プロ選手にトレーニングの機会を提供する『TTC 2017』が今年で5回目の開催、真の「プレーヤーファースト」を実現

2017/06/28
プレイヤー
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文・写真=丸山素行

シーズンオフ中のプロ選手に上質な練習機会を提供

『TTC 2017 Supported by UPSET』が6月24日、25日で開催された。今年で5回目を迎えた『TTC』は「Tamagawa Training Camp」の略で、「オフシーズンの選手に良質な競技機会、トレーニング機会を提供する」ことを活動理念にしている。今年も玉川大学の体育館を舞台に、24日には9名、25日には6名のプロ選手が参加し、キャンプは行われた。

ストレングス&コンディショニングスペシャリストの資格を持ち、国立スポーツ科学センターでトレーニング指導員を務める上原雅也ストレングストレーナーによるウェイトトレーニングでは、下半身の強化に注力。単にトレーニングを行うだけでなく、自分で効率の良いトレーニングができるような指導が行われた。

「ベーシックなトレーニングは、分かっているようで正しいフォームではなかったり、なぜこのフォームなのかが分かっていない選手がほとんど」と上原。スクワット一つをとっても、正しいフォームで行えばしっかりと負荷がかかり、選手たちは苦悶の表情を浮かべることになった。

また今年の新しい試みとして、スポーツの垣根を越えXリーグ(アメリカンフットボール)に所属する『BULLSフットボールクラブ』から数名の選手も参加し、合同でトレーニングを行った。競技は違えど、同じアスリート。互いに切磋琢磨することで刺激になった。特にバスケ選手にとってアメフト選手のすさまじいパワーを目の当たりにした経験は貴重だ。

また、栃木ブレックスでメディカルトレーナーを務める五十嵐清、スポーツ生理学や柔整術に精通しまなぶ整骨院院長の樋口睦、日米両国で様々な競技現場での経験が豊富なアスレチックトレーナー坂内悠がメディカルスタッフとして常駐。身体のケアに関しても充実し、スポンサー企業の1つであるKentaiのプロテインも無償で提供されるなど選手にとっては至れり尽くせりな環境だった。さらにアスリートのセカンドキャリアを見据えたサポートを行っている加藤進による面談が行われるなど、本当の意味での『プレーヤーファースト』の環境が整備されていた。

Bリーガーと現役大学生がスクリメージで交流

このキャンプはプロ選手に向けトレーニングの場を与えることを第一の目的としているが、メリットがあるのはプロ選手だけではない。キャンプの締めとして、プロ選手と玉川大学の選手によるスクリメージが行われるのだ。大学生にとって現役プロ選手と対戦する機会は滅多になく、実際にプロのレベルを体験できることはとても貴重なことだ。

そしてこのスクリメージでも、TTC特有の場面が見られた。B3東京海上日動ビッグブルーのアシスタントコーチである佐野智郎が指揮を執り、そのアシスタントとして、同じB3東京八王子トレインズの薄井大樹アシスタントコーチ兼通訳がタッグを組んだ。普段は敵のコーチ同士が手を組む場面がみられるのもTTCならではだ。スクリメージは大学生が健闘するが、プロ選手が貫録を見せる結果となった。

もちろん、プロにも刺激になる。群馬クレインサンダーズの矢代雪次郎は「大学生とやることによって、プロにはない一生懸命さに触れられて、新たな刺激をもらいました」と語る。またウェイトトレーニングを例に出し「基礎から身体の使い方を入念にチェックしていただけるのはプロの世界でも少ないですし、特にオフシーズンにやれるのは大きいです。自分たちだけでやるのも限界があるので、こういう機会は本当にありがたい」と感謝した。

アメフトの選手との初のトレーニングに対し「こういう場があるのは良いですね。今回は違う競技の方もいて刺激になりました」と話すのは横浜ビー・コルセアーズの喜久山貴一。B1からB3の選手が集い「カテゴリーにかかわらず、プロが集まってみんなで切磋琢磨してできて良かったです。皆バスケに熱いですし、今日は自分自身勉強になりました」と感想を述べた。

2日間の限られた時間の中、素晴らしい環境で良質な時間を過ごした選手の満足げな表情が、このキャンプの成功を物語っていた。