高知中央

何度揺さぶられても崩れず、自分たちのバスケを徹底

ウインターカップは今日が大会2日目。東海大福岡(福岡)は初出場ながら、1回戦で優勝経験のある札幌山の手(北海道)を相手に終盤の劇的な逆転勝ちで大会初勝利を挙げているチーム。2回戦では高知中央(高知)に挑んだ。

198cmと188cmの留学生プレーヤーを擁する高知中央に対し、平均身長163cm、最も大きい選手でも173cmの東海大福岡は、高さでの苦戦は否めない。インサイドで待ち構える留学生プレーヤーの威圧感に押されて、ドライブに行ってもシュートに持ち込めずにリズムが狂う。

それでも、もともと高さで勝負するチームではない。留学生プレーヤーに簡単に1対1を仕掛けさせず、ポストから外にさばくパスにアグレッシブに手を伸ばしては引っ掛け、速攻の形へと持ち込む。さらには高さでなく走力で取るリバウンドで強みを発揮して粘りに粘る。10点前後のビハインドを追い掛ける展開が続くが、第2クォーター序盤と第3クォーター開始直後、それぞれ一気に走って点差を詰め、高知中央にタイムアウトを取らせている。

だが、高知中央は何度揺さぶられても崩れなかった。キャプテンの山路佳奈は語る。「相手はリバウンドを頑張って札幌山の手に勝ったというのを昨日ビデオでチェックして、今日はリバウンドで絶対に負けないとチームで決めていました。リバウンドを取った後も慌てずゆっくり運ぶことも意識して、それが徹底できました」

高知中央

「留学生頼みでないバスケができている」

留学生のンウォコ・マーベラス・アダクビクターは18得点、オケケ・ギフト・ウチェンナは8得点と大量得点を奪ったわけではない。それでも『留学生の依存から共存へ』が吉岡利博監督の就任当初から高知中央が掲げるスタイル。ポストアップでボールが止まるようなシーンは皆無で、その高さを周囲の日本人選手がうまく生かすスタイルが明確に出ていた。

吉岡監督は「故障者に悩まされて、体力不足、バスケット勘が足りないところで苦労した部分はあります」と語るも、チームはベスト16へと駒を進めた。「留学生に頼るバスケでは上位進出は難しい。周りの選手がしっかりバスケットをすることで、留学生のマークが手薄になる。そこで点を取る形を突き詰めてきました」

キャプテンの山路も、留学生に頼らないバスケの大切さを語る。「ガードの井上ひかるを筆頭に、ジャンプシュートだったりドライブだったり、去年とは違う留学生頼みでないバスケができていると思います。そこはこのウインターカップに向けてしっかり練習してきたつもりです。今日みたいに全員で戦う意識を持って、留学生の高さを生かしながら日本人も得点を取れるように。次の試合も頑張って目標であるベスト4を目指します」

明日の3回戦、高知中央は県立小林(宮崎)と対戦する。