
『ギャビン・エドワーズ』の検索結果
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「ルーズボールがすべて、リバウンドがすべて」のバスケで千葉ジェッツが栃木ブレックスに競り勝ち、天皇杯4強進出富樫不在を感じさせない多彩なオフェンスを展開天皇杯ファイナルラウンド、準々決勝の第2試合は栃木ブレックスvs千葉ジェッツ。千葉は司令塔の富樫勇樹をケガで欠いたが、Bリーグ初年度から対戦するたびに好勝負を演じる両チームが期待を裏切らない熱戦を見せた。先行したのは千葉。富樫に代わりポイントガードで先発した西村文男のゲームメークから、ギャビン・エドワーズがインサイドで強さを見せて得点を重ねる。栃木はセカンドユニットの生原秀将と鵤誠司の奮闘で立て直すが、第2クォーターに入り千葉が勢いを増す。西村に代わりポイントガードに入った阿部友和が攻めのスピードを上げる。阿部がスティールからの速攻を決めて33-23とリードを2桁に広げる。また千葉は3ポイントシュートもよく入った。小野龍猛のポストプレーから原修太、エドワーズがインサイドに攻め込んでのキックアウトから西村と、多彩な組み立てから作ったチャンスをきっちり決め、45-34で前半を折り返す。第3クォーターの千葉は3ポイントシュート攻勢から一転、マイケル・パーカーとエドワーズのインサイドの合わせが効果的に決まり、帰化選手のいる強みを生かす。後半開始から7-0のラン、栃木がタイムアウトを取るも、その直後にライアン・ロシターにタフショットを打たせ、そこから反転して小野の3ポイントシュートでリードを20点に広げる。分かっていても止められない富樫のピック&ロールから、多彩な攻めで相手を振り回す西村と阿部のゲームメーク。ここまでは富樫不在を感じさせない『千葉のゲーム』だった。栃木が意地を見せるもファウルの多さに泣くそれでも最終クォーターに栃木が意地を見せる。それ以前から仕掛けていた前からの激しいプレッシャーが効き始め、千葉の攻めのリズムを狂わせるだけでなく敵陣でボールを奪っての得点にもつないで流れを呼び込む。そして当たっているセドリック・ボーズマンにボールを集めた反撃が効き、西村にエドワーズ、パーカーのプレータイムが長く動きの鈍った千葉を圧倒し始める。この試合、当たりの来なかったロシターがオフェンスリバウンドを奪ってそのまま押し込み58-66、ついに1桁差に迫った。しかし激しいプレッシャーディフェンスが災いし、栃木はこれより以前にチームファウルが5に到達していた。千葉はエドワーズ、阿部、再びエドワーズとファウルを誘い、フリースローでリードを保つとともに栃木の流れを切っていく。6点差まで詰め寄るも、栃木の反撃もここまで。残り1分36秒、西村が緩急を生かしたドライブで栃木のプレッシャーディフェンスを突破。後方から止めに来る田臥勇太を待ってファウルを誘い、このフリースロー2本を確実に決めて突き放すと、あとは悠々と時計を進めて76-71で逃げ切った。大野篤史ヘッドコーチは「第3クォーターまでは」と限定した上で「ボールへの執着心で上回った」とチームの出来に満足しつつも、終盤の試合運びを反省点に挙げている。富樫勇樹をケガで欠くことになったが「勇樹がいないから何かを変えることはありません。やることは一緒です」と問題がないことを強調した。重役を果たした西村「自分のバスケができた」先発ポイントガードを任され、特に試合のカギとなる第1クォーターと第4クォーターをフル出場した西村文男は6本中3本の3ポイントシュート成功を含む16得点と活躍。今シーズンのリーグ戦では最長でも23分しか出場していない状況で両チーム最長の34分半プレーし、「疲れました。次はもうちょっと疲れないようにやりたいです」と苦笑するも、「勇樹は勇樹の、阿部さんは阿部さんの、僕は僕のバスケがあります。周りに良いパスを出して決めてもらう、そういう自分のバスケができました」と十分な手応えを得た様子。富樫不在でも「インサイドに強烈なプレーヤーがいるので、そこを抑えながら走るバスケができれば勝てると思っていました」と西村はチームへの自信、そして連覇への意気込みを語った。大野ヘッドコーチも西村のプレーには大いに満足した様子で「得点はもちろんですが、それだけじゃなく、ボールを散らして、インサイドアウト、ペイントタッチと、オープンコートのバスケットをやってくれた」と称賛する。栃木ブレックスは昨年に続き準々決勝で千葉相手に敗退。ビハインドを背負う時間が長く続く苦しい試合でよく踏ん張った渡邉裕規だが、言い訳することなく完敗を認めた。「ルーズボールがすべて、リバウンドがすべて。その差が出た試合でした」2018/01/04Bリーグ&国内
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千葉をシーズン最少得点に封じたアルバルク東京が東地区首位をガッチリキープA東京の堅守が効きロースコアゲームにアルバルク東京と千葉ジェッツの元旦決戦。57-56で辛勝した大晦日に続き、千葉の得点力を封じてロースコアゲームに持ち込んだA東京が67-49で完勝した。A東京のアグレッシブな守備は序盤から光った。ボールマン以外の選手へのディナイディフェンスによって、千葉のゲームメークを遮断。特に目立ったのが菊地祥平だ。富樫勇樹からオフェンスファウルを誘発し、ボールへのハードチェックから24秒バイオレーションを奪うなど守備面でチームを牽引した。オフェンスではアレックス・カークがインサイドで奮闘し5得点を挙げ、ギャビン・エドワーズを開始2分半でファウルトラブルに追い込む。インサイドの大黒柱を失った千葉は攻守ともに後手に回ってしまい、さらに追い打ちをかけるように富樫がドライブの際に負傷退場となった。18-9のスコア以上の優位を得たA東京は西村文男を中心とする千葉の逆襲を浴びるも、馬場雄大がスティールから楽々とダンクシュートを見舞い、悪い流れを断ち切り、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを重ねて35-28とリードを保って前半を終えた。後半からは富樫が治療を終えてコートに戻るも、ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチが「富樫のトランジション、ピック&ロールなど、彼がクリエイトして周りを生かすプレーを抑えることを意識した」と言うA東京のディフェンスは崩れない。ボールを受けたエドワーズが孤立するシーンが増え、高い位置でしかボールが回らないようになり、リズムの悪い外角シュートはことごとくリングに弾かれた。ディフェンスのA東京を体現し快勝50-38で迎えた最終クォーターもA東京のディフェンスの強度は落ちない。2人目、3人目のローテーションが機能し千葉をシャットアウトする。オフェンスでもデザインされたプレーを落ち着いて遂行し続け、マークを外して確実に加点していった。残り5分56秒、小島元基の3ポイントシュートが決まり20点差となったところで勝負あり。千葉を今シーズン最少得点となる49に封じ、A東京が快勝した。ルカコーチは「ディフェンス、エネルギー、激しさ、それと同時にスマートに40分間戦った結果だと思います」と試合を振り返る。勝因はやはりディフェンス。特に第1クォーターを9点に封じたことで試合全体を支配できた。ルカコーチは「2戦目の戦い方がいかに大事か、1戦目のディフェンスレベルから落とすなと言いました。昨日以上の戦いをし、常に主導権を握ってリードできた」と説明した。「昨日はワイドオープンを作る場面があったので、今日はオープンを作らせず、3ポイントシューターを乗せるなと指示した」というように、千葉の3ポイントシュートを11本中1本のみの成功に封じた。3ポイントシューターの石井講祐に1本、原修太には0本と、成功率もさることながらシュートすら打たせない徹底ぶりだった。今シーズン最少得点で敗れ、「完敗です」千葉の大野篤史ヘッドコーチは「フィジカルにタフに40分間相手のほうがやり続けた結果だと思います」と、完敗を認めた。最も苦労したポイントは「オフェンスリバウンドとボールムーブメントができなかったこと」と振り返る。オフェンスリバウンドはA東京の15に対し5と3倍の差があり、セカンドチャンスポイントでは17-3と大きく差がついた。ロースコアの展開でこの差は挽回が難しい。ボールムーブメントについては「やろうという意識はあるんですけど、自分がどうにかしようという意識が強すぎてチームメートを使おうという意識が足りなかった。それでボールが孤立してしまいました」と説明した。シューターが封じられたことについても「アルバルクさんのディフェンスのほうが上でした」と素直に認めた。「今日シュートを打てなかったところで、練習と何が違うのかを分かってもらわないといけない。またシュートのアテンプトがないのは彼らだけのせいではなくて、良いスクリーンをかけていない、良いボールを回してない。周りの人間が彼らにどうやってシュートを打たせるかも反省しなければいけない」東地区の首位攻防戦は堅守が光ったA東京の2連勝という結果となった。今シーズン初めて連敗を喫した千葉だが前年度王者として天皇杯に臨む前に課題を見つけたという意味では、収穫のある1節となっただろう。2018/01/01Bリーグ&国内
