
『ファイ・パプ月瑠』の検索結果
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献身的な働きでゴール下を支えるファイ・パプ月瑠、レバンガ北海道と基本契約合意「リバウンドとディフェンスでチームを盛り上げたい」 レバンガ北海道は今日、大阪エヴェッサからファイ・パプ月瑠を獲得したことを発表した。メディカルチェック後に正式な契約を締結することになる。 パプはセネガル出身の31歳。延岡学園で留学生としてプレーし、関東学院大を経てプロ入りと、常に日本でプレーしてきた。200cm101kgの恵まれた体格を持つビッグマンで、決して器用なプレーヤーではないが、ゴール下で泥臭く身体を張り、チームのために走ることのできる選手。帰化選手不在が泣きどころだった北海道にとっては待望の補強となる。 シュートのスキルに難があり、3ポイントシュートはないしインサイドでも技巧的なプレーはなかなか見られないが、そのフィジカルと献身的な姿勢は計算できる。2016年6月、リオ五輪の最終予選に向けた代表候補16名に選ばれたのは、そのポテンシャルが認められたからこそ。 大阪ではプレータイム21分とシーズンを通してローテーションを守り、エースであるエグゼビア・ギブソンが故障で苦しんだチームをよく助けた。北海道も今シーズンは外国籍選手の故障に泣かされただけに、帰化選手であるパプへかかる期待は大きい。 Bリーグの外国籍選手起用ルールが変更されるアナウンスはされておらず、継続が濃厚。となれば帰化選手のパプにとっては来シーズンを飛躍の年にしなければならない。それはクラブとしてもう一段階ステップアップしたい北海道にとっても同じ。パプが身体を張ってゴール下を支えることで、チームとしての安定度は大きく増すはずだ。 パプはクラブを通して「レバンガでも常にハードにプレーして、リバウンドとディフェンスでチームを盛り上げたいと思っています。ファンの皆さんも是非会場に来て、レバンガを盛り上げてください」とのコメントを発表している。2019/05/23Bリーグ&国内
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勝負どころでの波状攻撃が光ったレバンガ北海道、大阪を相手に前日のリベンジ成功ピリッとしない展開を救ったハッスルプレー レバンガ北海道がホームの北海きたえーるに大阪エヴェッサを迎えた開幕節の第2戦。一度つかんだ流れを逃さず、怒涛の攻撃でリードを広げた北海道が、70-53で今シーズン初勝利を挙げた。 大阪はエグゼビア・ギブソンが昨日の第1戦で右母指末節骨骨折のケガを負い、第2戦を欠場。外国籍選手が2人しかいない大阪にとっては大きなディスアドバンテージとなった。それでもギブソンに代わって先発を務めたファイ・パプ月瑠がインサイドで踏ん張り、第1クォーターで5得点を記録し互角の展開に持ち込んだ。 大阪の1点ビハインドで迎えた第2クォーター序盤、畠山俊樹がバスケット・カウントを誘発。さらにファウルコールを受けた市岡ショーンが、ボールをゴールの支柱に当て悔しさを表現し、その行為がテクニカルファウルの対象となった。ボーナススローを2投成功させた4点プレーにより、大阪が逆転。その後、北海道はアグレッシブなプレーが裏目となり、関野剛平のファウルで、残り約7分と長い時間を残してチームファウルが4に到達してしまう。 だが、このピンチがチームの集中力を高めることになった。直後、吹っ切れた関野の強気な3ポイントシュートで逆転すると、マーク・トラソリーニの3点プレーとなるバスケット・カウント。さらにトラソリーニのブロックショットから走った関野の速攻で一気に11点のリードを奪った。 北海道が33-29と4点をリードし迎えた後半、デイビッド・ドブラスがハッスルプレーでチームに勢いを与える。ドブラスはオフェンスリバウンド争いから自軍ベンチに飛び込み、マイボールにすることに成功。飛び込んだドブラスを指揮官が抱きかかえるシーンに会場は湧き、北海道の怒涛の攻撃が始まる。ドブラスは直後もオフェンスリバウンドを獲得し、チームにポゼッションをもたらすと、残り7分22秒にはジョシュ・ハレルソンから3つ目のファウルを誘発した。 大阪に立ちはだかった大黒柱トラソリーニ ギブソンを欠く大阪にとってハレルソンのファウルトラブルは痛恨の出来事。大阪はタイムアウトを取り流れを変えようとするが、ここを勝機と見た北海道は止まらない。タイムアウト明けのディフェンスで起点を作らせずにターンオーバーを誘発し、逆に速攻を成功させた。その後もセカンドチャンスから野口大介が3ポイントシュートを沈め、松島良豪のスティールから桜井良太の速攻が飛び出すなど、16点までリードを広げた。 迎えた最終クォーター、劣勢の大阪が意地を見せる。ドライブで突破されても中を絞り、合わせのパスを狙ってターンオーバーを誘発するなどディフェンスからリズムをつかむ。点差を1桁に縮めた大阪に勢いがあったが、大黒柱のトラソリーニが悪い流れを断ち切る。タイム明け後のオフェンスでノーマークを作り、3ポイントシュートを沈め再び点差を2桁に乗せると、その後もショットクロックギリギリから放ったタフショットをねじ込み、チームを救った。 トラソリーニの活躍で落ち着きを取り戻した北海道は、俄然動きが良くなり堅守を披露。オフィシャルタイムアウト後のラスト約5分間、大阪の攻撃をわずか2得点に封じ込め、うれしい今シーズン初勝利を手にした。 「ディフェンスの勝利」でうれしい1勝 勝利した北海道のヘッドコーチ、ジョゼ・ネトは「今日の試合はオフェンスのコントロールをしっかりすることと、まずはディフェンスからしっかりやっていくことを伝えました。そういう意味ではディフェンスの勝利だと思っていますし、チームとして勝利することができるという証明をすぐに示すことができたことは貴重でした」と試合を振り返った。 ゲームハイの25得点を挙げたトラソリーニは「今日は内容も良く、ホームでシーズン初勝利できたことをうれしく思います。やはり、このチームはディフェンスがカギで、相手をロースコアに抑えて、勝っていくチームであることを証明できたと思います」と指揮官と同様にディフェンスを勝因に挙げた。 チームに勢いを与える時間帯を牽引した関野も「昨日は自分の調子が悪く、チームに迷惑をかけて負けてしまいました。チームとしても絶対負けられないという中で、今日は気持ちで勝てた試合だったと思います。ディフェンス面でも相手を53点に抑えられたのは良かったですが、もっと改善できると思っています」と今日の勝利を喜びつつ、さらなる向上を見据えた。 敗れた大阪はハレルソンが15得点、パプが11得点を挙げるが、他の選手の得点が伸び悩んだ。ギブソンの早期復帰を願わずにはいられないが、外国籍選手頼みになるのではなく、チーム全員のステップアップが必要となる。開幕2戦目にして大阪は早くも正念場を迎えた。2018/10/07Bリーグ&国内
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勝てば残留決定のプレーオフ、強度の高いディフェンス合戦を高確率のフリースローで制したのは富山グラウジーズ!試合開始から富山が15-0のビッグランでリードを奪う仙台89ERSに完勝を収めた富山グラウジーズと、秋田ノーザンハピネッツを劇的なブザービーターで破った横浜ビー・コルセアーズが、勝てば残留が決まる一戦に臨んだ。同じ中地区の両チームは6度対戦して3勝3敗。得失点差も富山の+4とほぼ差が付いていない。もっとも、最初の3試合を横浜が勝った後は富山が3連勝していた。ティップオフから15-0と富山がビッグランを披露する。開始から約7分間、横浜の得点を許さない完璧なディフェンスを遂行。サム・ウィラードと小原翼が交互にジェフリー・パーマーをケアしてリングへの進路をシャットアウト。川村卓也にもオープンで打つ機会を与えなかった。富山のヘッドコーチ、ボブ・ナッシュはこのゲームを通じて見せた守備をこう説明する。「相手がやりたいことが何か、非常に細かいところまで選手が気を配った。アグレッシブなスイッチ、アグレッシブなショーディフェンスであったり、それは普段のディフェンスの取り組みと全く同じ。選手たちが素晴らしい集中力を見せてくれた」4分が経過したところでパスを受けることもままならないパーマーが一度ベンチへ。ファイ・パプ月瑠は強烈なプレッシャーを受けて前を向けず、細谷将司もボールを失わないのが精一杯。川村が何とか打開しようとシュートを狙うが、崩し切らないままに放つシュートは決まらず、さらにリズムを狂わせる結果に。川村は苦しいこの時間帯をこう振り返る。「富山に限らずどのチームも激しく来るんですが、受けてしまったのが良くなかった。出だしに自分でリズムを持ってこれず、イージーシュートも決められなかった。自分の出来がチームに影響を与えてしまった」山田謙治、高島一貴、湊谷安玲久司朱のセカンドユニットが立て直し、11-20と1桁の点差で第1クォーターをまとめた横浜だが、第2クォーター早々に山田がファウルトラブルでベンチに下がるなど波に乗れない。両チームともフィジカルなディフェンスでファウルがかさむ展開の中、速攻や合わせで崩してのイージーシュートを決めるのも、守備でよく手を出しボールを引っ掛けるのも富山。それでも横浜はタフショット気味のシュートをしぶとく沈めて食らい付く。一時は逆転を許すも指揮官「理解していた」と動じず後半に入ると我慢を続けた横浜が反撃の糸口をつかむ。横浜が固めるペイント内での力攻めに固執した富山の得点が止まる一方で、横浜は足もボールも動き出す。岡田優のミドルレンジのシュートで逃げる富山だが、ディフェンスの中心を担っていた水戸健史がファウルトラブルでベンチに下がったところを川村が見逃さずに突き、バスケット・カウントの3点プレーを決めて40-42と1ポゼッション差にとらえる。富山は水戸に代わって入った山崎稜が5ファウルで退場。残り2分4秒、リバウンドから走った高島の速攻が決まり、47-46と横浜がついに逆転した。それでも、最終的に富山が勝ったこの試合の趨勢を決定付けたのは、横浜が最も勢いに乗ったこのタイミングで、富山のベンチが慌てなかったことだ。ナッシュヘッドコーチは「横浜に対して何点リードがあってもセーフティではないし、横浜の時間帯が来ることも理解していた」と覚悟を語る。ベンチが動じる素振りを見せなかったことで、選手たちも落ち着いた。ヘッドコーチは続ける。「あそこで必要だったのは、一度トーンダウンし、しっかりオーガナイズされた状態を作ること。あとはアグレッシブにバスケットに向かう気持ち。3ポイントシュートの確率は低かったが、アタックはできていた」チームが息を吹き返すきっかけとなる得点を奪ったのは『守備専任』の小原翼だった。「決め打ちじゃないけど、あそこでもらったら打っていいシチュエーションだと先輩方に言われています。デックス(デクスター・ピットマン)がリバウンドを取ってくれると信じて、思い切って打ちに行けました」と小原。ボブ・ナッシュの『孝行息子』は、パプのチェックにも迷いなく放ったシュートを決めて、すぐさまリードを取り戻す。ここから富山はチームファウルが5に達していた横浜を攻め立て、フリースローで得点を重ねて、小原の得点から始まる8-0のランで54-47と差を広げて第3クォーターを終えた。フィジカルなディフェンスゲーム、フリースローで明暗最終クォーターは互いに消耗しながらもフィジカルなディフェンスの強度を落とさない、意地と意地のぶつかり合いとなった。開始50秒、横浜の粘り強い戦いを支えてきた山田が立て続けに2つのファウルを犯し、痛恨のファウルアウト。ここからまたも走られ、立ち上がりの15点のビハインドを超える16点のビハインドを背負うことに。決してきれいな形ではないが、ピックを使ってアタックの形を作る富山はフリースローで得点を重ねていく。対する横浜はパーマーとジェイソン・ウォッシュバーンにボールを集めるが、なかなか差を詰められない。残り3分12秒の場面でパーマーが審判に文句を言ってテクニカルファウル。