
『片岡大晴』の検索結果
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『ソルジャー』こと片岡大晴、仙台復帰への思い「やらないと悔いが残ると考えた」『ソルジャー』のニックネーム通り、戦う姿勢を前面に押し出すスタイルを貫く片岡大晴は、2シーズンを過ごした京都ハンナリーズを離れ、仙台89ERSに復帰することを決めた。気持ちのこもった全力プレー、チームファーストの精神を重んじる片岡に、B2であることを承知の上で故郷のクラブである仙台へ移籍した心境を語ってもらった。 B1の盛り上がりを「仙台の人たちと一緒に行けたら」 ──京都のバスケにすごくフィットしたように見えていて、なおかつチーム内でも評価されていると感じていたので、移籍は意外でした。仙台への復帰がきまった経緯を教えてください。 シーズン終盤になって交渉の通知があって、そこからやり取りを少しずつしていたんですけど、僕もそういうのに慣れていなくて、シーズン中だったのでまずはプレーに集中したいと思って最後までやらせてもらって、そこから決断するための日々を過ごしていました。 やっぱり仙台を降格させてしまったという思いがありました。それは京都で2年間やっていてもずっと抜けませんでした。そういう苦労をした仲間がGMになってチームを作る時に、どこかで僕も力になりたいと考えていました。 それで実際にオファーも来て、その時には来シーズンはまたB2からのスタートだと決まっていたので、だったら昇格のための仕事をやろうかと。どうなるか本当に分かりませんが、やらないと悔いが残ると考えました。だからクラブへの思い、仙台への思いで決めました。 ──地元に帰りたい、仙台のバスケットボールを盛り上げたい、という気持ちはどうですか? もちろんあります。いずれは地元で子供を育てたいと思っていたので。あとは京都での2年間、B1の環境でやらせてもらうことをすごく楽しいと僕は感じていて。バスケットボールだけじゃなくて、その他の盛り上がりとか、注目のされ方とか。この環境に仙台の人たちと一緒に行けたら、それが当たり前になれたら、この喜びはもっと大きくなると思います。そこにトライしたいですね。 「40歳まで仙台で、B1で戦えたらいかに幸せか」 ──33歳で地元のクラブに戻ります。ちょっと失礼な見方かもしれませんが、リリースを見た時に「引退するために地元に戻るのかな」と思う部分もありました。 そういう思いはありますよ。仙台に来たからには仙台で生きていきたいと思います。でも、僕は40歳まで現役でやりたいんですよ(笑)。それぐらいの年齢まで仙台で、B1で戦えたらいかに幸せかな、と思っています。だから、まだまだ長くやるつもりです。先の保証なんてないから本当にチャレンジですけど、みんなそうですから。 ──仙台ではどんな部分が期待されていると思いますか? リーダーシップはきっと期待されていると思うので、そういう気持ちでやっていくつもりです。でも、昇格のために1シーズンを戦った選手も残っています。僕はそのチャレンジをしたことがないので、その大変さだったり戦い方は学ぶことが多いでしょうから、そこは一緒に僕も学びながら成長していければうれしいですね。 「皆さんが求めているものに向かって一緒に進みたい」 ──それでは、京都のファンと仙台のファンに、それぞれメッセージをお願いします。 京都では2年間プレーしましたが、本当に「支えてもらった」という感じがすごくあります。良いことも辛いこともたくさんありましたが、その時間を皆さんと共有できたことはすごくうれしかったです。僕の勝手なイメージではありますが、京都の人たちは知り合えば知り合うほど、温かく接してもらえる、好きになってもらえる、というのを感じて、それがすごく好きでした。 そして仙台の皆さん、2年ぶりのカムバックとなります。これから仙台でプレーしますが、これは本当にチャレンジなので、皆さんが求めているものに向かって一緒に進みたいと思っています。是非一緒に、楽しんで進んでいきたいです。 あとは40歳まで頑張るつもりなので、よろしくお願いします(笑)。 ──個人的な目標というか、仙台でB1昇格を実現するためのアプローチとしては、自分が得た経験を生かしてエース級でバリバリやっていくのか、それともリーダーとして仲間をまとめてチームを勝たせるのか、どんなイメージを持っていますか? どちらでもないですね。その時その時に与えられたものを必死で、死に物狂いでやるのが僕のスタイルです。その時に応じて全力を尽くすまでです。2019/05/26Bリーグ&国内
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『ソルジャー』こと片岡大晴、京都での戦い「京都に行く選択は間違ってなかった」『ソルジャー』のニックネーム通り、戦う姿勢を前面に押し出すスタイルを貫く片岡大晴は、2シーズンを過ごした京都ハンナリーズを離れ、仙台89ERSに復帰することを決めた。気持ちのこもった全力プレー、チームファーストの精神を重んじる片岡に、京都で過ごした今シーズンを振り返ってもらうとともに、B2であることを承知の上で故郷のクラブである仙台へ移籍した心境を語ってもらった。まずは京都での激動のシーズンについて聞いた。 「僕たちはいろんな人の人生を背負って仕事をしている」 ──まずは京都でのシーズンを振り返っていただけますか。コート外での不祥事から始まり、最終節までチャンピオンシップ進出を争う激しいシーズンになりました。 メンバーも大きく変わらなかったので、結構やりやすいシーズンになるんじゃないかと思っていたんですけど、結果として2選手が不在となってしまいました。社会的に影響のある事件というか不祥事というか、それを目の当たりにしたことで不安のあるシーズンのスタートになりました。それでもブースターさんやその他の方たち、応援してくれる人がいると分かって、何とかスタートできたのが始まりですね。 ──それでも、コート上の出来事だけを見れば京都は勝ちが先行し、好調に見えました。 シーズンを通して考えると、外国籍選手の起用についてのレギュレーションが変わったことで僕らは救われたと感じています。ジュリアン・マブンガとデイヴィッド・サイモンが揃って40分近く出場できるようになって、得点はもちろんですけど、相手の脅威となる存在感を出してくれたので、それが僕らの気持ちにもすごく影響しました。 負け越すことなくスタートできて、中盤もその調子で行けて。これは開幕の時点ではちょっと想像できなかったことです。それで自分たちに目を向ける余裕もできて、日本人選手も含めてチームとして成長できたのは今シーズンのすごく良かったことだと思います。 中盤になってマブンガとデイヴィッドにちょっと疲れも出てきて、負けがこんでしまった時期もありました。僕たちがもっとサポートしてあげたかったとは思います。結局、最後の最後までチャンピオンシップを目指して戦うことができました。結果としては良くなかったかもしれませんが、戦う姿勢は出すことができたと思えるシーズンでした。 ──チーム内で不祥事があって、自分としてもプロのあり方を考えることはありましたか? プロという以前に『人として』ですね。何かを期待されて応援されている、その中でやるからには応えなきゃいけません。応援してくれる人、支えてくれる人を裏切ることは絶対にやってはならない。そうじゃなくて良い影響を与えなくてはいけないですよね。それはあらためて大切にして、当たり前にしていかなければいけないと思いました。それが崩れた時の怖さは半端じゃなかったです。立て続けの不祥事だったので、当時は「今シーズンはもうバスケができないかもしれない」とまで覚悟しました。僕たちはいろんな人の人生を背負って仕事をしているんだと感じました。 相次いだ不祥事「何かのプラスに働いたとは思えない」 ──それだけ揺らいだにもかかわらず、チームは空中分解することなく、そこそこの結果を出すことができていました。チームが持ちこたえられた理由はどこにあったのでしょうか? いろんな要因があると思います。自分の中では、若い選手も多いチームだったので、若い選手の前で投げ出すような姿は絶対に見せられないという思いがありました。そこに(内海)慎吾さんや(岡田)優介さんのような精神的な支えでいてくれる存在がいたことも、みんなが安心してコートに立っていられる理由だったと思います。もちろん、浜口炎さんのコントロールというのは、そこは絶対ですね。若い選手たちも含め、一人ひとりが踏ん張った結果です。 ──シーズンが終わって落ち着いて振り返ることのできる今の感覚として、二度としたくない経験なのか、逆にポジティブな経験に変えられたのか、どう受け止めていますか? 絶対にあってほしくないですよ。何が辛かったって、前日まで一緒に練習して、体育館で挨拶をして明日もまた会えると思っていた、いつも人懐っこい仲間が、次の日からは僕らの想像の外に行ってしまうわけです。犯してしまったことは許されることじゃないですけど、仲間がそういうところに行ってほしくはないし、想像するだけでも本当に辛いです。それが何かのプラスに働いたとは全く思えないです。 ──不祥事が重なったスタートから考えれば善戦したと言えますが、逆の見方をすればあと一歩でチャンピオンシップに進出できていました。あと一歩、何が足りなかったと思いますか? 一つの試合における集中の維持、チームのゲームプランのような技術的なことではなく、絶対に勝ち取らないといけない試合を確実に取る力がなかったんだと思います。チャンピオンシップに行ったチームを見ると、落とす試合が少ないです。名古屋Dさんとは競っていたつもりですが、シーズン終盤の大阪戦の逆転勝ちのような、ああいう本当に大事なところで1勝を挙げるメンタリティ、そういうものが欠けていたんだと思います。 最後の最後まで分からなかったので、あの日は悔しかったですね。でも起きてしまったことは変えられないので、そこで責めすぎるのも良くないです。次へのモチベーションに変えました。 ポイントガードへの挑戦は「楽しかったです」 ──いろいろと難しいシーズンでしたが、片岡選手個人としては印象的な働きが目立っていたと思います。本職ではないポイントガードで結果を出したり、満足感はあるのでは? やっぱりポイントガードをやったことはキーポイントになっていますね。僕はルーキーの時からずっとシューティングガードのポジションで、ポイントガードっていう立場で試合に長く出ることはありませんでした。ケガ人がいる状況で、本来の自分のポジションではないポイントガードにチャレンジして、試合でやるしかない状況に慣れていたのは幸いで、そこは自分の他のプレーへの余裕にもなったと思います。 次のことを考えながらボールを一つ運ぶというのも最初はすごく大変でした。それでも、そうやってチームをコントロールするという部分が自分の成長に繋がったと感じています。目まぐるしく攻防が入れ替わる中で、みんなに意図するプレーを伝えて、ボールをバックコートからフロントコートまでしっかり運ぶ。当たり前のことを完璧に遂行するのがいかに難しいかが分かって。シューティングガードだったらただウイングの位置に走るのが仕事で、ボールが来たらプッシュすればいい。それとは全く違う苦労がポイントガードにはありました。みんな当たり前のようにやっていますが、本当にすごいんだと分かって(笑)。 ──大変な苦労をすることで燃えるのか、楽しく取り組めていたのか、どちらですか? 楽しかったですよ。少しずつだけど、できることが増えていくし、コールができてボールも運べて、なおかつ試合に勝てればすごくうれしかったです。大変でしたけど喜びのほうが大きかったですね。でも、個人的なことよりもチームです。一番としては僕は炎さんのバスケットがやりたくて京都に移籍して、その選択は間違っていませんでした。炎さんのバスケットにみんなで取り組んで、うまくハマった時がいかに面白いか。その喜びを感じられたことが一番です。2019/05/25Bリーグ&国内
