「私たちが夢見るようは選手を獲得することはできない」とオールスター級選手の獲得は考えていない
セブンティシクサーズのダリル・モーリーは、ロケッツ時代にGMとしてジェームズ・ハーデンを中心としたスモールボール重視のチーム作りでリーグ屈指の強豪チームを作り上げた。ファイナルこそ出場できなかったが、2014-15シーズンからの6年間で2度のカンファレンス決勝、5度のカンファレンス準決勝進出を果たした。
この敏腕GMとしての実績が評価され2020年モーリーはバスケットボール部門代表としてシクサーズに招聘された。だが、シクサーズでは、ここまで目立った実績を残せていない。逆にロケッツ時代の盟友であるハーデンをネッツから獲得したが、チームとうまく噛み合わず戦力の底上げに失敗。そして契約問題のもつれから、「嘘つき」と批判されトレードで放出せざるを得ない失態を犯している。
ただ、ハーデンがいないシクサーズは結果的にチームでボールシェアする意識が増した。ニック・ナース新ヘッドコーチの下、ジョエル・エンビードとタイリース・マクシーの2大エースを中心に昨シーズンにはなかったボールムーブが活発な流動性のあるオフェンスで5勝1敗と好スタートを切っている。しかし、シクサーズにとって過去6シーズンで5度も跳ね返されているカンファレンス準決勝の大きな壁を乗り越えるには、エンビードとマクシーに次いで、試合の流れを変えられる選手を加える必要があると見られている。
ポッドキャスト番組『The Rights to Ricky Sanchez』に出演したモーリーは、「私たちが夢見るようは選手を獲得することはできない。それは間違いないだろう」と、今のシクサーズではオールスター級の即戦力をトレードで獲得するのは非現実的と語る。
一方で、「攻守において堅実性を高める必要がある」と、補強はしたい考えであることを明かした。「プレーオフに入ると、自分たちのトップ選手が常に相手を上回ることは難しくなる。うまく行くこともあるけど、それはとても稀だ。また、よりプレーメークできる選手、潤滑油の役割やボールムーブを向上させられる選手が必要だ。この点で私たちは少し足りないし、プレーオフではこれらがより重要となってくる」
ロケッツ時代のモーリーは、効果的なトレードによる戦力補強でも一定の評価を受けていた。シクサーズが優勝戦線に絡んでいくには、ここからモーリーが戦力アップに繋がるトレードを成功させることが重要な要素となる。