そのパーマーに他の選手たちが露骨に失望した態度を見せるなど、チームとしての結束と集中を維持できなくなっていた。細谷の3ポイントシュート、パーマーとウォッシュバーンのバスケット・カウントで1桁までは詰めるも、射程圏内にとらえることはできず。ピットマンと湊谷もファウルアウトになる最後まで続くフィジカルのぶつかり合いの末、79-71で勝利した富山がB1残留を決めている。オフェンスリバウンドで24-9と圧倒した横浜だが、これはリバウンドを取ったというよりもシュートを外しまくった結果。3ポイントシュートが26本中5本(19.2%)、2ポイントシュートが48本中21本(43.8%)と確率が上がらなかった。富山は31本のフリースローを獲得して26本を決めており(83.9%)、中でも岡田は11本中10本のフリースローを沈めている。横浜は18本中14本成功と成功率こそ高かったが、本数の差が勝敗に大きく響いた。パーマーはゲームハイの26得点。川村と細谷も10得点ずつを挙げ、横浜は最終的に得点を71まで伸ばしたが、尺野将太ヘッドコーチは「出だしの部分をリカバーできなかったのが悔やまれます。結果としては悔しいですが、最後の1秒まで戦えたことを次につなげたい」と語った。赤と青に塗り分けられた代々木第二は最高の雰囲気に岡田優はシーズンハイの25得点。「これで決める、次はないんだという気持ちで戦いました。『負けるとB2』というのが重くのしかかって、自分だけじゃなくブースターや僕たちの家族が悲しむと思うとプレッシャーになりました。自分がB1にチームを残すんだという気持ちでした」と、この試合に懸けた決意を語る。ファウルトラブルに陥りながらも強度の高いディフェンスを最後まで続けたキャプテンの水戸健史は「1試合通してチームとして良いディフェンスができて、相手に気持ちよくシュートを打たせなかった。全員が1部に残留するんだという強い気持ちが出た」と試合を振り返る。そして「試合が終わって安心した気持ちと、なかなか良い結果が出なかった中で応援してくれたファンの方々に感謝の気持ちでいっぱい」と語る。この試合、特筆すべきは会場の雰囲気。金曜ナイトゲームにもかかわらず、富山から多くのブースターが駆け付けた。代々木第二は2723人の満員。まるで図ったように富山の赤と横浜の青でスタンドは塗り分けられた。中立地開催ということでホームチームに偏った演出がなかったが、両チームのブースターは圧倒的な声量を出し、最高のアリーナの雰囲気を作り出した。残留を決めた富山のブースターは、ひとしきり勝利を喜んだ後、タフな勝負を繰り広げた相手を横浜コールで称えた。横浜は次週、B2の3位チームとの入れ替え戦に臨む。試合後に「反省しきり」と語った川村だが、会見中のわずかな時間のうちに気持ちを切り替え、「幸いにもあと1試合できる。今年のビーコルの集大成を次で見せます」とB1残留を誓った。この笑顔をブースターのみなさんに届けるために戦ってきました!辛い時期もありましが、ここにいる選手たち、そしてブースターのみなさんと掴んだB1残留!応援ありがとうございました!#グラウジーズは勝ち残る #WeWill揺るぎない #グラウジーズ #grouses #Bリーグ pic.twitter.com/8JIqzHl4um— 富山グラウジーズ (@toyamagrouses) 2017年5月19日2017/05/20Bリーグ&国内
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ファジーカスと辻のワンツーパンチで連日の大量得点、川崎ブレイブサンダースが神奈川ダービーを8戦全勝で締めるファジーカスを軸とした攻撃が機能、連日の大量得点4月29日、川崎ブレイブサンダースがホームで横浜ビー・コルセアーズと対戦。ニック・ファジーカスが35得点、辻直人が18得点と『2枚看板』が得点を重ねた川崎が、序盤からリードを奪う盤石の展開で96-75と快勝した。これで今季47勝10敗とした川崎は、この日、シーホース三河、栃木ブレックスが揃って敗れたことでチャンピオンシップ第1シード争いにおいて、両チームとのゲーム差を2に広げている。第1クォーター残り約4分の時点で、川崎は辻が3ポイントシュートでのバスケットカウントによる4点プレーを含む10得点、ファジーカスが9得点と、エース2人が試合開始から全開でリードを2桁に広げる。そのまま第1クォーターで28-20と先行する。第2クォーターに入ると、横浜はともにオン・ザ・コート「1」の中、ファイ・パプ月瑠がインサイドで得点を重ね追い上げる。しかし、川崎はファジーカスを軸にしたバランスの取れたオフェンスで上回り、48-35と突き放して前半を終える。後半に入っても川崎オフェンスの勢いは止まらない。第3クォーターにはファジーカスがこのクォーターだけで13得点。さらには鎌田裕也も4得点と、ゴール下で確実に得点を重ねていく。その結果、73-55で第3クォーターを終え、大量リードに守られて楽々と逃げ切った。「一つひとつステップアップするという意識で」川崎の北卓也ヘッドコーチは、「昨日と同じ展開となり、20点くらい差が付きました。点差が付いたことで仕方のない部分もありますが、ヘッドコーチからすればもう少し失点を抑えられた部分はあります。残り3試合、本当に一つひとつステップアップする意識でチームを鼓舞しながらやっていきたい」と、あくまでチャンピオンシップを見据える。昨日の92得点に続き96得点と大量得点を挙げた。「ボールをしっかり動かす。そうすることで、守備にズレが出てくると伝えており、このゲームプランを選手が遂行してくれました。その中で、相手が昨日と違うティフェンスをした時にも、選手たちはアジャストしてくれたと思います」と北ヘッドコーチは振り返る。そして、横浜との神奈川ダービーを8戦全勝で終えられたことには「素直にうれしいです。同じ相手と8回も戦うと、それまでに勝っていた場合は気が緩む面も出てきてします。ただ、横浜さんと戦う前に、これまで全勝していていたチームに負けているので、それが良い薬になって、昨日今日と気持ちの入ったプレーをしてくれました」と語る。前々節に富山グラウジーズ、前節にはサンロッカーズ渋谷相手に今季初黒星を喫し、2節連続1勝1敗で終えていた中で、2試合しっかり勝ち切ったことに満足していた様子だ。また、前日の6本中4本成功に加え、本日も8本中5本成功と3ポイントシュートを高確率で沈めた辻については「シュートタッチ。シュートセレクションともに良かった。辻のシュートが入るとチームも乗ってきます」と、エースの状態にも好感触を得ている。辻本人は「痛みはあり、完全に治っているわけではない」と語るが、「今、シュートを決めていくことで、チャンピオンシップでも自信を持ってシュートを打てるようになっていきます」と続ける。一方、2試合に続けての大敗となった横浜だが、パプ月瑠が19得点をマーク。崩壊した守備の立て直しが第一にはなるが、尺野将太ヘッドコーチが「オフェンスではペイント内の得点で上回ることができました。この強みを残りの試合でも生かしていきたい」と語ったように、ポシティブな面もあった。残留プレーオフ回避に向けて、インサイドの強みをしっかり活用できるかは大きな鍵となってきそうだ。2017/04/29Bリーグ&国内
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26得点のニック・ファジーカスを中心に充実の川崎ブレイブサンダース、『横綱のバスケ』で横浜ビー・コルセアーズに快勝川崎が攻守ともに完成度の高いバスケットを展開川崎ブレイブサンダースと横浜ビー・コルセアーズのレギュラーシーズン最後の神奈川ダービー。金曜ナイトゲームで行われた第1戦は、攻守ともに洗練されたパフォーマンスを見せた川崎が、クォーターごとに点差を広げ92-63で快勝した。序盤は横浜の細谷将司がボールをプッシュし、素早いトランジションから速攻を決めてリードを奪うも、川崎が連動したハーフコートバスケットで逆転し、その後も得点を積み上げていった。特にディフェンスを崩してからの3ポイントシュートが効果的に決まった。勝利した北卓也ヘッドコーチが「オフェンスではボールを動かしてノーマークの選手が良いシュートを決めた」と語るように、川崎はボールと人が常に動き、ズレを作ってノーマークを作り出していた。前半を終えて35-51とリードを許した横浜だが、決して自滅したわけではなく、形は作れていた。しかし、フィニッシュの局面で差があった。細谷は「ウチのシュートの確率が悪かった。インサイドにボールをいれた時に孤立してしまい、1対1の状況になってしまった」とチームで攻められず、個の勝負になってしまったと冷静に振り返る。細谷が言うように最も大きな差が出たのがシュートに持っていくまでの過程だった。同じピック&ロールでも、ズレを作れずマークを受けながらのシュートでは確率は上がらなかった。「やりたいディフェンスがゲーム中に崩れてしまった」最も差が開いた第3クォーターでは、ニック・ファジーカスが3ポイントシュートを含むすべてのシュートを成功させ、横浜の総得点を上回る12得点を稼いだ。『ファジーカス・デー』と銘打たれた試合でゲームハイの26得点を記録している。敗れた尺野将太ヘッドコーチが「チームとしてやりたいディフェンスがゲーム中に崩れてしまった」と語るように、止めどころを見失ってしまった。「ファジーカス選手や辻選手といった得点力の高い選手に誰がつくのか不明確になってしまって、その結果ボールが動いていいシュートを打たれてしまった」と92失点を振り返った。高確率でシュートを決められることでリバウンドの機会がなくなり、横浜は得意のトランジションゲームに持ち込めず得点が伸び悩んだ。ファジーカスを相手にフィジカルで挑んだファイ・パプ月瑠が13得点を挙げるも、2桁得点は一人だけ。力負けだった。川崎はケガから復帰したライアン・スパングラーが試合をこなすごとにパフォーマンスを上げ18得点、辻直人も4本の3ポイントシュートを高確率で沈め14得点。楽勝ペースできっちりとタイムシェアをする中で、2番手のポイントガードである藤井祐眞が13得点、ジュフ磨々道がファジーカスとスパングラーを休ませるタイミングで激しく頭脳的なディフェンスできっちり流れをつなぐなど、各ポジションで充実ぶりが目立ち、チャンピオンシップに向けて順調な仕上がりを見せている。横浜は残留プレーオフ圏内から抜け出すためにも、明確になった課題をどこまで修正できるかが問われる。2017/04/29Bリーグ&国内