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ソルジャー片岡大晴が京都ハンナリーズから仙台89ERSへ「宮城県、仙台のために」チームの求心力、リーダーシップの発揮に期待 仙台89ERSは今日、片岡大晴と2年契約を結んだことを発表した。 片岡は仙台の出身で、bjリーグのラストシーズンとBリーグ1年目は仙台でプレー。それでも1年でチームが降格した後、京都へと移籍していた。今回は2シーズンぶりの復帰で、B1復帰を至上命題に掲げるチームをベテランとして引っ張る役割を担う。 33歳と若くはないが、京都での2シーズンでもガード陣に故障者が相次いだ時期にはハンドラーとしてボール運びとゲームメークを担うなど、プレー面での引き出しを増やしている。また控えめな性格ではあれ強烈なリーダーシップを持ち、今シーズンはトラブル続きだった京都が最後までチャンピオンシップ争いを演じられたのも、チームとしての結束が崩れず、その求心力として片岡が機能した部分が大きかった。 片岡は仙台のリリースで次のようなコメントを発表している。「仙台89ERSというクラブが今目指すもの、地域の方々やブースターの皆さんが望むもの、その為に一生懸命働きます。再び仙台89ERSのユニフォームを身につけ、コートに立てる事への感謝の気持ちを胸に、クラブの為に、宮城県、仙台の地域の為に生きていきます」 仙台は経営陣を刷新して臨んだ今シーズンも40勝20敗、プレーオフに進むことができなかった。来シーズンこそB1昇格を──。その意気込みが伝わる、オフになってすぐの補強となった。2019/05/09Bリーグ&国内
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マブンガが試合を支配、京都ハンナリーズが栃木の9連勝を止めるアップセットマブンガが7本の3ポイントシュートを含む39得点 栃木ブレックスvs京都ハンナリーズの第2戦。初戦では平均を下回るパフォーマンスに抑えられた京都の外国籍選手コンビが奮起し、ジュリアン・マブンガが39得点、デイヴィッド・サイモンが23得点を記録。一度もリードを許すことなく、82-75でアップセットを実現した。 試合開始1分、京都にアクシデントが起こる。ドライブから3点プレーで先制点を挙げた伊藤達哉が、ディフェンスに戻る際にジェフ・ギブスの肘が顔に入り脳震盪を起こす。すぐ起き上がれなかった伊藤はそのまま病院へ搬送された。 序盤で司令塔を欠くことになった京都だが、「彼のアクシデントがあったんですけど、『達哉のためにも頑張ろう』と、チームがよりギュッと一つになった」と、浜口炎ヘッドコーチはチームの結束が高まったことを実感した。 急遽出番が訪れた、ポイントガードの綿貫瞬が果敢にゴールを狙いミドルシュートを沈めるなど、アクシデントをカバーする。マブンガがファウルを受けながら3ポイントシュートを決め、ボーナススローも成功させる4点プレーでチームに流れを引き寄せると、サイモンもインサイドで力を見せた。 栃木の強みであるオフェンスリバウンドを、第1クォーターで8個も奪われたが、その後のディフェンスで粘りを見せ、ゴール下でのセカンドチャンスポイントを最小限に留めたことで、京都が23-18と先行した。 第2クォーターに入っても、京都の流れは変わらない。互いにスクリーンでのオフェンスファウルが連続でコールされてファウルがかさむ中、京都はマブンガとサイモンの攻めをより強調し、開始3分で栃木のチームファウルを5に到達させた。 さらに京都はディフェンスをゾーンにし、リズムを狂わせる。外を空けてしまう場面も見られたが、栃木はこれを決められない。相手に救われた京都は、周りの選手がしっかりスペースを取ることで、マブンガとサイモンが攻めやすいよう援護した。絶好調のマブンガが24得点、サイモンが16得点を前半だけで挙げた京都が49-37とリードして前半を終えた。 試合を決めた『脇を固める日本人選手たち』の力 後半に入ると、ホームで負けられない栃木の反撃が始まる。ディフェンスの強度を高め、ターンオーバーを誘発すると、そこから走るバスケットを展開。本来の姿を取り戻し、遠藤祐亮やライアン・ロシターの3ポイントシュートで点差を詰めた。速攻や3ポイントシュートが決まるたびに何度も会場が沸き、流れは栃木に行きかけたが、そのたびにマブンガが立ちはだかった。 激しさを増した栃木ディフェンスの前にボールが回らず、ショットクロックが少なくなる状況下で、マブンガはロシターを前に連続で3ポイントシュートを沈めた。タフショットを何度も決められ、会場のファンからはため息が漏れた。 京都が5点リードで迎えた最終クォーター。互いに得点を決め合う均衡が続くが、勝負を決めたのは脇役に徹した京都の3人だった。 ここまではあまりなかったが、マブンガがフィニッシュに行かず、ディフェンスを引きつけて周りにパスを供給。岡田優介と晴山ケビンがそれぞれ1本ずつ3ポイントシュートを沈めてリードを保ち、5点リードで迎えた残り1分9秒には、片岡大晴が3ポイントシュートのファウルを獲得し、このフリースローを3本すべて成功させてとどめを刺した。 浜口ヘッドコーチは「前半も瞬と達哉で数点取ってるんですけど、このペリメータープレーヤーの得点がすごく重要です。優介がデザインしたプレーから3ポイントシュートを決めて、ケビンがワイドオープンをねじ込んだ。この得点が増えてくるとチームは楽になる」と、彼らの一撃を高く評価した。 栃木は最後まで勝利をあきらめることなくプレーしたが、京都はフリースローをしっかり成功させて点差を保ち、アップセットを成し遂げた。 「真の強さにはたどり着けなかった」 京都の浜口ヘッドコーチは「昨日よりも会場の雰囲気に慣れて、しっかり戦えた」と総括した。また「選手にはリバウンドとルーズボールの部分を昨日以上に頑張らないと同じようなゲームになってしまうと伝えた。全員で戦うことができた」とコメント。結果的に15本のオフェンスリバウンドを許したものの、セカンドチャンスポイントを10点に抑えたことも勝因となった。 一方の栃木はオープンのチャンスは作れていたもののシュートが決まらず、安齋竜三ヘッドコーチは「60試合やっていればこういうゲームもある」とコメント。それでも「ここで勝ち切れば真の強さになっていたが、そこまではたどり着けなかった。なので、もっと成長しなきゃいけない」と前を向いた。 また、マブンガに個の力で39得点を許したこともあり、栃木が強みとする強固なチームディフェンスからのトランジションの機会が少なかったこともこの結果に響いた。「京都のフィールドゴールは50%を超えてるので、なかなか自分たちのトランジションに持って行けなかった。決められると、なかなか難しくなるので、たらればですが、何か対策をもうちょっと早くやっていれば良かったのかな」 リーグ2位の栃木から手にしたこの勝利は、京都にとって大きな価値がある。西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズとのゲーム差は2ゲームのままと予断は許さないが、チャンピオンシップ進出に向けて大きく前進するゲームとなった。2019/03/18Bリーグ&国内
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残留を目指しチーム刷新の滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズとの接戦を落とす新外国籍コンビが活躍した滋賀、京都を苦しめる 滋賀レイクスターズが京都ハンナリーズの本拠地ハンナリーズアリーナに乗り込んだ京滋ダービー第1戦。ここまで8勝32敗とリーグ最下位に沈む滋賀は、ディオール・フィッシャーとマーカス・ブレイクリーをカットし、ヘンリー・ウォーカーとアレン・ダーラムへと外国籍選手を入れ替えるテコ入れを図った。 リーグ中断期間に準備ができた滋賀と、スカウティングできない京都では前者に分がある。立ち上がりは滋賀が勢いで上回り、新外国籍の2人にボールを集めて効率良く得点を奪った。ともに身長198cmと高さは物足りないが、フィジカルとフットワークがあり、特にウォーカーはNBA181試合出場の実績に見合った働きをデビュー戦で披露。ミドルレンジからのシュートを得意とし、3ポイントシュートも決めて、第1クォーターから9得点の活躍でチームを勢いに乗せた。 それでも京都は13-19とビハインドを背負った第1クォーター後半、途中出場の内海慎吾と片岡大晴がハッスルプレーで流れを引き戻す。内海がフロアに身体を投げ出すスティールから片岡の速攻の起点となると、再び速攻を繰り出しジュリアン・マブンガが決める。これで立ち上がりのマイナスを帳消しにして、それからは一進一退の攻防が続く。 そんな試合で一際目立ったのは中村功平だ。中央大から特別指定で加入した中村は、昨年12月のデビューからコンスタントに出場機会を得て、この中断期間で完全にチームに馴染んだ。得点力のあるポイントガードを目指す彼は、ベンチスタートではあったが先発の伊藤大司より長い23分間のプレータイムを得て、初の2桁得点(10得点)を記録。ワイドに動くウォーカーとダーラムに相手の注意が向き、行けると判断すれば迷わず自分のシュートを選択。その積極性はオフェンスの良いアクセントとなった。さらに若き日本人エースとなった高橋耕陽も、ウイングの位置から積極的に仕掛けて13得点を記録。こうして滋賀は京都を相手に一歩も引かず渡り合った。 