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フロアバランスの修正とチームルールの徹底、川崎ブレイブサンダースが千葉に雪辱ラスト2分半で2点差、勝負どころで明暗が分かれる12月17日、川崎ブレイブサンダースが敵地の船橋アリーナで千葉ジェッツと対戦。観客5649人がスタンドを埋める完全アウェーの雰囲気、なおかつチームの軸である篠山竜青がギャビン・エドワーズとの衝突により第1クォーターで途中退場するアクシデントに遭いながら、昨日には見られなかった粘り強いチームディフェンスを披露。終盤までもつれる展開を制して78-70で競り勝ち、22点差で敗れた前日の雪辱を果たした。第1クォーター、川崎はニック・ファジーカス、千葉はマイケル・パーカーにエドワーズとともにインサイドで加点し、序盤から一進一退の攻防となる。しかし、終盤に川崎はジュフ・バンバのジャンプシュート、さらにファジーカスの早くも本日3つ目のスティールから栗原貴宏が速攻でレイアップを決め6点のリードを奪う。第2クォーターに入ると千葉はエドワーズがこのクォーターだけで11得点と活躍。しかし、川崎もファジーカスが11得点と昨日は後手に回ったインサイドの主導権争いで互角に渡り合うと、長谷川技、栗原が効果的な3ポイントシュートで7点リードを奪い前半を終える。第3クォーター、千葉は前半でファウル3つとなったエドワーズがベンチスタートとなる中、小野龍猛が3本の3ポイントシュートで牽引するが、川崎も応戦して点差は変わらない。それでも第4クォーターに入ると千葉はコートに戻ってきたエドワーズのゴール下、石井講祐の3ポイントシュートで流れをつかみ、残り約2分半で70-72と肉薄する。だがその直後、千葉はエドワーズが5つ目のファウルを犯して痛恨の退場。ここから川崎はさらにファジーカスによるゴール下勝負を強調。ファジーカスが期待に応え、しっかりとファウルをもらってフリースローで加点し、守備陣も要所で踏ん張って熱戦を制した。前日の大敗から攻守をきっちり修正、見事リベンジ川崎の北卓也ヘッドコーチは、試合をこう総括する。「昨日の負けからしっかり切り替えて修正して臨めました。昨日はレイアップとファストブレイクで30点以上やられました。かなり走られていたのを、今日は全員ですぐに戻り、レイアップさせずに守れたのが良かったです。そして相手のオフェンスリバウンドが8本と、セカンドチャンスを抑えることもできました」また前日は「ただ頑張っているだけ」と厳しく評した守備について「今日はルールをしっかり守るチームディフェンスができました。昨日はガムシャラにやっているだけでチームルールを無視していましたが、今日はその点についてある程度は徹底できました」と及第点を与えている。一方、千葉の大野篤史ヘッドコーチは、勝敗を分けたポイントとして前半におけるリバウンドを挙げる。「(敗因は)完全にリバウンドです。前半で12本のオフェンスリバウンドを許してしまいました。(川崎がシュートを外した)リバウンドチャンス17本のうち12本を失って相手のポゼッションにしてしまったことを大きく修正しないといけないです」川崎の修正はオフェンス面でも適切に行われていた。「昨日はインサイドに入れても他のプレーヤーが自分のマークマンを連れて近くに寄っていき、ヘルプに楽に行かせてしまった。簡単に言うと、相手が1人で2人を守れるようなフロアバランスにしてしまいました」北ヘッドコーチがこう語る第1戦の課題を一夜で修正。昨日にはなかったコーナーから3ポイントシュートを打つ機会を作り出し、さらにエースのファジーカスが31得点とゴール下で得点を量産した。その結果として千葉はエドワーズがファウルアウト、パーカーとレオ・ライオンズがファウル4つとインサイド陣が揃ってファウルトラブルに陥った。高い修正力を発揮して連敗を免れた川崎の次の課題は、いかに今日のような質の高いプレーを続けていくか。そういう意味でも20日に行われるアルバルク東京との対戦は、調子の波をなくすという現在のチームにとって一番の課題を修正できるかが問われる試合となる。2017/12/17Bリーグ&国内
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ビッグプレー連発のギャビン・エドワーズは千葉ジェッツの『謙虚な大黒柱』ファジーカスを守備で抑え、攻めに転じては28得点12月16日、千葉ジェッツは船橋アリーナで開催された川崎ブレイブサンダースとのホームゲームに79-57で快勝。前半を終えて2桁のリードを奪うと、第3クォーター終了時にはリードを20点以上に広げる完勝だった。最大の勝因は、40分間を通してハードなディフェンスをできたこと。その中であえて個人にフォーカスを当てるなら、ギャビン・エドワーズが最も輝いていた。リーグ最強ビッグマンであるニック・ファジーカスに対峙し、彼に大暴れを許さないディフェンスを披露すると、オフェンスではゲームハイの28得点をマーク。特に前半のプレーは圧巻であり、前半だけで19得点。さらに千葉の最大の武器であるディフェンスからの素早いトランディションによる速攻からのアタックで、バスケット・カウントを5本も奪取。チームに大きな勢いを与え、相手の精神面にスコア以上のダメージを与える立役者となった。「ディフェンスの面で特に良い入りができて、それをキープすることができた」と勝因を語るエドワーズは、バスケット・カウント連発を「いつでもリングに向かう時はファウルをもらいに行こうとしている」と説明した。また、ファジーカスとのマッチアップについて「彼は偉大な選手で、とてもスキルがあり様々な方法で相手を負かすことができる選手だ。僕ができるのはハードにディフェンスし、しつこくマークしていくこと。ただ、彼を相手にするのはとても疲れるね」と、タフショットを決められても冷静さを失わず、自分のできることを継続していくことと考えている。新天地ジェッツでは名実ともにビックマンの柱に千葉の外国籍選手といえば、数週間前にトニー・ガフニーが退団し、新たにレオ・ライオンズが加入。ライオンズは合流したばかりであり、彼自身がどんなプレーでチームに貢献していくか、他の選手たちもその持ち味をどう生かすか、模索している段階であるだろう。それでもエドワーズがゴール下における絶対的な柱ということに変わりはない。ガフニーは外角シュートを武器とする選手だったし、新戦力のライオンズもリングから離れた位置でボールをもらってからの仕掛けを得意とする。身長はエドワーズと同じ206cmでも、ゴール下を主戦場とするタイプではない。日本での実績は申し分ないエドワーズであるが、昨シーズンまで所属していたシーホース三河には桜木ジェイアール、アイザック・バッツと実績十分のビッグマンがおり、中心選手ではあってもエースではなかった。しかし、今シーズンから加入した千葉においては、名実ともにビックマンの柱となっている。彼がどれだけチームから大きな信頼を得ているかは、外国籍選手の入れ替えにおいて、ビッグマンタイプの選手を加えなかったことからも明らかだ。堅守速攻を支える、機動力のあるビッグマンこのような状況が示すように、タレントが豊富なジェッツにおいてもエドワーズはチームの大黒柱となっている。そのことを質問すると、謙虚な彼は、「チームには多くのゴー・トゥー・ガイがいる。富樫(勇樹)はいろいろなプレーでスコアできる。(小野)龍猛はポストアップがうまいし、シュート力もある。原(修太)や石井(講祐)は3ポイントが得意だし、阿部(友和)に(西村)文男と優れたバックアップのポイントガードもいる。みんな能力があり、チームとしていろいろな攻め方を持っているよ」と語る。同時に『インサイドの柱』としての自覚も強く持っている。「三河にいた時よりも大きな責任を担っているとは思うし、それに対する準備はできている。今までとメンタルに違いはない。プレシーズンの段階で、コーチから自分がビッグマンのメインだと言われていたからね」千葉の得意とする堅守速攻のスタイルは、リバウンド、ブロックとゴール下の守備を支え、さらに速攻のフィニッシャーとしても頼りになる機動力と跳躍力を備えたエドワーズのプレーがあってこそ。それを改めて示した快勝劇だった。2017/12/17Bリーグ&国内
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千葉ジェッツ、得意の堅守速攻が炸裂し川崎ブレイブサンダースに22点差の圧勝勝負どころの3ポイントシュートとファストブレイク12月16日、千葉ジェッツがホームの船橋アリーナに川崎ブレイブサンダースを迎えた。序盤からチームの持ち味である堅いディフェンスから速攻を繰り出す得意の展開に持ち込むと、すべてのクォーターでリードを奪う余裕の展開で79-57と圧勝した。第1クォーター、千葉は2点リードの残り4分半から原修太の3ポイントシュート、ファストブレイクによる連続得点。その後も、攻守の素早い切り替えからの速攻やレオ・ライオンズの3ポイントシュートで加点し、20-16と先行して終える。第2クォーターから膠着状態に入るが、残り約3分からスティール奪取からの速攻でギャビン・エドワーズがバスケット・カウントを2本連続で成功して突き放し、千葉が12点のリードで前半を終えた。第3クォーターに入っても千葉の勢いは止まらない。このクォーター、川崎のシュートを17本中5本成功に抑えると、マイケル・パーカーがゴール下でのシュートを着実に決め、このクォーターで計13得点の大暴れ。このクォーターで点差を21点にまで広げ、第4クォーターも余裕の試合運びで逃げ切った。両指揮官がポイントに挙げた「第2クォーターの入り」この試合、千葉はエドワーズが28得点12バウンド、パーカーが17得点8リバウンド。さらに石井講祐が10月27日以来となる2桁得点(11点)を記録。富樫勇樹が7アシストもまさかの0得点に終わったが、得点源の沈黙を感じさせない出来となった。逆に川崎はニック・ファジーカスが21得点10リバウンド、篠山竜青が11得点5アシストと気を吐くも、辻直人が無得点。千葉に比べるとベンチメンバーの得点力の課題が浮き彫りになった。「全く良いところがなく、千葉さんに良いディフェンスをされてしまいました」と川崎の北卓也ヘッドコーチは語る。「千葉さんは(この試合の前まで)第1クォーターでリードすると12勝0敗というデータがあるので、出だしは大事と伝えていました。あれだけ走られた中で、粘って4点差で終えたのはまずまずでしたが、第2クォーターの入りが良くなかったです」と、試合の明暗を分けたポイントとして、2桁のリードをつけられた第2クォーターを挙た。一方、千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「第1クォーター、まずかったのはオフェンスリバウンドを7本与えてしまったこと。それを第2クォーターは相手に与えなかった。そして、トランディションオフェンスができたことが点差が開いた要因」と第2クォーターを分析。オン・ザ・コートの数で上回るサイズの有利を生かし、リバウンド争いで主導権を握ったことが大きかったと振り返った。「このレベルでは、頑張るだけでは勝負になりません」試合全体を通してみれば、やはりディフェンスの出来が千葉の大勝を導いたのは間違いない。大野ヘッドコーチが、「第1クォーターからエナジーを持ってディフェンスをハードにできた。それを試合を通して続けることができました」と語ったのに対し、北ヘッドコーチは次のような厳しいコメントを述べている。「前半から追いかける展開になりましたが、追いかけるためにはディフェンスをやらなければいけない。後半に頑張ってはいましたが、ただ頑張っているだけ。ディフェンスのチームルールをしっかり守りながらプレーすることが大事です。頑張ってはいますが、やられてはいけないところで簡単にやられてしまう。もっと頭を使わないと。このレベルでは、頑張るだけでは勝負になりません」ただ、完勝だった千葉も、大野ヘッドコーチは「今シーズン、2試合ともディフェンスが良かった節が1回もない。40分間ではなく、80分間コートで戦う姿勢を見せたい」と引き締める。振り返れば、千葉は11月11日、12日に行われたアルバルク東京との第8節、11日に95-59と圧勝した翌日には67-77で敗れている。明日、再びの堅守で連勝できるかは、チームがもう一つ上のレベルにステップアップできるかどうかの試金石となる。川崎は言うまでもなく連敗は何としても避けたいところ。今日以上に両チームの意地と意地がぶつかり合う激戦になりそうだ。2017/12/16Bリーグ&国内
