
『ヒート』の検索結果
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治療を続けていたクリス・ボッシュが引退を宣言「選手としてのパートはおしまい」2000年代のスターが、また一人コートを去る NBA優勝2回、NBAオールスター選出11回を誇り、2008年の北京オリンピックでもアメリカ代表の金メダル獲得に貢献したクリス・ボッシュが、現役引退を宣言した。 『The Ringer』のポッドキャスト番組に出演したボッシュは、ヒートが3月26日に自身の背番号1を永久欠番にするタイミングで、現役を引退する意向を明かした。 「自分の人生において、選手としてのパートはおしまい。自分にとって難しいことだったけれど、もう大丈夫。(受け入れるまで)時間がかかってしまった。もっとやれていたかもしれない。でも、そういう時期は過ぎ去ったんだ。もう(現役続行を)追い求めないことを決めた。辛かったけれど、もう大丈夫」 ボッシュのキャリアを狂わせた原因は、2014-15シーズン中に発覚した血栓症だった。そのシーズン残り試合を全休して治療に専念した効果もあり、2015-16シーズンから復帰を果たしたものの、2年続けてシーズン途中に血栓が見つかってしまい、2016年2月9日のスパーズ戦を最後にプレーしていなかった。 事実上引退状態にあったも同然だったが、ボッシュ本人は復帰を熱望し続け、あらゆる方法を模索。ヒートもできることならプレーする機会を与えたかっただろうが、球団からも、医師からもプレー再開の許可は下りなかった。ヒートから解雇された後も復帰の道を諦めずに努力し続けたものの、再びプレーすれば生命の危険が伴うボッシュと契約する球団は現れなかった。2003年のドラフト全体4位でラプターズから指名されたボッシュは、キャリア13年で平均19.2得点、8.5リバウンドを記録。フリーエージェントになった2010年、同期のドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズと共に結成した『スリーキングス』のインパクトは大きく、スター選手が全盛期に集結するという現代のトレンドの草分け的存在だった。 2000年代のNBAを彩ったスターが、また一人コートを去る。 March 26th we celebrate @ChrisBosh! #ThankYouChr1s pic.twitter.com/JyKURtObPK— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2019年2月4日2019/02/14NBA&海外
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ステフィン・カリー、ドウェイン・ウェイドにド直球の質問「本当に辞めるの?」「彼が成し遂げたことをリスペクトしなくては」 2月10日のウォリアーズ戦は、今シーズンで現役を引退するドウェイン・ウェイドにとって、オラクル・アリーナでのラストゲームだった。他会場と同様に、ウォリアーズはウェイドの功績を称える動画を制作し、試合中に会場内のビジョンに映し出した。 今シーズンの恒例になっている試合後のジャージー交換の相手を務めたのは、ステフィン・カリー。試合はウォリアーズが120-118で辛くも勝利し、連勝を4に伸ばした。この試合でウェイドは、ベンチから10得点6リバウンド9アシストを記録。引退する選手とは思えない円熟味のあるプレーを続けるウェイドに対し、カリーはジャージー交換の際に素朴な疑問を投げかけた。 「まだまだやれるような気がしたから、試合後に『本当に辞めるの?』と聞いたんだ。『コート外で家庭の事情もあるのだろうけど、本当にあと何年かプレーしないの?』とも聞いた」 「彼がボールに触れるたびに、普段とは異なる雰囲気になる。そういう反応からも、キャリアを通じて彼が残してきた功績が分かる。どのチームを応援していても、彼がキャリアを通じて成し遂げきたことをリスペクトしないといけない。今日はすごい数字を残したわけではないけれど、彼はチームに影響を与えるプレーをしていた」 3️⃣0️⃣ x 3️⃣ pic.twitter.com/hTyIdmpT5O— Golden State Warriors (@warriors) 2019年2月11日 おそらく、大半のファンはカリーと同じ考えだ。ウェイドのパフォーマンスレベルは落ちておらず、彼自身が望めば続けることは可能だろう。だがウェイドにも、自分なりの引き際の美学が存在する。 ベイエリアのファンから称えられたウェイドは、試合後に感謝の気持ちを語った。「ファンのみんなの気持ちがこもって最高だったよ。チームメートとも今日は素晴らしかったと話していたんだ。最高の贈り物をくれたスティーブ・カー、ウォリアーズ、ファンのみんなに感謝している。楽しくプレーさせてもらった」 Congrats on 16 memorable seasons, @DwyaneWade 👏#OneLastDance pic.twitter.com/bN8ehDeikh— Golden State Warriors (@warriors) 2019年2月11日2019/02/12NBA&海外
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ヒートが事実上引退状態にある、クリス・ボッシュの背番号1を永久欠番にヒートでウェイド、レブロンとともに連覇を達成 2月4日、ヒートがクリス・ボッシュの背番号1を永久欠番にすることを発表した。 The Miami HEAT No. 1 will never be worn again. #ThankYouChr1s pic.twitter.com/Yl8Dv3ljwy— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2019年2月4日 ボッシュは、アロンゾ・モーニング、ティム・ハーダウェイ、シャキール・オニールに続いて、ヒート史上4人目の永久欠番選手となる。永久欠番式典は、3月26日にホームで行われるマジック戦のハーフタイムに執り行われる予定だ。 血栓症により医師からプレー再開の許可が下りず、現役復帰の道が閉ざされているボッシュは、ヒートの発表後、球団とファンへ感謝を伝える動画をTwitterに投稿。 It’s a dream come true to be able to share this experience with you! In my #HOME of #MIAMI ! See you March 26th. #HEATNation #BoshCalls @NBA @MiamiHEAT pic.twitter.com/445cdAEZxX— Chris Bosh (@chrisbosh) 2019年2月4日 2010年にラプターズからヒートに移籍し、ドウェイン・ウェイド、レブロン・ジェームズとの『スリーキングス』を結成したボッシュは、2011-12シーズンからの2連覇に貢献。順風満帆のキャリアを送っていた彼を病魔が襲ったのは、その2年後のことだった。2014-15シーズン中に血栓症が発覚すると、シーズン残り試合を全休。治療の効果もあり、2015-16シーズンから復帰を果たしたものの、2年続けてシーズン途中に血栓が見つかってしまい、2016年2月9日のスパーズ戦を最後にプレーしていない。 ボッシュ本人は復帰を熱望し続け、あらゆる方法を模索したが、ヒートからも、医師からもプレー再開の許可は下りなかった。そしてヒートは、2017年7月にボッシュを解雇する苦渋の決断を下した。 事実上の引退状態にあるボッシュは、昨年の夏、2019年2月を目処にキャリアに関する結論を下すことを示唆。「もし来年の2月までに復帰できなかったら、自分だって馬鹿ではない。でも復帰したい。困難を乗り越えようと思って努力しているんだ。