若きポイントガード中村が滋賀の良いアクセントに 第4クォーター残り2分、ダーラムのお膳立てで左コーナーでフリーになった中村が3ポイントシュートを決めて81-80と滋賀が逆転。だが、ここからダーラムとウォーカーが立て続けに個人4つ目のファウルを取られる。残り1分には、オフェンスリバウンドに飛び付いた晴山ケビンを抑え込んだウォーカーが退場に。これで与えたフリースロー2投を決められ逆転されてしまう。 直後、高橋が晴山をドライブでブチ抜くリバースレイアップを決めて再びリードを奪ったが、京都はここで岡田優介がミドルシュートをねじ込んで再逆転。この先のラスト42秒は、経験で上回る京都が隙のないゲーム運びでリードを守り切った。同点9回、リードチェンジ9回の熱戦は、88-83で京都が制している。 京都の得点源であるサイモンは、ゲームハイの31得点を記録、1試合30点超えはこれで10回目。試合後は「今日はタフな試合になると思っていましたし、最後もタフなシチュエーションが続きましたが、落ち着いてやることにフォーカスして戦えました」とコメント。これでリーグ通算得点が993に。今日の第2戦で7得点を取れば通算1000得点で、実現すれば36試合で達成したニック・ファジーカスに次ぐ2番目に早い記録(42試合)となる。 滋賀にとっては、仕切り直しで迎えた中断期間明けの試合でベストに近いパフォーマンスを発揮しながら競り負けたのは痛い。運動量とシュートでは互角以上だったが、フリースローを得た数(14-22)と成功数(9-19)、ターンオーバーからの得点(4-15)、速攻による得点(2-11)で差をつけられる悔しい敗戦となった。残り試合数は決して多くない。戦いながら課題を修正し、ライバルを上回るペースでチームの完成度を高められるかどうかが、残留の成否を分ける。2019/03/03Bリーグ&国内
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京都の粘りに終始苦労しながらも堅守を継続した栃木ブレックス、決勝の舞台へ2桁リードを奪うも突き放せない栃木 天皇杯の準決勝、栃木ブレックスvs京都ハンナリーズの一戦。第4クォーター序盤に2点差に迫られるなど、京都の粘りに手を焼いた栃木だが、要所を締めて逆転を許さず、71-62で勝利して決勝へと駒を進めた。 遠藤祐亮の3ポイントシュートで先制した栃木は、24秒バイオレーションを誘発するなど堅い守りを披露し、開始4分で9-2と上々の立ち上がりを見せる。 一方、京都は大黒柱のジュリアン・マブンガがベンチを外れてシャキール・モリスが出場となったが、そのモリスがパワープレーで加点し、もう一人の大黒柱デイヴィッド・サイモンが高確率でシュートを沈めていき、エース不在を感じさせない内容で食らいつく。 第2クォーター開始直後、ジェフ・ギブスの3ポイントシュートが決まり、24-14と点差を2桁に乗せた栃木だったが、その後はなかなかシュートを決められず突き放すには至らない。アグレッシブなプレーでチームを鼓舞する片岡大晴に、3ポイントシュートに速攻と連続得点を許し、34-29で前半を終えた。 後半に入り、栃木は鵤誠司の3ポイントシュートで再び点差を2桁に広げた。だが栃木を指揮する安齋竜三ヘッドコーチが試合後、「自分たちで崩れてしまったり、ターンオーバーだったり、ディフェンスのルールを間違えてしまったり、10点くらい離れる時にそれが毎回起きて、そこから6点になってという繰り返しになった」とコメントしたように、ギブス、遠藤が連続でオフェンスファウルを犯すなど、突き放すチャンスを自ら逸した。 それでも栃木はオールコートディフェンスが機能し、京都のボール運びを停滞させるなど、高いディフェンスの強度を保ちリードを維持した。 伊藤達哉も「いつも通りのオフェンスに入れなかった」と栃木ディフェンスの恐ろしさを体験した。「運べる選手が限られていて、乱されました。自分のリズムじゃなかったというのも何回かあって、アタックしても自分が決めきれなかったです。いくつか試合の途中でチャンスは巡ってきたと思うんですけど、そこで自分たちがモノにできなかったのが敗因だと思います」 失点を60点代に抑えた、ディフェンスの勝利 「チャンスは巡ってきた」と伊藤が言うように、第4クォーター序盤にはモリスが2本のフリースローを沈め、2点差まで詰め寄った。だがその直後、モリスが4つ目のファウルを犯してベンチに退くと、栃木の強みであるオフェンスリバウンドが猛威を振るった。 京都は守っても守ってもオフェンスリバウンドを拾われた。高さの均衡を保つため、モリスをすぐにコートに戻し、京都は勝負をかけたが、栃木の勢いを止められなかった。 残り2分半で10点差にされ、片岡の3ポイントシュートと岡田優介のフリースロー3本で追撃しても、栗原貴宏の3ポイントシュートを浴びるなど、近づいては突き放される展開が最後まで続いた。残り1分12秒、渡邉裕規が難しい体勢から放ったミドルシュートが決まり、8点差となったところで勝負アリとなった。 苦しみながらも勝利を手にした安齋コーチは「どういう状況になっても、最後まで気持ちを切らさずにディフェンスができて、60点台に抑えられたこと」を勝因に挙げた。 チームハイの18得点を挙げた遠藤は「試合の入りはシュートが入って自分のリズムでできました。でも追いついてきた時に慌ててターンオーバーをしてしまったり、判断のミスがあったので、後半に点が伸びなかったです」と自分のパフォーマンスに納得がいっていない様子。 これで栃木は決勝の舞台に駒を進めた。「千葉さんは去年の天皇杯のチャンピオンですし、東京さんはリーグのチャンピオンと、チャンピオンチームとの対戦となります。チャレンジャーなので、やるべきことを準備してぶつかっていきたい」と安齋ヘッドコーチに驕りはなく、優勝へ意気込んだ。2019/01/12Bリーグ&国内
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京都の奮闘に苦戦も、試合巧者ぶりを発揮したアルバルク東京の東地区2位が確定京都のハーフコートバスケットに思わぬ苦戦アルバルク東京vs京都ハンナリーズのゲーム1。主力を2人欠く京都のハーフコートバスケットに苦戦するも、リードして以降ペースを握ったA東京が78-71で勝利した。京都はジョシュア・スミスが前節の西宮ストークス戦での乱暴行為により、5試合の出場停止処分を受け不在。さらにここまで56試合で先発を務めてきた伊藤達哉もケガのため欠場した。それでも序盤は不利に見られた京都が先行する。純粋なポイントガードがいない京都はボールハンドラーになった片岡大晴が積極的にシュートを沈めていく。守っては最後までシュートにプレッシャーをかけ失点を防いでいった。ノーマークのシュートを決めきれず、開始約4分で0-7とリードを許したA東京だが、竹内譲次のミドルシュートで初得点を挙げると、これまで入らなかったシュートが決まり始め、田中大貴の3点プレーとなるバスケット・カウントで追いつき、15-15で第1クォーターを終えた。互いにオン・ザ・コート「2」の第2クォーター。京都は復帰したジュリアン・マブンガを起点に攻め立て、マブンガがこのクォーターだけで10得点の荒稼ぎを見せる。開始4分で26-17としたところでA東京はタイムアウトを要請した。ここでA東京はディフェンスの強度を一段階上げて立ち直る。ボールマンへのプレッシャーとディナイによって京都のボールラインを上げ、パスワークを分断。苦し紛れのパスをスティールし、連続で速攻から6得点を稼いで猛追した。田中がワンマン速攻からダンクシュートをミスするも、安藤誓哉がフォローしバスケット・カウントを獲得。田中が苦笑いする珍しいシーンも見られるなど、A東京が流れに乗ったかに見えたが、京都も譲らず33-33と全くの互角で前半を終えた。終盤に先行したA東京が試合巧者ぶりを発揮後半に入り、ザック・バランスキーが2本の3ポイントシュートを沈めれば、永吉佑也の3ポイントシュートにバスケット・カウントと一進一退の攻防が続く。「相手が40分間ゆっくりハーフコートで攻めてくるオフェンスをやってきました。ずっと同じようなリズムで試合がずっと進んでなかなかリズムをつかみずらくて、終盤までこういう展開になりました」と田中が振り返るように、リードチェンジ6回、同点になること7回という接戦が終盤まで続いていく。試合が動いたのは最終クォーター残り5分、ジャワッド・ウィリアムズが3ポイントシュートを沈め66-64と勝ち越した場面から。直後のディフェンスで安藤のスティールから速攻に転じ、馬場がファウルを受けつつシュートをねじ込んだ。A東京は終始追いかける展開が続いていたが、初めて点差を2ポゼッション差にし先行する形になった。京都はマーカス・ダブとマブンガを中心に加点していくが、2人に偏るオフェンスは次第にA東京ディフェンスに対応されていく。そして残り1分18秒、A東京はパスコースを潰してマブンガのターンオーバーを誘発すると、田中が3ポイントシュートを沈めて勝負アリ。ファウルゲームすらさせない試合運びで、終盤まで続いた接戦を勝ち切った。主力を欠く京都「いるメンバーで普通にやるだけです」勝利したA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「東地区2位が懸かった試合、非常に大事な試合をモノにした」と東地区2位を確定させた結果に満足気。また、「スミス選手がいない分、攻守ともに軽くなって少し動きが出ていた。逆にそのほうが我々にとってはタフだった」とスミス不在がA東京にとってはマイナスに作用したと明かした。一方、接戦をモノにできなかった京都。浜口炎ヘッドコーチは「後半、オフェンスリバウンドを7本取られたのと、ターンオーバーが後半で7つ」という2点を敗因に挙げ、「細かいことはいろいろあるが、馬場君が3ポイントシュートを決めきったのが素晴らしかったです」と5本中4本の3ポイントシュートを決めた馬場を称えた。ただ、主力を欠く苦しい布陣となったことを敗因にしようとはしなかった。「誰かが30点、40点取るようなチームであれば厳しいですけど、特にウチは誰がいないというのが関係ないのでいるメンバーで普通にやるだけです」と浜口ヘッドコーチ。実際に最後までA東京を苦しめた。京都のターンオーバーは11とそこまで多くはなかったが、後半だけでターンオーバーから15点を獲得したA東京の抜け目のない試合運びが接戦でモノを言った。また京都としてはフリースローの確率が17本中7本の成功と低調だったことも、少なからず結果に響いた。今日の勝利でA東京は東地区2位を確定させた。そしてその結果、チャンピオンシップの1回戦で再び両者は対戦することとなった。「今日と同じような、どちらに転んでもおかしくない試合になる」とルカコーチは予言する。今日の試合はチャンピオンシップ前哨戦。手のうちを隠すか、チームに勢いを付けるために全力で勝ちに行くか。両指揮官の駆け引きにも注目だ。2018/05/06Bリーグ&国内