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サンロッカーズ渋谷、千葉ジェッツのトランジションを封じる堅守で破竹の10連勝序盤のタイムアウトで守備を改善したSR渋谷サンロッカーズ渋谷vs千葉ジェッツ、好調なチーム同士の対戦は強固なディフェンスで速攻を封じ、流れを渡さなかったSR渋谷が勝利した。立ち上がりのSR渋谷は苦戦を強いられた。富樫勇樹のスピードに対応できずドライブから次々と得点を許し、試合開始からの3分半で5-12と先行される。それでもタイムアウトでディフェンスを修正すると、そこから逆襲に転じる。千葉のトランジションを封じ、満原優樹が3本のシュートをすべて沈める7得点。ロバート・サクレとベンドラメ礼生がそれぞれ5得点を挙げ、23-21と逆転して第1クォーターを終えた。その後は強固なディフェンスで千葉に形を作らせないSR渋谷が徐々にリードを広げていく。ジョシュ・ハレルソンが第2クォーターだけで3本の3ポイントシュートを含む13得点。長谷川智也やロバート・サクレも要所で得点して流れをつないだ。対する千葉はギャビン・エドワーズや小野龍猛が個人技で打開するが、得意のトランジションでの得点が伸びない。またサクレとハレルソンのツインタワーを前にシュートを打ち切れず、合わせのパスがターンオーバーになるなどリズムに乗れなかった。68-54とSR渋谷の14点リードで迎えた最終クォーターでアクシデントが起こる。ここまでペリメーターからのジャンプシュートや豊富な運動量でチームを支えた長谷川が、ジャマール・ソープのシュートをアシストした際に足を負傷し続行不可能に。千葉はこの好機にディフェンスの強度を高めてターンオーバーを誘発し、得意の速攻が出始める。残り2分30秒で70-79と点差を1桁に縮め、SR渋谷の背中をとらえた。だがSR渋谷はハレルソンやベンドラメのオフェンスリバウンドで効果的に時計を進め、サクレのブロックショットでゴールを死守。その後は得点を奪えないものの、千葉の得点もエドワーズのフリースロー1本のみに抑え込み、ファウルゲームにも持ち込ませないセーフティリードを保ったまま79-71で勝利した。「数字には表れない仕事を大事にしています」勝久ジェフリーヘッドコーチはディフェンスを勝因に挙げた。特に第1クォーターのタイムアウトでの修正が効いた。「富樫選手が一人でプッシュして、他の4人がプレーに絡んでないにもかかわらず、ウチは1対1で守っていた。ボールに対して5人で守らないといけないので、そこを全員がボールラインまで下がることを話しました」また、セカンドユニットを含むチーム全員がそれぞれの仕事を全うしたことも大きい。勝久コーチはチームスローガンでもあるその『一体感』がいかに大事かを説明した。「数字には表れない仕事を我々は大事にしています。コーチも選手もそれが出ています」劣勢に立たされた展開を覆す原動力となった満原は「シンプルですけど、スペースを取ってディフェンスを頑張り切れたのが良かったです。それができれば勝てるという自信もあります」と強気な言葉を残した。「ディフェンスがおざなりになってしまった結果」千葉の大野篤史ヘッドコーチは「オフェンスにフォーカスしてしまって、ディフェンスがおざなりになってしまった結果です」と敗戦を総括する。「試合をディフェンスからテンポを出すという、本来やらなければいけないところに目が向かず、得点が欲しい、レフェリーと戦ってしまった、そういういところに敗因があります。終盤に自分たちのディフェンスがやっと出てきたので、あの疲れている中で激しいディフェンスができるのであれば、第1クォーターの最初から40分間やり続けることが必要でした」18得点4アシストと気を吐いた富樫だったが、チームを勝利に導くことができず、冷静に試合を振り返った。「良いシュートが打てていた場面はあったんですけど、ディフェンスで相手にやりたいことをやらせてしまいました。相手にシュートを決められてしまうとトランジションでの点数が減ってしまうので、それが自分たちのリズムが来なかった原因かなと」今回の勝利でSR渋谷は破竹の10連勝を達成し、東地区の2位に浮上した。「勝った瞬間はうれしいですが、過去は過去なので明日勝たないと意味がないというマインドでやってます」と勝久コーチ。慢心のないSR渋谷が連勝を伸ばすか、それともいまだ連敗がない千葉がその強さを見せるのか、今日の第2戦からも目が離せない。2017/12/10Bリーグ&国内
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富樫勇樹がキャリアハイの42得点を挙げた千葉ジェッツを撃破、前日に大敗したアルバルク東京がリベンジを果たす強度の高いディフェンスで千葉の攻めを分断昨日の第1戦で59-95と千葉ジェッツに大敗を喫したアルバルク東京。第2戦に臨むにあたり、ポイントカードの安藤誓哉が「やり方は何も変えていません。ただインテンシティは昨日より強く、というのはチームで話しました」と言うように、立ち上がりからディフェンスでこれまでにないレベルの激しさを見せた。激しく行った結果として、菊地祥平が試合開始わずか2分で個人ファウル2つのファウルトラブルとなり、竹内譲次がテクニカルファウルをコールされるアクシデントもあったが、チームは集中を切らすことなく判定にアジャストし、ディフェンスの強度を保った。前半を終えて33-28とロースコアの展開でA東京がリード。富樫勇樹の高確率の3ポイントシュート、タイミング良く切り込む小野龍猛のバスケット・カウント、ギャビン・エドワーズが力強くゴール下のタフショットをねじ込むなど良いプレーをされるも、単発に食い止めることで千葉にリズムを作らせなかった。千葉も持ち味のディフェンスは機能しており、A東京がわずかなリードを保つ展開に。この均衡が崩れたのは後半開始早々だった。原修太がファウルを連発して退場に。結果、第3クォーターの5分を残してチームファウルが5つに到達。両チームともディフェンスが機能してシュートがなかなか入らない展開で、A東京はフリースローで加点していく。A東京のディフェンスは鬼気迫るものがあった。強烈なプレッシャーをかけて攻撃の開始位置を下げさせ、パスコースを読んではディナイで引っ掛け、ペイント内でイージーシュートの機会を与えない。また速攻の機会もことごとく潰した。だが、この時間帯から富樫が異常なペースで得点を重ね始める。富樫がどれだけ決めても追い付けない展開に前半から確率良く3本の3ポイントシュートを決めて10得点を挙げていた富樫だが、A東京のディフェンスを崩せないと見て、個人技での攻めに切り替えた。シンプルにスクリーンを使ってマークを外し、その瞬間に打つ。この攻めを繰り返して第3クォーターに4本の3ポイントシュートで16得点を記録。51-58とA東京を射程圏内にとらえて第3クォーターを終える。最終クォーターになっても展開は変わらない。富樫はひたすらスクリーンを使って3ポイントシュートを決めていく。第4クォーターも4本の3ポイントシュートを含む16得点を記録。Bリーグの1試合の3ポイントシュートの記録である8本を大幅に塗り替える11本を記録するとともに、キャリアハイの42得点を叩き出した。だが、これはA東京の作戦通り。どれだけ富樫が好調でもオーバーヘルプには行かず、チームとしてのディフェンスを徹底。「これだけやられるのは想定外」と指揮官のルカ・パヴィチェヴィッチは富樫の得点力に舌を巻いたが、それでもなお他を抑えることで千葉のやりたいバスケをさせなかった。第4クォーターの千葉の得点は16、つまり富樫以外は無得点ということだ。富樫がどれだけ3ポイントシュートを決めても差が縮まらない、その間に時計が進み、77-67でA東京が勝利した。富樫とマッチアップした安藤誓哉は「これだけやられたのは記憶にない」と悔しがりながらも「自分たちのゲームプランは遂行できた。勝つことが一番というか、それだけのためにやっているので、これでいいです」と語る。A東京はこれで13勝2敗、東地区の首位をがっちりとキープしている。2017/11/12Bリーグ&国内
