スコッティ・バーンズ

RJ・バレットとのコンビ復活「コート上で共存できる」

ラプターズはホームでティンバーウルブズに110-105で勝利した。どちらもポイントガードが不在だったが、マイク・コンリーがケガで欠場したウルブズに対し、ラプターズはあえてポイントガードを起用しなかった。開幕から4試合プレーしただけで眼窩骨折のケガで戦線離脱していたスコッティ・バーンズの復帰に伴い、ラプターズはポイントガードのデイビオン・ミッチェルをベンチに回した。

イマニュエル・クイックリーが肘のケガで欠場している間はミッチェルが先発ポイントガードを務めていたが、彼はプレーメーカーではなくディフェンスのスペシャリスト。ラプターズを率いるダーコ・ラジャコビッチは「ピック&ロールや状況判断、チャンスメークといったポイントガードの役割を(RJ)バレットとバーンズで分担した」と話す。

典型的なプレーメーカーであるコンリー不在でウルブズのオフェンスは機能しなかったが、走れる選手が揃う持ち味を生かしたラプターズのオールコートバスケは機能した。「まずはディフェンスして、そこから走る意識が徹底できたのが良かった」とバーンズは言う。

バーンズは痛めた右目の保護のためにゴーグルを着用し、出場時間制限ありでプレーした。感触を確かめながらのプレーで、バレットにオフェンスの多くを託してはいたが、勝負どころの第4クォーターになるとギアを上げて9得点を記録。接戦を勝ちきる大きな力となった。

27分の出場で17得点6アシストを記録したバーンズは、「ゴーグルを着けているとプレーしづらいけど、まあ何とかやっているよ」と笑顔を見せた。まだ本来のインテンシティの高さ、爆発力は出せていないが、復帰初戦としては上々だ。「すごく良い感じでプレーできた。疲れを感じる場面もあったけど、これだけやれたのは良かった。僕をここまでの状態に押し上げてくれたトレーニングスタッフの頑張りに感謝したい」

ここまで孤軍奮闘でオフェンスを引っ張って来たバレットも、バーンズの復帰を大いに喜んでいる。「特別な選手が戻って来てくれてうれしい。彼がボールを持つとディフェンスの注意を引き付けられる。フロアスペースが変わり、僕はプレーしやすくなった。彼の復帰でみんなプレーしやすくなるよ」

ラプターズはここまで4勝12敗と勝てていないが、接戦を落とすことが多く、ここが改善できれば成績はもっと良くなる。バレットはチームの良い変化をこう語る。「負けた試合から学ぶんだ。接戦の時こそ自信を失ったりパニックになっちゃダメで、勝つために必要な小さなプレーに集中するんだ。泥臭くリバウンドを取る、ディフェンスを頑張る。簡単なことじゃないけど、今日は特に大事な場面でそれができた。だから勝てたんだ」

指揮官ラジャコビッチは「あの2人はコート上で共存できる。それに何より、2人が試合を引っ張るのを見ているのは楽しいよ。デイビオンは控えに回ったが、バックアップポイントガードとして活躍してくれた」と、選手起用がハマったことを選手たちの功績とした。ラプターズはバレットとバーンズのコンビを軸として再建の最中で、2人が揃う意味は大きい。