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勝負どころの集中力で上回った川崎ブレイブサンダース、京都との接戦に競り勝つホーム最終節は黒の復刻ユニフォームを着用4月27日、川崎ブレイブサンダースが本拠地とどろきアリーナで京都ハンナリーズと激突。試合終盤までもつれる熱戦となったが、ここ一番でのディフェンス力が光った川崎が、85-80で熱戦を制している。第1クォーター、中盤になると京都が岡田優介の3ポイントを皮切りに7連続得点を挙げて8-16と先行する。川崎も谷口光貴の3ポイントなどで追い上げ、終盤にジョシュ・デービス、ルー・アマンドソンの連続得点により21-19と逆転して終える。第2クォーターに入っても互角の展開が続くが、川崎は序盤に篠山竜青が負傷退場する痛恨のアクシデントが発生。しかし、ニック・ファジーカスがこのクォーターで9得点を挙げる奮闘を見せる。一方、京都も片岡大晴がシュート4本中4本成功の8得点をマークするなど応戦。川崎の44-43で試合を折り返した。第3クォーターに入っても残り約4分半に京都の晴山ケビンが3ポイントシュートを沈め、川崎の55-53と一進一退の攻防が続く。だが、川崎はここからジョシュ・デービスの活躍など連続8得点で65-58とリードを広げた。篠山負傷のアクシデントも辻、藤井が活躍第4クォーター早々、京都は伊藤達哉がスティール奪取から速攻を決めて流れを引き寄せ、残り約6分には片岡の連続得点で67-68と勝ち越す。それでも川崎は藤井祐眞、辻直人が要所で3ポイントシュートを決めて再び勝ち越すと、残り約1分、藤井の本日4つ目となるスティールから辻が速攻を決めてリードを7点に広げ、そのまま粘る京都を振り切った。川崎の北卓也ヘッドコーチは、「我慢をして戦ったことが良かったです。終盤、ルーズボールとかそういうところで相手の攻撃を抑えられたことで勝利をつかめました」と勝因について語る。さらに「京都さんは浜口ヘッドコーチに鍛えられて本当に良い意味で嫌らしいバスケットボールをするという感じがしました。そこで我慢をしてチーム一丸となって戦ったことがうれしかったです」と続けた。この試合、川崎は篠山が前半に負傷退場したが、ファジーカスが26得点に13リバウンド、辻が17得点に4アシスト。さらに藤井が15得点、5アシスト、4スティールと主力選手たちがしっかりと数字を残した。敗れた京都の浜口炎ヘッドコーチは敗因を次のように語る。「良い時間もたくさんあったと思いますが、川崎さんのディフェンスのプレッシャーに最後は苦しみました。どのチームとやる時もそうですが、特に川崎さんのような強豪となる時はターンオーバーが18では、厳しい戦いになります」今回、京都は司令塔の綿貫瞬、そしてボールハンドリングに優れた外国籍のジュリアン・マブンガが揃って欠場。その結果、約36分出場と伊藤への負担が大きくなり、それも影響したのか、6ターンオーバーを喫したのは痛かった。東芝を母体とするチームにとって最後のホームゲーム川崎にとって今節は、東芝を母体とする現在のチーム体制にとってレギュラーシーズン最後のホームゲーム。天皇杯、リーグ戦の2冠を達成した1999-00シーズンのデザインを踏襲したレッドサンダース時代の黒の復刻ユニフォームを着用して試合に挑んだ。「明日、レギュラーシーズンのホーム最終ゲームなので良い準備をして終われるようにしていきたい」と指揮官が締めくくったように、川崎としては今日の勢いを28日も維持し、勝って節目の試合を終えたいところだ。2018/04/28Bリーグ&国内
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堅守が崩れなかった琉球ゴールデンキングス、第4クォーターに突き放し京都を撃破西地区上位対決はリードする琉球、追う京都の展開に2月3日、琉球ゴールデンキングスがホームの沖縄市体育館で京都ハンナリーズと対戦。第4クォーターに25-13と突き放すなど、試合を通して持ち味の堅守が崩れなかった琉球が79-60で快勝。これで西地区首位の琉球は、地区2位である京都とのゲーム差を8に広げている。第1クォーター、琉球は残り1分半まで京都をわずか6失点に抑えて10点のリードを奪うが、終盤に京都は片岡大晴、内海慎吾の両ベテランがシュートを沈め琉球の16-11で終了。第2クォーター、再び琉球はアイラ・ブラウンの3ポイントシュートに津山尚大の速攻などで、残り約4分に27-17と再び突き放しにかかる。だが、京都はこのクォーターだけでジュリアン・マブンガが11得点と奮闘したのが光り、前半は琉球の35-31と僅差のままで試合を折り返す。第3クォーター、このクォーターで7得点を稼いだ岡田優介の活躍などもあり、京都は残り約6分に40-40と追いつくなど、流れを引き寄せる。だが、この数分後、主力の一人である永吉佑也が脚を痛めて無念の負傷退場。これで生まれた日本人4番のミスマッチを琉球は的確に突いた。「相手の特徴を潰していって、自信をなくさせる」第4クォーター、「1本目、片岡が良い形で3ポイントシュートを打ちましたが入らず、その後で古川(孝敏)君に逆に3ポイントシュートをやられて10点差になってしまった。ここで相手に勢いをつけられてしまいました」と浜口炎ヘッドコーチが振り返ったように、反撃のきっかけをつかみたい京都に対し、琉球は古川がビッグショットを決め再び点差を2桁とする。この一撃で乗った琉球は、ここから怒濤の連続得点。第4クォーター残り5分の時点で70-50と一気に突き放すと、あとは余裕の展開で12月20日に今回と同じ沖縄市体育館で終了間際に勝ち越されて敗れた相手へのリベンジを達成した。琉球の佐々宜央ヘッドコーチは、「オフェンスでノーマークのシュートを外しながら硬くならなかったのは、ディフェンスで守れるという感覚があった。そこが今日は最大の勝因というところです。チームとして向こうにやらしてはいけないパターンを抑えようと集中してくれました」と、60失点に抑えた守備が快勝を導いたとコメント。そして「ウチの今の勝ち方は相手の特徴を潰していって、向こうに自信をなくさせていくこと」と続けた。また、「炎さんは乗っている選手を使うのがうまいです。第2クォーターでマブンガ、第3クォーターで岡田が乗ってきた時に、いかに流れを断てるかが大事な作業で、そこでのダメージを最小限に留められたのが良かったです」と、波に乗りかけた選手にすぐに対応できたことも大きかったと語る。指揮官が強調した、ベンチメンバーの貢献守備とともにもう一つ、佐々ヘッドコーチが強調したのは、しっかり我慢できたこと。これは琉球の試合前に行われたレバンガ北海道の戦い見て、その思いをより強くしたようだ。「上位陣との戦いになると、相手をどう上回るかというより、どちらが先に崩れてしまうかの戦い。我慢比べになってきます。今日、北海道が東京を破った試合はまさにそんな一戦で、北海道は我慢して最後まで自分たちのバスケットをやっていました。試合前に見て、僕の中で良い影響を受けました」琉球はブラウン、岸本隆一、ハッサン・マーティン、古川が2桁得点を挙げるなど、主力がしっかり数字を残した。だが、指揮官はチームとしてしっかりプレーできたことを勝因に挙げたように、スタッツは残さずともベンチメンバーの貢献が大きいと強調する。「石崎(巧)は僕の意図をよく理解しており、どこを狙わないといけないのか、自然体で出してくれます。また、今日はニノ(二ノ宮康平)を本当に褒めたいです。0点ですが、ちゃんとつないでくれました。(同じ司令塔の)岸本が点数を取っている中、自分が生きる道はどこなのか試行錯誤していると思いますが、ゲームプランをしっかり遂行しながら、コントロールをしてくれました。また須田(侑太郎)も、途中出場から岡田を抑えてくれました。スタッツに出ないところにおけるベンチメンバーの活躍も大きかったです」一方、浜口ヘッドコーチは「本来ウチはペイント内の得点が多いチームですが、そこで得点をなかなか取れなかったのはもったいない部分」と、ペイント内の得点が12に終わったことについて試合の総括で言及。永吉の出場が厳しいと見られる中、ファウルアウトで退場するなど7得点と消化不良に終わったジョシュア・スミスが、ゴール下でどれだけ存在感を発揮できるかが連敗阻止のカギとなる。2018/02/04Bリーグ&国内
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マブンガが勝負どころで大活躍、京都ハンナリーズが満身創痍のSR渋谷に逆転勝利京都に良い流れをもたらしたマブンガ京都ハンナリーズがホームの向日市民体育館にサンロッカーズ渋谷を迎えた第1戦。SR渋谷は清水太志郎が左アキレス腱断裂の大ケガを負い、今シーズンの全休が決定。満原優樹も左足太ももの肉離れで欠場、広瀬健太も離脱が続く非常事態だが、立ち上がりはエナジー全開のパフォーマンスで先手を取った。両チームともオン・ザ・コート「1」の第1クォーター、京都の大黒柱ジョシュア・スミスをロバート・サクレがゴール下から締め出して攻めの形を作らせない。攻めに転じればベンドラメ礼生と山内盛久の2ガードの連携で京都のディフェンスを切り崩した。開始2分で8-0のラン、スミスがフリースローで京都の初得点を挙げるも、杉浦佑成の3ポイントシュート、サクレから菊池真人とビッグマン2人の速攻が決まり13-1のロケットスタートを決めた。それでも11-23で始まった第2クォーターからは京都が盛り返す。オン「2」になり、ジュリアン・マブンガがスミスをうまくサポートし、自ら司令塔の役割も務めることで攻撃のリズムを作り出す。そのマブンガは早々にファウルトラブルとなりベンチに下がるが、マブンガが作った良い流れをマーカス・ダブが引き継ぎ、31-38まで点差を詰めて前半を終えた。マブンガとスミス、第4クォーターに大暴れそして後半、時間の経過とともに京都の積極性が目立ってくる。SR渋谷は相手のアグレッシブなディフェンスをうまく利用してフリースローで加点するものの、やはり受けに回ると苦しい。京都のオフェンスはスミスが孤立した序盤の轍を踏むことなく、スミスが1on1以外の選択肢も持って仕掛けられる形を作り、岡田優介の3ポイントシュート、晴山ケビンの速攻など多彩な攻めが出るようになった。第3クォーターの最後にジョシュ・ハレルソンがタフショットをねじ込み、SR渋谷が62-59と3点リードで最終クォーターを迎えるも、杉浦と阿部諒の新人2人を含むベンチ登録10人という状況、接戦の終盤になるとスタミナ的に厳しくなってくる。