目の前の試練を楽しみにしている。まだやれる」と語っていた。 最後にプレーしてから見た目には全く変わらないコンディションを維持し、今も練習を続けていても、医学的見解によれば、血栓を溶かす血液稀釈剤を投与しながら、激しい接触を有するNBAの試合に出場するのは、出血をした場合に止血ができないリスクが伴う。もし3ポイントシュートと守備に秀でるボッシュがプレー可能だったなら、今でも引く手数多だっただろう。 このタイミングでヒートが永久欠番を発表したということは、ボッシュも現役生活に区切りをつける決断を下したのかもしれない。最近になってヒートの試合会場でも姿が見られるようになったボッシュは、チームの練習をサポートしているという。今シーズン終了後に引退するウェイドは、先週、こんなことを語った。 「兄弟のような間柄として、彼を支えたい。彼が経験したことは、想像もできないよ。キャリア全盛期にバスケットボールを取り上げられたのだからね。再び球団との距離を縮めるには、少し時間が必要だったのだと思う。自分ではチームに貢献できることが多々あると思っていて、現代のバスケットボールが自分のスタイルに寄ってきたというのに何もできないのだから、辛くてたまらなかったと思う。彼が以前よりバスケットボールにかかわるようになって、チームの近くにいてくれるのは、うれしいね」 ヒートから功績を称えられるボッシュが何を語るのか、来月の式典を待ちたい。 March 26th we celebrate @ChrisBosh! #ThankYouChr1s pic.twitter.com/JyKURtObPK— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2019年2月4日2019/02/05NBA&海外
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ドウェイン・ウェイド、『ラストイヤー』に最後のオールスターゲーム出場なるか最後の晴れ舞台に相応しいオールスターゲーム 1月17日に37歳の誕生日を迎えるドウェイン・ウェイドが、NBA選手としてコートに立つのも、あと数カ月となった。ウェイドは、今シーズン開幕前に『One Last Dance』というタイトルの動画をYouTubeに投稿し、「僕にとって最後のダンスに付き合ってもらいたい。あと1シーズンで終わりにする。あと1年だけ、持っている力を出し切る」と語り、今シーズン限りでの引退を表明した。 ラストイヤーはシックスマンとして起用され、若い選手のメンターとしての役割も担っているウェイドをオールスターゲームに出場させようと、世界中のファンが彼に投票している。1月3日に発表されたファン投票中間発表では、40万9156票で東カンファレンスのガード部門2位にランクインした。1位のカイリー・アービング(セルティックス)とは50万票以上の差があるため、逆転は現実的ではないものの、先発として球宴の舞台に立つ可能性は残されている。 現役を引退する選手のオールスターゲーム出場に関しては、好意的な意見ばかりではない。中には、これからのNBAを背負って立つ選手、オールスターに相応しい成績をシーズン前半戦に残した選手を選出すべきという意見もある。たしかに、そうした声の方が正しいのかもしれない。しかし、2003年のドラフト全体5位でヒートから指名されて以降、ウェイドは誰もが認めるスター選手に成長し、NBAを牽引してきた。本来ならば、ヒートの優勝と共にコートを降りられれば最高の幕引きになるだろうが、それは起こりそうもない。プレーオフ進出が、今シーズンのヒートに達成可能なベストな結果だろう。であれば、優勝3回、オールスター選出12回を誇る彼の最後の晴れ舞台には、華やかなオールスターゲームが相応しいのではないだろうか。 ウェイドは、第1回目の中間発表の結果について、「(ファンのサポートに)感謝している」と語った。「オールスターゲームで、かつてのような自分を見たいと思ってくれるファンの皆が投票に時間を割いてくれて、恐縮している」 ヒート指揮官のエリック・スポールストラは、ウェイドに集まっている投票数について「彼がキャリアを通じて勝ち取ったもの」と称え、「人々は、正しい行いをする人を応援するもの」とも語り、ウェイドへの投票を支持している。 ウェイドにとって13回目、そして最後のオールスター出場が叶うかどうか、先発を決めるファン投票、そしてリザーブチーム枠を決める各チームのヘッドコーチ投票の行方に注目したい。2019/01/09NBA&海外
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引退するウェイドをビンス・カーターが称える「君との対戦は、喜びであり名誉だ」「君が勝ち取った栄誉は、すべて君に相応しいもの」 今シーズンを最後に現役引退を表明しているドウェイン・ウェイドが、1月6日にアトランタでのラストマッチに出場した。ホークスが106-82で勝利したこの試合中、ウェイドにはサプライズが用意されていた。 ホークスは、第1クォーターのタイムアウト時、会場となったステイトファーム・アリーナの大型ビジョンにウェイドのキャリアを称える特別映像を流した。そこには、ホークスでプレーする大先輩ビンス・カーターの姿が。そこでカーターはウェイドに向けてメッセージを寄せた。 「殿堂入り、トップクラスのキャリアおめでとう。君は何年も僕たちを興奮させてくれた。君と対戦できたことは、僕にとっての喜びであり、名誉なことだった。君が勝ち取った栄誉は、すべて君に相応しいもの。これから得る名声も、君に相応しいものになるだろう。引退後の時間を満喫してもらいたい。君がいなくなるのは寂しいよ」 "It's been a pleasure and an honor to go to battle against you for all these years."Vince Carter on Dwyane Wade. #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/dTnZ6WCg8s— NBA (@NBA) 2019年1月6日 この試合でキャリア通算3ポイントシュート成功数を500の大台に乗せたウェイドは、NBA史上3人目となる快挙も成し遂げた。ウェイドは、マイケル・ジョーダン、そして盟友レブロン・ジェームズに次いで、通算2万得点、5000アシスト、4000リバウンド、1500スティール、800ブロック、3ポイントシュート成功数500本超えを達成したのだ。 カーターがウェイドに寄せたメッセージの通り、彼に相応しい栄誉が、また一つ加わった。 Dwyane Wade knocks down his 500th career triple! #OneLastDance pic.twitter.com/m7iFdph89y— NBA (@NBA) 2019年1月7日2019/01/08NBA&海外
