
『デイミアン・リラード』の検索結果
-
カーメロ復活にデイミアン・リラードが感動「その瞬間に立ち会えたことが思い出」カーメロも「楽しさや、うれしさを取り戻せた」 NBA復帰を果たしたカーメロ・アンソニーは、11月25日に行なわれた敵地でのブルズ戦でチームハイの25得点、そしてホームデビュー戦となった27日のサンダー戦でフィールドゴール11本中9本を決めて19得点をマークするなど、試合勘を取り戻しつつある。 ブレイザーズの一員として初めて本拠地モーダ・センターのコートに立ったカーメロを、ポートランドのファンも歓迎。サンダー戦の第4クォーター序盤にカーメロがダンクを決めると、ひときわ大きな歓声が起こった。 およそ1年ぶりにNBA復帰のチャンスをつかんだカーメロは、あらためてバスケットができる喜びを試合後に語った。 「ただバスケットボールがプレーしたくて、楽しさや興奮を再び感じたかった。チームのみんなが自分を受け入れてくれて、楽しさや、うれしさを取り戻せたよ」 チームメートの中でも、とりわけカーメロのカムバックを喜んでいるのは、デイミアン・リラードだ。3年前にもリラードはカーメロをブレイザーズに勧誘したことがあったが、それから2人は連絡を取り合う間柄になったという。リラードは、再びコートで躍動し始めたオールスターと、最近じっくり話す機会があったことを明かした。 「彼には、こんな話をしたことがあった。キャリアを振り返った時、全員が『リングを取った』とか、『MVPになれた』と言えるわけじゃない。でも、誰にでも何かしら思い出ができる。同じチームで、時間を共有できたことも特別な経験になる。メロのカムバックに立ち会えたこと、彼がリーグに戻った瞬間の出来事こそが思い出になる」 「彼が謙虚な姿勢でいられることがすごいと思う。この1年、彼は誰かを悪く言わなかった。辛抱強く待って、準備を整えて復帰した。それが彼の人間性を物語っているよ」 ロード遠征中に契約し、すぐ合流したため、ブレイザーズはカーメロ加入後チーム練習の時間を取れていない。カーメロは、リラードやチームとの連携について「一緒に時間を過ごして、コートでの練習でいろいろと研ぎ澄ませて行けば、これからどんどん良くなるよ。それに、デイミアンとのプレーは楽しいからね」と、話している。 まだチーム内での役割が明確になっていないとはいえ、カーメロの活躍によりチームは今シーズン2度目の連勝を記録した。求められる環境を手にし、サポートしてくれるチームメートにも恵まれたカーメロの調子が右肩上がりになることを願うばかりだ。2019/11/29NBA&海外
-
ブレイザーズのデイミアン・リラード、ケガ人続出のウォリアーズに「見たくない」「選手として、仲間がケガしている状況は見たくない」 トレイルブレイザーズは今日、ウォリアーズと今シーズン最初の対戦を迎える。これまで長らく相手が格上で、自分たちが挑戦者の立場だったが、今シーズンは様相が異なる。ウォリアーズが誇るスター選手たちは相次いでケガに見舞われ、開幕から1勝5敗と大不振。ブレイザーズとしては是非とも叩いて勢いに乗りたいところだ。 エースのデイミアン・リラードはこう語る。「スタメンが全員オールスター選手だったり、シーズン73勝したり優勝したり、大きなことを次々と成し遂げて歴史を作ってきた彼らにとって、ここまで厳しい状況は初めてのことだろう。でも、チームとして終わったとは思わない。きっとどこかで挽回してくるよ。そうなってほしくはないけどね。 昨シーズンのカンファレンス・ファイナルではウォリアーズを相手に1勝もできずに敗退。第2戦から第4戦まで、2桁のリードを守りきれず逆転で敗れた苦い記憶がブレイザーズにはある。この時、負けを潔く受け入れたリラードは、ウォリアーズの強さをこう表現している。 「彼らの強さは第3クォーターにある。すさまじいランで試合をひっくり返すんだ。すべてのプレーにおいて切れ味が増し、勝っていても負けていても同じように第3クォーターに爆発する。僕らだって積極的に攻めて、チームディフェンスを機能させ、リバウンドに飛び込んだ。でも、リードしていた時は上手くやれても、負けている時に同じプレーをするのは難しいんだ」 今日のウォリアーズ戦に向けて、リラードはこう語る。「KD(ケビン・デュラント)が抜けただけで、あれだけのチームがここまでガタガタになるとは予想できなかった。正直に言うと、こんなウォリアーズは見たくない」 今のウォリアーズが相手なら勝つチャンスは増える。優勝するためには乗り越えなければならない大きな壁がもう崩れているのだから、ブレイザーズにとってはNBA優勝の可能性も大きく増える。ただ、リラードはそうは受け止めない。「一人のバスケットボール選手として、仲間がケガをしている状況は見たくない。クレイ(トンプソン)もステフ(ステフィン・カリー)もすごいヤツだし、100%の状態でプレーしているのを見たいよ。誰だってそう思うはずだ」 ウォリアーズがシーズンの『第3クォーター』に強烈な巻き返しをしてくることを警戒すると同時に、万全な状態でのウォリアーズと戦いたいと願うリラードにとって、今日の試合は複雑な思いで迎えるものになりそうだ。2019/11/05NBA&海外
-
奇跡の逆転勝利を収めたシクサーズ、アイバーソンのMVPシーズン以来の開幕5連勝『デイム・タイム』に追い詰められるも劇的な逆転劇 セブンティシクサーズは敵地でトレイルブレイザーズと対戦した。 開幕から4連勝と好調のシクサーズだが、乱闘劇を演じて出場停止となったジョエル・エンビードを欠いては苦戦を免れない。エンビード不在のインサイドを攻められ、中をケアすれば今度は外のフリーを使われる。デイミアン・リラードのゲームメークで優位を作られ、第3クォーター残り4分の時点で77-95とされたシクサーズは、後半2度目のタイムアウトを使わざるを得なかった。 ここからアル・ホーフォードとセカンドユニットを組み合わせたラインナップが奮起。クォーターをまたぎ12-0のランを含む反撃で、18点あった点差を一気に1ポゼッション差まで縮めたのだが、ポートランドでの試合の終盤には『デイム・タイム』が訪れる。 第4クォーターの最初にしばらくベンチで休んだリラードがコートに戻ると、ブレイザーズは息を吹き返す。自らのドライブでディフェンスを引き付けてケント・ベイズモアのコーナースリーを演出すると、続いて連続3ポイントシュートを決めて、3度の攻撃機会で9得点と大爆発。本拠地モーダ・センターはスタンディングオベーションでそのプレーを称えた。 👌 @Dame_Lillard pours in 33 PTS with 8 threes against Philly! #RipCity pic.twitter.com/p4t3N0bBqz— NBA (@NBA) November 3, 2019 この時点で113-121と8点差。それでもシクサーズは2点シュートを確実に決めてダメージを最小限に抑え、激しいディフェンスからリズムを作り直す。