一方の京都は追う展開が続くもタイムシェアを徹底しており、この最終クォーターに勝負どころを持ってきていた。逆転劇の主役となったのはファウルトラブルで第2クォーター途中からベンチに下がっており余力十分のマブンガだ。残り3分48秒、ハレルソンにベタ付きされているにもかかわらず逆転の3ポイントシュートを決めると、直後にシュートを狙う長谷川智也からのスティールをスミスの得点につなげる。さらにはSR渋谷のタイムアウトを挟み、今度は山内の背後から長い腕を伸ばしてボールを奪取し、そのままワンマン速攻。しかもこれが追いかける山内のファウルを誘い、山内をファウルアウトに追い込んだ。体勢を崩しながらもシュートをねじ込んだマブンガは、フロアに倒れながらもガッツポーズを見せる。なおもマブンガの得点ラッシュは止まらない。残り1分44秒にはハレルソンからサクレにマークがスイッチする一瞬の隙を見逃さずに3ポイントシュートを沈め、残り1分にはサクレとの1on1をスピードで制しバスケット・カウントとなる3点プレーで80-71と突き放す。こうなるとSR渋谷に追う力はもう残っていなかった。最終スコア82-73で京都が激闘を制している。流れを呼び込んだ片岡「ディフェンスからハッスル」『逆転の京都』の面目躍如とも言うべき試合を、浜口炎ヘッドコーチはこう振り返る。「出だしでジャンプスタートされて、リバウンドを取られイージーなターンオーバーをやられてしまいましたが、ここを我慢すれば大丈夫だと考えました。後半に入ってアグレッシブに、手も足も動いて逆転できました」京都の73得点のうち、実に50がペイント内での得点。スミスが26得点、マブンガが18得点(うち15得点が第4クォーター)と勝利の立役者となったのは間違いない。それでも、スタートでつまづいた試合を立て直した、セカンドユニットの片岡大晴、綿貫瞬といった選手のハードワークも見逃せない。片岡は「試合の入りが良くない中、いつも通り綿貫選手とコートに入り流れを戻すべく奮闘でき役割は果たせたかと思います」と、そして綿貫は「苦しい立ち上がりだったので、攻撃をやりきること、そして元気がなかったと感じたのでディフェンスからハッスルすることを心掛けました」とコメントしている。京都はこれで17勝14敗、西地区2位の座を固めている。しかし、天皇杯ファイナルラウンドの結果からも明らかなように、さらなるチームのレベルアップは必須。今シーズンここまで同一カード2連勝が少ないのがネックで、今日の第2戦で連勝といきたいところだ。一方のSR渋谷はケガ人続出で苦しいが、杉浦が2度目の先発で10得点を記録してプロの壁を容易に乗り越えている。この時期にチームとして成長できるかどうか、メンバーが戻った時に大きな違いとなるはずだ。2018/01/28Bリーグ&国内
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『比江島タイム』に真っ向勝負! 粘った京都ハンナリーズが三河10戦目で初勝利前日の敗戦から修正、エネルギー全開で先行京都ハンナリーズとシーホース三河の対戦。前日の第1戦では三河が81-99で勝利。インサイドで優位を作り、特にダニエル・オルトンが27得点と大暴れしていた。これを受けての第2戦、京都は立ち上がりからエネルギー全開だった。ジョシュア・スミスの連続得点で6-0と好スタートを切ると、そこからスミスに相手の注意を引きつけ、岡田優介が3本の3ポイントシュートを決める当たりを見せる。ただし三河も、そのまま崩れることなく、桜木ジェイアールのポストプレーを軸にすぐさま反撃。第2クォーターのオフィシャルタイムアウトの時点で31-31と互角の展開となった。それでもここから伊藤達哉の緩急を生かした攻めから9-0のランで、京都が40-33とリードして前半を折り返せば、後半立ち上がりから金丸晃輔のバスケット・カウント、比江島慎の3ポイントシュートで三河が詰め寄り、両者ともに譲らない。それでもこの試合は京都の粘りが目立った。金丸と比江島を中心とする攻めに手を焼きながらも連続得点は許さず、点差は開かないが常にリードを保つ。そして第3クォーターの終盤に内海慎吾が3ポイントシュートを決め、さらにはリバウンドからの速攻で飛び込んだ永吉佑也が、アイザック・バッツに接触されて体勢を崩しながらの難しいシュートをねじ込み、接戦で貴重な連続得点を挙げる。驚異の追い上げを浴びるも動じずリードを守る第4クォーターもジュリアン・マブンガが最初の得点を挙げ、そのマブンガのパスから片岡大晴が比江島の逆を突くドライブでここでも連続得点。67-56とリードを2桁に広げ、その後もマブンガと内海の3ポイントシュートが決まって73-59と点差をこの試合最大の14点まで広げた。ところが、このまま楽勝とは行かなかった。なにしろ相手が三河である。残り7分30秒から『比江島タイム』が発動。ドライブからのスピンムーブでスミスからファウルを誘ったプレーを皮切りに、16得点3アシストと手が付けられない暴れっぷりを見せる。それでも京都はリードし続けた。残り2分半、自らオフェンスリバウンドを取った比江島にジャンプシュートを決められ82-80と2点差に迫られるが、ここでマブンガの完璧なキックアウトからオープンになった岡田が3ポイントシュートを決める。たまらずタイムアウトを取った三河に対し、直後のプレーで金丸にタフショットを打たせ、そして再び岡田が、今度はスミスをスクリーンに使って自らフリーを作り3ポイントシュートを沈め、88-80と突き放す。その後もスティールした比江島がそのまま持ち上がって3ポイントシュートを決めるが、このビッグプレーの直後にオフェンスリバウンドを奪っての二次攻撃でマブンガがロング3ポイントシュートを決め返し、残り45秒というところで三河の戦意をへし折った。最終スコア91-84で京都が勝利している。比江島にやられても、インサイドの守備は崩れず第4クォーターはもちろん両チームともにオン・ザ・コート「2」。昨日は散々にやられたインサイドを、永吉まで含めたビッグラインナップや他の選手がヘルプする連携で守ったことで、比江島に大量得点を奪われながらも主導権を明け渡さなかった。ペイント内の得点は38-38でイーブン。前日の10点差(34-44)からの改善が大きな勝因となった。また、リバウンドで34-26と上回り、容易にリバウンドを渡さないことで三河にファストブレイクの機会を与えなかった。三河がファストブレイクから奪った得点は、立ち上がりの比江島のスティールから橋本竜馬が走った2点だけ。目立たない数字ではあるが、京都がいかにしぶとくディフェンスしたかを表している。一方、派手な数字としては3ポイントシュート。5本決めた岡田優介を筆頭に、6選手が計13本を決め、6本成功の三河を大きく上回った。昨シーズンは同じ西地区で8度対戦したが、京都は全敗を喫していた。地区が分かれた今シーズンは初の顔合わせとなり、昨日敗れて9連敗。京都にとっては10試合目で初の三河撃破となった。浜口炎ヘッドコーチは「チームみんなでダシツクセタ。昨シーズンから9連敗しているチームなので僕たちはチャレンジャー。選手がエネルギーをもってプレーしてくれた」と試合を振り返る。「三河から一つ勝ちきれたことは本当にうれしく、そして一つチームがステップアップできたと思います」。そう指揮官が語るとおり、ただの1勝ではない価値を持った勝利だった。2017/12/24Bリーグ&国内
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我慢の守備から劇的な結末へ、京都ハンナリーズが敵地で地区首位の琉球を撃破!残り13秒からマブンガが決めての逆転勝利12月20日、京都ハンナリーズが敵地の沖縄市体育館で同じ西地区首位の琉球ゴールデンキングスと対戦。試合の大半で追いかける苦しい展開の中、残り5秒にジュリアン・マブンガが勝ち越しシュートを決め69-68で劇的な勝利を収めた。第1クォーター終盤、琉球はアイラ・ブラウン、二ノ宮康平の連続3ポイントシュートによって9点のリードを奪う。第2クォーターに入っても琉球の流れは続き、残り約7分には岸本隆一の得点でリードを14点にまで広げた。しかし、ここから京都が反撃。永吉佑也やローレンス・ブラックレッジの奮闘で10点を連取して一気に点差を縮める。さらに琉球がハッサン・マーティン、ヒルトン・アームストロングと外国籍2人が揃ってファウルトラブルに陥ったことも響き、このクォーターでわずか10得点。29-33まで京都が点差を詰めて前半を終えた。第3クォーターはどちらも決め手を欠き、50-51と京都1点ビハインドで最終クォーターへ。残り約3分半、京都はターンオーバーからの速攻を許し、59-65と突き放されるが、ここから本日ゲームハイの18得点を挙げたジョシュア・スミスが巨体を生かしたパワープレーによるバスケット・カウント、豪快なダンクによる連続得点と大暴れし、残り2分で67-65と逆転する。このまま逃げ切りたい京都だったが、残り13秒、岸本に3ポイントシュートを沈められ逆転されてしまう。だが直後、タイムアウト明けとなるオフェンスでマブンガがゴール下に切れ込み体勢を崩しながら決めきり、息詰まる熱戦に終止符を打った。ゴール下の戦いで優位に立ったことが勝因に京都の浜口炎ヘッドコーチは、勝因として守備で我慢できたこと。さらにペイント内の得点で、36-18とダブルスコアをつけ、ゴール下の戦いで優位に立てたことを挙げる。「第1クォーターにジャンプスタートを許しましたが、第2クォーター以降はディフェンスで踏ん張れました。そして前半に相手のビッグマンをファウルトラブルにさせたのは、インサイドを突きたかったウチには非常に良かったです」「京都はディフェンスができないチームと数字上で出ています。トランジションも遅い。そこをチームとしてなんとか改善したいです。今日はビッグマン3人(外国籍選手2人と永吉の同時起用)を使ってスイッチしながらうまく守ったり、琉球のプレッシャーがきつい時は綿貫(瞬)、(伊藤)達哉、片岡(大晴)の3人で乗りきったりと、この試合については良いディフェンスができました」また、勝敗を分ける大きなポイントとなったのが、京都2点リードで残り18秒から始まった琉球のオフェンスだった。時間をギリギリまで使いながら同点、もしくは逆転を狙うのが1つのセオリーだが、ここで琉球は岸本が5秒しか時間を消費せずにクイック3ポイントシュートを放つ。これが決まり一時は逆転したが、京都に多くの残り時間を与えたことが、あくまで結果論ではあるが、再逆転を許す要因となったのかもしれない。守備力を信じての『確率論』が結果的に裏目にだが、この場面について琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「追っている立場として時間を潰して(シュートを打つ)、ではない。僕たちは確率的にディフェンスのチームだと思っているので、最後には守りきれるという可能性を信じました。岸本に行けるなら行っていいぞと言っていました」とコメント。クイックシュートは計画していた一つであり、これまでの好成績を支えてきた守備力を信じての決断だった。一方、浜口ヘッドコーチは、「最初はジョシュアのインサイド、そこが入らなかったらセカンドオプションでジュリアンということは言っていました」と振り返る。琉球としてはインサイドで大暴れしていたスミスにボールを入れさせず、計15本中3本成功のみとシュートタッチが良くなかったマブンガにボールを持たせたのは、『確率論』で悪くない流れだった。しかし、ここでマブンガが勝負強さを見せた。敵地で大きな白星を挙げた京都としては、この勢いを今週末に対戦するシーホース三河戦につなげ再びのリーグ上位相手から勝利を挙げたいところだ。2017/12/21Bリーグ&国内