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チームプレーを取り戻した横浜ビー・コルセアーズが連敗脱出、自滅した新潟アルビレックスBBはチャンピオンシップ消滅「行ける予感がしていた」横浜が出だしから走る横浜ビー・コルセアーズは10連敗の泥沼状態で、新潟アルビレックスBBとの第2戦を迎えていた。一時は中地区の上位争い、チャンピオンシップ出場権争いにも絡んでいた海賊軍団だが、2月5日の千葉ジェッツ戦でジェイソン・ウォッシュバーンが負傷すると急減速。ウォッシュバーンは3月25日の富山グラウジーズ戦から復帰したものの、苦境は止まらなかった。戦績は22日の新潟戦を落とした時点で15勝39敗。B1の18チーム中16位まで落ちている。新潟もここまで24勝30敗で、チャンピオンシップ出場のためには負けられない。立場は違えども、同じく厳しい状況だった。22日の初戦は新潟が82-79で取っている。ただ、横浜にとって22日の初戦は16点差から追い上げ、一時は逆転する内容だった。尺野将太ヘッドコーチは「昨日良いゲームができたということで、今日は絶対勝ちに行くという雰囲気がロッカールームに満ちていた。行ける予感がしていた」と試合前の手応えを振り返る。両チームとも外国籍選手オン・ザ・コート数が「2-1-1-2」だったこの試合。横浜は試合の出だしから走った。第1クォーターの横浜は細谷将司、ジェフリー・パーマー、ジェイソン・ウォッシュバーンが内外角からバランスよくシュートを沈めていく。リバウンドも12-5と優勢だった横浜が、25-12で第1クォーターを終えた。第2クォーターは新潟のスティーブン・バン・トリースが11得点と大活躍。しかし横浜もパーマーが7得点を挙げ、攻守に存在感を示す。横浜はリバウンドからの速攻がよく決まり、46-27と大きくリードして前半を終えた。チャップマンの爆発で新潟がクロスゲームに持ち込む第3クォーターに入っても流れは変わらない。横浜はファイ・パプ月瑠が攻守でチームにエナジーを与えていた。彼は第1クォーターの途中からコートに入ると、お互いがオン・ザ・コート「1」になった第2クォーター、第3クォーターで『日本国籍のビッグマン』としてチームのアドバンテージになっていた。特にオフェンスリバウンドは第2クォーターが2つ、第3クォーターが3つと効いていた。尺野ヘッドコーチはパプに対して試合中にヒントを与えていたという。話した事が結果としてスタッツに繋がったかどうか定かではない指揮官は軽く『オチ』を付けつつ、こう語る。「パプ選手がボールを持って1対1をする時に、相手との駆け引きで引っ張られたり、上手く身体をよけられたりして、上手くいかない部分があった。そこにこだわらないように、パプ選手が勝っている部分を出すようにと話をした。特に(遥)天翼選手とマッチアップしているときは、ローポストの1対1からのドリブルにこだわらず、ダックインだったり、リバウウンドだったり、もっとパプ選手が生きるところをやっていこうと話をした結果……がそうだといいんですけど(笑)」横浜はハーフタイム明けにも川村卓也の連続ポイントなどでリードを拡げる。残り6分42秒にはウォッシュバーンが決めて時点でスコアは56-31と25点差に。尺野ヘッドコーチは最終盤の勝負どころを見据えて、第3クォーター残り4分48秒では川村とウォッシュバーンらをベンチに下げた。しかしこれが新潟にとっては付け入る隙となった。新潟はダバンテ・ガードナーの連続得点などで39-62のビハインドから11ポイントのラン。50-62と点差を詰めて第3クォーターを終える。さらに勝負どころで当たっていたのが新潟のクリント・チャップマンだ。第4クォーターに入って、彼は3ポイントシュートを「5分の3」という高確率で決めた。横浜の尺野ヘッドコーチはこう分析する。「チャップマンは高さもあって、打点が高い。彼のフェイドアウェイはかなり止めづらい。ガードナーも含めて、40分間ストレスを与え続けようということで、ディフェンスはチーム全員でやりました。しかしあそこまで確率良く決められてしまうと……」こうして残り1分13秒、チャップマンにこの試合4本目の3ポイントシュートを決められ、土壇場で73-73と追い付かれてしまった。終盤まで続く大混戦、勝敗を分けた2つの『潮目』その直後の横浜の攻撃、シュートに行く川村が佐藤とバン・トリースに詰められ『あわや』の状態に。だが、このルーズボールの奪い合いで畠山俊樹が川村にファウル。これが勝負どころで一つ目の『潮目』になった。川村がこのフリースローを落ち着いて2本決め、横浜は75-73と再びリードを奪う。2つ目の『潮目』は残り26秒の攻防。チャップマンのシュートが落ちたリバウンドをウォッシュバーンがキープ、ここでチャップマンがファウルを犯し、5ファウルにより退場に。さらには判定に対するリアクションでベンチもテクニカルファウルを取られてしまう。庄司和弘ヘッドコーチは「戦う相手を間違えてしまい、最後は悔しい結果になった」と悔いる。新潟にとって酷な判定が続いた状況もあったが、勝負どころのテクニカルファウルで勝利の確率は大きく落ちてしまった。ウォッシュバーンが「2プラス1」のフリースローを3本とも沈めて、スコアは78-73。加えて新潟のテクニカルファウルだったため、横浜ボールからの再開に。新潟はファウルプレーを選択せざるを得なくなり、最終的にはその後のフリースロー4投を3本沈めた横浜が81-73で逃げ切った。この勝利で横浜の連敗は10でストップ。ホームでの勝利は2月4日の千葉戦以来だった。対する新潟はこの敗戦によりチャンピオンシップ出場の可能性が消えてしまった。キャプテンの山田「この1勝でこんなに喜んでくれて……」尺野ヘッドコーチは、自らがチームに施した修正をこう説明する。「以前はボールに5人の選手が集まってしまう悪い癖があった。ボールのないところでスクリーンを掛け合う、スペースを取るという練習を重ねて、少しずつノーマークのイージーなシュートが増えてきた。比較的バランス良く点を取る力のある選手がいるので、得点がバラけるようにしっかり全員でボールをシェアするところを積み重ねてやってきた」実際、横浜は23得点の川村を筆頭に細谷、パーマー、パプ、ウォッシュバーンも含めて合計5人が2桁得点を挙げた。チームが厳しい状況にありながら、2213名の観客が作り出すトッケイセキュリティ平塚総合体育館の雰囲気はポジティブで、間違いなくチームを後押ししていた。キャプテンの山田謙治は連戦を終えた心境を口にする。「ファンの方々がこの1勝だけでもこんな喜んでくれて、僕たちもうれしい気持ちになるし、逆に申し訳ない気持ちがありながらのゲームでした」プレーオフ圏内脱出に向けて、横浜に残されたレギュラーシーズンは残り5試合。この勝利で14位の秋田ノーザンハピネッツ(17勝38敗)と1ゲーム差に詰め寄っている。次節の川崎ブレイブサンダースも含めて強敵との対戦は続くが、海賊軍団にとっては残留プレーオフ出場回避に向けて、間違いなく大きな一勝だった。2017/04/23Bリーグ&国内
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川村卓也が封じられオフェンスが停滞した横浜ビー・コルセアーズ、痛すぎる連敗で残留プレーオフ回避に黄色信号が灯る停滞した攻めから速攻を浴びイージーシュートを許す悪循環互いに残留プレーオフを避けたい横浜ビー・コルセアーズと富山グラウジーズの第2戦。横浜は得点源の川村卓也を封じられ、オフェンスの起点を作ることができず、同地区最下位の富山に連敗を喫した。オン・ザ・コート数は横浜が「2-1-2-1」、富山が「1-2-1-2」を選択。だが昨日の試合から戦線復帰したジェイソン・ウォッシュバーンが本調子ではなく、ファイ・パプ月瑠が先発となった。第1クォーターはジェフリー・パーマーが高確率でシュートを沈め、3本の3ポイントシュートを含む11得点を挙げる。ところが、活躍したのはパーマーただ一人。富山のアグレッシブなディフェンスの前にタフショットを強いられ、他の選手が得点を奪えず。パーマーの11得点がチームの総得点となってしまった。第2クォーターに入り、細谷将司の8連続得点によって一時は逆転に成功するも、ここからオン・ザ・コート「2」の富山がデクスター・ピットマンのインサイドを強調したプレーを展開。強固な守りから速攻へとつないで点差を広げていく。横浜はボールマンが激しいプレッシャーを受け、オフェンスセットに時間がかかってしまい常にショットクロックを気にする状態に。スクリーンピック後の展開が乏しく、攻撃が機能しなかった。個々の奮闘で反撃する横浜だがチームとして機能せず迎えた第3クォーター、横浜が立ち直るより先に、富山がさらに勢いを増す。オフェンスではインサイドで起点を作り、周りの選手が連動してイージーシュートのチャンスを次々と作り出す。ディフェンスでは前半と同様に、ボールマンへのプレッシャーを強めインサイドへの侵入を防ぎ、ターンオーバーから速攻を繰り出した。横浜はパプのオフェンスリバウンドや竹田謙の3ポイントシュートなど、個々の奮闘で追いすがるが、川村への警戒は緩むことなく、チームとしての連動が出てこない。ノーマークのシュートを落としたり不用意なターンオーバーを犯すなど、流れを引き寄せることができなかった。15点差で迎えた第4クォーターも横浜の苦戦は続く。ピットマンにオフェンスリバウンドから連続でバスケット・カウントを許し、岡田優にカットからジャンプシュートを決められ点差は20へと開く。それでも細谷が前からプレッシャーをかけ、川村とのダブルチームで8秒バイオレーションを誘発。ウォッシュバーンがオフェンスリバウンドから得点を挙げるなど、ホームの観客の前で勝利への執念を見せる。だが、軽率なパスミスから得点を許すなど最後まで嚙み合わず、最終スコア60-80で富山に屈した。川村封じの作戦が見事的中、会心の2連勝を挙げた富山ヘッドコーチのボブ・ナッシュは「今日のゲームはディフェンスがすべて」と昨日の79から60へと失点を減らしたディフェンスを勝因に挙げた。その中身は徹底した川村対策だ。「川村からボールを早めに離させるのが狙いだった。彼に気持ち良くプレーさせないよう指示し、ビッグマンなどシュート力のない選手にボールを持たせた」と明かす。この作戦が的中し、第1戦では22得点を奪った川村をフィールドゴール成功なしの2得点と沈黙させた。体調不良の青木勇人ヘッドコーチに代わり指揮を執った尺野将太アシスタントコーチは「ディフェンスにおいては走られ、相手の良いところが多く出てしまった試合でした」と敗戦を振り返った。ペイントエリアで48点を奪われ(横浜は16点)、インサイドのオフェンスの内容の良し悪しがシュート成功率に直結。富山の55.9%に対し横浜は33.3%と低調だった。パーマーは21得点、細谷は20得点と川村が抑えられた分まで奮闘したが、「調子の良いパーマーと細谷を起点にどういうプレーをするのか、具体的なパフォーマンスで表現できなかった」と尺野アシスタントコーチは肩を落とす。横浜はウォッシュバーン不在の4試合で1勝3敗と失速。ようやく復帰したこの富山戦で連敗を喫したのは大きな誤算だ。残留プレーオフの秋田ノーザンハピネッツ(この日はアルバルク東京に勝利)とのゲーム差がわずか1。次節、総合首位を走る川崎ブレイブサンダースとの『神奈川ダービー』で、是が非でも勝利が必要な状況に追い込まれた。2017/03/26Bリーグ&国内
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大入りの平塚総合競技場で横浜ビー・コルセアーズが奮闘するもツキに恵まれず、三遠ネオフェニックスに屈するウォッシュバーン不在で横浜にファウルトラブルのリスク両チームともにインサイドの主軸を欠いて迎えた、水曜日の一発勝負だった。横浜ビー・コルセアーズはジェイソン・ウォッシュバーンが2月5日の千葉ジェッツ戦で左足を痛めてこの日も欠場。三遠ネオフェニックスはロバート・ドジャーが19日の栃木ブレックス戦で退場処分を受け、出場停止となっていた。試合は両チームとも外国籍選手のオン・ザ・コート「2」でスタート。三遠は第1クォーターに連続15点のランも見せ、まず25-14と突き放した。横浜の青木勇人ヘッドコーチは「ファウルトラブルが一番怖かった。マンツーマンで始めて、ファウルトラブルが起こらないように守ってもらいたいと思っていた」と振り返る。ウォッシュバーンに加えてジェフリー・パーマー、ファイ・パプ月瑠まで不在となればインサイドは壊滅してしまう。ただ、その結果として三遠のオルー・アシャオルに10分間で15得点という荒稼ぎを許してしまった。青木ヘッドコーチは「アシャオルに取られて、ディフェンスは少し難しかった。ファウルを怖がっていたのか、フィニッシュまで持っていかれることが多くてもったいなかった」と語る。アシャオルは特に、反転から放つターンアラウンドシュートを楽に打っていた。しかし横浜は第1クォーターの終盤からゾーンディフェンスに切り替え、流れを変えることに成功した。三遠もドジャーが不在。藤田弘輝ヘッドコーチは「ハイポストのプレーもそうですし、一番ゾーンを崩すのが上手な選手なので、ドジャーがいないのは困った」とやはり影響を説明する。田渡修人も「相手はゾーンディフェンスが多くて、そのときに相手のペースに合わせてしまい、重たいオフェンスになった時間があった」と反省を口にする。もっともそれはオフェンスに限った話。三遠には206cmの日本人ビッグマン太田敦也がおり、ファウルトラブルを怖がる必要はなかった。