特にリラードには、スクリーンを掛けに行く味方にも徹底してプレッシャーをかけ、抜け出しそうになればファウルで止めた。 残り2分、リラードからボールを奪ったシモンズがワンマン速攻をダンクで締め、残り1分にはアル・ホーフォードがピック&ポップからシュートフェイクを入れてドライブ、こちらも豪快なダンクで締めて1点差に。そして残り10秒、シモンズがフリースロー2本を決めて逆転した。 だが、ここからが本当の『デイム・タイム』だった。リラードがドライブでジョシュ・リチャードソンを振り切り、ディフェンスを引き付け左コーナーへと強烈なパスを送る。アンファニー・サイモンズがこの3ポイントシュートを決め、残り2.2秒でブレイザーズが再逆転したのだ。 それでもシクサーズは屈しない。残り2.2秒でのリスタート。絶体絶命の状況でアル・フォーホードがオフボールスクリーンでフルカン・コルクマズのマークを引きはがす。ワンテンポ遅れたリラードが懸命に飛び込むも、その一瞬先に放ったコルクマズのシュートがリングを射抜き、熱戦に終止符を打った。 🚨 FURKAN KORKMAZ FOR THE @SIXERS WIN! 🚨 #PHILAUNITE pic.twitter.com/cyr3xHqF9G— NBA (@NBA) November 3, 2019 コルクマズは「これまでのキャリアで最も価値のあるシュートで、何と表現したらいいか分からない。練習でやってきた形だったし、絶対にオープンになると分かっていた」と語る。そのコルクマズにパスを送ったシモンズは「彼がオープンになった瞬間、決まったと思ったよ」と笑顔を見せた。 これでシクサーズはNBA全30チームで唯一無敗を守るチームとなった。シクサーズにとって開幕5連勝は2000-01シーズン以来。つまり、コービーとシャックのレイカーズに敗れたもののNBAファイナル進出を果たし、アレン・アイバーソンがシーズンMVPに選ばれた『伝説』のシーズンだ。この時のシクサーズは開幕10連勝を記録している。今のシクサーズはどこまで連勝を伸ばすだろうか。2019/11/03NBA&海外
-
デイミアン・リラードが東京オリンピック出場へ意欲「僕はチームに加わるつもり」チームUSAの威信のため、最強メンバーが揃う? バスケワールドカップで優勝候補筆頭と見られながら準々決勝で敗退したアメリカ。今回のワールドカップへの参加を見送ったスター選手たちも、その結果に危機感を持ったようだ。 トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードが、早くも出場に意欲的なことを明かした。アディダスのグローバルアンバサダーとしてシドニーを訪問したリラードは、『news.com.au』の取材に応じ、アメリカがフランスに敗れた試合をリアルタイムで見ていなかったと語った。それどころか、この取材を受けた前日まで、試合結果すら知らなかったという。 「昨日の夜にInstagramライブをやっていて、見ていた人から教えてもらった。僕は結果を知らなかったんだ」とリラードは明かす。オフの多忙なスケジュールに加えて、休養を優先してワールドカップへの参加を見送ったリラードだが、「僕はチームに加わるつもりだ。オリンピックに出る」と来年の代表参加を表明した。 リラード以外にも、ウォリアーズのドレイモンド・グリーンも東京オリンピックに出場する意思をアピールしている。『CNBC』の番組に出演した際、彼は「プレーしたい。同じように考えている選手は多いと思う」と語った。 スター選手たちの相次ぐ出場辞退に関しては、いまだにその是非について議論が行われている。今回のワールドカップで得た教訓は、優勝したスペインを筆頭にチーム力をいかに高めるかが大事で、できる限りメンバーを固定し、長いスパンで代表を強化している他国と比べて、アメリカはNBAのシーズン終了後にスター選手をかき集めてもケミストリーの構築が難しい。 それでも、もしアメリカがベストメンバーを集めてスター軍団を結成できれば、そしてスター選手それぞれがチームUSAの威信を懸けて臨めば、やはり優勝候補の筆頭に挙げられるだろう。一方では、今大会のグローバルアンバサダーを務めたコービー・ブライアントが指摘するように、「そんな簡単には勝てない」と、アメリカ1強の時代は終わったと警鐘を鳴らす声もある。 勝負はやってみなければ分からない。それでも、今回のワールドカップでの手痛い敗北により、アメリカ代表の登録12選手に入ってオリンピックに出たいと思う選手たちの気持ちは強くなったはず。 いずれにしても、考えられるベストなメンバーを集めないことには、オリンピックで金メダルを獲得するのは難しいだろう。リラードらに続くスター選手がどれだけ現れるのか、気になるところだ。2019/09/18NBA&海外
-
ブレイザーズ在籍8年目、デイミアン・リラードの目標は「球団史上最高の選手」球団の顔という自覚「自分は、この街の代表」 トレイルブレイザーズ一筋のキャリアを送るデイミアン・リラードは、このオフに球団と延長契約を結んだ。その内訳は、4年1億9600万ドル(約213億円)という超大型契約だ。 リラードがNBAキャリアをスタートさせた2012年は、『ビッグ3』全盛の時代で、その後『スーパーチーム』という新たなトレンドも生まれた。多くのスター選手たちが優勝のために移籍を繰り返す中、リラードには、自分にチャンスを与えてくれたブレイザーズを離れる考えはない。 球団もエースの周りを固めるチーム作りを続けた結果、強豪ひしめく西カンファレンスにおいて、ブレイザーズはここ数年常に上位でプレーオフに進出。昨シーズンは19年ぶりにカンファレンス・ファイナルに勝ち進んだ。 リラードの目標は明確だ。それは、ブレイザーズ史上最高の選手になること。 プロのラッパーとしての顔も持つリラードは、この夏に最新アルバムをリリース。その関係で受けた『Billboard.com』とのインタビューでも、「ブレイザーズ史上最高の選手になることは、自分の中でバスケットボールより大きなものだと思っている」と語った。 「トレイルブレイザーズ史上最高の選手になりたい。そのためにも、成績を残さないといけない。通算得点では歴代2位(1万2909得点。1位はクライド・ドレクスラーの1万8040得点)だし、通算アシストもトップ3だったと思う(リラードは3位の3479)。3ポイントシュート成功数(1506)でも1位だし、スタッツだけを見れば、僕は上位にいる」 「とにかく、これからも勝ち続けないといけないね。自分がプレーした7年で、年間50勝を3シーズンで成し遂げた。1勝足りなかったけれど、49勝のシーズンもあった。オールNBAチームに4回選ばれて、オールNBAファーストチームにも選出された。オールスターにも4回選ばれた。昨シーズンは西カンファレンス・ファイナルでプレーした。1試合での得点でも球団記録(2017年4月のジャズ戦で記録した59得点)を持っている。