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現役ラストシーズンのウェイド、『フラッシュ』のキレは失うも今も変わらぬ存在感レブロンとの『最後の勝負』で見せた衰えと健在ぶり 今シーズン限りでの引退を表明しているドゥエイン・ウェイド。2003年にドラフト5位で指名されてから3回の優勝、12回のオールスター選出、得点王、ファイナルMVPも獲得してきたウェイドの今シーズンは、ベンチからの出場し26分のプレータイムで14.9点、3.9アシストを記録し、まだまだNBAで通用する実力があることと、とはいえオールスタークラスの実力とはいかないことを示しています。 同じ年にドラフト1位で指名されたレブロン・ジェームスとの現役最後の試合では、自身の限界と、それでも名残惜しく感じてしまうプレーを披露してくれました。 得点王を獲得した頃のウェイドは、初優勝時にチームメートだったシャキール・オニールが「フラッシュ」の愛称を付けるほどのスピードと多彩なステップワークで得点を量産していました。高いフィールドゴール成功率とフリースローの多さが特徴で、高速ペネトレイトは警戒していても止められず、2006年のファイナルでは6試合で97本のフリースローを打ち、平均34.7点を記録しています。 Before they go head-to-head one last time ... back in 2006, @KingJames and @DwyaneWade had a battle to remember.LeBron: 47 pts, 12 reb, 9 astWade: 44 pts, 8 reb, 9 ast pic.twitter.com/ZKwz6u0Dxd— SportsCenter (@SportsCenter) 2018年12月10日 しかし、現在のウェイドはスピードで抜ききることが難しくなり、タイミングを外してのフローターで得点するパターンはあるものの、得点王を獲得した2008-09シーズンに60%の成功率を記録していたフェイダウェイジャンプシュートの成功率は33%にまで落ちています。また、フェイクを駆使してファールを引き出すことにも苦労しています。 それでもヘッドコーチのエリック・スポールストラはウェイドを信用して、長い時間ボールを持たせています。スポールストラがヒートのヘッドコーチに就任した時はまだ38歳で、すでに優勝も経験していたウェイドとの関係性は特別なものです。同じくヒートに在籍していたレブロンとの対戦ということもあり、レイカーズ戦では32分間もウェイドをプレーさせました。 前半は1本もシュートが決まらず、ドライブも止められたウェイドですが、パスアウトを繰り返すことでアシストが増えていきます。ウェイドにボールを預ければ、得点力は落ちていても次のプレーに繋げられるというスポールストラの考えは、ウェイドにとって2シーズンぶりの10アシストという結果に繋がりました。止められたウェイドからのパスを受けたチームメートが高確率でシュートを決めることで、レイカーズのハイペースについていく前半になりました。 The @Lakers salute @DwyaneWade! #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/bggUlKPiJo— NBA (@NBA) 2018年12月11日 ウェイドはスピードを生かしたスティールとジャンプ力とパワーを生かしたブロックも武器で、オールNBAディフェンシブチームに3回選出されています。しかし、高い身体能力が生み出すディフェンス力だっただけに、どうしても年齢的な衰えが出てきてしまっています。 前半にマッチアップする機会が多かったカイル・クーズマはサイズも大きく、スピードとテクニックでウェイドを翻弄し、次々に得点を奪っていきました。ロンゾ・ボールにもスピードとパワーで押し切られたシーンがあり、高い身体能力を持つ2年目の若者たちに個人技でやられてしまうのも事実です。一方でレイカーズのベンチメンバーが相手だとしっかりと守り切る場面も増えてきます。身体能力で負けない相手にはまだまだ守れる一面も発揮しました。 後半になるとゾーンも駆使してマッチアップミスをなくす工夫したヒートにより、ハイスコアだった前半から一変しペースダウンしていきます。前半無得点だったウェイドですが、次第に集中力を上げていき、一瞬の切り返しでディフェンスを置き去りにしてのフローターや、ハイアーチのレイアップを決めていきます。 ヒートのファンがウェイドを愛する最大の理由は勝負強さ。試合を決めることができるエースは健在で、今でも勝負所では頻繁にウェイドに託していきます。この特別な試合でも勝負強さを発揮し、後半に15点を記録したことで最後まで接戦が続きました。 What a finish in LA... LeBron James & Dwyane Wade embrace after the buzzer in their final matchup! #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/N4NEikBXof— NBA (@NBA) 2018年12月11日 残り1分半、レイカーズ1点リードになると、ディフェンスでレブロンとのマッチアップを選択したウェイド。プライドがぶつかり合う2人の戦いは意地のディフェンスでシュートを決めさせなかったものの、ウェイドのシュートも決まらず時間だけが減っていきました。ファウルゲームに持ち込んだヒートですが、レブロンに2本のフリースローを決められ3点差になります。 同点の望みをかけたウェイドのプレーはレブロンに読み切られ、それでも何とかオフバランスで打った3ポイントシュートはボードとリングに当たったものの外れてしまい試合終了。この試合4本の3ポイントシュートを決めた盟友レブロンを前にして、7本打った3ポイントシュートすべてを外してしまったことで、2人の最後の対戦を勝利で飾ることはできませんでした。 キャリアを通じてシュート力の課題を克服してこられなかったウェイドですが、実は今シーズンの3ポイントシュート成功率はキャリア最高の35%で、ここに来て新たな成長もみせています。ディフェンスをスピードで振り切ることが難しくなり、インサイドでのフェイクが通用しなくなってきた中で、アウトサイドからの得点力を増している36歳のウェイド。もしも来シーズンもプレーしてくれたら、高確率の3ポイントシュートで勝利をもたらしてくれるのではないか……そんな淡い期待も抱きたくなるのが今のウェイドでもあるのです。2018/12/13NBA&海外
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終盤の1対1、試合後の笑顔と抱擁に集約されたウェイドとレブロンの『最後の対決』「僕たちは互いのベストを引き出し合ってきた」 レブロン・ジェームズとドウェイン・ウェイドは、現役最後の対戦となった12月10日の試合後、サイドライン近くで笑い合い、そして抱き合った。 ステイプルズ・センターで行われた一戦は、終盤の2ポゼッションに集約されていたと言っても過言ではないだろう。ウェイドがレブロンを抑え、そしてレブロンがウェイドに得点を許さず、レイカーズが3点リードを守り抜いて108-105で勝利を収めた。 ウェイドは、残り7.2秒にレブロン越しに放った3ポイントシュートを外した。本来は違う選手がウェイドに対応するはずだったが、レブロンはスイッチしてウェイドのマークについた。終盤の1対1について、レブロンは「あるべき形で終わった」と語った。「勝敗について言っているわけではなくて、彼と自分がラスト2ポゼッションでマッチアップしたことだ。彼が自分を守って、自分が彼のマークについた。あの瞬間を受け入れられた会場は、たった一つだけ。それがステイプルズ・センターだった。ご褒美をもらった気分だね」 試合終了後、互いに試合で着用したジャージーを交換した両選手だったが、ウェイドは、それとは別に白のヒートのジャージーにメッセージ書いてレブロンにプレゼントした。そこには「自分が想像していた以上の選手になれるように追い込んでくれて、ありがとう」と書かれてあった。 What a finish in LA... LeBron James & Dwyane Wade embrace after the buzzer in their final matchup! #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/N4NEikBXof— NBA (@NBA) 2018年12月11日 レブロンにとっても、ウェイドは同期、ライバル、チームメート、友人以上の存在だ。2010年のオフにフリーエージェントになったレブロンは、慣れ親しんだ故郷クリーブランドを離れ、マイアミでウェイド、そしてクリス・ボッシュとの『スリー・キングス』結成を決断した。