ドジャーの不在によるゲームプランの変更を問うても、藤田ヘッドコーチは「特にないですね」と素っ気なかった。三遠の方がいつも通りの試合運びはできていたのだろう。ファイのフリースローで反撃の狼煙を上げるも一歩及ばず守備を建て直した横浜が三遠の速攻をよく封じ、第2クォーターを11失点、第3クォーターも18失点に抑える。攻撃面でもボールをシェアしつつ、竹田謙、蒲谷正之といった『仕事人』がポイントによく絡んだ。インサイド陣も身体を張り、第3クォーターの残り37秒にはフリースローが極端に苦手なファイが2ショットをきっちり成功し場内の興奮を呼ぶ。残り5秒のフリースロー2ショットはパーマーが2本とも落としてしまったが、第3クォーターを終えた段階で51-54まで追い上げていた。第4クォーターの横浜は川村卓也、細谷将志が『全休』する展開になったが、山田謙治が第4クォーターの出だしで得点を立て続けに挙げた。残り8分35秒には56-56と同点に追い付いている。しかし横浜はここで一気に上回ることができなかった。三遠は残り7分51秒、ジョシュ・チルドレスのアシストから岡田慎吾が3ポイントシュートを決め、59-56と抜け出す。横浜は残り5分36秒、山田が腕をよく伸ばしてチルドレスからボールを奪いかけたが、ルーズボールはアシャオルに。青木ヘッドコートが「最終的にはどちらに転がるか分からないボールが相手に転がってしまったところが痛かった」と悔いるように、勝負のアヤも三遠に味方した。残り5分の攻防で、横浜は三遠に突き放された。パーマーは4ファウルで踏みとどまったが、山田は残り1分でついに5ファウルとなり、コートを去らねばならなかった。最後はファウルプレーの影響もあり、第4クォーターだけで31失点を喫した。最終スコアは73-85。内容は拮抗していたが、スコアは大きな差がついた。勝負どころで躍動したチルドレス、17得点17リバウンド三遠はチルドレスが最後の10分間で10得点7リバウンドと大活躍。試合を通しても17得点17リバウンド5アシストというスタッツを残している。またチルドレスのインサイドを切り裂く突破とクリエイトと、アウトサイドのシューター陣がよく噛み合っていた。田渡は3ポイント4本などで17得点を挙げ、鈴木達也も12得点7リバウンドと活躍した。横浜も山田が「ずっと40分という厳しい状況で、2人はすごく頑張ってくれている」と称えるように、パーマーとファイの2人は19日の秋田戦に続くフル出場。パーマーは17得点11リバウンド、ファイは16得点12リバウンドという奮闘を見せた。この三遠戦は横浜のホーム戦として今季初の平塚(トッケイセキュリティ平塚総合体育館)開催だった。最寄り駅から2キロ以上ある会場で、平日の開催にもかかわらずアリーナはほぼ満員の入り。観客数は2012名と発表されている。2011年のチーム創設とともに加入し、6シーズン目を迎える山田はこう語る。「今年は平塚開催があまりない中で、まして今日は平日19時の試合だったにもかかわらず、たくさんの人が来てくれた。横浜が立ち上がった当初を考えると、人が本当に増えていると感じています」青木ヘッドコーチも「平日開催の平塚の体育館に2000人以上の方に集まって頂いたのは本当に素晴らしいこと。ビーコルが6年間やってきて、2000人というのは厳しい数字だったけれど、地道な活動があったからこそ平日でも2000人の方に集まっていただいた。歴史に残る日だったと思う」とコート外の進化について言葉を寄せていた。ただ、だからこそ横浜にとっては苦さの残る73-85の惜敗だった。2017/02/23Bリーグ&国内
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中と外、バランスの良いオフェンスを展開した秋田ノーザンハピネッツが大黒柱を欠く横浜ビー・コルセアーズに完勝立ち上がりから攻守に積極プレーで主導権を握る9勝27敗で東地区5位の秋田ノーザンハピネッツが14勝22敗で中地区5位の横浜ビー・コルセアーズと対戦した。平均16.9得点で得点ランキング9位のジェイソン・ウォッシュバーンをケガで欠く横浜を相手に、秋田はディフェンスからペースを掴んで完勝を収めた。立ち上がり、安藤誓哉がショットクロックギリギリから3ポイントシュートを沈め先制点を奪った秋田が波に乗る。白濱僚祐が川村卓也の一瞬の隙を突いてスティールし、ワンマン速攻を危惧した川村に止められるもアンスポーツマンライクファウルを獲得。開始4分で13-2とリードを奪った。横浜はタイムアウトで一呼吸置き、ディフェンスをゾーンに変更して落ち着きを取り戻すと、細谷将司のドライブ、ファイ・パプ月瑠のインサイドで追いすがる。それでも第1クォーター終了間際に白濱が3ポイントシュートを沈め、秋田が25-16とリードを保ち、試合を優位に進めていく。41-31で第3クォーターに入ると、オン・ザ・コート数が「1」の時間帯で秋田がディフェンスからリズムを掴みリードを広げていく。ファウルトラブルに陥っている横浜のインサイド陣にペイントエリアで仕事をさせず、外のシュートを多投させる。川村がタフショットを連続で沈めるも、外一辺倒となったオフェンスはリズムに乗れず、このクォーターの横浜の得点はわずか11に留まった。秋田は対照的にスコット・モリソンがインサイドで起点となり9得点の荒稼ぎ。谷口大智が2本の3ポイントシュートを沈めるなど、中と外のバランスが噛み合いリードを20点に広げた。特別指定選手の中山がホームのブースターの前で初得点を記録最終クォーターに突入しても秋田の勢いは止まらない。イバン・ラベネルが7得点、ディショーン・スティーブンスが6得点と、インサイドで主導権を握り続け試合をコントロールした。残り6分を切ると、特別指定選手の中山拓哉をコートに送り出す。中山はすぐさまアグレッシブなディフェンスから速攻の先頭を走り、レイアップでホームでの初得点を記録した。結局、すべてのクォーターで横浜を上回った秋田が84-60で2連勝を飾った。長谷川誠ヘッドコーチは「第1クォーターのディフェンスが良かった。インサイドである程度主導権を握ったので、その分アウトサイドでノーマークができて中と外のバランスが良かった」と勝因を分析した。秋田は3本の3ポイントシュートを含む14得点を挙げた田口成浩を筆頭に、5人が2桁得点とバランスの良いオフェンスを展開した。敗れた横浜は湊谷安玲久司朱が13得点、竹田謙が10得点とベンチメンバーの活躍は収穫となった。しかし、ウォッシュバーン不在に加えて川村が序盤からファウルトラブルに陥ったのでは厳しい。秋田は今日の勝利で勝ち星を10に乗せたが、依然降格圏内の15位と厳しい状況は続く。田口は「何が何でも勝つ、それだけです。調子もクソもないと思うので、とにかく目の前の試合に勝つ」と、これからの巻き返しを今シーズン最多の4457人のブースターの前で誓った。明日の第2戦もCNAアリーナ★あきたで14時ティップオフ。2017/02/18Bリーグ&国内
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指揮官の『爆発』で目覚めた千葉ジェッツ、ハードワークと一体感を取り戻し横浜ビー・コールセアーズを撃破『出だしの悪さ』という悪癖がまた出た千葉、指揮官が激怒千葉ジェッツは1月上旬のオールジャパンで初優勝を果たしたものの、再開後のリーグ戦では3勝3敗と停滞中。4日の横浜ビー・コルセアーズ戦も残り1.7秒のアタックから川村卓也に勝ち越し点を決められ敗戦を喫した。さらにチームは第1クォーターに試合運びに大きな課題を抱えていた。富樫勇樹は「オールジャパンが始まる前から第1クォーターの出だしは課題だった。レギュラーシーズンでいうと10試合くらい、第1クォーターで勝っている記憶がない」と顔を曇らせる。5日の再戦でも、千葉は試合開始から川村のレイアップを皮切りに0-8まで走られてしまう。ファイ・パプ月瑠も6得点5リバウンドと奮闘し、10-17とビハインドを背負って第1クォーターを終えた。第2クォーターに入ると石井講祐の3連続得点などで19-17と一度は逆転したものの、横浜が再び巻き返す。川村は外からのシュートに加えて、果敢なドライブでも相手の守備を崩して前半は10得点5アシスト。横浜が37-31とリードして試合を折り返した。千葉の大野篤史ヘッドコーチは前半の展開と、ハーフタイムの出来事について、少し際どい表現で振り返る。「ここ何試合かはクソみたいな第1クォーターの入りをしている。シュートが落ちる落ちないはどうでもよくて、自分たちのベース、普遍的なモノを表現できてないところにすごい苛立ちがあって、今日のハーフタイムは爆発してしまった」小野龍猛キャプテンによると「今年2回目。1回目のA東京戦(昨年10月8日)以来」という大野ヘッドコーチ、そしてアシスタントコーチのカルバン・オールダムによる『爆発』だったという。ロッカールームで選手に何を伝えたか、大野ヘッドコーチはこう明かす。「『頑張っているってみんな思ってる? 頑張るって誰でもしているんだよ? ハードワークはそういうことじゃない。自分たちがどうありたいのか、どうあるべきか、そしてどうなりたいのか……。協働的にバスケットをすることを目指して今までやってきたのに、この20分は何?』という話をした」「何に向かって努力しているのか? どういう目標を持ってバスケットに取り組んでいるのか? それを見せてくれ、と言いました」。その口調をそのまま伝えられないのは残念だが、試合後の記者会見になってもまだ『熱』は残っていた。小野の自信「後半みたいな戦いをすればどこにでも勝てる」後半、千葉のバスケットの内容に変化があった。小野はこう説明する。「みんなでボールをシェアして、回しながらプレーしようというコールを多くした。後半の出だしはパスがよく回ったと思います。ディフェンスを前から当たって、リバウンドを取って走るバスケットができた」富樫が「第1クォーターと第3クォーターは同じメンバーでも全然違うチームに見えると思う」と振り返るように、後半は前半と逆の展開になった。千葉は2分足らずで8得点を挙げる原修太の活躍で勢いづくと、さらにポイントを重ねて一気に逆転する。第3クォーターの千葉は小野が10分間で7アシストの好演出を見せ、タイラー・ストーン、石井と満遍なくポイントを重ねて一挙に29得点。残り1分31秒には富樫からストーン、小野と回して石井がオープンな状態から3ポイントシュートを決め、さらに得点を重ねて60-47で第3クォ―ターを終える。この時点で千葉は連続15得点のランだった。小野は「パスを回して、最後にもう一つエクストラパスを出せば空いている選手がいる。そういうのが今日は出て、良いバスケットができた」と第3クォーターの収穫を口にする。第4クォーターに入ると富樫、ヒルトン・アームストロングを温存。それでもマイケル・パーカー、阿部友和といったベンチメンバーが守備でチームを支えて、優勢は揺るがない。横浜はインサイドの軸で、この日も17得点9リバウンドの活躍を見せていたジェイソン・ウォッシュバーンが残り1分02秒のプレーで負傷してしまう。左足首を抑えてコートに倒れ込み、そのまま担架に乗って運び出された。今季中の復帰は難しいのではないかと思える傷み方だった。後半に立て直した千葉がそのまま78-65で横浜を下し、前日のリベンジを果たしている。オールジャパン後に苦しんでいる中で、良い兆しの見える後半の展開だった。小野は『勝者のメンタリティ』についてこう説く。「オールジャパンを取ったということで、良い意味で天狗になってほしい。相手に対して自分たちが上だという気持ちは持っていいし、初めてタイトルを取ったことにも自信を持っていい。それを試合で良い方向につなげたい」タイトルで得た自信を冷静さ、ハードワークの糧と変えることができれば、千葉は一つ上のステージに進めるだろう。小野は併せて柔軟性の重要性を口にした。「前半は一つのことをやろうとしすぎていた。後半みたいに全体が見えればパスも回るし、次どこを見ればいいだろう? というのも分かる。それをチーム全体で見えればベスト」一方ではこうも言う。「後半みたいな戦いをすれば、どこにでも勝てる。そういう戦いを今後はずっとしていければ」代表ウィークを挟み、千葉は次節に名古屋ダイヤモンドドルフィンズとアウェーで、横浜は秋田ノーザンハピネッツとアウェーで対戦する。2017/02/05Bリーグ&国内