あと必要なのは、MVPと優勝」 リラードは、コート上で結果を残している以外にも、コミュニティに対する活動も熱心に行なっている。 「街にも貢献していると思う。特に、ポートランドのヒップホップシーンには深く関わっているんだ。どのコミュニティにも関わっている。お金を支払っているという感覚ではなくて、自分の時間を使っているという感覚なんだ。トレイルブレイザーズ史上最高の選手という話になったら、こういう活動も考慮されるべき。だから自分がどのエリアでもトップだと思っている」 「ポートランドを代表している」と自負するリラードは、改めてブレイザーズ一筋のキャリアを送ることを希望している。 「自分は、この街の代表。球団でプレーした選手の中で、ベストプレーヤーと評価されている選手は、このチームでプレーすることを希望せず、みんな出て行った。僕は、このチームに加わった時から、ここでプレーしたいと思った。生活にも満足しているし、もうその位置(球団史上最高の選手)にいると思っている。これからも自分の仕事を続けて、良い形で終わらないといけないね」 球団史上最高の選手という評価を確実なものにするためにも、2019-20シーズンに向けたリラードのモチベーションは高い。あとは本人も言うように、キャリア全盛期の間にシーズンMVPと優勝を達成したい。2019/08/13NBA&海外
-
ポートランドと同様に、シアトルを興奮させたリラードの劇的ブザービーター「あのシュートは、シアトルに捧げたもの」 今年の4月下旬、トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードは、サンダーとのカンファレンス・ファーストラウンド第5戦で、勝ち上がりを決める37フィートの超ロングスリーを成功させた。 まだ記憶に新しいこのクラッチシュートにより、結果的にサンダーは一つの時代に終止符を打った。トレードを要求したポール・ジョージをクリッパーズに、そして同じくラッセル・ウェストブルックをロケッツにトレードし、有望な若手、将来の指名権をかき集める方針に転換した。 あの『デイム・タイム』から約3カ月が経ち、リラードはラジオ番組に出演した際、「なんと言えば良いのかな。あのシュートは、シアトルに捧げたものだったよ」と、冗談を交えて答えた。 時計の針を2008年まで戻そう。 サンダーの前身は、シアトルに本拠地を置いたスーパーソニックスだった。それが本拠地であるキー・アリーナの老朽化に伴い、2008年に本拠地をオクラホマシティに移転することが決まった。 シアトルでは、本拠地移転が決まる以前からソニックス存続に向けた運動が盛んに行なわれたが、ファンの願いは叶わなかった。それからというもの、シアトルではサンダーに不運が降りかかることを望む熱狂的なソニックスファンが増加したと言われている。前述したリラードのロング3ポイントシュートで決着がついたシリーズ後、『Seattle Times』にもブレイザーズの勝利を称えた記事が掲載されたほどだった。 また、このシリーズでは、サンダーのトラッシュトークや、挑発行為と受け取られても仕方がない行動も話題になった。 シリーズ第3戦では、すでにサンダーの勝利が決していたにもかかわらず、最後のポゼッションでジョージが力強いリバースダンクでリムを揺らした。ブレイザーズの面々は過剰に反応しなかったが、やられて決して気持ちの良い行為ではない。そしてシリーズを通してトラッシュトークを仕掛けられてもリラードらは無視し続け、劇的な形でサンダーにトドメを刺した。クラッチシュート成功後、リラードがサンダーに向かって「バイバイ」と手を振った行為は、本来ならアンスポーツマンライクと批判されても不思議ではなかったかもしれないが、『Seattle Times』は、「正当な行為」と擁護した。 Dame. Called. Game. 👋 pic.twitter.com/8Z0skeDbZE— Portland Trail Blazers (@trailblazers) April 24, 2019 ブレイザーズとライバル関係にあったチームの地元メディアとは思えない反応だったが、例のシュートを「この10年以上の間で、シアトルに最も満足感を与えたNBAモーメント」と称賛したほど、胸のすく思いだったのだろう。 たとえ冗談だったとしても、シアトルのソニックスファン、メディアは、リラードの発言を聞いても怒りはしなかっただろう。むしろ逆に、共通の敵を叩いたことを思い出し、ニヤリとしたのではないだろうか。2019/07/18NBA&海外
-
ブレイザーズに移籍のホワイトサイドが明かす『リラード流』の歓迎方法「このチームに加入できたことがより嬉しくなった」 ヒートからトレイルブレイザーズにトレードされたハッサン・ホワイトサイドは、移籍が決まってから、新チームのリーダーであるデイミアン・リラードから熱烈な歓迎を受けた。その歓迎方法は、チームの絆を大事にするブレイザーズのリーダーらしい方法だった。 7月11日にブレイザーズの入団会見に出席したホワイトサイドは、「デイムは、まるで本を書いているかのようだった」と、リラードとのメールのやり取りについてコメント。「特に印象に残ったのは、彼がとにかくコミュニケーションを取る選手で、とにかく意思疎通を大事にするという部分。フィーリングは違っても、目的は同じ。それに彼は、約束を破るようなことはしないし、自分や他の選手に対して感情的にもならないと言っていた。彼も周りに、そういう振る舞いを求めている。それに、『コーチ(テリー・ストッツ)の話はリスペクトしないといけない』とも言っていたよ」 メールの範疇を超えるほどの長文をホワイトサイドに送ったとはいえ、リラードは新たなチームメートの入団を心から歓迎している。過去に海外リーグでのプレーも経験しているホワイトサイドは、キングス時代も、ヒート時代にもリラードほどのリーダーシップを発揮する選手に出会っていないという。 ヒート時代にはドウェイン・ウェイドと一緒にプレーしたが、ウェイドは2016年から1年半ほど他チームでプレーしたため、再びチームメートになるまで少し間があった。 「こういうアプローチのされ方は初めて。Dウェイド以外にはいないかな。でもDウェイドは何年かチームから抜けていたからね。ただ、デイムは、どれだけ彼が真剣かを示してくれた。彼がどういうリーダーなのかもね。チームメートの部分と、リーダーの部分を見せてくれたのだから、このチームに加入できたことがより嬉しくなった」 ヒート時代には起用法、プレータイムなどに関して指揮官と衝突した影響で自分本位というレッテルを貼られたホワイトサイドは、新天地で再スタートを切ろうとしている。チームの輪を大事にするリラードのようなリーダーなら、彼の力になってくれるはずだ。 Join us in welcoming @youngwhiteside to the squad! 🔗: https://t.co/tNUWTq1upC pic.twitter.com/0yiqvL1giS— Portland Trail Blazers (@trailblazers) 2019年7月6日2019/07/14NBA&海外
