目標でもあるチャンピオンシップ出場へ向け、「まだ道のりの途中で、受け身になったら達成できないです。オフェンス、ディフェンスともに受け身にならずにやっていきたい」と強気の姿勢を大切にする。

仙台がチーム初のチャンピオンシップ出場と新たな歴史を作るためには、今日のような杉浦の攻守に渡る貢献が引き続き必要だ。この大きな期待を寄せるに値する活躍を、ここまでの彼はしている。