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我慢に我慢を重ねた横浜ビー・コルセアーズ、残り1.7秒から川村卓也が決勝ブザービーターを沈めて千葉ジェッツを撃破『格上』相手の覚悟、横浜は劣勢に耐えてチャンスを待つ13勝21敗で中地区5位の横浜ビー・コルセアーズが千葉ジェッツをホームの横浜国際プールに迎えた。千葉は年始のオールジャパンで並いる強豪を次々と撃破し日本一に輝いた。戦績を見ても22勝12敗で横浜にとっては『格上』。だがこの『格上』が相手という状況が劇的なドラマを生む要因となった。オン・ザ・コート数は互いに「1-2-1-2」を選択。序盤は出だしからアグレッシブにプレーした横浜が先行する。先発出場のファイ・パプ月瑠がファイトし、千葉の強力インサイド陣を封じる。オフェンスではジェイソン・ウォッシュバーンがペイントエリアで力を見せ8得点を挙げ16-10とリードを奪った。それでも千葉が阿部友和を投入すると、彼を先頭とする激しいディフェンスで勢いを止められてしまう。横浜は約6分間を無得点、この間に0-12のランを浴びて逆転を許す。それでもジェフリー・パーマーと川村卓也の3ポイントシュートなどで巻き返し、29-29で前半を終えた。これまでの横浜であればズルズルと離されてしまうところだが、ここで踏み留まったのが一つのポイントとなった。青木勇人ヘッドコーチはこう語る。「今まではそこで下を向くことが多かった。だが日本一のチームが相手で、流れを持っていかれる時間帯があると予測していたので、何があってもポジティブにいこうと話しており、選手たちも我慢してくれました」「全員が献身的に、助け合ったプレーがいっぱい見られた」後半に入っても一進一退の攻防は続き、52-53と1点のビハインドで最終クォーターへ。ただ、粘り強さの中心となっていたパーマーとウォッシュバーンがともに3ファウルの状態。さらには第4クォーター開始わずか30秒でウォッシュバーンが4つ目のファウルを犯し、危機的状況を迎えた。このピンチを救ったのが月瑠だった。ディフェンスではマイケル・パーカー、タイラー・ストーン、ヒルトン・アームストロングと三者三様のスコアラーを相手に強靭な肉体と軽快なフットワークでインサイドを死守。攻撃面では4つのオフェンスリバウンドを奪い、8得点をこのクォーターで挙げた。ケガの功名というべきか、ウォッシュバーンとパーマーのファウルトラブルが月瑠の活躍を引き出し、横浜がわずかにリードして時間が進んでいった。残り50秒、70-67の場面。タイムアウトで攻め方を確認した千葉は同点に追いつくために3ポイントシュートを狙う。富樫勇樹、石井講祐、ストーン、小野龍猛と3ポイントシュートを打てる選手間でパスを回してズレを作る。横浜は粘り強く対応するも、リバウンドを3度奪われる波状攻撃に。最後は残り1.7秒、富樫がチェックに手を伸ばす細谷将司の上から起死回生の3ポイントシュートを沈めて70-70と同点に。横浜はタイムアウトを要求し、最後のオフェンスを川村卓也に託した。パスでズレを作る時間はない。大きく回り込むダッシュからウォッシュバーンのスクリーンを使ってボールを受けると、瞬時に振り向きざまのフェイダウェイシュートを放つ。スイッチしたアームストロングが狙うブロックショットを超えたボールがブザーと同時にネットに吸い込まれ、横浜の勝利が決定した。青木ヘッドコーチは「ディフェンスで最後まで我慢した。チーム全員が献身的に、お互いを助け合ったプレーがいっぱい見られた」と勝因を語った。敗れた千葉の大野篤史ヘッドコーチは険しい表情で試合を総括した。「ひどいゲームだったと思います。自分たちがリードした場面でターンオーバーを連発してカムバックされて、自分たちで自滅。最後のシュートは仕方がないですが、クロスゲームになったこと自体が問題です」平均ターンオーバー数が11個台の千葉だが、今日は17個と突き放さなければならない時間帯でミスが目立ち失速してしまった。ファウルトラブルの2人の穴を埋めた月瑠は「自分がやらなくてはいけないと思いました。4クォーターにあまり出たことがありませんでしたが、今日はそこで出てしっかり仕事ができたと思います」と満足気だった。横浜の誰もが口を揃えたのは「自分たちはチャレンジャー」という心構えだった。青木コーチはその気持ちがあったから流れを予測できたと言い、月瑠は出だしからアグレッシブにいけたと語った。また川村はチャレンジャーという気持ちをプレーや気迫で40分間示せたことを誇った。昨日の勝利で自信を手に入れた横浜だが2試合目の内容で真価が問われる。引き続きチャレンジャー精神で2日連続のアップセットを狙い、後半の巻き返しを誓う。2017/02/05Bリーグ&国内
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滋賀レイクスターズに残り0秒まで猛追されるも2点差で逃げ切り、チーム一丸の横浜ビー・コルセアーズが連敗を止める徹底マークを受ける川村がファウルを誘ってチームに貢献後半戦最初のホームゲームとなった横浜ビー・コルセアーズは、滋賀レイクスターズを横浜国際プールに迎えた。11勝21敗で中地区5位となかなか勝ち星が上がってこない横浜。対する滋賀は6勝26敗で西地区最下位という状況だが、クレイグ・ブラッキンズを獲得しチーム力向上の兆しを見せている。後半戦初勝利を目指す両チームの戦いは最後までもつれる大接戦となった。序盤は互いにシュートが決まらず我慢の時間帯が続き、激しい守り合いの展開となった。横浜は1試合平均で約15得点を上げる川村卓也が長谷川智伸のしつこいフェイスガードに苦しみ、前半を1点に抑えられる。それに対し高島一貴も得意のディフェンスで滋賀のシューター、狩野祐介を無得点に封じ、互いに得点源を自由にさせなかった。そんな中、横浜はジェフリー・パーマーがインサイドを攻め13得点、滋賀は並里成がミドルシュートなどで8得点を挙げ前半を引っ張る。33-31と横浜がリードして迎えた後半、試合が動き出すきっかけになったのは滋賀のファウルトラブルだった。横浜は川村が激しいマークに徐々に対応。得点はできずとも老獪な動きでファウルを誘い、このクォーターだけで4つのファウルを獲得。そして、残り時間を4分以上を残し滋賀のチームファウルは5個を超えた。両チームともオン・ザ・コート数が「1」のこのクォーター、横浜のファイ・パプ月瑠が高さの利でインサイドを支配。ミスマッチを攻め7得点と3つのファウルを奪った。また、ファウルトラブルでソフトにならざるを得ない滋賀のディフェンスに対し細谷将司がアグレッシブにアタックして月瑠と同じく7得点を挙げリードを広げた。怒涛の反撃を見せた滋賀、勝利に執念を見せるも及ばず51-39と横浜が2桁のリードを奪って迎えた最終クォーターだが、滋賀が怒涛の反撃に出る。狩野がオフ・ザ・ボールの動きから長い距離を走ってのキャッチ&シュートでようやく初得点を記録。これでオフェンスの歯車が噛み合い、次々と得点を重ねていった。横浜はジェイソン・ウォッシュバーンがインサイドで奮闘するも、滋賀の勢いは止まらない。ブラッキンズが流れの中での1on1で4本のシュートと2本のフリースローをすべて成功させて10得点を挙げ、ジワジワと迫る。だが、滋賀に傾きかけた流れを引き戻すビッグプレーを見せたのが湊谷安玲久司朱だった。ショットクロックギリギリでミドルシュートを沈め、不十分な体勢からボールを拾いタフショットを決めるなど要所で決定的な仕事をやってのけた。湊谷の活躍もあり残り1分52秒で73-63と勝敗が決したかに見えたが、滋賀はここから脅威の粘りを見せた。ジュリアン・マブンガのバスケット・カウント、ブラッキンズのインサイドで連続得点を奪い終盤のゲームコントロールに難のある横浜に襲いかかる。横浜は受けに回ってしまい、積極性を欠いて得点が止まる。マブンガに速攻を許し残り時間3秒で2点差まで迫られる。タイムアウトを挟み、横浜のスローインから再開の場面。ボールをキープすれば勝利という場面でブラッキンズにボールを弾かれ、菅原洋介にボールを奪われてしまう。それでもハーフライン付近から菅原が放ったシュートはリングに弾かれ、横浜が辛うじて逃げ切った。川村依存からの脱却、全員バスケで勝利をつかんだ横浜青木勇人ヘッドコーチは「スマートな判断」と第3クォーターで突き放せた部分を振り返った。「ミスマッチの部分、ファウルトラブルの部分でそこをよくアタックしてくれた。ボールを集めた時に得点やファウルに繋がったことは選手のスマートな判断だったと思います」また「厳しい試合の中で出た選手が全員得点を挙げ、ディフェンスでは存在感を出してくれたというところでチームとしてステップアップできた試合になったと思います」と接戦を制したことで選手の成長が促されたとコメント。敗れた遠山向人ヘッドコーチは、インサイドのチームディフェンスを敗因に挙げた。「ウォッシュバーンやパプ選手に押し込まれたというところが大変だった。マッチアップした選手はベストを尽くしてくれましたが、チームディフェンスとしての意思疎通がうまくいかなかったと反省しています」遠山コーチが名前を挙げたウォッシュバーンは18得点10リバウンドのダブル・ダブルで本日のMVPに選ばれた。そのウォッシュバーンはヒーローインタビューで「本当のMVPは君だ」と湊谷にマイクを渡し会場を盛り上げた。実際、終盤を支えた湊谷のプレーは貴重なものだった。青木コーチが「的が絞りずらいチームになってきたと実感しています」と言うように、川村を抑えられても4人が2桁得点を記録し出場した選手全員が得点を挙げて勝利した横浜。川村依存から脱却し全員バスケで後半戦の台風の目となる予感、今後の追い上げに期待が持てそうだ。2017/01/29Bリーグ&国内
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『元NBA』のチルドレスと日本人シューター陣、攻守が噛み合った三遠ネオフェニックスが横浜ビー・コルセアーズにリベンジ前日の敗戦のショックを振り払う、チルドレスの大仕事横浜ビー・コルセアーズと三遠ネオフェニックスの第2戦。土曜の初戦は横浜の完勝に終わったが、この試合は全く逆の展開となった。前日の敗戦を受け、三遠はスタートから気持ちが入っていた。鈴木達也はこう振り返る。「試合前に『プライドを懸けて戦おう』とチームで話しました。最初のパスエントリーからスピード感のあるプレーを心掛けました」ジョシュ・チルドレスという強烈な『個』の加入は、フィニッシュまで素早く持ち込む三遠のスピードを削ぐという弊害もある。チルドレスはまだ、どことなく遠慮してプレーしている印象。それでも前日とはキレが違うパスワークで横浜を振り回すと、チルドレスの『個』が炸裂する。開始早々にトラベリングの笛を吹かれたチルドレスだが、すぐにアジャスト。3ポイントシュートで初得点を記録すると、無駄のない動きで横浜ディフェンスの間にスルリと割って入り、高確率でレイアップを沈めていく。鈴木の3ポイントシュートをアシストした直後、スティールからそのままダンクを決め、タイムアウトを挟んで再びスティールからのダンク。さらにはリバウンドを奪ってからの攻撃が田渡修人の3ポイントシュートにつながり、一気に10点差まで突き放した。まだ合わせなどの連携が全くと言っていいほど見られない状態でも、存在感は十分。チルドレスは力強いプレーで前日の敗戦のショックを振り払い、チームに勢いをもたらす大仕事をやってのけた。キャプテンの負傷退場がチームメートを奮い立たせた第2クォーターに入ると、体調不良でスタメンから外れていた川村卓也がコートに入って横浜が本来の勢いを取り戻し、今度は三遠が受け身に回る。