-
ワールドカップに向けてアメリカ代表が始動、夏のキャンプに参加する20選手を発表ハーデン、リラードなど最強チームをポポヴィッチが指揮 バスケットボールの世界最強国、アメリカ代表が始動する。昨日、トレーニングキャンプに参加するメンバー20名が発表された。 代表候補の20名は以下の通り。 ハリソン・バーンズ(キングス) ブラッドリー・ビール(ウィザーズ) アンソニー・デイビス(ペリカンズ) アンドレ・ドラモンド(ピストンズ) エリック・ゴードン(ロケッツ) ジェームズ・ハーデン(ロケッツ) トビアス・ハリス(セブンティシクサーズ) デイミアン・リラード(トレイルブレイザーズ) ケビン・ラブ(キャバリアーズ) カイル・ラウリー(ラプターズ) CJ・マッカラム(トレイルブレイザーズ) クリス・ミドルトン(バックス) マイルズ・ターナー(ペイサーズ) ケンバ・ウォーカー(ホーネッツ) カイル・クーズマ(レイカーズ) ブルック・ロペス(バックス) ポール・ミルサップ(ナゲッツ) ドノバン・ミッチェル(ジャズ) ジェイソン・テイタム(セルティックス) PJ・タッカー(ロケッツ) 昨年春の時点で35選手の代表候補が発表されていたが、そこからレブロン・ジェームズ(レイカーズ)、カイリー・アービング(セルティックス)、ラッセル・ウェストブルック(サンダー)、ステフィン・カリーとクレイ・トンプソン、ケビン・デュラント、ドレイモンド・グリーン(ウォリアーズ)、カワイ・レナード(ラプターズ)といった面々が外れたのは残念。 それでもヘッドコーチを務めるグレッグ・ポポヴィッチ(スパーズ)は「このメンバーと一緒に仕事ができることに興奮している。12人を選ぶことは難しいだろうが、全員がアメリカを代表してやってくれると期待している」とコメントしている。 ポポヴィッチをサポートするアシスタントコーチはスティーブ・カー(ウォリアーズ)、ロイド・ピアース(ホークス)、ジェイ・ライト(ビラノバ大)と、こちらも豪華な顔ぶれ。チームは8月上旬にラスベガスでトレーニングキャンプをスタートさせる。9月に中国で行われるワールドカップに向け、このメンバーで合宿が行われ、メンバーが絞り込まれる。 📰 20 players selected to attend USA Basketball Men’s National Team training camp ahead of 2019 @FIBAWC »» https://t.co/cw854Z67CA#USABMNT pic.twitter.com/cvwHuZitLF— USA Basketball (@usabasketball) 2019年6月10日2019/06/11NBA&海外
-
ブレイザーズ一筋を貫くデイミアン・リラードが今夏スーパーマックス契約締結へ指揮官テリー・ストッツとも契約を延長 ウォリアーズに1勝もできず敗れたブレイザーズだったが、19年ぶりの西カンファレンス・ファイナル進出という結果を残し、現体制の維持を決めたようだ。 シリーズ敗退から一夜明け、ブレイザーズが今夏デイミアン・リラードと4年総額1億9100万ドル(約211億円)のスーパーマックス契約を締結すると『Yahoo Sports』が伝えた。 ブレイザーズでの7シーズン目を終え、2020-21シーズンまで現在の契約が残り、昨シーズンのオールNBAファーストチームに選出されたリラードがスーパーマックス契約を結ぶには、2018-19シーズンのオールNBAチームに選出される必要がある。今シーズンも25.8得点、4.6リバウンド、6.9アシスト(自己最多)というキャリアイヤーを送った彼ならば、ファーストチーム、セカンドチーム、あるいはサードチームのどこかに選ばれるに違いない。 新契約は2021-22シーズンから適用されるもので、その内訳は、2021-22シーズンが4260万ドル(約47億円)、2022-23シーズンが4600万ドル(約51億円)、2023-24シーズンが4940万ドル(約54億6000万円)、2024-25シーズンが5280万ドル(約58億円)にのぼると見られている。 リラードは、以前から優勝を目的にスーパーチームを結成する現代の流れには異論を唱えている選手で、彼は球団から求められる限り、ブレイザーズに忠誠を尽くす気持ちを固めている。 今回のスーパーマックス契約は、主力に負傷者を抱えながらも19年ぶりのカンファレンス・ファイナル進出にチームを導いたリラードの実績を評価してのもの。そして、指揮官テリー・ストッツも複数年の延長契約に合意したと『ESPN』が報じるなど、ブレイザーズは現体制の維持を早々に決断した模様。 34歳で迎える新契約最終年に5000万ドル(約55億円)超えの年俸を受け取ることに関しては様々な議論があるだろうが、ブレイザーズにとっての財産であるリラードには、相応しい契約と言える。2019/05/22NBA&海外
-
ブレイザーズのデイミアン・リラード、仲間とライバルを称えてシーズンを終える同期のメイヤーズ・レナードの活躍に「興奮した」 ウォリアーズとのカンファレンス・ファイナルで1勝もできずに敗退が決まった直後、トレイルブレイザーズのデイミアン・リラードは、ここまで戦い抜いたチームを称え、王者との力量の差を認めた。プロの競技者として内心は悔しい気持ちでいっぱいであるはずだが、彼の口からネガティブな発言は一つも出なかった。 今シーズンで印象に残った場面を聞かれたリラードは、このように答えている。「どの場面というよりも、シーズン全体だ。オーナーが亡くなり、ケガ人も出た。けれども、チームは問題が生じた時に答えを出し続けた。お互いを信頼し合って、助け合ったんだ。大変なことが続いた中で、これだけの結果を残せたのは、グループとしてまとまっていたからこそ、NBAファイナル進出を目指して戦いができるポジションまでたどり着けたんだ」 この日の試合で最大のサプライズは、キャリアハイとなる30得点を記録したメイヤーズ・レナードだった。リラードも、同じ2012年のドラフトで指名された同期(リラードは全体6位、レナードは全体11位)のパフォーマンスに興奮した一人だった。 「彼がシュートを何本も決めた試合は記憶にあった。でも今日は、前半で25得点も決めていて、『すげえ!』って思ったよ。今日のような瞬間を彼が生み出した試合は見たことがなかった。これ以上ないタイミングだったね。僕も興奮したし、うれしかった。さっきも言ったように、チームのみんながステップアップしてきた。彼はその良い例だよ。それも今シーズンだけではなく、この7年間ずっと変わらない」 またリラードは、年俸1000万ドル(約11億円)超えという待遇に見合わないと批判されることも少なくない同期を擁護。「NBAではチームの内情を知りもしないでネット上で言いたいことを言う人もいる。