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Bリーグ第7節の『BEST of TOUGH SHOT』、5つのスーパープレーを紹介Bリーグ第7節の『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』が発表された。選出された5つの得点シーンを振り返る。第5位 馬場雄大(A東京vs島根)馬場が決めたドライブからのボースハンドのダンクシュート。ゲームの中で1on1からダンクでフィニッシュできる日本人選手は一握り。「瞬発力、身体能力は他の人には真似できない強み」と話すように馬場の持ち味が遺憾なく発揮されたシーン。また菊地祥平の動きにつられたことでギャレット・スタツがヘルプにいけず、リングまでの道が開けたこともポイント。第4位 折茂武彦(琉球vs北海道)折茂のメモリアル3ポイントシュート。桜井良太からのパスがややズレるが、素早くステップしシュート態勢に入る折茂。須田侑太郎もしっかりシュートチェックにいくが、折茂にはリングしか見えておらず、ボールはノータッチでリングに吸い込まれた。この1本で前人未到の通算1000本目の3ポイントシュート成功となった。第3位 ギャビン・エドワーズ(栃木vs千葉)千葉は5点差を追いかける栃木に高い位置からプレッシャーを受ける。エドワーズは前がかりになった竹内公輔の逆をつきリングにアタック。スピードに乗ったエドワーズはそのまま豪快にワンハンドダンクをぶちかまし点差を広げた。206cmと長身だが高いボールハンドリングとスピードを持ち合わせるエドワーズのドライブに、ヘルプにきたセドリック・ボーズマンは何もすることができなかった。第2位 ハシーム・サビート・マンカ(横浜vs三遠)ファウルをもらいながら沈めたアリウープ。三遠ディフェンスが左サイドに寄り、ゴール下に広大なスペースがあることを確認したサビートはリングを指さしボールを要求。左45度の3ポイントラインでボールを受けた細谷将司はそのサインに気づく。細谷はスコット・モリソンがボールに届かない絶妙なパスを供給し、サビートは空中でパスを受け取り直接リングへ叩き込んだ。よく見ると細谷はノールックでパスを供給。そうすることでサビートの位置を悟らせず、モリソンのファウルを誘発することにもつながった。第1位 並里成(滋賀vs京都)残り1分8秒、滋賀6点リードのディフェンスの場面で、並里が見せた値千金のスティール&速攻。ジュリアン・マブンガとの30cmのミスマッチに対し、並里はパワーとスピードで対抗。面を取られるもボールをキャッチした瞬間に腕を伸ばしボールを弾く。マイボールにしたのを確認し、速攻に走った並里はマブンガのブロックショットを計算しリバースレイアップを沈めた。2ポゼッション差から3ポゼッション差にし、勝利を決定づけるビッグプレーを披露した並里に対し、会場からは割れんばかりの『ナリトコール』が響き渡った。2017/11/10Bリーグ&国内
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栃木ブレックスが堅守とリバウンドが蘇った全員バスケで『復活』の気配、千葉ジェッツとの接戦を制す最終盤までもつれるクロスゲームに栃木ブレックスvs千葉ジェッツの第2戦は最終盤までもつれる接戦となったが、信条とする堅守が蘇り、勝負どころでターンオーバーを誘発した栃木が77-72で勝利を収めた。前半は栃木のペース。前日に続きライアン・ロシターが欠場するも、竹内公輔とアンドリュー・ネイミックがオフェンスリバウンドを何度も拾い、それを得点につなげていった。富樫勇樹に外角からの得点を次々と許すが、ペイントエリアで28点(千葉8点)を挙げた栃木が38-33とリードして前半を終えた。しかし、後半に入ると千葉が反撃。阿部友和、富樫 、西村文男と3人のポイントガードを併用することで、パスの回りが良くなった千葉は合わせのプレーが増えてオフェンスが活性化した。ギャビン・エドワーズがインサイドを攻め、アキ・チェンバースが外から射抜いて逆転し、最終クォーターに突入した。5点ビハインドで始まった第4クォーターに入った栃木だが、喜多川修平の4点プレーを含む2本の3ポイントシュートでビハインドを消し、ここから一進一退の攻防が続いた。栃木はボールへの執着心や我慢強さをここ一番で発揮し、信条とする粘り強いディフェンスが蘇る。好ディフェンスはオフェンスにも好影響をもたらし、セドリック・ボーズマンを起点とするオフェンスが機能した。それでも試合巧者の千葉は一歩も引かず、1ポゼッション差のまま試合は進んでいった。残り1分47秒、エドワーズにフリースローを2投決められ73-72と1点差に迫られる。残り1分を切った栃木のディフェンスの場面、エドワーズのポストプレーに対し、ネイミックが身体を張りシュートを打たせず、ヘルプディフェンスで圧力をかけた。焦ったエドワーズはパスミスを犯し、ボーズマンが速攻からフリースローを獲得。このフリースローを2本とも沈め3点差とし、直後のディフェンスを乗り切りった栃木は、残り17秒で田臥勇太がフリースローを獲得。このフリースローを確実に2本とも成功させ試合に終止符を打った。この試合に関しては終盤のプレー精度で栃木が大きく上回った結果だ。「プライドを持って、同じ方向を向いてやり通した」指揮を執った安齋竜三ヘッドコーチ代行は「今まで2ゲーム目は勝っても負けてもそうなんですけど、相手のほうが激しさとか、強く来るのに対して、引いてしまう部分が多かったです。今日それを見せなかったら終わりくらいの気持ちでやれ、プライドを持ってしっかり戦えというのを選手に伝えて、それを選手全員が一人ひとり同じ方向を向いて、やり通したことが勝ちにつながったと思います」と総括した。特に失点が少なかったわけではなかったが、ディフェンスの改善は明らかに見られた。まず一人で守り抜き、オーバーヘルプも少なく、高いリバウンドへの意識が堅守を支えた。安齋コーチは言う。「今週ディフェンスの部分で、かなり激しく練習をしてきました。それが結果につながると、やっていることが報われるというか、選手もまたこういう練習をしていれば勝ちにつながるんだと思えるかと。どうしても負け続けると、何をやってもダメなのかと、メンタル的な部分でなってしまう。そこは今日の一つの勝ちで報われたんじゃないかなと思います」ボーズマンの16得点を筆頭に5人が2桁得点を挙げバランスの良さを見せた栃木。10得点を挙げた田臥は「それでもディフェンスの良さがすべてだったと思います」と語り、ディフェンスの効果を強調した。勝負どころで痛恨のターンオーバー敗れた千葉の大野篤史ヘッドコーチは「ポゼッション数で負けたことと、4クォーターの大事なところでターンオーバーをしてしまったところが敗因です」と言葉少なに語った。「前半の38点中23点がターンオーバーからの得点やセカンドチャンスによるもの。気持ちで解決できるもの、テクニカルなものがありますが、ほぼ気持ちのものだったと思ってます。栃木さんはポゼッションチームだと口酸っぱくいってきましたが、それが浸透していなかった」と最も警戒していた部分を遂行できなかったことを悔やんだ。ゲームハイの22得点を挙げた富樫は「栃木のほうがオフェンスでもディフェンスでもアグレッシブでした。オフェンスリバウンドも含めタフに戦ってきました。接戦にはなりましたが、2日間通して激しさがあった栃木に持っていかれました」とコメント。堅守とリバウンド、本来の姿を取り戻して千葉を撃破した栃木。この勝利がターニングポイントとなる可能性は大いにある。次節の川崎ブレイブサンダース戦で真価が問われる。2017/11/05Bリーグ&国内
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栃木ブレックス、大黒柱のライアン・ロシターを欠きながら健闘するも、終盤の失速で千葉ジェッツに惜しい逆転負けエース不在をカバーするネイミックの奮闘11月4日、栃木ブレックスが千葉ジェッツと対戦した。長谷川健志ヘッドコーチが先週のレバンガ北海道戦に続き体調不良でチームを離れており、さらにエーススコアラーのライアン・ロシターが欠場と厳しい状況の中、試合の大半でリードする奮闘を見せるが、第4クォーター残り5分から失速。69-76で惜しくも難敵相手の勝利を逃した。第1クォーター、栃木は欠場の大黒柱ライアン・ロシターに代わって先発出場のアンドリュー・ネイミックがいきなり連続得点を挙げるなど奮闘。ロシター不在の影響を感じさせないプレーにより20-18とリードを奪う。こうして良い流れをつかむと、第2クォーターにはタフなディフェンスで失点を10に抑え、34-30で前半を終える。後半に入っても栃木のリズムは続き、僅差ではあるが常にリードする展開で第4クォーターに突入。ところが、ここから反撃を許してしまう。「特に最終クォーターで阿部(友和)選手がハードにディフェンスをして、チームに勢いをつけてくれたことが勝利につながった」と大野篤史ヘッドコーチが称賛した阿部と、西村文男のガードコンビによる堅い守備に苦しむと、ギャビン・エドワーズ、マイケル・パーカーの2人にゴール下で得点を許す。その結果、第4クォーターで12-23と大きく失速したことで逆転負けを喫してしまった。ファウルトラブルが栃木のブレーキに栃木の安齋竜三ヘッドコーチ代行は、「練習でやってきたディフェンスの部分は、選手が頑張って出してくれたと思いますが、前回ここ(ブレックスアリーナ)で千葉さんと戦った時と同様、最後の5分に流れを持ってこられなかったことが今のウチの課題。明日はしっかり40分間戦えるチームにしていきたい」と試合を総括する。第4クォーターの失速については、「ファウルが混んでしまったこと。そして千葉さんが(セドリック)ボーズマンとパーカー選手のマッチアップのところで、ボーズマンにガードをつける変更をした時、ウチが構えてしまいました。それでボールも人も動かない時間が1、2分続いたことでオフェンスの流れが作れなかった。これがディフェンスにも響いてしまいました」と、相手の守備の仕掛けに対応できなかったことを理由に挙げる。黒星が先行する成績の中、ヘッドコーチに加えチームの絶対的なエーススコアラーであるロシターの欠場は大きな痛手だ。しかし、「ライアンが出られないことで厳しい部分はあります。ただ、逆にドリュー(ネイミック)の良い部分であるスクリーンの強さ、ディフェンスでのブロックなど高さがあるところを生かすことで戦えると思っていました。ドリューもファウルがかさんでしまう前、30分から35分の間は、そういうことをしっかり継続してやってくれました」と、安齋ヘッドコーチ代行はロシター抜きでも戦えることを強調。指揮官の発言の妥当性は、千葉を相手に終盤まで互角に渡り合ったこの試合での戦いぶりが何よりも示している。「チーム全員がまず同じ方向を向くこと」長谷川ヘッドコーチが復帰できるのか不透明な中、安齋ヘッドコーチ代行は明日の試合を含めた立て直しへ、次のことを重要視する。「チーム全員がまず同じ方向を向くこと。そして自分たちがダメになった時、誰か一人が下を向いたり、ミスを悔やむとそれが伝染してしまいます。そういう時こそチームで助け合う、切り替えて次のディフェンスに集中する。そこをまだまだ徹底できていないので、一人ひとりが強く意識していかなといけない」敗れたとは言え、試合内容は決して悪くなかった栃木。「こういう時こそ、チームの力が問われます。今シーズンはまだファンの方、相手チームに、全員で激しいディフェンスをしてからの素早い攻守の切り替えという栃木ブレックスのバスケットボールを見せられていません」。ヘッドコーチ代行がこう語るように、良い内容だけでなく、勝利という結果を得るには原点回帰でこれまで自分たちが培ってきたバスケットボールをいかに出せるかにかかっている。2017/11/04Bリーグ&国内