ジェフリー・パーマーとの連携を止められずに川村の得点を許し、10点のリードがあっという間になくなり29-29と追い付かれる。第2クォーター半ばには、岡田慎吾がスティールから得点を狙ったプレーでディフェンスされ、ゴールの支柱に激突。そのままプレー続行不能となるアクシデントも。ただ、キャプテンの負傷退場がチームメートをさらに奮い立たせた。42-36と三遠の6点リードで後半開始。大石慎之介、田渡が外から3ポイントシュートを決めれば、中ではロバート・ドジャーが強引なショットを次々と沈める。横浜も細谷将司が外、ファイ・パプ月瑠が中と得点するが、三遠のオフェンスを止められず差を詰められない。第4クォーター、逆転を狙って川村にボールを集め、川村が期待に応えて得点を重ねていく横浜だが、三遠はチルドレスを休ませながらオルー・アシャオル、並里祐といったセカンドユニットが踏ん張り、2桁のリードを保って時計を進めていく。残り3分を切り、チーム11本目となる3ポイントシュートを田渡が沈め、85-68とリードを広げたところで勝敗はほぼ決した。その後も三遠は攻め手を緩めず、鈴木と鹿野洵生も3ポイントシュートを決めて、最終スコア95-76で勝利した。「今日はしっかり打てて、決めることができました」三遠は26本の3ポイントシュートを放ち13本を沈め、実に成功率50%。第1クォーターに相手のターンオーバーから9点を奪う『足を生かした攻め』で主導権を握り、その後は高確率の3ポイントシュートを軸にしつつ、バランス良く得点を重ねた。得点95は今シーズン2番目の数字。ここからチルドレスを含むケミストリーが出来上がってくると考えると、末恐ろしいオフェンス能力を秘めていると言えよう。鈴木はアップテンポな攻撃を演出しつつ、自らも4本の3ポイントシュートを含む20得点を記録。「いつも『コースが空いたら打つ』というのは意識しています。今日はしっかり打てて、決めることができました」と胸を張る。三遠の藤田弘輝ヘッドコーチは「全体的にチームとしてのエナジーレベルが高く、自分たちのバスケットができたことに尽きます」と勝因を語る。「特に後半はエナジーレベルがあり、エモーショナルでもありました。岡田キャプテンのために勝つ、という試合でした」その岡田は病院に運ばれて検査を受けたものの、大きな異常はないことが確認され、チーム関係者を一安心させた。横浜の青木勇人ヘッドコーチは、スローペースでサイズを生かした横浜のバスケに相手を引きずり込んだ土曜とは対照的に、アップテンポに持ち込まれた試合展開を悔やむ。19得点を奪われたチルドレスについては「対策はしました。思い通りにいった部分もあり、上回られた部分もあります。あの手の長さがあって、あれだけのスピードで動かれると脅威です」と語る。もっとも、収穫のある1勝1敗だった。体調に問題を抱えながらプレーした川村について青木ヘッドコーチは「ベンチスタートなので数字は出ていないが、キープレーヤーとして戦ってくれている」と心配していない。「追い付く部分もあったので、プライドを持って成長していきたい。まだまだウチはこれから。もっともっと良いチームになれると思っています」2016/11/28Bリーグ&国内
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チーム一丸のハードワーク! 富山グラウジーズが『延長戦』という名の消耗戦を制して開幕戦以来の2勝目を挙げるウィラードが立ち上がりからファウルトラブルの大ピンチ横浜ビー・コルセアーズと富山グラウジーズの第2戦は、40分で決着がつかず延長戦へ突入する熱戦となった。立ち上がり、富山のサム・ウィラードが連続でファウルを犯す。ここで判定に不満気な態度を取ったウィラードにテクニカルファウルがコールされ、開始3分で個人ファウル3つとなる緊急事態となった。この状況に奮起したのが宇都直輝だ。素早いトランジションから自らも積極的にリングへとアタックし、攻撃を牽引。オン・ザ・コート「1」の時間帯に大きくパフォーマンスを落とすことが課題の富山だが、この試合ではアップテンポな展開で乗り切り、21-14とリードを奪った。第2クォーターに入ると横浜のオフェンスに動きが出てくる。スクリーンを効果的に使いフリーを作る川村卓也に9得点を奪われるも、34-30とリードを保ち前半を終えた。そして後半に入ると、一進一退の攻防は激しさを増してシーソーゲームとなる。第4クォーター残り1分29秒、富山の城宝匡史が長い距離を走り、スクリーンを使ってパスを受けると、ディフェンスを背負いながらの難しいジャンプショットを沈め65-65の同点とする。そこから両チームともアグレッシブなディフェンスでシュートチャンスを潰し合う展開に。残り24秒、横浜はジェフリー・パーマーが2本のフリースローを得るも、フリースロー成功率が約75%と決して苦手ではないにもかかわらず2本とも落としてしまう。これで逆転のチャンスを得た富山だが、横浜の鬼気迫るディフェンスを前にタフショットを強いられノーゴール。試合は延長戦へと突入した。両チームが勝利への執念を見せた消耗戦の結末は両チームともに選手層が厚いわけではない上に、連戦の2戦目。延長戦に入り消耗戦の様相は濃くなる一方だったが、それでも誰もが勝利への執念を見せ、激しく戦い続ける。ただ、シュートの精度は落ちてしまい、勝ち切る機会をモノにできない。残り1分19秒の時点で、富山が72-69と3点リード。横浜は川村が3ポイントシュートを狙った際にファウルを受け、3本のフリースローを獲得するも1本を落として追い付くことができず。しかし富山も、そこからファウルゲームに持ち込まれた状況で、ウィラードがフリースローを4本中1本しか決められず、セーフティーリードを奪えない。残り8秒からのラストチャンス、横浜はファイ・パプ月瑠が3ポイントシュートを強引に狙うも決められず、富山が何とか逃げ切った。敗れた横浜の青木勇人ヘッドコーチは「チャンスはあったが勝ち切れなかったことが悔やまれる」とコメント。リバウンドの数はほぼ変わらないが、球際でマイボールにできなかったリバウンドの争いなど、数字に表れない部分が勝敗を分けた。アシスタントコーチのボビー・ナッシュは「14連敗をしている中で、このような勝てる波がきた時に、しっかり乗れてよかった」と語り、「一人ひとりが試合の中でステップアップしたこと」を勝因に挙げた。宇都がペースを変え、嶋田がジャンプショットでつなぎ、ウィラードが我慢しながらプレーし、城宝が点を取る。全員が自分に与えられた役割を遂行したことで、接戦をモノにしたのだ。富山は、選手もコーチも「良い練習ができている」と語るように、調子が上向きつつある。今回はバイウィークを活用してチームを立て直すことができた。勝利が決まった瞬間、富山からきた熱いブースターは選手以上に喜びを表していた。熱烈なファンとともにこれからの富山の巻き返しに期待したい。2016/11/20Bリーグ&国内
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[CLOSE UP]ファイ・パプ月瑠(横浜ビー・コルセアーズ)ハック戦術にも前を向く「一発を見せられるようにしたい」ハック戦術に遭いフリースロー成功率10%も『自分次第』「第2クォーターは──」と記者が質問を始めると、ファイ・パプ月瑠は少しうつむいて苦笑いを浮かべた。彼は『ハック・ザ・パブ』とでも表現するべき、ファウル前提の徹底マークを受け、10分間で10本のフリースローを放つチャンスを得た。しかし成功はわずか1本。『10%』はあり得ないほどの低い成功率だ。ただ彼はプロバスケ選手。翌日に試合もあるし、気持ちを落としている暇はない。パプは敢えて堂々と、早口に(もちろん日本語で)語り始めた。「富山のアウェーではフリースローがよく入った。今日もその意識を持って、絶対にファウルから逃げずに、もらったらしっかり決めようと思っていた」ただし、「フリースローが落ちてくると、相手も楽にファウルができる。そこを決めることで自分もチームも楽になるし、点数ももっと伸びた」と悔いる。1本目、2本目のフリースローが決まらなかったことでメンタルが乱れ、悪循環に陥った部分もあった。ファウルを受けてイライラさせられた部分があったかもしれない。ただ彼は自らへ言い聞かせるように『自分次第』を強調する。「あきらめずに、ファウルをされても落ち着いて、そこを決めるのは自分なので。そこを決めれば、相手はどうにもならない。喧嘩はいらないし、大人しく、もらってもしっかり打てるように。逃げないし、イライラも言わない。慣れてきたので、フリースローも練習しているし、明日もまた来ると思うのでしっかり決められるように。一発目で2本決めればファウルも来なくなると思います。一発を見せられるようにしたい」「ブースターのために、この1年は横浜でやろうと決めた」アフリカのセネガル出身で、延岡学園高に留学し、関東学院大でも4年間プレー。その後は横浜ビー・コルセアーズに2シーズン在籍していた。2012-13シーズンには晴れのbjリーグ制覇も経験している。そこからは別のクラブへプレーしていたが、今シーズンは大学時代も含めて既に6年間暮らし、「街へ行きやすいし、友達もいっぱいできたし、住みやすい」と言う横浜の街へ4年ぶりに戻ってきた。「10チームくらいからオファーがあったけど、安心できるか分からなくて……。横浜はブースターさんが応援してくれるし、切れないし、悪い言葉を選手に投げたりしない。そこが素晴らしいと思う。他のチームの方が条件はいいのかな、というのもあったけれど、お金じゃなくて、横浜のブースターのために、この1年は横浜でやろうと決めた」彼はビーコルブースターへの感謝も口にする。「いろんなコメントをTwitterでも見たりするし、『戻って来てほしい』と契約の前から言ってくれて……。仕方なく出て行って、チャンスがあったら戻ってきたい、横浜に戻りたいなという気持ちが残っていたので、それがなければ他のところでやったと思う。連敗で観客が減るかと思ったら、変わっていなくてとてもうれしかった。もっと入ってもらえるように、しっかり試合に勝つことだと思います」チームはホーム戦6連敗中だったが、19日の富山クラウジーズ戦で待望の初勝利を挙げている。自身にとっては悔しさも残る試合だっただろうが、ブースターに喜びを届けることはできた。彼は15年には日本国籍を取得し、16年のリオデジャネイロ五輪世界最終予選前には代表候補にも入った。ただ直近の代表は帰化選手枠で渋谷サンロッカーズのアイラ・ブラウンが起用されており、彼は代表から離れている。パプは「代表を応援しているけど」と言いつつ、こう続ける。「何としても代表に戻ろうという気持ちは今のところないです。自分の仕事を横浜でしっかりやっていけるようにしたい」まずはクラブでしっかりと存在感を示すことが、彼のミッションだ。ブースターの温かい後押しに応えるため、パプは『横浜愛』をエネルギーとして、くじけずに戦い続ける。2016/11/20Bリーグ&国内