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Bリーグ第8節の『BEST of TOUGH SHOT』、5つのスーパープレーを紹介Bリーグ第8節の『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』が発表された。選出された5つの得点シーンを振り返る。第5位 ハシーム・サビート・マンカ(横浜vs富山)マークにつくドリュー・ヴァイニーが背を向けてボールマンに意識がいった瞬間に、3ポイントラインからゴールへ走り込むサビート。サビートのその姿をとらえた川村卓也はボールを持ってから一瞬の判断でゴールへふわりとしたパスを供給。そのボールを空中でキャッチし、ワンハンドで決めたサビートのアリウープ。試合後「サビートの異次元の高さに慣れてきた」とコメントした川村のパスセンスも見逃せない。第4位 片岡大晴(京都vs大阪)ジュリアン・マブンガのスクリーンに対し、3ポイントラインへ上がると見せかけてゴール下に走りこんだ片岡。角度がないところでパスを受け、ゴールがほぼ見えない状況だったが身体が流れながらも感覚で放ったリバースレイアップがリングに吸い込まれた。理想的なバックドアプレー。第3位 ジョシュア・スミス(京都vs大阪)マブンガとのハンドオフからゴールへ向かうスミス。その体躯によってマブンガをマークする熊谷尚也は後手を踏み、スミスにつくジーノ・ポマーレはマブンガへのヘルプにいくことになりスミスのマークを外してしまう。ノーマークでボールを受けたスミスは豪快にダンクを叩き込み、ポマーレからのファウルも誘発した。また一連の動きの中で岡田優介も3ポイントラインへ動き出したことにより、木下博之はヘルプにいけなかった。4位に続き京都の連動したオフェンスが光る。第2位 長谷川智伸(滋賀vs島根)延長戦、4点リードで残り2分を切った場面、ファイ・サンバとのハンドオフで一瞬のズレを作った長谷川はわずかな隙から迷わず3ポイントシュートを放つ。この3ポイントシュートが決まり、3ポゼッション差とした滋賀が逃げ切りに成功した。長谷川の勝負強さが際立ち、これを決められたらお手上げといったプレー。第1位 ライアン・ロシター(川崎vs栃木)最終クォーター残り4.3秒、2点ビハインドで迎えた最後のチャンス。栃木は好調のセドリック・ボーズマンにボールを託そうとするが、川崎のディフェンスがそれを阻む。ゴール正面でボールを保持するロシターはそれを確認すると自ら3ポイントシュートを放ち、これが決まって逆転勝利をつかんだ。チームメートが喜び抱き合う中で一人冷静なロシター。残り時間は1秒、「喜ぶのはまだ早い」と気を緩めない彼の判断力には感服だ。2017/11/15Bリーグ&国内
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京都ハンナリーズの圧力に耐えた西宮ストークス、『全員バスケ』でリードを守り切りB1初勝利!スピーディーなバスケで西宮が序盤から主導権を握る開幕5連敗と『B1の洗礼』を浴びていた西宮ストークスが、6試合目にして初勝利を挙げた。昨シーズンから主力メンバーが変わらずチームの完成度の高さが売りの西宮は、組織的な『走るバスケ』でB1を戦っている。ここまで千葉ジェッツと富山グラウジーズを相手に善戦しながらも、後半の戦い方に脆さを見せて連敗を喫していた。京都と戦う今節、金曜ナイトゲームで行われた初戦も同様。リードして迎えたラスト1分半を無得点に抑えられ、逆転負けを喫した。10月14日の第2戦、西宮は試合開始から4分間で12-2のビッグランを決める。外国籍選手オン・ザ・コートは京都が「2」、西宮が「1」と不利ではあったが、コナー・ラマートと谷口淳のスモールラインナップが素早い展開からシュートチャンスを作り出し、ペリメーターシュートを確率良く決めて第1クォーターを21-11で取った。続く第2クォーターは第1戦でも活躍したドゥレイロン・バーンズが点取り屋の才能を発揮。京都が得意とするスローテンポに持ち込ませず次々とシュートを放ち、リバウンドでもサイズの不利を覆す奮闘を見せた。前半を終えて45-27と西宮が圧倒。京都は前半だけでターンオーバー14(西宮は5)、リバウンドも互角で、シュート確率よりも攻撃機会の差(前半のシュート試投数は西宮34に対し京都23)がスコアに表れた。脅威のシューター岡田が見せる『逆転の京都』の圧力それでも京都は開幕から昨シーズンのプレーオフ進出チームを相手に3勝1敗と好調。結果が出たことで自信もついており、ハーフタイムでしっかりと立て直す。きっかけとなったのは、ジュリアン・マブンガとジョシュア・スミスが西宮のハイテンポなバスケに乗れないと見て、マーカス・ダブにオン「1」の第3クォーターを託して守備を立て直したことた。そのダブは第3クォーターの10分間で得点がなかったものの、ペイント内で相手に自由を与えず西宮の勢いを削ぐ。京都はここから強引な3ポイントシュートを次々と放つリスク覚悟の攻めが功を奏し反撃開始。ここで主役を演じたのは岡田優介だ。3ポイントシュート、さらには3ポイントシュートにバスケット・カウントのボーナススローも決める4点プレーであっという間に7得点を奪うと、片岡大晴も3ポイントシュートで続き、さらには片岡のスティールから岡田がトランジション・スリーをねじ込む。残り6分25秒で西宮がたまらずタイムアウトを取った時には40-50と10点差まで追い上げていた。それでも西宮はここで踏ん張った。54-45で迎えた第4クォーター、開始直後に谷口がファウルトラブルでベンチに退くが、代わって入った石塚裕也がハッスルプレーで攻守を支える。怖い岡田にも激しく寄せ、第3クォーターの4本に続き第4クォーターにも3本の3ポイントシュートを許しながらも、楽なシュートは1本も打たせなかった。終盤になってマブンガにも当たりが来て、京都は様々な手で崩しにかかるが、西宮は浮き足立つことなく2桁のリードをキープする。23得点を挙げた殊勲のバーンズ「グレートだ」残り3分、石塚と谷口の日本人ビッグマンが立て続けにファウルアウト。第4クォーターになってやられていなかった連続得点をここで奪われ、岡田の3ポイントシュートで70-63と7点差に。それでも次の攻めでオフェンスリバウンドを拾って時間を使いながら、最後は谷直樹のオープンを作り出す『チームで作った2点』で京都の流れを切る。決して派手ではないが効果的な一発で、西宮に流れが行ったかに思われたが、その直後に岡田が激しいチェックに倒されながらもこの日7本目の3ポイントシュートをねじ込み、ボーナススローも決めて72-67と5点差に。だがその直後、バーンズが強引なアタックでダブの個人5つ目のファウルを誘ってコートから追い出すと、フリースロー2本も決めて京都を突き放す。その後のファウルゲームを落ち着いて乗り切り、最終スコア79-72で勝ち切った。勝利の立役者となったバーンズは、オン「2」の20分間だけの出場で23得点。第1戦も好調で17得点を挙げたが、ステップアップしてチームにB1初勝利をもたらし、「グレートだ。今日ようやくシーズンが始まった気がする」と勝利を喜んだ。西宮はオフェンスでは積極性を終始保ち、ディフェンスでは集中力を切らさなかった。京都が後ろから圧力をかけるゲーム展開は、前節には千葉ジェッツでも辛抱しきれなかったもの。そこを浮き足立つことなく自分たちのバスケットに徹した上での勝利で、その意義は非常に大きい。天日謙作コーチは開幕前に「勝率5割は行きたい」と語っていた。借金スタートとなったが、まずは1勝。ここからチームの総合力で戦う西宮の良さが発揮されそうな気配だ。2017/10/15Bリーグ&国内
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ド派手な千葉ジェッツのバスケに圧倒されながらも我慢を続けた京都ハンナリーズ、ラスト10分を26-6の大反攻で逆転勝利!スピーディーで派手な千葉の楽勝ムードが漂うも……千葉ジェッツと京都ハンナリーズの第2戦。初戦を危なげなく勝利した千葉が終始リードするも、京都が第4クォーターに26-6と怒涛のパフォーマンスを見せて逆転勝利を収めた。立ち上がりは互いにディフェンスが目立ち、イージーシュートの機会がない重たい展開に。ギャビン・エドワーズがアグレッシブにプレーするも、ゴールテンディングに永吉佑也と激突してのアンスポーツマンライクファウルとハッスルが裏目に出る。それでも第2クォーターに入ると千葉にエンジンがかかり、相手の細かいミスを逃さずボールを奪っては走る展開を作り出す。トニー・ガフニー、伊藤俊亮の下支えを受けつつ富樫勇樹やアキ・チェンバースが強力にボールをプッシュ。重い展開に持ち込みたい京都の思惑を打ち破り、この10分間だけで7本のスティールを決めて得点へとつないだ千葉が35-28とリードして前半を終えた。そして第3クォーター、最初のプレーで富樫のファストブレイクが決まり、エドワーズとマイケル・パーカーが立て続けにブロックショットを決めて5163人と大入りの観客を沸かせる。富樫がスピードに乗ったドライブから得点を量産、小野龍猛も京都のゾーンディフェンスの隙を突いて3本の3ポイントシュートを決めてこのクォーターで11得点。アグレッシブなディフェンスからの速攻、得意の展開に持ち込む千葉の楽勝というムードが船橋アリーナに漂い始めていた。地味だが効果的な働きで我慢、最終クォーターに爆発それでも京都はしぶとく耐えていた。帰化選手のパーカーの存在で、オン・ザ・コート「1」の時間帯はどうしても千葉に分がある。千葉がオン「2」で京都が「1」だった第2クォーター、両チームともにオン「1」だった第3クォーターを取られたが、千葉の勢いに飲み込まれつつも大崩れせずに踏み留まった。