そして、2012年と13年にNBA連覇を達成した。 レブロンは「自分一人でも、このリーグで成功できていたかもしれない。でも、自分が成し遂げたかったこと、つまり、最高レベルで勝つためには彼が必要だったんだ」とコメントした。 「だから決断した。言葉で表現できる以上に、彼がマイアミに移った自分のためにしてくれたことに感謝している」 ウェイドは、この日の試合を含めてNBAキャリア16年で31度対戦し、2010年から4年間ヒートで同じ釜の飯を食った親友への思いを、試合後に率直に語った。 「寂しいよ。史上最高の選手の一人と対戦したくて、自分たちはプレーしているんだ。チームメートであっても、対戦相手であっても、僕たちは互いのベストを引き出し合ってきた。自分たちの友情は、バスケットボールを超えたものだからね。でも、寂しい。彼は史上最高の選手の一人だけではなくて、最高の人間の一人でもあるから」 View this post on Instagram Man how lucky am i!? These are my brothers!!! @ud40 and @kingjames thank you both for making me a better player, person, leader and man! I love you both like a fat kid loves cake!#onelastdance #brotherhood dwyanewadeさん(@dwyanewade)がシェアした投稿 - 2018年12月月11日午前2時03分PST2018/12/12NBA&海外
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レブロンとの最後のマッチアップを心待ちにするウェイド「この機会を味わいたい」「82試合の内の1試合ではない」 12月10日にステイプルズ・センターで行われるヒート対レイカーズの一戦は、2000年代のNBAを盛り上げた2人の大スターにとって、最後の対戦になる。 今シーズン限りで現役引退を表明しているウェイドにとって、レブロン・ジェームズは同じ2003年ドラフト組(レブロンは1位、ウェイドは5位指名)であり、2010年から4年間ヒートで同じ釜の飯を食った間柄で、特別な関係にある親友だ。 12月8日のクリッパーズ戦後、ウェイドはレイカーズ戦について「レイカーズ戦は、いつだって他の試合とは異なる。観客の雰囲気も、エネルギーも異なる。今夜も素晴らしいチームと対戦したけれど、次に対戦するチームは自信に満ちたチーム。彼らには、信じられないプレーをする最高の選手がいる。勝つためには、身を粉にしてやらないといけない。素晴らしい試合になるのは間違いないね。僕は勝ちに行きたい。ただ、この試合は普段とは異なるものになる」と語った。そして、盟友との最後の対戦について、笑顔を交えながら次のように続けた。 「楽しみにしているんだ。レイカーズ戦は楽しみ。もちろん、レブロンもいるし、僕たちにとって最後のマッチアップになる。だから、普段の試合とは違って、より特別なものになる。これが82試合のうちの1試合とは言わない。僕にとっては、そうではない。親友の一人と対戦するだけではなくて、史上最高の選手との最後の対戦になる。チームとしては勝ちたい。ただ、この機会を味わいたい」 レブロンも、この試合が親友との最後の対戦になることを理解している。グリズリーズ戦後「うれしい面と、複雑な面が共存している。2003年の同期、それに自分にとって兄弟同然の彼と同じフロアに立てることはうれしい。残念なのは、これが最後になるということ」と、淡々とコメントした。 2人はこれまでレギュラーシーズン30試合で対戦し、レブロンが平均28.5得点、5.6リバウンド、7.3アシスト、ウェイドが平均25.8得点、4.9リバウンド、5.8アシストを記録している。試合展開にもよるだろうが、もし早々に勝負が決まれば、周囲が空気を読み、レブロン対ウェイドの1対1が見られるかもしれない。もしくは、接戦になって勝負どころで2人の真剣勝負、という流れになる可能性もありえるだろう。 どういう結末を迎えるにせよ、試合が終われば2人は現役選手として健闘を称え合い、親友として別れを惜しむはずだ。ウェイドの『ラストダンス』の中でも特別な試合になることだけは間違いない。公式戦でのラスト・マッチアップは必見だ。2018/12/11NBA&海外
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来週最後の対戦を迎えるウェイドとレブロン、2人にとって思い出の一枚とは?2000年代のNBA史に残る一枚は、偶然の産物だった 今シーズン限りでの現役引退を表明しているドウェイン・ウェイド、そして彼の盟友レブロン・ジェームズにとって、12月10日にステイプルズ・センターで行なわれるヒート対レイカーズの一戦は、記憶に残る1試合になるだろう。 レイカーズは11月に敵地でヒートと対戦したが、ウェイドは生まれたばかりの長女に付き添っていたため、その試合を欠場した。つまり、10日の試合は、2人がレギュラーシーズンで対戦する最後の試合になる。 同じ2003年のドラフトで指名され(レブロンは1位、ウェイドは5位)、2010年から4年間ヒートで共闘し、2度の優勝を共に果たした2人は、強い絆で結ばれた親友だ。その2人にとって、思い入れ深い一枚の写真が、今週話題になった。 On This Date: 8 years ago today, @KingJames and @DwyaneWade made one of the greatest photos in NBA history 😤 pic.twitter.com/iRg5TrW5SZ— ESPN (@espn) 2018年12月6日 これは、2010年12月6日に敵地で行なわれたバックス戦の第1クォーターに見られた光景を収めたもので、速攻からウェイドのノールックパスを受けたレブロンがワンハンドダンクでフィニッシュしたシーンだ。ダンクの迫力も見事に収められているのだが、注目すべきはウェイドのポーズ。彼は、レブロンがポゼッションをフィニッシュさせる前の時点でダンクを確信し、両手を広げてポーズを取った。この試合後レブロンは、「自分が撮影された写真の中で、過去最高の一枚!」と、Twitterに投稿。このダンクから8年が経った先週、レブロンは再び「本当に象徴的な瞬間だ!! どうやって撮影したのか分からない。これを撮影したフォトグラファーは、史上最高だね!」と、Twitterで再び絶賛した。 So ICONIC!! Crazy how that turned out. The photographer who caught this is a 🐐! SHEESH! https://t.co/ru8MIxlIqr— LeBron James (@KingJames) 2018年12月7日 この写真を撮影したのは、『AP』のフォトグラファー、モリー・ガシュという人物で、8年前のバックス戦後、撮影舞台裏を明かした。ガシュは、会場となったブラッドリー・センター(当時のバックス本拠地)のベースライン寄りの位置に待機し、手持ちのカメラでレブロンだけを狙っていた。ではどうやってこの一枚を収めたかというと、足元に設置していた無線式のカメラにより、偶然撮影に成功したというのだ。試合後に手持ちのカメラで収めた画像を確認したところ、彼は納得できるクオリティに満足した。ところが、足元のカメラで撮影した画像を確かめてみて、この一枚に驚愕したという。レブロンにだけフォーカスを向けていた多くのフォトグラファーがそうだったように、ガシュは、ウェイドのリアクションに気づいていなかった。もし足元のカメラがなかったら、この瞬間は収められていなかった。 ウェイドにとってもこの一枚はお気に入りで、今年の5月には、引退したらレブロンにサインを入れてもらい、自宅に飾ると語ったほどだ。ヒート時代に幾度となく見られた『阿吽の呼吸』とも表現できる連携は、多くのNBAファンの脳裏に焼き付いている。偶然撮影された一枚の写真が、彼らの関係性を物語っている。2018/12/07NBA&海外