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富山グラウジーズの奇策『0』を『2』で潰した横浜ビー・コルセアーズが、待望のホーム初勝利13連敗中の富山、勝つためのチャレンジ「0」最大のサプライズは試合前にあった。横浜国際プールで事前に発表された富山グラウジーズの外国籍選手オン・ザ・コートは[2-0-2-2]。Bリーグ初となる『0』の時間帯があった。Bリーグは外国籍選手の起用枠(オン・ザ・コート)が4つのクォーターで合計『6』あるが、配分は0枠から2枠の範囲で自由だ。ただ各チームの選択は[1-2-1-2]と[2-1-1-2]に絞られている。横浜もこの試合は[2-1-1-2]を採用していた。大半のチームがインサイドのビッグマンを外国籍選手に依存していることを考えれば、かなり大胆で、興味深い富山の決断だった。どちらにとっても、負けられない戦いだった。横浜ビー・コルセアーズは中地区の6チーム中5位。5勝を挙げていたがすべてアウェー戦で、ホーム未勝利だった。富山クラウジーズは最下位で、1勝13敗という残留のピンチ。9月24日の開幕戦で新潟アルビレックスBBを下して以来、まだ一つも勝てていない。第1クォーターは横浜が良い出足を見せ、18-10とリードする展開だった。青木勇人ヘッドコーチは「選手たちが本当に素晴らしいスタートを切ってくれた。この1週間、出足を何とかしようとみんなで練習からやってきたところが出た」と説明する。ポイントガードの細谷将司も「僕がアップテンポの展開に持って行けば良いスタートを切れる。それを思い切り出せた」と振り返る。注目の第2クォーターは、かなり極端な10分間になった。富山のボブ・ナッシュヘッドコーチ(HC)はオン・ザ・コート「0」に挑戦した理由をこう説明する。「負けていたからです。あらゆることにチャレンジして、それでも1勝13敗という結果だったので、新しいチャレンジを何かしようとなった」かくして富山のインサイドは197cm100kgの嶋田基志と、196cm94kgの比留木謙司に任された。比留木はもう少し具体的に、オン・ザ・コート「0」の背景を説明する。「かねてからウチが問題としていたところは、帰化選手がいる時にやられるところ。その時間を少なくしようとするのが狙いです。オン・ザ・コート「2」でない時間を20分でなく10分にして、そこをいかに凌ぐか。日本人選手に関してはウチの方が動けるところが多い。ディフェンスのギャップができたとしてもローテーション、ダブルチームなどを使って凌げるのではないかと。そこが狙いだった」奇策に戸惑いながらも勝ち切った横浜横浜のオン・ザ・コートは[2-1-1-2]だったが、「1」の時間帯には身長200cmの帰化選手ファイ・パプ月瑠を起用できる。そのミスマッチが生まれる時間帯を半分にするという狙いはロジカルだ。ただ、富山は10分間をどう凌いだか?富山がこの試合で記録したファウルの数は『26』。そのうち『15』が第2クォーターだった。嶋田、比留木はそれぞれ4つのファウルをしている。40分間に5ファウルを犯すと退場になるが、2人は10分間に絞って、戦略的にファウルを使った。ナッシュHCも「相手のワイドオープンから簡単にシュートを打たれるより、ファウルをして、(横浜には)フリースローの得意でない選手がいるので、そこに打たせる狙いがあった」と意図を明かす。富山が『狙った』のは、ファイ・パプ月瑠だった。彼は10分間で10本(40分間で11本)のフリースローを放ち、何と1本しか決められなかった。フリースローの極端なスタッツは別にしても、横浜も戸惑っている様子が見て取れた。オン・ザ・コート『0』の活用を「予想していた」と口にする選手もいたが、ただ準備はほぼ皆無だったという。青木HCが「一番有利なところばかり見てしまうことが多かった」と振り返るように、インサイドのミスマッチを過剰に意識し過ぎて、攻撃のバランスを崩していた。第2クォーターに限るとスコアは23-19。横浜の4点リードだった。しかし富山にとっては外国籍選手不在でこの結果なら悪くない。試合後のナッシュHCは言葉少なで、表情も硬かったが、それでも「第3クォーター、第4クォーターに向けて良いクォーターを作れたのは、日本人選手の頑張りのおかげ。第2クォーターについては良かった」と口にしていた。比留木も「第2クォーターだけ見れば大成功だと思いますよ」と言い切る。しかし比留木はこう続ける。「我々が外国籍選手をフルで使えるというところでアドバンテージを取りたかった。しかし結果だけを見れば第3クォーターがタイ。第4クォーターがマイナス7点。成功とは言えないですね……」富山はオン・ザ・コートが「2対1」となる第3クォーターを19-19で終え、点差を詰められなかった。横浜は第3クォーターに5ポイント、第4クォーターに9ポイントを挙げたジェフリー・パーマーの活躍もあり、富山を寄せ付けない。第4クォーターの合計は85-66。横浜が快勝し、ホーム初勝利を挙げている。富山の興味深いチャレンジは実らなかった。2016/11/20Bリーグ&国内
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まさにノーガードの殴り合い、壮絶な打ち合いを制した新潟アルビレックスBBが初の連勝を飾るホームアリーナ初戦、横浜は終盤に失速して連勝が3でストップ歴史的開幕戦からちょうど1カ月が経過したBリーグ。横浜ビー・コルセアーズは、メインアリーナである横浜国際プールでの開幕ゲームを迎えた。しかし、横浜国際プールでの初得点を記録したのは新潟アルビレックスBB。五十嵐圭からパスを受けたダバンテ・ガードナーの3ポイントシュートだった。直後に川村卓也とのピック&ロールで抜け出したジェイソン・ウォッシュバーンの豪快なダンクが決まり、序盤からアリーナはボルテージ全開となった。第1クォーターはクリント・チャップマンの勢いあるオフェンスを止められず、ミドルシュートにダンクに3ポイントシュートにと大暴れの11点で、横浜が14-19とビハインドを背負う。第2クォーターに入るとその横浜をアクシデントが襲う。キャプテンの山田謙治がヒザを痛め、そのままプレーを続行できなくなってしまったのだ。それでも横浜は残り6分のところで相手チーム5個目のファールを誘い、フリースローで着実に得点を重ねていく。互いに守り合いの展開になる中、川村卓也がドライブからファールを誘い、ストップジャンプシュートを沈め3点プレーとなるバスケットカウントで逆転。続けて細谷将司が素早いトランジションから持ち込みディフェンスを引きつけ、ノーマークとなったウォッシュバーンのダンクが決まる。ディフェンス合戦でロースコアの展開の中、横浜が31-28と逆転して前半を終えた。後半に入ると打って変わり激しい点の取り合いに。ファイ・パプ月瑠の軽やかなポストプレー、高島一貴がアーリーオフェンスからミドルシュートを決めて点差を広げるも、遥天翼のドライブレイアップ、3ポイントシュートと新潟の反撃を浴びる。極めつけはチャップマンがファールを受けながらのアリウープをねじ込んだシーン。逆転を許したにもかかわらず横浜ブースターが大歓声を上げてしまうほどのビッグプレーだった。一進一退の展開が続く中、ウォッシュバーンがインサイドで強さを見せて連続得点を奪った横浜が、59-55とわずかにリードして第3クォーターを終えた。ハイレベルの打ち合い、勝負を分けた幻の4ポイントプレー互いにインサイドを攻め、ハイレベルな点の奪い合いとなった最終クォーター。スクリーンを使い、マークを振り切った佐藤公威が連続3ポイントシュートを沈めれば、細谷も負けじと高確率で3ポイントシュートを返す。残り1分35秒、ジェフリー・パーマーが3ポイントシュートを沈めて、73-74と横浜が1点差まで詰め寄る。しかし、その後のポゼッションでターンオーバーを犯してしまい、ガードナーと五十嵐圭にフリースローを与えてしまう。残り33秒、73-78と窮地に追い込まれた状態でタイムアウトを取った横浜は、川村にボールを託す。その川村がエースの期待に応え、不十分な体勢ながらも3ポイントシュートを沈め、さらにはファールも獲得し4ポイントプレーとなるビッグプレーで、横浜ブースターの興奮は最高潮に達した。しかし、ここで「3ポイントラインを踏んでいた」との物言い。VTR判定の結果、ラインを踏んでいたことで75-78、フリースロー1本からの再開となる。この中断でリズムを失ってしまったのか、川村がこのフリースローを落としてしまう。リバウンドをしっかり拾った新潟がその後のファールゲームを冷静に対処し、初の連勝をモノにした。新潟の庄司和広ヘッドコーチは連勝は素直に嬉しいと語り、勝因について説明した。「特にスティーブンがディフェンスで頑張ってくれて彼もステップアップしました。また、日本人選手が少しずつですが得点に絡めるようになってきたことは収穫」青木勇人ヘッドコーチは3748人の観客の前で結果を残せなかったことが悔しいと会見で伝えた。「いい勝負をしたとしても勝ちをプレゼントできなかったことを含め正直に悔しい。勝つチャンスはあったので、そこをモノにできなかったのがもったいなかった」旧bjリーグを含め過去最多入場者数を記録した横浜のホーム開幕戦。結果は別としても、白熱したシーソーゲーム、豪快なダンクを含む好プレーの数々に観客も大満足の一日となったに違いない。今日も手に汗握る試合でブースターを沸かせてほしい。2016/10/23Bリーグ&国内
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ホーム開幕戦は神奈川ダービー! 派手なオフェンス合戦を川崎が制す辻が復帰、篠山がオフェンスを勢い付けた川崎が先行東芝から川崎へと看板を掛け変えて、Bリーグでのホーム開幕戦を戦った川崎ブレイブサンダース。相手は横浜ビー・コルセアーズ、いきなりの神奈川ダービーマッチとなった。とどろきアリーナは平日ナイトゲームにもかかわらず3366人の観客が詰めかける大盛況で、試合も白熱の展開となった。立ち上がりは横浜がパワーで押す展開。ファイ・パプ月瑠、ジェイソン・ウォッシュバーンがインサイドを力でこじ開けて得点を奪う。しかし、川崎もすぐに反撃。日本代表で負ったケガから復帰した辻直人が3ポイントシュートを決めて同点に追い付くと、オフェンスリバウンドを取ったジュフ磨々道からパスを受けた辻が再び3ポイントシュートを決めて逆転する。インサイドを使った横浜の攻めにすぐにアジャストし、辻が派手なプレーで観客を魅了した後は、もう一人の得点源であるニック・ファジーカスがミドルレンジから正確なシュートを立て続けに決めてリードを広げていった。第1クォーターを終えて27-18と川崎が大きくリード。この時点で6アシストを荒稼ぎしたポイントガードの篠山竜青は「三遠との開幕カードは2試合ともリードされるところから入ってしまったので、今日は出だしからスピードを生かしてトランジションで速い攻めをしようと自分の中で決めていました」と語る。「その中でみんなも走ってくれたので、序盤に良い流れが作れたと思います」コンディションが万全ではない辻がベンチに下がっても、川崎の勢いは衰えない。第2クォーターもファジーカスを中心としたオフェンスでリードを広げた川崎は、49-35で前半を終える。川村の意地、タフショットを次々と決めて猛反撃を演出ところが後半になると、試合は一転して横浜のペースに。起爆剤となったのは川村卓也だ。後半開始早々に24秒のブザーとともに3ポイントシュートを沈めると、自らドライブしてファウルをもぎ取り、フリースロー2本を決めて点差を1桁に縮める。さらに川村の3ポイントシュート、フィッシュバーンの豪快なダンクで猛烈に追い上げる。ギャンブル的なタフショットを連続で決めた横浜が完全に勢いに乗った。川崎の北卓也ヘッドコーチが「攻撃のことばかり考えて戻りが遅くなった」と反省する第3クォーターは12-24と圧倒され、61-59と川崎が辛うじてリードを保った状態で最終クォーターへ。ここで川崎は目を覚ました。北ヘッドコーチが「控えの選手が3ポイントシュートを決めて、よく粘ってくれた」と振り返る、晴山ケビン、藤井祐眞、栗原貴宏の3ポイントシュートが決まり、食らい付こうとする横浜をふりほどく。ベンチから戻って来た辻がノールックパスでライアン・スパングラーのダンクを演出すると、次は自ら3ポイントシュートを決めて75-67と川崎が抜け出す。しかし横浜もあきらめない。終盤に来てファジーカスのシュート確率が落ちたところを見逃さず、川村がまたもや強引な3ポイントシュートを連続でねじ込み、残り1分36秒の時点で81-80と1点差まで詰め寄る。だが、川崎はここで篠山と磨々道をコートに戻して気を引き締める。相手のキーマンである川村を長谷川技がベッタリと密着マークしてボールに触れさせず、横浜のオフェンスを断ち切ると、ファジーカスがエースの執念で83-80と突き放す得点を奪い、さらには磨々道がレイアップを丁寧に沈めて85-80と突き放す。