「みんなが僕の人生について色々と意見する状況にならないことを望んでいる」
セブンティシクサーズのケリー・ウーブレイJr.は、開幕から主力選手の1人として活躍。チームのスタートダッシュ成功の立役者となり、NBA9年目で最も充実したシーズンを送ると思われていたが、現地11月11日、自宅近くを歩いていた際にひき逃げに遭遇するという不幸に見舞われた。ろっ骨の骨折、腰と右足の打撲など重傷を負ったウーブレイJr.は順調に回復し、現地6日のウィザーズ戦は復帰見込みとなっている。
不幸中の幸いで長期離脱を免れたウーブレイJr.だが、事故の詳細について語ることはなく、そのスタンスをこれからも変えるつもりはないという。現地4日、チーム施設で取材に応じた彼は、「僕と家族にとって深刻なトラウマとなっている出来事だ」とその理由を語る。
「僕の人生が、『トゥルーマン・ショー』(主人公の人生が、視聴者に全て公開されている様子を描いた映画)のようになって、みんなが僕の人生について色々と意見を言うような状況にならないことを望んでいる」
ウーブレイJr.をひいた犯人は未だ見つかっておらず、フィラデルフィアの地元警察は「ひき逃げの証拠ビデオは見つかっていない」と発表。このような背景もあり、この事件についてはさまざまな憶測が飛び交っている。ただ、ウーブレイJr.は、「今の状況より悪くならなかったことは、本当に幸せなことだ」と余計な雑音に神経をすり減らすことなく前を向いている。「仕事に戻って、笑顔で歩いて呼吸できている。陰謀論者について言えるのはそれだけだよ」
事故に遭う前、ウーブレイJr.は8試合出場で平均16.3得点、3ポイントシュート成功率37.8%。5.1リバウンドを記録し、ジェームズ・ハーデンが抜けた穴を埋める活躍を見せていた。ここ10試合で4️勝6敗と当初の勢いがなくなりつつあるシクサーズは、ウーブレイJr.の復帰を起爆剤としたい。そのためには、彼が心身ともにプレーに集中できる状況を作り出すサポート体制が重要だ。