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Bリーグ第5節の『BEST of TOUGH SHOT』、5つのスーパープレーを紹介Bリーグ第5節の『BEST of TOUGH SHOT Weekly TOP5 presented by G-SHOCK』が発表された。選出された5つの得点シーンを振り返る。第5位 岸本隆一(京都vs琉球)自分がノーマークなことに気づくと、スピードを上げてボールを要求する岸本。ペイントエリアで石崎巧からのバウンドパスを受けるとそのままステップを踏んでリングにアタック。目の前には20cm以上高い永吉佑也が立ちはだかるが、身体を預けブロックされないようにし、あわよくばファウルを誘う難しい体勢からレイアップを沈めた。第4位 アレックス・カーク(A東京vs川崎)カークの機動力が生きた速攻からのワンハンドダンク。トランジションからリングに向かい一直線に走るカーク。安藤誓哉と菊地祥平がサイドにポジショニングしているため、ディフェンスが開きリングへの道が開かれた。田中大貴からのパスを受け取り、カークはそのままダンクをお見舞いした。第3位 ギャビン・エドワーズ(千葉vs北海道)富樫勇樹とエドワードの息の合った完璧なアリウープ。ピック&ロールでエドワーズのマークにつくマーク・トラソリーニを引き付ける富樫。トラソーニの頭上を越えるふわりとしたパスを空中でつかみ、エドワーズはリングに叩きつけた。右コーナーにシューターの石井講祐がポジションを取っているため、富樫からのスキップパスを警戒し、折茂武彦はヘルプに寄り切れなかった。第2位 並里成(滋賀vs大阪)並里の強気な性格が表れた速攻からのバスケット・カウント。自陣からボールをプッシュする並里は、木下博之に並ばれるもスピードと力強さでリングへアタック。今野翔太がシュートブロックにくるが、空中で体勢を崩しながらも利き手ではない左手で巧みにボールをコントロールし、バスケット・カウントを完成させた。スピード・バランス・テクニックの3拍子揃ったプレー。第1位 田中大貴(A東京vs川崎)残り46秒で田中が沈めた、リードを2ポゼッション差に広げる値千金の3ポイントシュート。川崎の堅守によりショットクロックは残り7秒、A東京は田中にボールを託す。田中はクロスオーバードリブルで長谷川技をかわし、3ポイントシュートを放つ。ショットクロックのブザーと同時にボールはリングに吸い込まれ、このシュートで大きく優位に立ったA東京が接戦をモノにした。田中の勝負強さが光ったプレーだった。2017/10/30Bリーグ&国内
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勝負の第4クォーターで失点わずか7、ダブルガードが機能した千葉ジェッツが琉球ゴールデンキングスを振り切る終始試合をコントロールした千葉が危なげなく勝利10月27日、千葉ジェッツが敵地である沖縄に乗り込み琉球ゴールデンキングスと対戦。試合を通して堅実なディフェンスを見せることで72-61と琉球をロースコアに抑えて勝利を収めた。第1クォーター、千葉はギャビン・エドワーズが外角シュートを高確率で沈めると、マイケル・パーカーも続いて22-16と先手を取る。第2クォーターには石井講祐がこのクォーターで3ポイントシュート3本中3本成功と活躍、守備も機能してリードを15点にまで広げて前半を終えた。第3クォーターに入るとホームの琉球が反撃を開始。アイラ・ブラウンの豪快なダンクに加え、このクォーターで計4つのオフェンスリバウンドとセカンドチャンスを作り出すと、岸本隆一、津山尚大のガードコンビで計12得点をマーク。終了間際には二ノ宮康平が3ポイントシュートを沈め、4点差まで詰め寄った。琉球の流れで迎えた第4クォーターだが、ここで千葉は持ち味の堅守が復活。激しいプレッシャーで琉球にタフショットを打たせて、試合をコントロール。第4クォーターの失点をわずか7と押さえ込み、最後は余裕を持って逃げ切った。富樫と西村のダブルガード、強力なオプションが誕生千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「40分間、ディフェンスで粘れたことが勝ちにつながったと思います」と勝因を語る。第3クォーターにおける28失点についても「オフェンスリバウンドで少しボールへの執着心が低くなったしまったところで、相手に点数を多く与えてしまったと思います。ただ、ディフェンスの強度は変わらなかった」と、試合全体を通して守備自体は安定していたと振り返る。勝負の第4クォーター、千葉は富樫勇樹、トニー・ガフニー、ギャビン・エドワーズといつものメンバーに、西村文男とアキ・チェンバースを加えた5人がほぼフル出場。富樫と西村のダブルガードを今シーズン初めてと言える長い時間にわたって起用したのが機能した。この試合、千葉は石井、原修太のシューターコンビが2人で3ポイントシュート計7本中5本成功と、確率よくシュートを沈めていた。その中で、西村を起用した意図を「前半、石井と原はシュートタッチが良く、ディフェンスでもハッスルをしていました。しかし、後半になってシュートが入らない、シュートが打てないとなった時、ディフェンスがルーズになったと感じたので変えました」とコメント。さらに、「もともと西村のプレータイムを制限していたのはケガをしていたからです。ダブルガードは(水曜日の)北海道戦で試合の最後に試して、サイズのないチームに有効。自分たちのオフェンスも安定しているように見えていました。また、今日は津山選手のハイピックに対して、原、石井と後半ルーズに見えていた。ボール運びに関して、すこし勇樹にストレスが見えていたので起用しました。文男の脚が治ったら試そうと思っていたことをできたのは良かったです」と好感触を得た模様。強豪の千葉にまた一つ強力なオプションが生まれている。チームプランを遂行できず指揮官は「危機感」一方、琉球の佐々宜央ヘッドコーチは「本当に強豪、昨シーズンもオールジャパンを優勝している千葉に対して、本当に気持ちを入れて戦いたいところですが、最初は面食らっていました。最後もそうですが、シュートを打ちきれなかった。周りに任せてボールが止まってしまうところがありました」と試合を振り返る。ここ一番で単純なミスを犯したり、インサイドで攻めるべきところに単発の外角シュートを打つ。ピック&ロールを使うべきところで1対1を仕掛けてしまうなど、チームプランを試合を通して遂行しきれない点について「非常に危機感を感じています」と険しい表情。ただ、ディフェンスに関しては「やられていけない選手が富樫で、最後のファウルゲームでのフリースローを除けば3点に抑えました。そこのポイントは絞れていました。また、ファウルゲームがなければ60点台に抑えられたのは良かった」と一定の手応えは得ている。台風の影響で28日の試合が29日に順延と、リーグで初の中1日を挟んでの試合となる2試合目。この今までにない休養日がどんな影響を与えるのかも含め、第2戦は興味深い戦いとなる。2017/10/28Bリーグ&国内
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ミッドウィーク開催で5034人の観客を集めた千葉ジェッツ、大きな後押しを受け序盤からレバンガ北海道を圧倒第1クォーターは外、第2クォーターは中で北海道を圧倒千葉ジェッツは千葉ポートアリーナにレバンガ北海道を迎えた。ともに6勝2敗と好調チーム同士の対戦だったが、始まってみれば千葉の一方的なゲームとなった。多嶋朝飛に先制点こそ奪われたものの、すぐに千葉が逆転。富樫勇樹、マイケル・パーカー、石井講祐の連続3ポイントシュートで一気に突き放す。第1クォーターは北海道が外国籍選手オン・ザ・コート「2」、千葉が「1」。それでも千葉はスクリーンを多用して揺さぶりをかけ、一瞬の隙を見逃さずに外角シュートを放っていった。また相手がヘルプに来れば的確な判断でパスを送り、これまたチャンスを逃さずに打っていき、3ポイントシュート11本中5本を決めて大量28得点を奪った。またディフェンスもチームとして機能。よく足を使い、まず1対1で負けないことでズレを作らせず、相手にタフショットを強いた。結果、第1クォーターで28-12と大量リードを奪った。さらにオン・ザ・コート数が逆転した第2クォーター、今度はインサイドにボールを集め、日本人選手とマッチアップするギャビン・エドワーズのサイズの利を生かす。特に第2クォーター後半、スタメンがコートに戻るとその攻撃力が爆発し、13-0のランで北海道を圧倒した。エドワーズはこのクォーターだけで12得点7リバウンドと大暴れ。一方の北海道は人もボールも動かず、マーク・トラソリーニの個人技でしか得点が奪えない。前半を終えて53-22と31点差。これだけ点差が開くと北海道は集中を保てず。松島良豪、トラソリーニと個々のハッスルはあってもチームとしての流れを作るには至らない。千葉は後半になってペースが落ちたものの最後までゲームをコントロールし、89-68で大勝した。悔やむ北海道「ソフトに入りすぎてしまった」千葉の良いところばかりが目立つ試合を終えて、北海道の水野宏太ヘッドコーチは「前半は自分たちのエネルギー、強度すべてが相手に上回られてしまい、飲み込まれてしまった」と悔しがる。「ディフェンスがソフトに入りすぎてしまって相手が気持ち良くやれるような状況を作ってしまったのが要因。後半と前半の違いはそこだけだと思います」と、立ち上がりの守備の悪さを敗因に挙げた。多嶋朝飛もディフェンスについて「最初から自分のマークに張り付いてしまい、オープンやイージーなシュートをかなり打たれてしまい、そこで主導権を握られてしまったことは反省しないと」と語った。ただ、多嶋は「ソフトに入った」部分はディフェンスに限らないとも指摘する。「打つべき時に打たなければいけないし、攻めるべき時に攻めないといけない。思い切りの良さが足りなかったと思います」富樫勇樹はトラソリーニと並ぶゲームハイの21得点と7アシストを記録。前半だけで勝負を決めるほど攻守が噛み合ったゲームの中で、富樫が良い点として挙げたのは石井講祐の出来だった。石井は3ポイントシュート3本を含む13得点。数字として突出しているわけではないが、3ポイントシュートを9本放ったことが良いと言う。「周りがある程度のお膳立てをしてあげるべき選手で、9本打てたのはチームとして良いオフェンスができていたということ。昨シーズンに連勝していた時は20点ぐらい取っていたので、それぐらいが理想です」水野ヘッドコーチは「この1試合で全てを失う訳ではないです。ただ、ここから学ばなければ自分たちは前に進んでいけないので、真摯に受け止めたいです」と語る。その北海道は今週末に帯広で栃木ブレックスと対戦。そして千葉はアウェーで琉球ゴールデンキングスと対戦する。2017/10/26Bリーグ&国内