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ドウェイン・ウェイドがドノバン・ミッチェルに託す思い「特別な才能を持つ選手」現役ラストシーズンのウェイド、ジャージ交換は慣例に 12月2日、アメリカンエアラインズ・アリーナでジャズを102-100で下した試合後、ヒートのドウェイン・ウェイドは、2年目のドノバン・ミッチェルと抱き合って健闘を称え、ジャージーを交換した。 今シーズン限りでの現役引退を表明しているウェイドにとって、試合後の対戦相手とのジャージー交換は慣例となっている。試合後、両選手はこの夏に頻繁に連絡を取り合っていたことを明かしている。ウェイドは「夏に電話で2時間も話した。最近はメールでのやり取りが多くて、あまり電話で話す選手も少なくなったけれどね。ただ、もう誰とも2時間も電話で話したりはしない」と、笑顔を交えつつミッチェルの姿勢を称えた。 「彼は特別な才能を持っている。ハングリーだし、偉大な選手になりたいという意欲もある。俺も彼と同じくらいの年齢の時に、あのくらい上手かったらなと思うよ。あまり知られていないけれど、彼はディフェンスでも優れている。電話では、1年目や2年目に自分がやっていたこと、目標にしていたことなどを聞かれた。どれもすごく良い質問だったよ」 Big respect, @dwyanewade ❤️#ThisIsWhyWePlay | #OneLastDance pic.twitter.com/vU5aBrUpG7— Utah Jazz (@utahjazz) 2018年12月3日 ミッチェルはウェイドとの対戦をこう振り返っている。「信じられない瞬間だ。試合中は考えないけど、こう振り返ると、自分にとってあこがれだった選手と対戦したんだからね。今年の夏、彼とは頻繁に話した。キャリアのこと、コートでやっていること、いろいろ教えてもらった」 スラッシャー型のミッチェルは、誰よりもウェイドの動きを参考にしていたという。そして、今年の8月には、カリフォルニアでウェイドと1週間の合同トレーニングを行う機会にも恵まれた。「リーグでプレーする以前から一番参考にしていたのはウェイドの映像なんだ。あの1週間は素晴らしかった。たくさん学ばせてもらった」 試合は、100-100の同点で迎えた第4クォーター残り3.2秒にウェイドが沈めたフリースロー2本が決勝点になった。ジャズとヒートはカンファレンスが異なるため、ヒート本拠地での対戦はこの日しかなかった。試合後ウェイドを見つけてジャージーを交換したミッチェルは、「僕にとって特別な瞬間だった」と語った。 「彼を見つけて、ジャージーを交換したかった。彼は歴代最高の選手の一人。今日のような特別なシチュエーションで対戦できるなんて、本当に特別なことだよ」 ウェイドは、引退後も自分の経験や知識をミッチェルに伝えていく意向を持っているという。いつの時代も、偉大な選手から有望株へ引き継がれていくものがある。こうして、次の世代にバトンは繋がっていく。 Season 16. @DwyaneWade head first into #WadeCounty!(🎥 @firstteam101) pic.twitter.com/kmhBkGtZnF— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2018年12月3日2018/12/03NBA&海外
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ヒート指揮官が明かす歪んだ『ウェイド愛』、「フェイクに引っかかったら罰金」『フランチャイズプレーヤー』ウェイドに対する熱い思い 2018-19シーズンを最後に現役引退を表明したドウェイン・ウェイドにとって、NBAキャリアで大きな分岐点になったのは、故郷シカゴを本拠地とするブルズへの移籍を決めた2016年だろう。 1年目から13シーズン所属し、3度の優勝を成し遂げたヒートを離れ、故郷へ錦を飾ることを決断したウェイドに対し、ヒートの指揮を執って11年目になるエリック・スポールストラが、当時我慢ならなかった心境を明かした。 「彼(ウェイド)がブルズのユニフォームを着た姿を初めて見た時、メールを送ったんだ。『これは違う。間違っている。周りの意見なんて知るか。君の出身地なんて知るか。とにかく、これは違う』とね」 「我々は、過去にブルズと何度も激しくやり合っている。ホームタウン云々なんて、私にはどうだって良いことだったからね」とも語ったスポールストラは、ブルズのウェイドと対戦する際、ある罰則をヒートの選手たちに強いたという。 「もし彼のフェイクに引っかかったり、彼のトリックに騙されてファウルを犯したら、その選手に5000ドル(約56万円)の罰金を科したんだ」 「25歳以下の選手は、私に貸しがあるよ」と、笑顔で語ったスポールストラだが、ヒート内部には、おそらく彼と同意見のスタッフが多かったと推測できる。フリーエージェント選手になったウェイドとの契約交渉が上手くまとまらなかった、という側面はあったにせよ、出来ることならヒート一筋でキャリアを終えてもらいたいと思ったファンも多かったはずだ。 結果的に、ウェイドは1年でブルズを去った。ブルズが2017年6月にジミー・バトラーをティンバーウルブズにトレードし、若返りをの方針に転換したことを受け、ウェイドは球団との契約をバイアウトしてフリーエージェントになり、2017年のオフにキャバリアーズと契約。盟友レブロン・ジェームズと再び共闘したが、2018年2月のトレードデッドラインに成立したトレードにより、古巣ヒートに復帰し、元サヤに収まった。 罰金は歪んだ『ウェイド愛』だったのかもしれないが、スポールストラにとっても、それだけウェイドの存在が大きかったことの裏返しでもあった。やはりウェイドには、ヒートのジャージーが良く似合う。2018/11/24NBA&海外
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ヒート指揮官がウォルトンに太鼓判「レイカーズを率いる上で完璧な指導者」「彼以上にフィットする人材を見つけられるとは思わない」 2010年から14年までの4年間、レブロン・ジェームズを含むヒートを指揮したエリック・スポールストラは、当時しくじらないようにすることだけを考えていた。 2010年のオフにフリーエージェントになったレブロン、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュがヒートに集結し、『スリー・キングス』と呼ばれたオールスター3選手による『ビッグ3』が結成された。NBAを代表する3選手が、全盛期に共闘するという異例のチームが誕生し、周囲は1年目からの優勝を期待した。 そのチームを率いることになったスポールストラは、NBA選手としての経験がないものの、ヒートのビデオコーディネーターからヘッドコーチにまで成り上がった叩き上げだ。それでも、レブロン、ウェイド、ボッシュが揃うチームを指揮することで相当な重圧を受けた。結果的にヒートは、2010-11シーズンから4シーズン続けてNBAファイナルに進出し、2012年と13年に連覇を達成。だが、レブロンとボッシュが加入した1年目は、開幕から17試合を終えて9勝8敗と苦戦した。なかなか結果がついてこないことに苛立ったレブロンが、タイムアウト中にスポールストラの肩に身体をぶつけたシーンは、まだ記憶に新しい。スポールストラは、レブロンが加わった新チームの指揮を執るルーク・ウォルトンについて、「レイカーズを率いる上で、完璧な指導者」と、11月18日の試合前『ESPN』に語った。 