仮に選手に関する情報を持っていたとしても、自分たちが同じ人間ということを考えてくれない。僕たちだって家に帰れば、家族、子供、友人との時間を過ごす。他の人たちと同じようにね。それなのに批判ばかりされてしまう。そういう体験を、メイヤーズは乗り越えてきた。その姿を、チームに加わった最初の日から知っている人間として、僕以上に彼の活躍を喜ばしく思っている人物はいないだろうね。彼にとって素晴らしい一日だった。できることなら勝って終わりたかった。それができていたら、彼のことを周りも称えたはずだよ」 Meyers Leonard x #PhantomCam#RipCity 101#StrengthInNumbers 948:49 left on @ESPNNBA pic.twitter.com/UGZYmr5Bq6— NBA (@NBA) 2019年5月21日 第2戦から第4戦まで、ブレイザーズは2桁のリードを守りきれず敗れた。リラードは、ケビン・デュラント、デマーカス・カズンズがシリーズを通して欠場し、第4戦ではアンドレ・イグダーラも不在という状況にもかかわらず延長を制した王者との実力の差を痛感。中でもシリーズを通してチームを牽引したドレイモンド・グリーンに最大級の賛辞を贈っている。 「ウォリアーズについての話になると、何よりも先にシュートの話になる。ステフ(カリー)とクレイ(トンプソン)の話になるけど、ドレイモンド・グリーンが違いを生み出したんだ」 「コートで常に声を出してリバウンドを奪って、ポイントガードの役割まで担っていた。ボールをプッシュして、プレーを決めていた。こちらのプレーまで読んでいた。あらゆることをコントロールしていたのは彼だよ。とにかく声を出し続けて、周りを引っ張って、あらゆる部分を操っていた。それが彼らの安定感に繋がっているんだ」 「僕たちが唯一コントロールできなかったのが第3クォーターだった。彼らは第3クォーターにすさまじいランを成功させて、試合をひっくり返す。この安定感こそ、彼らが王者である所以だ。リードしていても、ビハインドを背負っていても、同じプレーができる。すべてがシャープで、ディフェンスを機能させ、リバウンドを奪って、アクティブにプレーしている。僕たちだって同じようなプレーはできた。でも、それはリードしていた時だけ。彼らは常にそういうプレーを続けられるんだ。それで相手との差を縮められる。たとえ15点のビハインドを背負っていても、こちらのファウルで相手にフリースロー2本が与えられて、オフェンシブリバウンドを奪って、3ポイントシュートを決められて、気がつけば3点差だ。それで相手のフィーリングも良くなる。それだけ安定したプレーができているのは、ドレイモンドがチームを引っ張っているからだ」 『たられば』はいくらでも並べられるが、リラードのように潔く負けを認め、清々しいほどに相手を称えられるカッコ良さもある。一つも泣き言を言わずにチームを引っ張り続けたリラードは、負けてなお男を上げた。2019/05/21NBA&海外
-
負傷を抱えるも、覚悟を持って第4戦に臨むリラード「戦う理由はいくらでもある」「競技者として、プロとしてのプライドがある」 NBAプレーオフ史上、7試合で争われるシリーズで、0勝3敗から逆転勝利を果たしたチームはいない。トレイルブレイザーズがウォリアーズとの西カンファレンス・ファイナルを突破するには、史上初のケースにならなければならなくなった。 王者ウォリアーズは、ケビン・デュラントとデマーカス・カズンズが離脱中にもかかわらず、このシリーズではドレイモンド・グリーンが攻守両面の潤滑油となってチームを機能させている。第3戦でも、グリーンを中心に後半からペースを一気に上げて試合をひっくり返すなど、地力の差は明らかだ。その彼らを相手に、ブレイザーズはエースでありリーダーのデイミアン・リラードが負傷を抱えた状態で立ち向かわなければならなくなった。 リラードは、ウォリアーズとのシリーズ第2戦で肋骨を損傷。ホームの第3戦でも精彩を欠いたプレーに周囲は驚いたが、肋骨のケガがその原因だったことは間違いない。しかしリラード本人は、「痛みはあるけれど、影響はない」と主張。言うまでもなく、彼の頭に第4戦を欠場する考えはない。 「戦う理由は多い。史上初のケースがいつ誕生するかなんて、誰にもわからない。自分たちが史上初のチームになれるかもしれないしね。それに、カンファレンス・ファイナルをスウィープで終わりにしたくはない。競技者としてのプライド、プロフェッショナルとしてのプライドがある。ただコートに出て、『ベストを尽くした。素晴らしいシーズンだった』なんて言う気持ちにはなっていない。戦う理由はいくらでもあるんだよ」 リラードは、チームが19年ぶりのカンファレンス・ファイナル進出を果たせたのは、チーム全員の力と繰り返し主張している。 「周りは、自分が諦めないからとか、自分がどうとか言うのだろうけれど、そうじゃない。僕たちはチーム一丸となってやっている。みんなが力を費やしている。今シーズンのプレーは、全員で実行してきたもの」 ここ2年はファーストラウンドでスウィープされ、悔しい思いをした。現段階で第7戦について考えることはできないまでも、ブレイザーズの選手たちは、ホームでの敗退は絶対に回避したいと思っているはず。リラードが万全でない以上、ウォリアーズを相手に勝利をつかむには、文字通り全員の力が必要になる。2019/05/20NBA&海外
-
追い詰められたブレイザーズに追い討ち、リラードは肋骨の負傷を抱えながら出場「自分たちは第5戦のことを考えられる状態にいない」 ウォリアーズとの西カンファレンス・ファイナルで3連敗を喫したトレイルブレイザーズは、もう1試合も落とせない状況に追い詰められた。そこに、追い討ちをかけるような報せが入った。 エースのデイミアン・リラードが、肋骨を痛めた状態で強行出場を続けていると、『The Athletic』が報じた。リラードはシリーズ第2戦でルーズボールに飛び込んだ際、ウォリアーズのケボン・ルーニーに乗られた。この時に負傷したと見られ、左の肋骨付近を手で押さえ、痛みに顔を歪めた場面が確認されている。 Here is the play where Damian Lillard sustained the reported rib injury pic.twitter.com/mwiwWg6oSX— NBC Sports Northwest (@NBCSNorthwest) 2019年5月19日 リラードは、第2戦でフィールドゴール16本中6本の23得点、第3戦でも18本中5本の19得点と苦しんでいる。第3戦後の会見で、リラード は「自分たちは、第5戦のことを考えられる状態にいない。目の前の試合、目先の1勝をあげることが大事」とコメント。また、「チームが勝つには、自分が良いプレーをしないといけない。それは分かっている」とも語った。 リラードが万全でない以上、ブレイザーズは、バックコートでデュオを組むCJ・マッカラムのオフェンスに頼らざるを得なくなってしまう。だが、すべての面で高いレベルにあるウォリアーズに勝つには、マッカラムだけでは不十分と言わざるを得ない。 第4戦は、5月20日に本拠地モーダ・センターで行われる。ホームでの敗退を回避するためには、チーム全員のステップアップが求められる。このわずかな時間で、リラードのコンディションが少しでも上向くことを願うばかりだ。2019/05/19NBA&海外
