クレイ・トンプソン

「このチームの一員になるという判断は正しかった」

マーベリックスのプレシーズン2試合目、クレイ・トンプソンは移籍して初めて実戦でプレーした。「これほど緊張したのはルーキーイヤーのプレシーズンか、2015年のNBAファイナル以来だ」とクレイは言うが、その表情は笑っていた。

「コートに出て緊張がほぐれた後は、とても良い気分でプレーできた。ずっと同じチームでプレーしてきた僕が新しい環境に移るのだから、緊張するのは当然だと思う。でも、このユニフォームを着てプレーできて素晴らしい気分だ」

背番号『31』を着る彼の姿が奇妙に見えたとしても、いずれ馴染むだろう。第1クォーターはフリースローによる1得点しか挙げられなかったが、第2クォーターには『武器』である3ポイントシュートを4本中3本決めた。「一度ベンチに戻って呼吸を整え、もう一度プレーに集中するんだと自分に言い聞かせた。緊張はあったけどスムーズに動けていたし、1本決まればいつもの僕に戻ることができた」とクレイは言う。

ウォリアーズ以外のチームでプレーするのは初めての経験だし、アメリカン・エアラインズ・センターには何度も来ていても、ホームアリーナになったのは初めて。「正直、ここまであまり現実味を感じられずにいたけど、それもスタメン発表までだった。ファンの熱狂ぶりに刺激され、頑張らなきゃいけないという気持ちになれた」

3本の3ポイントシュート成功でオフェンス面での力を示したが、彼はディフェンスでもまた健在ぶりを示したいと強く願っている。「ルカ(ドンチッチ)やカイリー(アービング)のような選手がいれば、ボールを運んでオフェンスを組み立てる面で多くの負担を負う必要がない。その分は以前のようにディフェンスに戻るつもりだ。僕に以前のようなディフェンスができないという考えを払拭したい」

「僕はこれまでエース格の相手のディフェンスを担当してきた。それを今でもやれると示したい。ハンドラーを止められるし、どの選手だろうとスイッチできる。そんなディフェンスが僕の誇りだし、それでチームに貢献したいと思っている」

この試合でのクレイはまだウォーミングアップの途中といった感じで、前半のみ18分しかプレーしなかった。それでも10得点3アシストを記録したし、マブスの一員としてプレーすることを楽しむことができた。まずはスムーズな再出発を果たしたと言っていいだろう。

クレイは静かに微笑みながら、これから始まる挑戦への期待をこう語った。「同じカンファレンスだから、マブスのファンはこの10年間ずっと僕のプレーを見てきただろうね。大きな期待を寄せられていると思うけど、歓迎されているのが心地良いよ。だからこそ日々ベストを尽くして、ここで素晴らしいプレーを見せたい。この数週間、そして今日起きたことを考えると、このチームの一員になるという判断は正しかったと思っているよ」