「彼には『パープル&ゴールド』の血が流れている。レイカーでもあり、ゴールデンステイト(ウォリアーズ)時代にもスティーブ(カー)の代理を務めて素晴らしい結果を残した」 スポールストラは続ける。「彼のこれまでのキャリアを見ても、相当に期待されるチームでやってきた。重圧がかかる環境でやってきた。彼は、それ以外の環境を知らない。今のレイカーズを指揮する上で、彼以上にフィットする人材を見つけられるとは思わない」 スポールストラが太鼓判を押すウォルトンも、レブロンを加えた1年目の今シーズン、試行錯誤を続けている。開幕から7試合を終えて2勝5敗と苦戦し、それまで辛抱強く取り組むと言い続けていたレブロンの発言にも『変化』が見られ始め、一時は解任論も報じられた。だが、11月に入ってチームの状態も上向き、4連勝を記録。現在は16試合を終えて9勝7敗という戦績を残している。 王朝時代を築くウォリアーズのスリー・ピート(3連覇)が濃厚な今シーズンの優勝は期待されていないが、最低でも6年ぶりのプレーオフ進出というノルマはこなさなければならない。シーズンハイの51得点をマークしたレブロンなら、レイカーズを再び名門チームに押し上げられるとスポールストラは見ている。 「彼は時代を超越した存在だ。毎シーズン平均27得点8リバウンド7アシストを記録できるだろう。どのチームのユニフォームを着ているかは関係ない。どのシーズンかも、年齢も関係ない。安定感は、フィジカル、メンタルと同じくらいの才能だ。彼は、どの分野でも五つ星だ」 紆余曲折あったとはいえ、スポールストラとレブロンはヒートを成功に導いた。レブロンと同じ2003年のドラフトで指名されたウォルトンは、スポールストラが感じた類の重圧とともにレイカーズを再建を推し進め、結果を残さなければならない。2018/11/19NBA&海外
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『ラストダンス』のウェイド、生まれたばかりの娘との時間を優先し1週間欠場予定現役を続けるか熟考する理由となった娘の存在 2018-19シーズン終了後の現役引退を表明したヒートのドウェイン・ウェイドが、女優の妻ガブリエル・ウェイド・ユニオンとの間に生まれた女児との時間を優先するため、少なくともあと1週間はチームを離れることを明かした。 先週、代理出産により女児が誕生した後、ウェイド夫妻はロサンゼルスに滞在中で、生まれたばかりの娘の育児を続けている。ウェイドは『The Associated Press』とのインタビューで「娘が予定より数週間早く生まれて、今はまだ小さいんだ。だから、娘の健康状態を気にしないといけない」と語った。 「もし今ここを離れてシーズンに戻ったとしても、今は娘をどこにでも連れて行ける状況ではないわけで、こうして娘と一緒にいることが自分の人生において何よりも大事なことなんだ。1週間後、娘の状態を見て、それでどうするかを決める」 最低でも1週間の欠場だとすると、ウェイドはセブンティシクサーズ戦、ネッツ戦、ペイサーズ戦、ホームでのレイカーズ戦までを欠場する予定だ。マイアミで盟友レブロン・ジェームズと再会を果たせないのは残念ではあるが、事情が事情だけに致し方ない。 ウェイドがトレーニングキャンプ直前まで現役を続けるか熟考していた理由の一つは、生まれてくる娘だった。ウェイドは、代理出産で娘を授かった経緯を踏まえ、「僕たち夫婦の状況は、周りとは異なる」と、話した。 「本来なら、母親が仕事を休んで育児に専念するだろうけれど、僕たちが娘を授かるまでのルートを考えれば、妻だけでなく、自分も仕事から離れることが重要なんだ。本当は今年の夏に引退して、この1年は娘の近くにいようと思っていた。でも、(シーズン中)少しの間だけ娘のそばにいようと決めた」 夫妻、そして娘にとっても一生に一度しかない大事な時期を親子水入らずで過ごし、心身ともに万全な状態で『ラストダンス』が再開されるのを待ちたい。 .@DwyaneWade looked pretty good last night (18 PTS) in the Heat's win against the Pistons! #HEATCulture pic.twitter.com/pb8yx27JWx— NBA TV (@NBATV) 2018年11月6日2018/11/12NBA&海外
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『ラストイヤー』、開幕前日の心境を語るウェイド「不安より興奮の方が大きい」単なる『1/82』ではなく、『お別れツアー』的要素 NBA16年目の2018-19シーズンを最後に現役引退を表明したドウェイン・ウェイドが、自身にとって最後の開幕戦となるマジック戦前日に現在の心境を語った。 アメリカン・エアラインズ・アリーナでの練習後、ウェイドは「不安や、落ち着かない感じはないね」とコメント。「むしろ興奮の方が大きい。早くプレーしたくてたまらない感じの方が強い。ここまで来るのに、ハードに取り組んできたわけだからね」と、続けた。 シーズン開幕前に引退を表明したことにより、今シーズンはウェイドにとっての『お別れツアー』になる。同一カンファレンスのチームとは複数試合で対戦するが、西カンファレンスのチームとはシーズン中に1試合しか対戦しない場合もあり、12月11日のレイカーズ戦は、盟友レブロン・ジェームズとのレギュラーシーズン最後の対戦になる。また2019年1月20日のブルズ戦では、地元出身のウェイドへ、暖かい声援が送られる可能性が高い。そしてもちろん、現役最後のホームゲームになるかもしれない4月10日のセブンティシクサーズ戦、それから4月11日に予定されている今シーズン最終戦のネッツ戦など、ウェイドにとって『1/82』にはならない試合は多い。 「何試合かは、感慨深いものになるだろうね。それは間違いないと思う」とウェイドも話す。「全力を尽くすよ。それと同時に、勝つために集中して臨む。特定の瞬間、人物が絡む試合では、他の試合よりも雰囲気に浸るようになるだろうね。どういうことになるのか楽しみだよ」 2000年代のNBAを牽引したスーパースター、ウェイドの『ラストイヤー』が、いよいよ開幕する。 Spent this afternoon working outside of the lab. Autumn in Miami. 🌴 pic.twitter.com/TF9MoNYalh— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2018年10月16日2018/10/17NBA&海外
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レブロン・ジェームズの最大の分岐点、マブスに敗れた2011年のファイナル「簡単に勝てると思ってしまった」と後悔 レブロン・ジェームズにとって、キャリアの分岐点はいくつかある。キャバリアーズからドラフト全体1位で指名された2003年、初めてNBAファイナルに進出した2007年、ヒートに移籍した2010年、キャリア初優勝を達成した2012年、キャブズに復帰した2014年、キャブズの球団初優勝に貢献した2016年、そしてレイカーズに移籍した2018年。しかし、プレーに対する意識が大きく変わったのは、2011年だった。自身が出演している『HBO』の『The Shop』で、マーベリックスにファイナルで敗れた経験を、レブロンはこう振り返った。 「あの時、簡単に優勝できると思った。リアルなプレーヤーたち(ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュら)とチームを組んだわけだからね。でも俺たちは負けた。まるで世界が崩壊したかのようだった」 「負けたことはうれしくなんてない。