チームとして流れを呼び込むことができない状況でも、伊藤達哉、岡田優介、ジョシュア・スミス、綿貫瞬が個々のハッスルプレーで試合をつないでいた。特に効いていたのは『150kgセンター』のスミスだ。チームとして有効な攻め手を見いだせない状況、ゴール下でボールを受けては重量で押し込み、着実に得点を重ねていく。一度は伊藤の厳しいマークにキレそうになりながらも自制心を保ち、ファストブレイクに3ポイントシュートと派手な千葉のオフェンスとは対照的に、見栄えはしないが効果的な働きで試合をつないだ。第3クォーターを終えて62-51、京都は最大16点あったビハインドを詰め、10点前後の差で食らい付いていた。そして両チームともオン・ザ・コート「2」の最終クォーターに最高のパフォーマンスを見せる。まずはディフェンス。第3クォーターまで17得点を稼いだ富樫を片岡大晴がマッチアップして自由を奪い、さらにはシュートタッチが悪くオフェンスで貢献できずにいたジュリアン・マブンガとマーカス・ダブが守備でハッスル、強烈なプレッシャーをかけてゴール下でのシュートを打たせない。これで千葉が我慢できなくなってしまった。大野篤史ヘッドコーチが敗因に挙げたのは、この場面でのオフェンスの停滞ではない。「オフェンスがうまく行かない時に我慢してディフェンスしなければいけないところで、それができなかった」と振り返る。千葉は攻め急いではボールを失い、守備でもそれまでの粘りを失っていた。殊勲の永吉「負けていても誰一人あきらめていなかった」京都は約6分間、千葉に得点を与えず、この間に内海慎吾が2本、マブンガが1本の3ポイントシュートを含む17-0のランで一気に逆転に成功する。残り1分を切ったところで永吉が値千金の3ポイントシュートを決めて73-66。この一本が決定打となり、京都が77-68で逆転勝利した。昨シーズンには強豪相手に劇的な逆転勝利を何度か挙げている京都だが、今シーズンもその持ち味は変わらない。相手の時間帯が長く続いても我慢強く耐え、最後に一気にひっくり返した。浜口炎ヘッドコーチは勝因を次のように語る。「何とか1桁をキープしたのが一つ。そしてバスケットは5点シュートや10点シュートがないので、一つずつディフェンスで頑張ること。点数が離れた時にクイックショットを打っても点数が離れるだけなので、そこだけ注意しながら。チームのプランどおり、選手が実行してくれた。アウェーで千葉に1勝1敗は、今のウチのチーム状態からしたら上出来で、うれしいです」我慢の展開の中で攻守にチームを引っ張る働きを見せた永吉はこう語る。「第3クォーターが終わるまでずっと我慢の展開が続けられたのが1つ目。2つ目は第4クォーターにチームが一丸になれたこと。負けていても誰一人あきらめていなかったし、それが第4クォーターの6-26という結果を生んだ」好成績を収めた昨シーズンからの継続路線で千葉が安定した強さを発揮するのは開幕前から想定されていたこと。しかし京都も、メンバーは変わりながらもチームのアイデンティティは変わっていなかった。千葉を相手に『耐えて勝つ』成功体験ができたことで、今後の試合でも粘り強さは発揮されるだろう。昨シーズンのプレーオフ進出チームである三遠ネオフェニックスと千葉と対戦しての3勝1敗は上々のスタート。京都は西地区をリードする存在となりそうだ。2017/10/09Bリーグ&国内
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『ジャンボトラック』がゴール下を支配、パワーとサイズを増した京都ハンナリーズが三遠ネオフェニックスに開幕2連勝!インサイドを軸とする堅守でタフゲームを制す10月1日、京都ハンナリーズがホームで三遠ネオフェニックスと対戦。前日(80-62)に続いての安定したディフェンスによって65-63と競り勝ち、開幕2連勝を飾っている。第1クォーター、京都は18-7と先手を奪うとそのまま試合を優位に進め、第3クォーターを終えて14点のリードを奪う。第4クォーターに入ると、外国籍選手がスコット・モリソンのみと苦しい布陣の三遠も意地を見せ、残り5分で5点差まで詰め寄る。しかし、京都はここで踏ん張り、残り約3分に片岡大晴のシュートで再びリードを10点差に広げると、そのまま粘る三遠を振り切った。「最後はタフゲームになりました全体的にはしっかりディフェンスができて63点に抑えることができました」。京都の浜口炎ヘッドコーチは守備でつかんだ勝利と語る。また、外国籍一人と手負いの相手だったとはいえ、「三遠さんはどのチームよりも若干、完成度は高いと思います。そのチームに接戦を勝ち切れたのは若いチームにとって自信になりました」と続けている。『ジャンボトラック』のジョシュア・スミス「150kg」この試合、京都の勝因となったのは、日本代表の太田敦也がいるとはいえサイズ不足に陥っていた三遠の弱みを的確に突き、ゴール下を支配したこと。特にジョシュア・スミスが21得点16リバウンドを大暴れ。試合序盤の負傷でわずか約9分の出場に終わった守備の要マーカス・ダブ離脱の穴をしっかり埋めた。スミスといえば、HPに記載されている体重は138kgだが、実際に見ると「もっと重いんじゃないか?」と感じてしまう巨体の持ち主。だが、試合後のヒーローインタビューで体重を聞かれると、「150kg」とあっさりカミングアウト。この体格だと当然のように、機動力が不安視されるが、浜口ヘッドコーチは「意外と足は速いですし、ジャンプへの動作も速い。トランディションについていけないことはないです。ディフェンスについても、特に手を出すのがうまいです」と評価している。ジョシュア・スミス本人も「僕はスピードがあるわけではないけど、クイックネスはある」とコメント。実際、瞬間的な動きでうまく身体を寄せてインサイドにアタックするコースを作り出したり、守備でも指揮官も触れたように素早く手を出してボールを弾いたりする術に長けている。去年プレーしていたフィリピンではファンに『ジャンボトラック』と呼ばれた新戦力は、インサイドにくさびのパスを入れ、攻撃の起点とするスタイルを志向する指揮官とは抜群の相性。これから日本のジャッジに慣れ、周囲とのコンビネーションが深まればさらなる脅威になってくるだろう。余談ながら脚にはドラゴンボールのタトゥーを入れるほどのファンであり、「好きなキャラは孫悟空かベジータだね」という意外な趣味も明かしてくれている。永吉も守備で貢献、ビッグラインナップに期待また、スミスと同じく新戦力で、待望の日本人ビッグマンとなる永吉佑也も9リバウンド2ブロックと守備で貢献。そして第4クォーターには、スミス、永吉に加え、ジュリアン・マブンガ、片岡、岡田優介というビッグラインアップも導入している。外国籍相手とも渡り合うことができる永吉の加入により、昨シーズン3ポイントシュートの成功数リーグ1位とアウトサイドをより得意とするマブンガの個性をより生かせる布陣も組めるようになり、「こういう組み合わせをこれからもできればいいなと思っています」と指揮官もチームの武器にしていきたい考えだ。パワーとサイズを増した京都が、来週対戦するのはリーグ屈指の高速バスケを展開する千葉ジェッツ。対照的な個性のぶつかり合いで、楽しみなカードとなっている。2017/10/01Bリーグ&国内
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『ソルジャー』こと片岡大晴、新天地となる京都での意気込みを語る「戻って来るチャンスを得たからにはしっかり頑張る」Bリーグ1年目の昨シーズン、仙台89ERSは奮闘むなしくB2への降格が決まった。その仙台で全60試合出場、チリジ・ネパウエに次ぐ平均24.4分のプレータイムを得てフル回転した片岡大晴は、京都ハンナリーズに新天地を求めた。彼にとっては2012-13シーズンにプレーした経験がある古巣だが、地元仙台へ強い愛着を持っていただけに、移籍は意外でもあった。どのクラブに行っても気持ちのこもった全力プレーでファンの心をつかむ片岡に、移籍を選択した理由と新天地での意気込みを聞いた。「真っ先に、すごく熱意を持って声をかけていただいた」──まずは単刀直入に、移籍した理由を教えてください。仙台は地元だし、そこでバスケットをすることは自分にとってすごく大事なことです。それでも自分のバスケットボール人生を考えた上で、仙台にいる以上に大きい、もっともっと得られるものが京都にはあると感じたからです。ブースターの方とかチームメート、フロントへの思いもあります。家族にも大きな思いがあって、仙台では両親や兄妹たちとみんなで幸せな2年間を過ごしていたので、それだけを考えれば仙台で続けていたかもしれません。でも、もっとチャレンジしたいと思ったんです。──では、なぜ京都だったのでしょう。オファーは他からもありましたか?いえ、京都が真っ先に、すごく熱意を持って声をかけていただきました。それでもう「行くしかない」と気持ちが固まりました。なぜ京都かと言うと、仙台がどういうという話ではありませんが、ハンナリーズというチームは(浜口)炎さんを中心とした、一つの家族になって同じ目標に向かってバスケットボールに取り組んでいます。それはみんな当たり前に言うことだけど、それを体現できているかと言えば、実際そこまで徹底されているチームはないと思っています。僕は4年前にハンナリーズでプレーさせてもらいました。その時に1年しか在籍してないんですけど、終わってから、バスケットに取り組む過程ですごい素晴らしいものを得られたと思いました。それは僕にとってすごく大切なんです。──京都のカラーですね。片岡選手が感じる浜口ヘッドコーチの魅力はどんなものですか?徹底する姿勢だったり、選手を導く力、真摯な姿勢ですね。人としての魅力を感じます。この人を勝たせたいし、チームに貢献したいなという思いが純粋にあります。声やエネルギーは「生き残るため」に始めたもの──あらためて片岡選手のプレーについて聞きたいのですが、自分のプレースタイルをどう見ていますか?常にエネルギーを持って声を出し続ける選手でありたいと思っています。Bリーグになって1年やってみて、もちろん得点やいろんなプレーでまだまだいけると感じた部分もありました。それに加えて僕の長所はそういうところではなくて、姿勢やバスケットボール選手として強くいる姿だと思っているので、その部分で認められたいです。──ニックネームである「ソルジャー」そのまま、コート上で戦う姿勢を前面に押し出すスタイルですが、こうして話しているとものすごく真面目で真っ直ぐ、丁寧で、ガツガツ戦う感じには見えないというギャップがあります。もう身に着いちゃっているんですよね。なぜかと言うと、僕がルーキーで栃木ブレックスに入団した時はチームメートが日本代表クラスの先輩ばかりで、その中でどう自分を出していかなきゃいけないのかを必死で考えました。