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堅守とチームメートの献身が『アシスト』した富樫勇樹の31得点、千葉ジェッツが大阪エヴェッサに前日の雪辱を果たす前半ラストの指揮官退場によりグラついた大阪10月22日、千葉ジェッツがホームで大阪エヴェッサと対戦した。台風の影響によるあいにくの悪天候にあっても詰めかけた4833名におよぶ観客の声援を受け、富樫勇樹が31得点とチームを牽引し、77-70と前日に敗れた雪辱を果たした。第1クォーター、大阪は快勝した昨日に続きオン・ザ・コート「2」で臨むと、ジーノ・ボマーレ、グレッグ・スミスの2ビッグマンによるインサイドを起点にしたオフェンスで主導権を握り、20-12と先手を取る。しかし、第2クォーターに入ると、オン・ザ・コート数で第1クォーターとは逆に優位に立つ千葉が反撃。ギャビン・エドワーズ、トニー・ガフニー、アキ・チェンバースといったクイックネスに優れたメンバーによる堅守で大阪の攻撃を防いで自分たちの流れに持っていくと、残り約5分で同点に追いつく。ここから大阪も盛り返していくが、ここで試合の明暗を分ける大きなアクシデントが発生する。残り52秒、判定に対しての不満を審判にぶつけたとして桶谷大ヘッドコーチがテクニカルファウルを宣告された。さらに、残り34秒のタイムアウト時、同じように審判に対しての不適切な発言、態度があったと判定され、2度目のテクニカルファウルで痛恨の退場処分を受けてしまったのだ。大阪はこの時、ベンチメンバーも不適切な態度を取ったとされベンチテクニカルを受けるなど、残り約1分で千葉にフリースローを3本与えてしまう。そして富樫がこの3本をすべて成功させ、千葉が前半を36-32と逆転して終える。第3クォーターに入っても、千葉の勢いは止まらず。ディフェンスリバウンド、ルーズボール奪取からの走る展開に持っていくと、富樫がこのクォーターだけで14得点と大活躍。千葉がリードを9点に広げて第4クォーターに突入する。第4クォーター序盤、千葉はリードを15点差にまで広げるが、ここから大阪も意地を見せ、ジーノ・ボマーレ、デイビッド・ウェアの奮闘で残り約4分には再び6点差に詰め寄る。しかし、千葉はその後も富樫が要所で得点を重ねて逃げ切った。「メンタルの部分でどれだけ一体感を持って戦えるか」千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「テンポの良いバスケを目指していますが、それをやるにはチーム全員でディフェンスをしっかりやらなければいけない。そのことをしっかりマインドセットしてゲームに臨めたのが良かったと思います。簡単なミスはありましたが、気持ちが切れることなく戦い抜けた。チームでやるという意識統一はできていました。それが、これだけシュートが入らなくても勝利につながった要因かと思います」と総括。なによりも守備をしっかり立て直せたことが勝利につながったと考えている。また指揮官は、富樫の働きについては周囲のサポートがあってこそのものだったと強調する。「富樫が点数を取って勝利に導いてくれたのは間違いないですが、彼が快適にプレーできたのはチームメートのスクリーンにカットプレーなどフロアバランスを取る動きがあったからこそ。彼がポイントリーダーでしたが、今日は彼が調子が良いということをみんなが分かって、気分良くプレーしてもらうための動きができたからこそと思います」また、「スキルの高い選手が揃っていてもそれだけで勝てない。メンタルの部分でどれだけ一体感を持って戦えるのかにしっかり集中していかなければいけないです」と、次戦に向けて締めくくっている。中途半端で終わった『富樫対策』が敗戦の決定打に大阪は終盤に粘りを見せるも、連勝にはあと一歩届かず。注目したいのは、昨日から富樫を激しいディフェンスで苦しめていた今野翔太を第4クォーターで起用せず、代わりに橋本拓哉がこのクォーターでフル出場だった点だ。この起用について、退場した桶谷ヘッドコーチの代役を務めていた穂坂健祐アシスタントコーチは、「自分の判断です。橋本選手をこのゲームで活躍してほしいという気持ちで出しました」と語る。だが、橋本を起用し、木下博之を富樫のマッチアップに当てた作戦はうまく機能せず。富樫が「今野選手は身体が強く、そして機動力があるのでどこにでもついてこられる。この2日間を通してやりづらさは感じていました。最後、試合に出ていなくて個人的には良かったということはあります」と語っていたように、あくまで結果論ではあるが、勝負どころで勢いに乗っていた相手のエースを食い止める策を打たずに終わってしまったのは痛恨だった。しかし、昨日の快勝に続き、今日も粘りの戦いを披露。桶谷ヘッドコーチが重視しているのは外国籍選手だけでなく、日本人選手がプレーするスモールフォワードやシューティングガードを含め、どのポジションからもバランス良く点の取れるバスケ。それに該当する今野と熊谷尚也がこの2日間ともに2桁得点を記録しており、チームの調子は確実に上がっている。2017/10/23Bリーグ&国内
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前年王者の栃木ブレックスを襲った『魔の5分間』、千葉ジェッツにホームで痛すぎる逆転負けオン・ザ・コート数の変更が功を奏した栃木が先行栃木ブレックスと千葉ジェッツ、昨年のチャンピオンシップ1回戦で激突した両者の戦いは、最終クォーター残り5分30秒から20-0と走った千葉が逆転勝ちを収めた。オン・ザ・コート数は栃木の「2-1-1-2」に対して、千葉は「1-2-1-2」。栃木は開幕からここまで「1-2-1-2」を選択してきたが、5試合目にしてオンザコート数を変更した。長谷川健志ヘッドコーチは「今までオフェンスでゲームの入り方が悪かったので」と変更理由を説明する。こうして先発出場したセドリック・ボーズマンが内外バランス良く得点を重ね、第1クォーターで11得点を記録。栃木が25-15と先手を取った。しかし、オン・ザ・コート数が逆転した第2クォーターに千葉の逆襲を浴びる。西村文男の老獪なプレーメークでノーマークを作られ失点が重なり、特にギャビン・エドワーズにインサイドを破られ8得点を許し、39-39と追い付かれて前半を折り返した。第3クォーターは拮抗した展開になるも、田臥勇太と遠藤祐亮が要所で試合の流れを呼び込む働きを見せる。特に第3クォーターの最後は堅守とリバウンドという持ち味を発揮。6点をリードして迎えた最終クォーターも良い流れを継続し、ボーズマンとライアン・ロシターを中心に点差を広げていく。劣勢が続く千葉はファウルを連発し、残り6分30秒の時点で早くもチームファウルが5に到達。残り5分30秒には鵤誠司が3ポイントシュートを沈めて70-56とリードを14点にまで広げ、勝敗は半ば決したかに思われた。栃木を飲み込むブラックアウト、ラスト5分半で無得点ところが、その栃木を突然のブラックアウトが襲う。千葉のチームファウルが5つに達したことがマイナスに働いたのだ。長谷川ヘッドコーチが試合後に「ファウルをもらいにいこうというだけのバスケットになってしまって、スペーシングとかシュートチャンスに打ちきれなかったりした」と振り返ったように、有利な状況がチームオフェンスの停滞を生んだ。栃木はインサイド攻めに固執し、ブロックショットを食らっては速攻を浴びて失点を重ねた。両チームともに堅守からの速攻を得意とするが、この時間帯は千葉だけが持ち味を発揮していた。残り38秒、マイケル・パーカーにバスケット・カウントを決められて70-72と逆転を許した栃木は、田臥の3ポイントシュート、ロシターのシュートがリングに弾かれポゼッションを渡す。残り15秒、栃木はファウルゲームを選択するが、ここで富樫を止めにいった遠藤が痛恨のアンスポーツマンライクファウルをコールされ、判定に激高したロシターまでテクニカルファウルを取られて勝負あり。一度狂った歯車が再び噛み合うことはなく、栃木は鵤の3ポイントシュートを最後にラスト5分30秒でゴールを奪うことができなかった。70-56から0-20のラン。信じられない大逆転負けを喫した。「自分たちの強みが何で、それをどこで生かすか」勝利した大野篤史ヘッドコーチは勝敗の分かれ目を問われ「ディフェンスだと思います」と語る。「最後は自分たちがリバウンドを取って走れたこと、それでリズムができたことで、自分たちの強みが何で、それをどこで生かすかを選手たちが遂行してくれた」また20-0のビッグランについてはこう語る。「時間を見て、もうヤバイというところで選手たちのお尻に火が付いた印象です。何か変えたわけでなく、もっとハードに、ポゼッションを与えてはいけないということにフォーカスしなさいと伝えました」残り5分30秒、14点差となった場面で、千葉はタイムアウトを使わなかった。「焦りはありましたよ」と大野ヘッドコーチは苦笑いを浮かべる。