-
慣れ親しんだ地元『ホームアリーナ』オラクルに戻ってウォリアーズに挑むリラード「僕たちにはウォリアーズに勝てる力がある」 カリフォルニア州オークランドのブルックフィールド・ビレッジ出身のデイミアン・リラードにとって、ウォリアーズと対戦するカンファレンス・ファイナルは、特別なシリーズになる。 リラードにとってのオラクル・アリーナは、頻繁に足を運んだ『遊び場』だった。リラードの父親が1999-00シーズンから3年間、シーズンチケットを購入していたアリーナがウォリアーズの本拠地として使用されるのは、今シーズンが最後。来シーズンからは、サンフランシスコに建設中のチェイス・センターが、彼らの新ホームアリーナとなる。 リラードは、5月14日から始まるシリーズで、最大で4試合オラクルでプレーする。オークランドでのシリーズ第1戦の前日、彼は「物語のようだね」と語った。 「今シーズンが彼らにとってオークランドでのラストイヤーだ。かつての僕はこの会場でよく試合を見ていた。特別なエンディングになる。できることなら、自分たちにとって良い形で終わりにしたい」 当然ながら、ウォリアーズにとっての有終の美は、オラクルでのスリーピート(3連覇)達成しかない。ただ、サンダーとのファーストラウンドをリラードの劇的ブザービーターで突破し、ナゲッツとのカンファレンス・ファイナルを『GAME7』の末に勝ち上がったトレイルブレイザーズは、王者にとっても簡単な相手ではない。 ステフィン・カリーはリラードとオークランドの関係を理解しつつ、「彼にとって特別なシリーズになるのは間違いない。でも、彼にとってのハッピーエンディングにはしたくない。自分たちにとってのハッピーエンディングにしたい。それが僕たちの仕事」とコメントした。 レギュラーシーズンの対戦が参考になるかは分からないが、今シーズンの両チームの対戦成績は2勝2敗。リラードは「相性は良いと思う」と言う。「すごく自信があるよ。僕たちにはウォリアーズに勝てる力がある。あとは、それをコートで実証するだけだ」 オークランド高校時代のリラードを指導したオーランド・ワトキンスは、『Mercury News』の取材を受け、「オークランド出身の人間がオラクルの歴史を終わらせたら最高だと思わないか?」と答えている。「オラクルからほど近いところで生まれ育った男が、ウォリアーズをプレーオフで破り、オラクルの歴史を終わらせる姿が想像できるかな? もしそれが叶ったら、優勝より大きいことだと思う」 これまでのキャリアを振り返り、幼かった頃の自分に何か言えるとしたら何を伝えるか、という質問に対し、リラードはオラクルで父と兄と交わした会話に関するエピソードを明かした。 「自分自身に何を言うかなんて分からない。これまでのキャリアでも、たくさんのことを成し遂げきたからね。ただ、一つだけはっきりと覚えていることがあって、高校のプレーオフの試合をオラクルでプレーして、帰り際に父と兄にこう言ったんだ。『次にここでプレーする時、俺はNBA選手になっている』ってね。会場のどこで言ったかも覚えているよ」 思い入れのある会場で最後となるカンファレンス・ファイナルで、リラードはウォリアーズと対戦する機会をつかんだ。形式上は敵地であっても、ウォリアーズファンからブーイングで出迎えられたとしても、オラクルは彼にとってのホームアリーナだ。 現役の中で、ウォリアーズ以外の選手でオラクル・アリーナでのプレーがサマになるのは、リラードしかいない。2019/05/15NBA&海外
-
19年ぶりの西ファイナル進出、激闘を制したリラード「全員の力が必要だった」「選手だけでは築けない。全員で作り上げた試合」 2015年のオフにラマーカス・オルドリッジがフリーエージェントになってスパーズへの移籍を決断した当時、トレイルブレイザーズは再建段階を迎えたと思われた。当時4年目のデイミアン・リラードの実力は誰もが認めていたものの、チームとしての力を考えると、激戦区である西カンファレンスのプレーオフ争いを突破できると考えたメディアは少なかった。 しかし彼らは、ことごとく下馬評を覆し、リラードのチームになってから4年続けてプレーオフに進出。そして、今年はレギュラーシーズン終盤にユスフ・ヌルキッチが離脱するアクシデントに見舞われたものの、ナゲッツとの『Game7』を制し、1999-00シーズン以来となるカンファレンス・ファイナルへと駒を進めた。 ブレイザーズは、選手だけでなく、コーチ、フロント、スタッフ全員が勝利に沸いた。この光景について試合後の会見で聞かれたリラードは、「球団全体の気持ちの強さを見せられたと思う。4年前に大きな変化があっても、自分たちは持ちこたえられた。当時、周りは自分たちが終わったと見ていた。僕自身も、球団も、これからどこに向かうかどうか定かではなかった。ただ、自分たちが築き上げたいと思う形を信じて、それを頼りに歩んできた」と、これまでの努力を誇った。 「やるべきことをやり、ハードワークを厭わず、お互いがお互いのためにプレーすることを重要視した。そういうチームの考え方を築けたと思う。そのためには、全員の力が必要だった。選手だけでなくて、コーチ、フロント、警備、広報、自分たちと日々一緒にいる全員の力が必要なんだ。全員が力を費やして生み出したもの。今日のような試合、『Game7』に勝って、全員で喜んだのは、僕たち一人一人がチームの一部だから。選手だけでは築けない。全員で作り上げた。そういう試合だね」 Western Conference Finals bound for the first time in 19 years! MOOD pic.twitter.com/e7JgQZ5t0b— Trail Blazers (@trailblazers) 2019年5月12日 37点を奪い、第4クォーター残り12秒にはアイソレーションからステップバックミドルで勝負を決めたCJ・マッカラムは、ロシアでプレーしている兄のエリック・マッカラムから受けたアドバイスを会見で明かした。 「今日はアグレッシブにやれたと思う。実は、試合前に兄からメールをもらって、『小さくまとまるな。ミッドレンジからも打って、流れを掴んで、できる限りリムに向かえ』と言われたんだ。良いプレーができたと思う」 激闘を制したブレイザーズが、王者ウォリアーズへの挑戦権を手にした。次のラウンドでも、彼らは築き上げた集団の力で、強大な壁に挑む。2019/05/13NBA&海外
-