そうしないと生き残れないという思いでした。そうして見いだしたのが声だったりエネルギーです。それは1日とか1週間じゃなくて、シーズンを通して365日ずっと出すことができれば面白いと思ってもらえて、生き残っていけるんじゃないかと。そこから始まっているんです。「最初は緊張しますが、バスケをやれば近くなる」──そんなスタートでしたが、次がプロでの10シーズン目です。ベテランと呼ばれる年齢にもなりました。チームが変わってもそういう部分でチームを引っ張っていくつもりですか?引っ張るという気持ちではないんですけど、チームに貢献したいという思いはあります。うるさいと思われるかもしれないけど、それが大切だということを出していきたいです。恥ずかしい部分はもちろんありますよ。「最初の練習でどうやって声出していこうかな」とか「うるさいと思われるんじゃないか」とか、いろんな思いはあります。でも、それも含めてチャレンジなので、毎回それを思って最初の練習に臨みます。最初はやっぱり緊張しますよ。でも、バスケをやればグッと近くなるのは分かっていますから。──まだ開幕まで間がありますが、京都のブースターにメッセージをお願いします。『ソルジャー』というバスケットボール選手はどんな選手なんだろう、と興味を持ってほしいです。自分のことを知って元気付けられる人が一人でも増えたらいいなと思ってやっているので、そこを見てください。4年前にプレーした京都に戻って来ることができて、そのチャンスを得られたからにはしっかり頑張ろうという気持ちなので、その思いをプレーで届けたいです。もちろん仙台の人たち、今までプレーしたすべてのチームの人たちにも、まだまだ頑張っている姿を届けたいので、ファンの皆さんのために、バスケットボールにかかわるすべての人に見せていきたいと思って頑張ります。2017/07/18Bリーグ&国内
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ロックフェス『京都大作戦』に京都ハンナリーズが参戦、『完全アウェー』ながらも全く異なるバスケに刺激を受け大興奮!内海慎吾は「盛り上げるのがうまいなあ」と感心人気ロックバンド『10-FEET』が中心となって行われるミュージシャン主催型フェスの『京都大作戦』。例年、『音楽×バスケ』のコラボということでフリースタイルバスケのパフォーマンス集団『大阪籠球会』が出演しており、『鞍馬ノ間』と名付けられた屋内ステージではバスケのトーナメント戦『京都大作戦杯2017』が行われた。7日には大阪籠球会とのエキシビジョンマッチに、京都ハンナリーズが登場。先日、東京オリンピックの種目になることが決まり話題の3x3で対決した。京都から参加したのは内海慎吾、頓宮裕人、片岡大晴そして伊藤達哉。シーズンオフ期間のイベントとあって勝敗よりもエンタテインメント性に特化した内容となったが、選手たちは大いに楽しみ、なおかつ観客を楽しませた。内海慎吾は「いやあ、完全アウェーでした」と苦笑いを浮かべながらも、ロックフェスでの3x3という体験に刺激を得られた様子。「大阪籠球会を見て、こうやって盛り上げるバスケットボールを作り上げてきたんだな、と感じました。Bリーグができて僕らの試合にもエンタテインメント性が出るようになって、ハーフタイムやタイムアウト間の演出は今までに比べて格段に良くなっています。でももっとレベルアップしないといけないですね。バスケ好きだけじゃなく、バスケ会場の雰囲気が好きな人が来てくれるようにしたいです」ビッグマンの頓宮裕人は「僕はドリブルとかの技術がないので魅せるバスケはあまりできないんですけど、3x3の雰囲気は楽しかったです」と笑顔で語る。「僕はフェスにも来たことがなくて、どういうものかイメージもできなかったんですけど、体育館の雰囲気もすごく良かったです。フェスも見に行ったんですけど、すごい盛り上がりでしたね!」佐藤託矢と小島元基がまさかの飛び入り参加エキシビジョンマッチの途中には、ロックフェスのイベントらしい『乱入者』も現れた。昨シーズン限りで京都を離れた佐藤託矢と小島元基だ。2人はプライベートで会場を訪れていたが、目の前で繰り広げられる熱戦に引き込まれ、気付けばコート上に。飛び入りで参戦することになり、あくまで軽くではあるがプレーすることになった。小島は「僕は3x3も初めてだったし、観客も音楽もすごくて感動しました」と興奮。「5人制のバスケはまず勝つことが大事なんですけど、3x3はお客さんがライン際ギリギリまでいるので興奮度がすごくて、そんな状況に3x3の選手は慣れていて盛り上げるのも上手なんです。その点については『プロだなあ!』と感じました。3x3の魅せるプレーを間近で見たことで、僕自身もいつもとは違う刺激が得られました」一方の佐藤は3x3経験者。「すごく楽しい競技なんですが、やっぱりケガが怖いので自分の中で一線を引いてたんです。だけど、今回は飛び入りで参加させてもらいました」と言う。「やっぱりバスケにはヒップホップとかR&Bのイメージがあるんですけど、京都大作戦ってロックフェスで、お客さんがロックに合わせてリズムを取っているのが新鮮だけど自然で良かったです。5人制はバスケを知っている人が見に来る競技だと思います。3x3の選手は知らない人に興味を持ってもらうような見せ方をするので、大変だと思いますがリスペクトする部分でもあります」小島はアルバルク東京へ、佐藤は横浜ビー・コルセアーズへ。奇せずして『京都大作戦』というロックフェスの場で京都のファンに挨拶する機会を持つことができた。また片岡は京都に来て初めてのプレーを3x3の舞台で迎えることになった。5人制と3x3は異なる競技だが、どの選手も口にしたように『魅せるバスケ』はBリーグにも参考になるはず。フェスで生まれたケミストリーが、2年目のBリーグに新たな何かをもたらすことを期待したい。2017/07/13Bリーグ&国内
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京都ハンナリーズが仙台89ERSから片岡大晴を獲得、4年ぶりの復帰に「想いに応えられるよう全力でやっていきます」「ソルジャー」の異名どおりハッスルして戦える選手京都ハンナリーズは片岡大晴と2017-18シーズンの契約を結んだことを発表した。31歳の片岡大晴は4年ぶりの京都復帰となる。過去2シーズンは仙台89ERSでプレー。Bリーグ初年度のシーズンは全60試合に出場、不動のシューティングガードとして54試合に先発している。2番ポジションとしてはサイズがあり、それでいて動けるのが片岡の魅力。平均24.4分と長いプレータイムを与えられても「ソルジャー」の異名どおり終盤までハッスルして戦い、チームを盛り立てられる存在だった。生まれ故郷のクラブである仙台を離れるにあたり、片岡はクラブを通して次のようなメッセージを残している。「自分自身のバスケットボールと成長を1番に考え決断させていただきました。生まれ育った宮城で大好きなバスケットボールを通して沢山の方々と関わり、過ごすことが出来てとても幸せでした」また久々の復帰となる京都のファンには次のようなコメントを発表している。「再び京都ハンナリーズでプレーする機会を与えて頂きとても嬉しいです。チーム、京都という街の想いに応えられるよう毎日を全力で自分に厳しくやっていきます。尊敬する浜口ヘッドコーチ、北川トレーナーのもと、ハンナリーズは強く、素晴らしいチームだと証明出来るよう気持ちを強く持ち、仲間や周りを想う心を大切にし、ブースターと共に歩んでいきたいです。ソルジャーとみなさんに気持ちよく叫んでもらえるような熱い姿を届けます。みなさんよろしくお願いします」2017/06/14Bリーグ&国内
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Bリーグ第27節の『BEST of TOUGH SHOT』、5つのスーパープレーを紹介第27節の『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』が発表された。選出された5つの得点シーンを振り返る。第5位 タイラー・ストーン(千葉vs栃木)高いボールハンドリング技術で田臥勇太を翻弄し、竹内公輔の上から叩き込んだダンクシュート。右から左へのクロスオーバードリブルに反応する田臥だが、ストーンはそこからバックビハインドドリブルで完璧にマークを外しダンクを成功させた。203cmとは思えない、ステフィン・カリー顔負けのドリブル技術と、自分よりも3cm高い竹内のブロックを越す跳躍力を持ち合わせるストーンならではのスーパープレー。第4位 チリジ・ネパウエ(仙台vsA東京)208cm122kgとは思えない身のこなしからジェフ・エアーズをかわして決めたダンクシュート。ネパウエは3ポイントライン付近の高い位置からドリブルを開始。エアーズがスティールを狙おうと手を伸ばした刹那、軽快なステップからリバースターンでマークを外し、無人のゴールへダンクを叩き込んだ。第3位 クリント・チャップマン(富山vsA新潟)シュートフェイクにかかったデクスター・ピットマンをカウンターで抜き去って決めたパワフルなダンク。3ポイントシュートまで打つことができるシュートレンジを持つチャップマンと広いエリアでの1on1の形、ペイントエリアを主戦場にするピットマンも外までケアに行くしかなかった。そこでチャップマンがスピードのミスマッチを生かす。完璧に抜かれたピットマンは『お手上げ』といった形で両手を広げた。第2位 片岡大晴(仙台vsA東京)空中で2人をかわして決めた滞空時間の長いダブルクラッチ。マークがズレて慌ててシュートチェックに来た伊藤大司をカウンターで抜いた片岡は、そのままリングへアタック。ヘルプにきたザック・バランスキーと竹内譲次のブロックを見て、瞬時にダブルクラッチへと切り替える。リングから遠い位置から踏み込んだにもかかわらず、高い跳躍力で見事なダブルクラッチを成功させた。第1位 クレイグ・ブラッキンズ(滋賀vs琉球)シュートチェックから走ったブラッキンズのバスケット・カウントとなるダンクシュート。ラモント・ハミルトンの3ポイントシュートを狂わせ、リバウンドを取るジュリアン・マブンガの動きを確認したブラッキンズが先頭を走る。並里成はそれを確認すると間髪入れずにロングパスをピタリと合わせる。ハミルトンが追い付くも、利き手の右手ではなく左手でダンクを狙うことでブロックをかわし、さらに体勢が崩れたハミルトンのファウルも誘った。理想的な速攻からのバスケット・カウントとなった。2017/04/13Bリーグ&国内
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