「取ろうと思った時に栃木のシュートが落ちたので。僕らよりも先にタイムアウトを取るだろうなという流れで、タイムアウトを残しておきたかったんです。もしあそこで得点を奪われていたら僕らが先にタイムアウトを取らなきゃいけなかった」。結果的に、このベンチワークも勝因の一つとなった。栃木は大量リードを奪ったことによってメンタル的に守りに入ってしまい、足が止まってしまった。長谷川ヘッドコーチは「ボーズマンがチャンスメークしてそこからスムーズになれば良かったが、すべて彼に任せてしまった」とオフェンスの停滞を分析した。また「鵤のパスミスが大きかった」と名前を挙げて、得点に直結したターンオーバーを悔やんだ。その鵤は終盤のプレーを悔やむ。「残り5分から別のチームだったと思います。それまではずっと我慢して得点が取れなくてもディフェンスやったりしましたが、残り5分は淡泊なシュートが多かったですし、ディフェンスもイージーにやられるケースがあったので、詰めの甘さが出てしまった」0-20のランを浴びての逆転負けというのも痛いが、勝っていても負けていても変わらず戦う意思を保つ不変のメンタル、そしてチーム一丸の結束力を武器に昨シーズン王者となった栃木にとっては、それらの持ち味を発揮できなかったという意味で痛い一敗。大量リードからの逆転劇という意味では、チャンピオンシップでのリベンジをあらためて千葉にやられた形でもある。幸いにも、立て直すべき次戦はすぐ明日に控えている。栃木のカムバックに期待したい。2017/10/14Bリーグ&国内
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ド派手な千葉ジェッツのバスケに圧倒されながらも我慢を続けた京都ハンナリーズ、ラスト10分を26-6の大反攻で逆転勝利!スピーディーで派手な千葉の楽勝ムードが漂うも……千葉ジェッツと京都ハンナリーズの第2戦。初戦を危なげなく勝利した千葉が終始リードするも、京都が第4クォーターに26-6と怒涛のパフォーマンスを見せて逆転勝利を収めた。立ち上がりは互いにディフェンスが目立ち、イージーシュートの機会がない重たい展開に。ギャビン・エドワーズがアグレッシブにプレーするも、ゴールテンディングに永吉佑也と激突してのアンスポーツマンライクファウルとハッスルが裏目に出る。それでも第2クォーターに入ると千葉にエンジンがかかり、相手の細かいミスを逃さずボールを奪っては走る展開を作り出す。トニー・ガフニー、伊藤俊亮の下支えを受けつつ富樫勇樹やアキ・チェンバースが強力にボールをプッシュ。重い展開に持ち込みたい京都の思惑を打ち破り、この10分間だけで7本のスティールを決めて得点へとつないだ千葉が35-28とリードして前半を終えた。そして第3クォーター、最初のプレーで富樫のファストブレイクが決まり、エドワーズとマイケル・パーカーが立て続けにブロックショットを決めて5163人と大入りの観客を沸かせる。富樫がスピードに乗ったドライブから得点を量産、小野龍猛も京都のゾーンディフェンスの隙を突いて3本の3ポイントシュートを決めてこのクォーターで11得点。アグレッシブなディフェンスからの速攻、得意の展開に持ち込む千葉の楽勝というムードが船橋アリーナに漂い始めていた。地味だが効果的な働きで我慢、最終クォーターに爆発それでも京都はしぶとく耐えていた。帰化選手のパーカーの存在で、オン・ザ・コート「1」の時間帯はどうしても千葉に分がある。千葉がオン「2」で京都が「1」だった第2クォーター、両チームともにオン「1」だった第3クォーターを取られたが、千葉の勢いに飲み込まれつつも大崩れせずに踏み留まった。チームとして流れを呼び込むことができない状況でも、伊藤達哉、岡田優介、ジョシュア・スミス、綿貫瞬が個々のハッスルプレーで試合をつないでいた。特に効いていたのは『150kgセンター』のスミスだ。チームとして有効な攻め手を見いだせない状況、ゴール下でボールを受けては重量で押し込み、着実に得点を重ねていく。一度は伊藤の厳しいマークにキレそうになりながらも自制心を保ち、ファストブレイクに3ポイントシュートと派手な千葉のオフェンスとは対照的に、見栄えはしないが効果的な働きで試合をつないだ。第3クォーターを終えて62-51、京都は最大16点あったビハインドを詰め、10点前後の差で食らい付いていた。そして両チームともオン・ザ・コート「2」の最終クォーターに最高のパフォーマンスを見せる。まずはディフェンス。第3クォーターまで17得点を稼いだ富樫を片岡大晴がマッチアップして自由を奪い、さらにはシュートタッチが悪くオフェンスで貢献できずにいたジュリアン・マブンガとマーカス・ダブが守備でハッスル、強烈なプレッシャーをかけてゴール下でのシュートを打たせない。これで千葉が我慢できなくなってしまった。大野篤史ヘッドコーチが敗因に挙げたのは、この場面でのオフェンスの停滞ではない。「オフェンスがうまく行かない時に我慢してディフェンスしなければいけないところで、それができなかった」と振り返る。千葉は攻め急いではボールを失い、守備でもそれまでの粘りを失っていた。殊勲の永吉「負けていても誰一人あきらめていなかった」京都は約6分間、千葉に得点を与えず、この間に内海慎吾が2本、マブンガが1本の3ポイントシュートを含む17-0のランで一気に逆転に成功する。残り1分を切ったところで永吉が値千金の3ポイントシュートを決めて73-66。この一本が決定打となり、京都が77-68で逆転勝利した。昨シーズンには強豪相手に劇的な逆転勝利を何度か挙げている京都だが、今シーズンもその持ち味は変わらない。相手の時間帯が長く続いても我慢強く耐え、最後に一気にひっくり返した。浜口炎ヘッドコーチは勝因を次のように語る。「何とか1桁をキープしたのが一つ。そしてバスケットは5点シュートや10点シュートがないので、一つずつディフェンスで頑張ること。点数が離れた時にクイックショットを打っても点数が離れるだけなので、そこだけ注意しながら。チームのプランどおり、選手が実行してくれた。アウェーで千葉に1勝1敗は、今のウチのチーム状態からしたら上出来で、うれしいです」我慢の展開の中で攻守にチームを引っ張る働きを見せた永吉はこう語る。「第3クォーターが終わるまでずっと我慢の展開が続けられたのが1つ目。2つ目は第4クォーターにチームが一丸になれたこと。負けていても誰一人あきらめていなかったし、それが第4クォーターの6-26という結果を生んだ」好成績を収めた昨シーズンからの継続路線で千葉が安定した強さを発揮するのは開幕前から想定されていたこと。しかし京都も、メンバーは変わりながらもチームのアイデンティティは変わっていなかった。千葉を相手に『耐えて勝つ』成功体験ができたことで、今後の試合でも粘り強さは発揮されるだろう。昨シーズンのプレーオフ進出チームである三遠ネオフェニックスと千葉と対戦しての3勝1敗は上々のスタート。京都は西地区をリードする存在となりそうだ。2017/10/09Bリーグ&国内
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千葉ジェッツの新たなフィニッシャーとなったギャビン・エドワーズは、『常にチーム第一』の謙虚な万能ビッグマンホーム開幕戦で「すべてが僕にエナジーをくれました」10月7日、千葉ジェッツは今シーズン初のホームゲームで京都ハンナリーズ相手に常にリードを保つ危なげない試合運びで76-63と快勝。開幕からの連勝を3に伸ばしている。この試合、チームトップとなる20得点を挙げたのは、昨シーズンまでシーホース三河でプレーしたギャビン・エドワーズだ。富樫勇樹が「彼はなんでもできます。走れるし、ジェンプシュートもうまい、3ポイントシュートもマークが甘くなれば打てます。また、3ポイントの位置からのドライブも強力です。後半、チームの点数が伸びない時に取ってくれました」と評するように、206cm110kgの恵まれたサイズの持ち主でありながら、千葉の目指す高速バスケットボールに難なく対応できる機動力を備える。そして高さをいかしたゴール下だけでなく、非凡な外角シュート力もあるオールラウンダーだ。また、守備面でも高さと跳躍力を生かしたリーグ随一のショットブロッカーであり、攻守において千葉の新たな中心選手となっている。「ファンの皆さんの声援が大きく、素晴らしい環境でした。選手紹介の派手な演出はとてもクールで、すべてが僕にエナジーをくれました。最後に少し疲れが出てミスもあったけど、チームの勝利に貢献できたことを誇りに思う。ただ、改善しないといけないところはまだまだ多くあるけどね」。レギュラーシーズンでは初のホームゲームをエドワーズはこのように振り返る。そして、勝因については「我慢できたこと」を第一に挙げる。「ハードな良いディフェンスができた。そして、オフェンスでも焦らずにボールを回して良いシュートセレクションができたと思う。試合終盤も、リードをしっかり守ることができた。ディフェンスが第一で、オフェンスは我慢することが大事なんだ」「チームのスタイルに自分から適応していくだけ」また、この試合、エドワーズは京都の貴重なオプションとなっている150kgの巨漢ジョシュア・スミスをよく抑えていたが、これは古巣の三河で同じタイプのアイザック・バッツと日頃の練習でマッチアップしていたことが助けになっていた。「アイザックと一緒にプレーしていたことで、彼のように大きな選手に対する経験を積んでいた。アイザックはスミスほど重くはないけど、少なくとも似たタイプの選手だからね。あそこまで重い相手に対して、自分ができることは多くないけど、ベストを尽くして良い仕事ができた。ただ、僕にとって間違いなくチャレンジだったよ」ちなみにエドワーズは全米屈指の名門コネチカット大出身であり、昨シーズンの千葉でゴール下の番人を担っていたヒルトン・アームストロングは大学の先輩にあたる。「(琉球に移籍したアームストロングとは、同じ国際大会に出場していた)マカオで少し話した。コネチカット大出身ということで、つながりは強いよ。(横浜に加入した)ハシーム・サビートも同じだし、彼とも近いうちに話すつもりだ」と語る。そして日本でプレーする外国籍選手で、出身選手が多い大学といえばゴンザガ大が有名だが、その点について質問すると「これからはゴンザガではなくコネチカットの時代になるよ」と笑いながら答えてくれた。昨シーズン、チームの得点源となっていたタイラー・ストーンと袂を分かった千葉にとって、エドワーズはストーンに代わるエース格として期待を寄せられる存在である。しかし、エドワーズ本人は、チーム第一の姿勢を常に強調している。「時に自分がファーストオプションになることはあるけど、エースという意識はないよ。このチームはみんな素晴らしい選手で、みんな得点できる。今日もいくつか悪いシュートセレクションや、ターンオーバーが何個はあった。もっとパスをするべきだったと思うよ。僕は自分のスタイルを押し付けることはない。チームのスタイルに自分から適応していくだけだ」この謙虚なフィニッシャーが周囲とのケミストリーをさらに深めていくことで、千葉の高速バスケットボールはどのチームにとっても脅威の存在となっていく。そしてエドワーズ自身も選手としてまた一つ上のレベルへとステップアップできるはずだ。2017/10/08