残り30秒、横浜はタイムアウトを取って作戦を練るが、試合が再開してみればファウルゲームに持ち込むのかどうかはっきりせず、最後に山田謙治が3ポイントシュートを沈めるも及ばず、87-85で試合終了。川崎がうれしいBリーグ初勝利を手にした。川村「バスケットを知らない、IQの低さが出てしまった」前半は川崎のペースだったが、後半になって猛烈な追い上げを浴びての辛勝。第1クォーターに逆転してからは常にリードを保ち続けたが、試合運びは盤石と呼べるものではなかった。試合後、北卓也ヘッドコーチは「勝利が薬ですから」とまずは勝ったことを喜びながらも、「油断したわけではないが、ウチのミスだったりジャッジだったり、そこに我慢ができなかった。チームではなく1対1でバスケットをしてしまった場面もあった。そこは修正すべき箇所」と課題を語った。篠山も試合をこう振り返る。「バスケには流れがあるので、どこかで横浜に流れが来るだろうとは感じていました。相手の個人能力の前に踏ん張れなかった。今日は接戦で勝ちましたが、本来は追い上げられても5点差ぐらいのリードは常に保っておきたい。そこは課題です」横浜はこれで開幕3連敗。先のサンロッカーズ渋谷との2試合では60点台にとどまった得点が85まで伸びたのは評価できるし、後半の猛攻で川崎を追い詰めた展開には、ダービーマッチに駆け付けた横浜ブースターも手に汗を握ったはず。試合後は選手たちを拍手で称えるファンの姿があった。それでも負けは負け。試合後の川村卓也は「個々のプレーでタフショットが今日は入りましたが、決してチームバスケットとして良いバスケットをやっているとは思いません」と憮然とした表情で語る。ファジーカスの31点、ウォッシュバーンの29点に次ぐ24点を挙げたが、個人成績に満足する様子は全くない。「開幕節と同様に、相手にやられて追いかける、後手の展開になってしまったのが敗因です。自分たちでしんどい展開にしてしまった」と川村は言う。「リバウンドはイーブン、シュート確率はウチが上回っていて、それで負けたのは凡ミス、勝負どころの残り2分でリバウンドを取った後のターンオーバー2つ、最後にファウルをしなかったこと。自分たちがバスケットを知らない、IQの低さが出てしまった。バスケットを知っていたのは相手だったのかな、と思います」それにしても、派手なオフェンスの応酬で、とどろきアリーナ初のBリーグ公式戦は大いに盛り上がった。3366人の観客は総じて目の前で繰り広げられるプレーに魅了されたはずだ。北ヘッドコーチは言う。「ここまでお客さんが入って試合をできたのは始めてじゃないかな。こういう雰囲気で試合ができるのは、選手にとっても120%の力が出せると思います。常に満員のフロアでバスケットができるよう、チケットを買って来てくれた人に『見に来てよかった』と思ってもらえるようなバスケットを、チームとしても個人としてもやっていかなければ」川崎と横浜、両者のプライドが激突するダービーマッチは今日が第2戦。川崎市とどろきアリーナで15時試合開始となる。2016/10/01Bリーグ&国内
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渡邊雄太を擁するジョージ・ワシントン大、スピードとパワーで日本代表を押し切り3連戦の初戦で勝利GW大の渡邊はダンクとブロックの連発で存在感を見せる渡邊雄太が所属するジョージ・ワシントン大学が来日。日本代表との3連戦の初戦が、大阪の府民共済SUPERアリーナ(舞洲アリーナ)で行われた。日本代表は先のリオ五輪世界最終予選(OQT)とウィリアム・ジョーンズカップのメンバーで編成。ただ、OQTではAKATSUKI FIVEのスターターを務めた渡邊は、今大会ではジョージ・ワシントン大のガードとして、日本代表と対戦することになった。試合は序盤からジョージ・ワシントン大が主導権を握る。渡邊とタイラー・カバノフによる3ポイントシュート攻勢で打ち合いを制すると、第2ピリオドには高さを生かして日本の攻撃をシャットアウト。永吉佑也がゴール下でフリーでジャンプシュートを狙った瞬間、素早く戻った渡邊がブロックショットを決める。さらに渡邊は味方の放った3ポイントシュートがリングに嫌われたこぼれ球をダンクでねじ込むスーパープレーで観客を沸かせた。日本は第2ピリオド終盤に入ってようやくスピードアップ。比江島慎のドライブイン、辻直人の3ポイントシュートで反撃するも、30-43で前半を折り返す。後半最初のプレーは、太田敦也のスクリーンプレーを使った比江島のドライブによる日本の得点。ここから勢いに乗るかと思われたが、206cmのサイズを生かしてインサイドで起点を作るカバノフを止められず、さらにはスピードに乗ったドリブルで仕掛けて来る渡邊にはファウルを連発して、逆に点差を20点まで広げられてしまう。第3ピリオド終盤に古川孝敏の3ポイントシュート、田中大貴のスティールからの独走レイアップで巻き返すも、51-66と15点差で第4ピリオドへ。古川の3ポイントシュートと田中の速攻が再び出て、ファイ・パプ月瑠が寄せられながらしぶとく決めたフックシュートなどで追い上げるも連続得点を挙げられず、66-81で試合終了。カバノフは27得点と9リバウンドで2つのゲームハイを記録。渡邊は15得点とゲームハイタイの9リバウンドと活躍した。日本代表では辻が5本の3ポイントシュートを含む19得点、田中が12得点5アシスト、比江島が8得点4アシストを記録している。日本代表の長谷川健志ヘッドコーチは敗戦をこう振り返る。「出だしはオフェンスの部分でギクシャクしてしまっいました。トランジションディフェンスが悪く、フィジカルの差がスコアに表れてしまいました」辻も試合後にこうコメントした。「決めるべきシュートを日本が外してしまったので、それがスタッツにも表れています。若さが売りのチームなので、もっともっとアグレッシブに狙ってチームに良い流れを呼ぶ、そういうプレーをしなければならないと思います」ジョージ・ワシントン大との第2戦は8月16日(火)に東京・両国国技館で、第3戦は8月19日(金)に静岡・浜松アリーナで行われる。2016/08/13日本代表
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指揮官が語る、男子日本代表メンバー12名の役割とそれぞれへの期待「問題はオフェンスで、目標の78点に届かない」今日、男子日本代表の最終メンバー12名が発表された。7月4日に初戦を迎える五輪世界最終予選(OQT)に向け、チームはいよいよ最終調整に入る。OQT、日本の入ったベオグラード会場では、6チームの争いを勝ち抜いた1チームだけがリオ行きの切符を手にする。ライバルはすべて日本よりもFIBAランキング上位、特にFIBAランク6位のセルビアは東欧が誇るバスケット大国であり、開催国のホームアドバンテージもある。まさに「奇跡」を起こさない限り、リオ五輪出場はない険しい道だ。中国・蘇州で行われた『Atlas Challenge』では最下位に終わったが、あくまでチーム作りのための大会である。厳しい結果の中にも収穫はあった。長谷川健志ヘッドコーチはこう振り返る。「ディフェンスは非常に良かった。フルコートもマンツーのチームディフェンスもアグレッシブにできたし、去年から練習してきたブロックゾーンや、そこからのチェンジングも非常に良くて、そこは成果があった」もちろん、課題もたくさんある。「問題はオフェンスで、目標の78点に届かない。3ポイントのアテンプトもまだ少ない。練習時間が短いので、日本のアドバンテージをどこのプレーで発揮するか、そこを整理しないとスコアは伸びないと思っています」メンバーは絞り込んだが、スタメンの5人についての考えは「そこはまだまだ」だそうだ。「ある程度、7人ぐらいにはイメージしていますが、まだもうちょっと練習して、フランスでの試合を見て決めたい」長谷川ヘッドコーチが語る12名の代表選手今回、長谷川ヘッドコーチはメンバー12名の役割、期待する部分についても語ってくれた。それぞれについて紹介したい。田臥勇太/PG 0「ポイントガードとしてゲームを落ち着かせるのが一番です。我々が経験したことのない世界最終予選。そういう場に臨むに当たり、バスケットの楽しさや厳しさを一番分かっているのは田臥だと思っています。そういう選手にキャプテンを任せました」橋本竜馬/PG 11「アグレッシブさではチームでナンバーワンだと思いますので、そこを発揮してほしい」比江島慎/PG 6「ポイントガードと2番の両方で使う可能性がありますが、スコアも取れるしパスもできる。このチームでは一番、一対一での打開力がある。それをどうやってこのチームの中でうまく発揮できるか」辻直人/PG 3「3ポイントシューターですが、その中で一番パスがうまいのでそこも期待したい」松井啓十郎/SG 16「これも完璧な3ポイントシューターで流れを変えられます。ベンチスタートになる時が多いと思いますが、このKJの3ポイントシュートはチームに勢いを与えるので、それを期待したい」古川孝敏/SG 25「やっぱり3ポイントシュートと、3ポイントだけでなくディフェンスのアグレッシブさが非常にこのチームにとってプラスになります」広瀬健太/SF 42「日本で思い切ってゴールにアタックできる選手は少ないのですが、広瀬はその後の状況云々を別にしてもゴールにアタックできる選手。ちょっと弱気になったり、オフェンスで停滞する時間帯が必ずあります。そこで思い切ってゴールにアタックする、あるいは思い切り走ってチャンスを作る、そういうところで期待したい」渡邊雄太/SF 12「2メートルを超えているこの身長でボールハンドリングも良いし、走れます。そういう意味ではオールラウンダーとしての活躍を期待したい。ただ、まだまだフィジカルは弱いので、そこの準備をゲーム中にやっぱり意識しないと。3番ポジションでプレーしてもらいたいと思っています」小野龍猛/SF 34「今回はパワーフォワード、4番で使う場面が多いと思います。彼のバスケットのうまさ、プレーヤーとしてのずる賢さの部分に期待しています。彼が点を取るより、ゲームの中でうまい繋ぎをして、シューター陣にパスを送る。大きい選手でアウトサイドにパスをさばける選手は少ないですから」竹内譲次/PF 15「このチームのビッグマンの中でも一番のオールラウンダーです。ランニングプレーもできますし、一対一もできる。中国(の大会)でも一番リバウンドを取っているし、大事なところでのショットも決めています。それを期待したい」竹内公輔/C 10「ランニングプレーができることと、リバウンド力があることと、スポットショット。ペイントからちょっと離れたところでのショットがうまいので、それを生かしてほしい」太田敦也/C 8「体を張ったプレーが一番できる選手です。ただ、ちょっとファウルを取られやすいので、そこを気をつけてアウトサイドのシューターにいいスクリーンを掛けたり、相手のビッグマンに対してコンタクトをして。彼自身がリバウンドを取るというよりは、取らせないようなプレーをしてほしいです」4人の候補選手が落選し、チームはヨーロッパへこの段階で日本代表から外れたのは、田中大貴、篠山竜青、金丸晃輔、ファイ・パプ月瑠の4人。驚くべきはアルバルク東京のエース、田中の落選だろう。長谷川ヘッドコーチの構想では、今回の田中はポイントガード。しかし、すでに田臥、橋本というポイントガードが本職で安定感のある2人がおり、さらには比江島もポイントガードをメインにプレーさせる構想のため、今回は弾き出される形となった。またシーホース三河の金丸はNBLシーズン終盤に負ったケガが癒えておらず、無理に帯同させてもチームプレーに合わせるのが間に合わないだろうとの判断で、今回はケガを治すことに専念することになった。日本代表は25日にフランスへ向け出発。現地では練習を重ねつつ、28日のフランス代表戦などテストマッチをいくつか行う。OQTの舞台であるベオグラードに入った後は、セルビアのプロチームとの試合を経て大会に臨む。2016/06/24日本代表
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