でも、あの時のファイナルの後、『いったい何があった?考え過ぎてしまって、自分の力を出さなかった。すべきプレーをしなかった。全力を出し尽くさなかったおかげで、眠れない日々を過ごしているんだぞ』と感じた。それからは、二度と同じ経験だけは絶対にしないと決めた。負けることもあるだろうし、すべてを勝ち取れないこともあるとは思う。でも、二度としくじらない、そういう気持ちに打ち勝てたことが、自分の最大の功績だと思っている」 負けたことも悔しかっただろうが、力を出し尽くさず、甘く考えていた気持ちが許せなかったのだ。ヒートを引っ張るようになったレブロンは、2011-12シーズンから2連覇を達成。2014年のファイナルではスパーズに敗れたが、キャブズ復帰後もプレーオフでは全身全霊を捧げるプレーを続けている。 もし7年前のファイナルでヒートが勝利し優勝していたら、今のレブロンはなかったかもしれない。『バスケットボールの神様』の気まぐれだったとしても、あの時以来、レブロンから慢心や油断は感じられなくなった。これからもレブロンがNBA史に残る偉業を達成すればするほど、『選ばれし者』が覚醒した瞬間として、2011年のファイナル敗戦がクローズアップされるに違いない。2018/10/15NBA&海外
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『ラストイヤー』に臨むドウェイン・ウェイド「身体の状態は、ここ数年より良い」現役続行の判断が遅れたことがプラスに? 9月16日、ドウェイン・ウェイドは2018-19シーズンを最後に現役を引退することを表明した。この夏の引退も検討していた彼は、身体を動かしていたとはいえ、例年通りのハードトレーニングをこなしていたわけではない。だが、それが返って良い方向にはたらいている。 トレーニングキャンプ直前になって、あと1年だけ現役を続けることを決めたウェイドは、ここ数年よりも身体の状態の良さを実感している。練習後の取材に応じたウェイドは「決断が遅れたことで、ここ何年かのような練習はできなかったんだけれど、トレーニングキャンプが始まってから、体調が良いんだ。ここ何年かよりも良い。不思議なことだよね」とコメント。「今は試合用の身体に仕上げているところ。それでも、この時期の体調は、ここ何年かと比べても良い。身体の状態が良いから、維持したい」と続けた。 先月ヒートと240万ドル(約2億7300万円)の単年契約を結んだウェイドは、プレシーズンゲーム3試合に出場し、2試合で二桁得点を記録した。動きもシャープで、本人が言うように、調整が遅れているようには見えない。 16年目ともなれば、自分に合った調整法は理解しているはず。現役選手としては長いオフになったが、『ラストダンス』に臨むウェイドは、気力も体力も充実している。 That footwork... tremendous. pic.twitter.com/12PuBAuVr7— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2018年10月5日2018/10/08NBA&海外
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名将ポポビッチがウェイドについて言及「悲しいという言葉は悪いものではない」ウェイドはプレシーズンゲーム初戦で10得点4アシスト 2018-19シーズンでの現役引退を表明したヒートのドウェイン・ウェイドが、9月30日にAT&Tセンターで行なわれたスパーズとのプレシーズンゲームに出場し、10得点4アシストを記録した。 試合前、ウェイドはスパーズ指揮官のグレッグ・ポポビッチとコートサイドでハグをし、言葉を交わした。 .@DwyaneWade x Coach Pop! #OneLastDance #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/ZEo2UIbN0L— NBA (@NBA) 2018年9月30日 ポポビッチは、試合前に「悲しいという言葉は悪いものではない」とコメント。「ドウェインのような選手がいなくなるのは寂しい。自分のチームの選手でなくても良いんだ。ダーク(ノビツキー)も近い将来に引退するだろうし、彼らのような選手のプレーを間近で見られるのは、素晴らしい経験になる。我々は、彼らを一番近いところで見られる。たしかに、そういう些細なことがなくなってしまう。そう考えると、自分もいつかは離れる時が来るのだろうと思ってしまう。誰だって、一生同じところにはいられない」と、続けた。 久々の実戦を終えたウェイドは「疲れたよ。コーチが前半に17分もプレータイムをくれたからね」と苦笑した。キャバリアーズからトレードされて復帰した昨シーズン後半と同様に、現役最後のシーズンも若手を支える役割を担うと見られている。ウェイドは「毎試合でシュートが決まるわけではないけれど、エネルギーや姿勢という部分は自分でコントロールできる。若い選手にはそういう部分をこれからも伝えて、彼らをプッシュしていきたい」と語った。 ヒートとの再契約前に引退を表明したことにより、今シーズンはウェイドの『お別れツアー』という意味合いも強い。もちろん、ヒートは2シーズン連続のプレーオフ進出を狙えるだけのチームで、ウェイドも、1試合でも多くコートに立ちたいと思っているに違いない。ヒートの若手は、球団史上最高の選手の一人と言われるウェイドの背中を見て、多くを吸収していくだろう。 Season 16... still at it!Dwyane Wade gets out to 10 PTS, 4 AST in the 1st half of his #NBApreseason debut. pic.twitter.com/04PxtOOMM8— NBA (@NBA) 2018年9月30日2018/10/01NBA&海外
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今シーズン限りでの引退を表明したウェイドがヒートと再契約、『ラストダンス』へコービー同様に、最後の球宴で先発出場の可能性も 2018-19シーズン終了後に現役を引退することを発表したドウェイン・ウェイドが、ヒートと再契約を結んだ。年俸額は、ベテラン最低保障額の240万ドル(約2億7000万円)と見られている。 ⚡️🖊👀OFFICIAL: The Miami HEAT have re-signed guard @DwyaneWade.More info - https://t.co/lwAO4PczER pic.twitter.com/xrSAMUkxnh— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2018年9月18日 YouTubeに投稿した動画で、ファンに向け「皆にあと1年だけ付き合ってもらいたい。僕にとって最後のダンスに付き合ってもらいたい。あと1シーズンで終わりにする。あと1年だけ、持っている力を出し切る」と語ったウェイドは、得点(2万473)、フィールドゴール成功数(7426)、フリースロー成功数(5226)、二桁得点試合数(829)、アシスト(5009)、スティール(1433)、先発出場での出場分数(3万1027)でヒートの球団記録を保持している。 今シーズンの起用法は不明だが、昨シーズン途中にキャバリアーズからヒートにトレードされた時と同様に、セカンドユニットでの起用もあり得る。ここ数年はスタッツが減少傾向にあるものの、優勝3回の経験を若手に伝えられ、リーダーとしてチームを支えられる存在は、プレーオフ進出を目指すチームにとって心強い。 現役最終年ということで、2019年2月17日にシャーロットのスペクトラム・センターで開催されるNBAオールスターゲームに出場する可能性もある。2016年に引退したコービー・ブライアントは、最終年にオールスター級のパフォーマンスは見せられなかったものの、同年のファン投票で最多票数を集め、通算18回目のオールスターゲームに先発出場し、ファンを沸かせた。ウェイドも、コービーと同様に多くのファンから投票され、最後の球宴にスターティングメンバーとして出場する流れが想像できる。 2019年のオールスターゲームのフォーマットはまだ発表されていないが、もし前回と同様に東西カンファレンスの最多票数を獲得した選手がキャプテンを務め、所属カンファレンスに関係なく自軍の選手を指名してチームを編成する方式が採用されれば、レイカーズに移籍したレブロン・ジェームズとともにキャプテンに選出され、『チーム・ウェイド』対『チーム・レブロン』という球宴になる可能性もゼロではない。 間もなく、ウェイドにとって最後となる、16年目のNBAシーズンが幕を開ける。2000年代のNBA人気を支えた『Flash』による『ラストダンス』は、必見だ。 MOOD ⚡️🏠 pic.twitter.com/vAWePQOJYO— Miami HEAT (@MiamiHEAT) 2018年9月18日2018/09/19NBA&海外