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4871人の観客が見守る中でチーム一丸の『強者の貫禄』を示した千葉ジェッツ、盤石の試合運びで京都ハンナリーズを下すロースコアに持ち込まれるも終始千葉ペース10月7日、ともに開幕2連勝スタートの千葉ジェッツと京都ハンナリーズが、千葉の本拠地である船橋アリーナで激突した。昨シーズンの最多観客動員を誇る千葉のホーム初戦は4871人と『大入り』に。観客席がぎっちりと埋まったアリーナで試合を通して崩れないディフェンスの光った千葉が、76-63で危なげない勝利を収めた。千葉は、試合開始から約5分で8-1として主導権を握ると、前半を34-25と京都をロースコアに抑える。後半に入っても千葉が主導権を握り続け、常に2桁近い点差で試合が推移する盤石の試合運びだった。千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「選手も僕も自分たちの速いテンポを出すことがあまりできなくてすっきりしない試合というところはありました。ただ、ディフェンスでしっかり自分たちの時間が来るまで我慢し、粘れたことにチームの成長を感じました」とコメントする。そして富樫勇樹も「なかなか自分たちのテンポは出せなかったですが、我慢をすることができました。そして要所で自分たちのテンポに持って行き、そこで点差を開けられました」と語り、指揮官とエースがともに我慢の勝利だったと振り返る。富樫は18得点6アシストと『主役の働き』を披露千葉はギャビン・エドワーズが20得点4リバウンド2ブロック。富樫が18得点6アシスト、マイケル・パーカーが13得点9リバウンドと、主役がしっかり仕事を果たしたが、指揮官は脇役の奮闘も大きかったと語る。「富樫とギャビンが目立ちましたが、アキ(チェンバース)のプレーが自分たちの勝利につながったと思います」と、約23分の出場で7得点9リバウンド、3アシスト3スティール1ブロックと攻守において躍動したチェンバースを高く評価。そして、「伊藤(俊亮)が約5分ですが、しっかりつないでくれたのはギャビンを休ませるのにすごく助かりました」とチーム一丸の勝利であることを強調した。一方、敗れた京都は、「千葉のプレッシャーとボールサイドへの寄りに対し、ゲームを通してターンオーバーが多くてリズムに乗れなかったです」と浜口炎ヘットコーチは言う。実際、ターンオーバー奪取からの得点は千葉が29だったのに対し、京都は9とあまりに大きな差となった。そして、インサイド陣のサイズで上回りながらゴール下のペイント内の得点では、千葉の40に対して28と、アドバンテージを取れなかったのも痛かった。また、先週の試合では出場機会の少なかった晴山ケビンを3番ではリーグ屈指のサイズを持つ小野龍猛のインサイドアタック対策として先発起用。大野ヘッドコーチ、富樫の発言が示すように、千葉に我慢を強いらせるなど守備はある程度は機能したが、「もう少しディフェンスで踏ん張りたかった」(浜口ヘッドコーチ)と、相手を慌てさせるまでには至らなかった。それでも見方を変えれば、計22ものターンオーバーを喫しながらも多くの時間帯で千葉のペースに持ち込ませなかったのはプラス材料。明日への光明も見えた試合ではあったはずだ。明日は千葉が持ち味の高速バスケットボール全開で連勝を収めるのか。それとも京都が堅実なゲーム運びでよりスローな試合に持ち込み勝機を見いだすか。真逆の個性を持ったチームだけに、明日はより『テンポ』に注目したい。2017/10/07Bリーグ&国内
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千葉ジェッツが持ち味の『ハイエナジーのディフェンス』で優位を作り、B1初戦を迎えた西宮ストークスに完勝ポイントを絞った守備から速攻を繰り出し流れを作る立ち見も大勢出る『満員状態』で迎えた9月30日の西宮ストークスのB1初戦。西宮は開始直後に谷直樹の3ポイントシュート、大塚勇人のジャンプショットなどでリードを奪う。しかし千葉ジェッツはすぐに追いついて小野龍猛、石井講祐の3ポイントシュートなどで突き放し、25-19で第1クォーターを終える。千葉は第2クォーターも常にリードを保ち、前半終了間際には小野が連続3ポイントシュートを成功。47-38で前半を折り返した。ただ西宮も谷直樹の3ポイントシュートなどで脅威を見せていた。千葉の大野篤史ヘッドコーチは「後半はしっかりポイントを絞ってディフェンスをするように選手に伝えて、しっかりアジャストできた」と振り返る。後半に入ると千葉が相手の攻め手を封じ、西宮は強引な攻めが目立つようになる。千葉は良い守備からの速攻から流れを掴み、第3クォーターは富樫勇樹とギャビン・エドワーズのホットラインなどで得点を量産。スコアを70-49として点差を21まで広げた。千葉は大きく優勢な展開の中で、選手のプレータイムもコントロールしつつ、86-70で危なげなく開幕戦を終えている。課題も残るが狙いがしっかり出た『快勝』スタート試合を通して千葉は45本のリバウンドを獲得し、33本の西宮を上回った。攻撃では18得点のエドワーズを筆頭にマイケル・パーカー、石井、小野と4人が2桁得点を記録。富樫は6得点7アシストで『お膳立て』の貢献が目立った。速攻からの得点という狙いもしっかりと出し『快勝』と言い得る展開だった。大野ヘッドコーチは「ゾーンオフェンスのところでまだまだ課題があると思いますけれど、ディフェンスのところでエナジーを持って戦ってくれたところが良かった」と試合を振り返る。富樫はヘッドコーチと同様にチームの課題を語りつつも「去年の1試合目に比べると相当チームとしての出来は良い」とチームの現在地をポジティブに評価していた。2017/10/01Bリーグ&国内
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田中大貴が自らの誕生日を祝うここ一番での大暴れ、アルバルク東京が千葉ジェッツとの激闘を制し『関東』王者に!!終盤まで続く接戦、小さなミスが流れを変える9月3日、アーリーカップ『関東』地区の決勝でアルバルク東京と千葉ジェッツが対戦した。序盤から僅差で推移するレギュラーシーズンのような激戦となったが、試合終盤の勝負どころで今日26歳の誕生日を迎えた田中大貴がビッグショットを決め、A東京が77-73で激戦を制した。第1クォーターはともに相手の激しいディフェンスに苦しめられてシュートがなかなか決まらず14-14とロースコアの展開に。第2クォーターに入ると、ギャビン・エドワーズの豪快なダンクなどで千葉が突き放しにかかるも、A東京は安藤誓哉、正中岳城の外角シュートで応戦。前半を35-35と文字通りの互角で終えた。第3クォーターもA東京がアレックス・カークのインサイドで加点すると、千葉はマイケル・パーカー、トニー・ガフニーらによるゴール下へのアタックで対抗。A東京の53対52と、互角のまま第4クォーターに突入する。そして勝負の第4クォーター、A東京は馬場雄大、小島元基と若手の得点などによって残り約4分に68-63とリードを広げる。だが、千葉もここからこの試合20得点を挙げた富樫勇樹のレイアップなどで食い下がると、残り2分41秒、フリースローを2本決めれば同点となるチャンスを得る。しかし、ここで石井講祐が痛恨の2本連続で失敗。絶好のチャンスを逸する。これで試合の流れが再び変わったか、A東京は田中の得点で4点差に。千葉もガフニーの得点ですぐに縮めるが、残り約1分、田中が値千金の3ポイントシュートを沈め、再び5点差に突き放したA東京がそのまま逃げ切った。「負けたくない気持ちで我々のほうが強かった」A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは、「選手たちは非常にアグレッシブで、最後までよく戦ってくれました。レギュラーシーズンに向けて幸先の良いスタートを切ることができました」と、3日で3試合を戦うタフな大会を制した選手たちを称えた。そして、「どちらに転んでもおかしくないゲームでした。勝ちたいという気持ちが両チームとも前面に出ていました。あえて勝敗の別れ目となるターミングポイントを挙げるとするならば、負けたくない気持ちで最終的に我々のほうが強かったと思います」と試合を振り返っている。一方、本拠地で惜しくも勝利を逃した千葉の大野篤史ヘッドコーチは、「良いゲームだったと思います。選手にも伝えましたが、残り58秒でタイムアウトを取った後、3ポイントシュートを狙うように指示した自分に責任があります。あの場面では、2点を狙っていけば良かったと思います」と自身の判断ミスを悔やんだ。ただ、効果的なプレーを見せた新戦力ガフニーについて「この3試合で、トニーの持っているものをしっかり把握できました」と話し、さらに「セットプレーはまだ使っていなかったですが、セットの前のベースとなるところの確認はできたのは良い収穫だと思います」と、開幕に向け実り多き大会だったと振り返っている。まだ開幕まで1カ月近くあり、シーズン前哨戦と言えるかどうかも分からないアーリーカップ。しかし、参加したすべてのチームに、さらなる強化へ向け何かしら得るものがあった大会だったことは確かだ。2017/09/03Bリーグ&国内