3勝3敗のタイに戻したブレイザーズ、リラードは「すべてを賭けた戦いになる」鍵を握るのはロドニー・フッド 大盛り上がりを見せているNBAのカンファレンス・セミファイナルは、セブンティシクサーズ対ラプターズのシリーズに続いて、トレイルブレイザーズ対ナゲッツのシリーズも第7戦にまでもつれることとなった。 5月9日にモーダ・センターで行われた第6戦、ホームのブレイザーズは、第3クォーターにデイミアン・リラードが17得点の活躍を見せ、119-108で勝利。対戦成績を3勝3敗のイーブンに戻した。 試合を通して32得点をあげたリラードにとって、次の第7戦はキャリア初の『Game7』となる。試合後の会見で意識するかどうかを聞かれた彼は、こう答えた。 「初めての『Game7』云々という話は聞くけれど、1チームが勝ち上がる試合としか思っていない。自分にとっては、負けたら敗退する試合だね。最後のチャンスでもある。だから、今日の試合と同じアプローチで臨む。違うのは、ロードでの試合になるということだけ。全てを賭けた戦いになる。初めての『Game7』という気持ちで試合には臨まない。自分たちにできることは分かっているし、選手としての自分の力も理解している。特に意識することはないよ。NBAファイナルの第7戦ではないからね」 ブレイザーズの勝敗を左右するのは、リラードと、この日も30得点を決めたCJ・マッカラムのワンツーパンチだった。彼らのスコアリングが伸びるかどうかは、第3のスコアラーの存在にかかっていると言っても過言ではない。その選手とは、シリーズ平均16.2得点を記録しているロドニー・フッドだ。第6戦でもベンチから4本中3本の3ポイントシュートを含む25得点をマークしたフッドについて、リラードは「彼の存在は大きいね」と言う。 「どんなシリーズであれ、自分とCJは、相手チームからマークされるのを分かっている。ウィングの選手が3ポイントシュートを決めてくれて、ポストアップ、ミッドレンジからの得点、相手のファウルを引き出す動きをしてくれると、相手も自分たち以外に意識しないといけない要素が生まれる。自分たちもプレッシャーから解放される。試合後にも言ったけれど、このシリーズでは彼が一番安定していると思う。これまでの6試合すべてで良いプレーをしている。第7戦でも、彼には同じようなプレーをしてもらう必要があるね」 ナゲッツにとって有利な点は、ホームゲームであること、そしてファーストラウンドでも第7戦に勝ってカンファレンス・セミファイナルに進出したこと。だが、リーグ屈指の勝負強さを備えるリラードを擁するブレイザーズは、決して侮れない相手だ。 リラード、マッカラム、フッドのオフェンスが爆発するか、それともナゲッツがホームの強みを生かすか。シクサーズ対ラプターズと同様に、こちらの『Game7』も、大興奮の一戦となりそうだ。2019/05/10NBA&海外
-
NBAプレーオフ史上2例目の死闘、4度のオーバータイムを制したのはブレイザーズ!仲間を称えるリラード「お互いを信頼している」 5月3日にモーダ・センターで行われたナゲッツvsトレイルブレイザーズのカンファレンス・セミファイナル第3戦は、1953年のセルティックスvsナショナルズ(現セブンティシクサーズ)以来、NBAプレーオフ史上2例目となるクァドラプル・オーバータイムという死闘に発展した。 ナゲッツのニコラ・ヨキッチは、レーオフ史上4位のプレータイム65分、ブレイザーズのCJ・マッカラムも同7位タイの60分という出場時間を記録。まさに歴史に残る激闘は、ブレイザーズが140-137で勝利を収めている。 試合後の会見で、ブレイザーズのデイミアン・リラードは「終盤は足が痙攣しそうだった。でも、自分たちだけではなくて、相手も同じ状況だったね」とコメント。28得点6リバウンド8アシストで勝利に貢献したリラードは、オーバータイムにビッグショットを続けて決め、41得点8リバウンド4アシスト4スティールでチームを引っ張った相棒のマッカラムを称えた。 「CJや、カイリー・アービング(セルティックス)のような選手のプレーは、見ているだけで素晴らしいと思う。クロスオーバーやタフショット、とにかくすごいよ。ビッグショットの連続だった。あれだけ好調な彼の流れを止めるわけにはいかない。僕の役割は、CJにプレーを任せることだった。ここまで長引いたタフな試合で、彼が活躍してくれた」 またリラードは、サンダーとのシリーズで肩を脱臼したエネス・カンター、足首の負傷で出場が微妙だったモーリス・ハークレスの貢献も絶賛している。カンターは56分半の出場で18得点15リバウンド3スティール、ハークレスは第4クォーター終盤の値千金のスティールを含め、45分の出場で15得点10リバウンド3アシスト1スティール2ブロックで勝利に貢献した。 「彼らの活躍は驚くようなことではないんだ」とリラードは言う。「自分たちはお互いを信頼しているし、頼っている。カンターとハークレスの2人も、自分がチームにとってどれだけ大事な存在かを理解している。ケガを抱えた状態でプレーしたということで、彼らの気持ちの強さ、この試合に懸けている気持ちの強さが伝わる。100%の状態ではないのに、チームが彼らの力を必要としていることを知って、あれだけ長くプレーしてくれた。非常に大きなインパクトを残してくれた」 全選手が疲弊しきった激闘だけに、勝者は安堵し、敗者はさらに疲労感を感じているに違いない。中1日を挟んでの第4戦までにどれだけ身体を回復させられるかが、次の試合の勝敗を分けるポイントになりそうだ。2019/05/04NBA&海外
-
たゆまぬ努力で身につけた新たな武器、そしてNBA史に刻まれたブザービーター「狂人」と表現するほど練習を繰り返したリラード 2019年4月23日は、デイミアン・リラードのNBAキャリアハイライトの一つとして、生涯語り継がれていくだろう。サンダーとのプレーオフ・ファーストラウンド第5戦で、彼が決めた超ロングクラッチ3ポイントシュートは、NBA史に残るブザービーターの一つになった。 リラードは、自信を持ってあのシュートを放った。昨年からの弛まぬ努力により身につけた、彼の新たな武器だったからだ。 『Yahoo Sports』によれば、昨シーズンのファーストラウンドでペリカンズを相手に1勝もあげられず敗退が決まった後、リラードは、ウェバー州立大時代から指導を受けているフィル・ベックナーに連絡を入れ、選手としてレベルアップする方法を尋ねたという。シリーズを通じてペリカンズの守備に苦しみ、フィールドゴール成功率35.2%に抑えられたリラードは、新たな武器が必要と感じ、ベックナーに助言を求めた。ベックナーからの提案は、シーズンオフにシュートレンジを広げる練習に取り組むことだった。具体的には、ミッドレンジからのシュートを放つように、ゴールから約9.2m離れた位置からでもシュートを打てるようになることだった。まるでステフィン・カリーのようなレンジだが、もしリラードが同じ類のシュートを身につけられれば、エリートプレーヤーの一人から、ベストプレーヤーの一人になれるという考えがベックナーにはあった。 