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今シーズン限りでの現役引退を表明したウェイド「あと1年だけ全力を尽くす」「最後のダンスに付き合ってもらいたい」 この夏にフリーエージェントとなり、去就が注目されていたドウェイン・ウェイドが、2018-19シーズンを最後に現役を引退することを表明した。 ウェイドは、『One Last Dance』というタイトルの動画をYouTubeに投稿。スタジオに用意されたカメラの前に一人で立ち、「多くのアスリートにとって好まざる時期となる夏になった。大好きで、5歳から31年もやってきた競技を続けるのか、それとも立ち去るべきかを決める時期になった。何か別のことを始め、次の世代の選手に道を譲るべきかを考えて、決める時期になった」と語り始めたウェイドは、時折言葉に詰まりながら、次のように話し続けた。 「あらゆることを考えた。『肉体的にできるのか?』、『毎朝起きて、まだやれるだけの状態に身体があるのか?』、『長距離の遠征に耐えられるのか?』、『家族と離れて暮らす現役を続けることは自分勝手なんじゃないか?』、『息子の試合を観に行けなくていいのか?』、『家族が必要とする時に一緒にいられなくていいのか?』、『妻をサポートできなくていいのか?』。そこまで大したことのように思われないかもしれないけれど、自分にとっては大切なこと。それに、この何年か、家族は僕の考えを優先してくれた。でも、決断をする時には、自分を支えてくれた人、自分のキャリアを支え、支持してくれた人のことを考えるべきだ。僕の家族は、自分を支えてくれている。皆は自分を、NBA優勝3回、オールスター選出12回、オリンピック金メダリストとして見てくれているかもしれない。でも、シカゴ出身の少年で、周りよりも小柄で、シュートが下手で、身体能力も高くなくて、イリノイ州のロビンス出身の自分が、そんな選手になれるなんて思いもしなかった」 「幼い頃から、いつだって自分より大きな存在の一部になりたかった。自分にとっては、それがバスケットボールだったんだ。何点決めようが、何度スターティングラインナップに自分の名前が載ろうが、バスケットボールは常に大きな存在なんだ」と語ったウェイドは、ファンに感謝の気持ちを伝えると、今年の1月に他界した元代理人のヘンリー・トーマスについて話し始め、涙を拭いながら「僕たち選手は、子供のころから、誰かを誇らしくさせたくてプレーしている。両親、兄弟に自分のことを誇らしく思って欲しくてプレーしていた。ハンク(トーマスの愛称)が自分の人生にかかわるようになってからは、彼を誇らしい気持ちにさせたくてやってきた。その彼が亡くなって、それで終わりだと思った。その後で(キャバリアーズから)ヒートにトレードされたことで助けられたけれど、十分ではなかった。今回の決断は、バスケットボールよりも大きなことだった。たしかに、昔ほど早く動けないし、高くも跳べない。できないことがたくさんあるけれど、球団、チーム、適切な人間、指導者と一緒なら、まだやれることがある。僕たちが日々どういうことを経験しているか、周りは知らない。今回の決断は、これまでで一番ハードなものだった。でも、これまでのキャリア、今こうして自分の決断を伝えられるポジションにいられることを思うと、笑顔になれる。自分自身にあらゆることを問いかけてきた。家族、世界中のファンの皆の意見も聞いた。僕は、これまでも自分にとって、家族にとって正しいと思うことをして、今に至っている。そして今、自分にとって適切と思っていることは、こうだ。皆にあと1年だけ付き合ってもらいたい。僕にとって最後のダンスに付き合ってもらいたい。あと1シーズンで終わりにする。あと1年だけ、持っている力を出し切る。辞めても、僕はバスケットボールを愛し続ける。でも、最後のシーズンを楽しもう。若い選手が多いチームに試練を乗り越えさせよう。キャリアという物語の終わりを皆で一緒に記そう。もうすぐ16年目のシーズンが始まる。もうすぐだ」 近日中にヒートとの再契約を締結するウェイドが、最後のシーズンに臨む。2018/09/17NBA&海外
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トレーニングキャンプが迫るも、決心がつかないウェイド「答えはまだ出ていない」「答えが出る時が適切な時期」 ヒートのトレーニングキャンプが始まる9月25日まで10日あまりとなったが、ドウェイン・ウェイドは現役続行か、引退かの答えを保留している。ユドニス・ハズレムとの合併会社を通してサウスフロリダにオープンするレストランのイベントに出席したウェイドは、集まった報道陣に「何か言えれば良いのだろうけれど、答えはまだ出ていないんだ」と答えた。 ヒートがウェイドに提示できる契約は、ベテラン最低保証額の240万ドル(約2億7000万円)か、タックスペイヤー・ミッドレベルの530万ドル(約5億9000万円)のどちらかに限られている。ウェイドは、ヒートから条件面の提示があったかについて聞かれると「代理人に聞かないと分からない。僕は金額のことにタッチしていないから」と語った。トレーニングキャンプまでに結論を出すかどうかについても、ウェイドは明確な回答を避けた。 「いつだろうと、答えが出る時には出るもの。その時が適切な時期だよ」 ソーシャルメディア上にワークアウトの動画も投稿しているウェイドは、良好なコンディションを維持しているように見えるが、現時点でキャンプに参加できる状態かどうかという問いかけには、「それは違う」と答えた。 「NBAでプレーする状態にするには、実際にプレーしないと仕上がらない。今の時点では、誰もNBAでプレーする状態には仕上がっていないよ。実際に練習が始まって、実戦が始まらないと、誰もNBAレベルのコンディションには仕上がらない」 ウェイドより一足先に答えを出し、ヒートと再契約したハズレムは「彼には復帰してもらいたいけれど、自分から答えを出すようプレッシャーをかけることはない」と言う。 ファンが求めている答えは、今シーズンもヒートのジャージーを着てプレーすることに他ならない。それを知っているウェイドは、改めて、他チームでプレーする意思がないことを強調した。 「僕は自分が大切にしている皆には、正直に話しているよ。(キャバリアーズからヒートに)トレードされてから初めて受けたインタビューでも言ったけれど、もうどこへも行くつもりはない。家族もここにいて、子供たちも成長している。もしマイアミ・ヒートのジャージーを今シーズン着ることがなかったら、セーターかジャケットの下にでも着るようになるよ」 何を聞かれても煙に巻いたウェイドの心中は、彼にしか分からない。答えが出るまでには、今しばらく時間がかかりそうだ。2018/09/15NBA&海外