ベックナーは「ステフのような選手とマッチアップする場合、その選手がハーフコートラインから一歩でも先に足を踏み入れた瞬間から、ディフェンスは意識せざるを得なくなる。これこそ、スペーシング、ピック・アンド・ロールからのプレー、とにかくすべてが今までよりも楽になる新たな武器になるんだ」と、『Yahoo Sports』に語った。 プロ入り後もオフにベックナーの指導を受けていたリラードだが、今シーズンは初めてフルシーズンで指導を受けられるよう、彼と年間のトレーナー契約を結んだ。ベックナーは、通常の3ポイントシュートラインより約1.2mも手前の位置にテープでシュートラインを作り、その位置からリラードにキャッチ・アンド・シュート、ステップバック、左右どちらかの足を軸にしてのシュートなど、あらゆるシュートの練習を課した。その練習量はベックナーも驚くほどだったようで、彼はリラードを「狂人」と形容している。 実際、この練習の効果はレギュラーシーズン、そしてプレーオフでも数字に表れている。レギュラーシーズン中、リラードはゴールから約9.2m〜12m離れた位置からのシュートを47本放ち、16本も成功させている(成功率は34%)。プレーオフではさらに精度が増し、同じ位置から放った5本のシュートを全て成功させている。 この短期間でのレンジ拡張には、指導しているベックナーも驚愕した。「こんなに早く成長するとは思っていなかった。もし彼に『君にはできない』と言えば、彼はそれをやれるようになるんだ」 サンダーとの第5戦でのブザービーターを決めた直後も、リラードは表情一つ変えなかった。これまでに費やした努力があったからこそ、成功して当然という気持ちが伝わってくるような表情だった。ベックナーは、リラードに対する尊敬の気持ちとして、このシーズンオフにある一枚の写真を贈る予定だという。その一枚とは、例のブザービーターをリリースした瞬間を収めたものではない。シリーズ期間中の試合がなかった日の夜、誰もいない練習場でほぼ同じ位置からのシュートを繰り返し練習していた彼の姿を、ベックナーがiPhoneで撮影したものだ。 「彼には、その時の写真を額に入れてプレゼントして、努力が実ったことを伝えたい」と、ベックナーは言う。 「試合前日の夜にシュート練習を繰り返す選手なんて、彼以外に誰がいる?iPhoneで撮影したので画像は粗いだろうが、その画像こそ、彼が将来バスケットボール殿堂入り選手になれる証なんだ」2019/04/26NBA&海外
-
リラードが見せた『デイム・タイム』の真骨頂、ブレイザーズがサンダーを下すサンダーはイージーなターンオーバーが響き逆転負け ブレイザーズとサンダーの第5戦は、勝負どころで不可能を可能にするデイミアン・リラードのクラッチプレー、いわゆる『デイム・タイム』の真骨頂とも呼ぶべき決勝3ポイントシュートによりブレイザーズが勝利。これでカンファレンス・セミファイナルへの進出を決めた。 ホームでの第4戦を落としたサンダーだが、1勝3敗ともう後がないことで吹っ切れ、インテンシティで上回りブレイザーズと互角以上の攻防を繰り広げる。90-88と2点リードで迎えた第4クォーター、ラッセル・ウェストブルックの3ポイントシュートに始まり、デニス・シュルーダーの外角シュートにも当たりが出る怒涛のオフェンスで、15点差までリードを広げた。 それでもブレイザーズは慌てなかった。突き放されたのはリラードとCJ・マッカラムの両エースが交互にベンチで休んでいた時間帯であり、2人が揃うことで逆転できるという確信があったからだ。「シーズンには困難が待ち構えていることを誰もが理解している。最終的には、必ず乗り越えられると思っていた」とリラードは言う。 リラードのアシストを生かしてマッカラムとモーリス・ハークレスが連続得点を挙げて試合の流れを握ると、残り5分を切ってリラードが左ウイングからの3ポイントシュートを決めて103-108と詰め寄り、アリーナは大歓声に包まれた。 この間、サンダーはリードがあるにもかかわらず慌ててしまい、イージーなターンオーバーを連発。ブレイザーズに付け入る隙を与えてしまう。それでも簡単には屈せず、ウェストブルックが3ポイントシュートを決め返し、ポール・ジョージもドライブからエネス・カンターをかわしてゴール下をねじ込むことで踏ん張り続ける。 残り1分、マッカラムが難しいプルアップシュートを沈めてブレイザーズが同点に追い付くも、それ以上に難しいミドルジャンパーをジョージが決めて、アリーナを沈黙させた。 だが残り39秒でブレイザーズが取ったタイムアウトを挟んで、『デイム・タイム』が訪れる。シュルーダーのマークをスピードで振り切り、2人のビッグマンが待ち構えるペイントエリアへと飛び込んで115-115の同点に追い付く得点を挙げた。これに対してサンダーは、ウエストブルックがドライブで勝負するも決められず。18秒を残してブレイザーズのポゼッションに。 DAMEFORTHEWIN pic.twitter.com/KKr037LNZS— Bleacher Report (@BleacherReport) 2019年4月24日 ボールを託されリラードは、最後のプレーは自分でと決めていた。マッチアップするのは1on1のディフェンスでは屈指の強さを誇るポール・ジョージ。リラードはゆっくりとドリブルをつき、なかなか仕掛けない。残り4秒で焦れたジョージが先に動く。次の瞬間、リラードは右へのサイドステップでズレを作り、37フィートの超ロングスリーを放った。ジョージも超人的な反応で腕を伸ばすも、わずかに届かず。これがゴールに吸い込まれると同時に、試合終了のブザー。劇的な逆転勝利で、ブレイザーズがシリーズ突破を決めた。 3ポイントシュート10本成功を含む50得点、さらには7リバウンド6アシスト3スティールと大活躍したリラードは、試合後にこう語る。「チームが成熟したことが大きい。一丸となって戦い続ければ、いつか報われる。この結果は、チームにとって始まりでしかない」 そして、この先も一丸となって戦い続けることをあらためてファンに約束した。「これまでに2度ファーストラウンドを突破した時は、その結果に満足してしまっていた気がする。シーズンを送っていれば疲れも出てくるけど、今は負けて敗退する気持ちには一切なっていない。これからもっと力強くなれると思っている」 ブレイザーズはカンファレンス・セミファイナルで、ナゲッツとスパーズの勝者と対戦する。 Relive the EPIC GAME 5 FINISH between the @trailblazers & @okcthunder! #NBAPlayoffs pic.twitter.com/ApFlh1z8gV— NBA (@NBA) 2019年4月24日2019/04/24NBA&海外
-
リラード&マッカラムで62得点、悪いイメージを払拭したブレイザーズが2連勝「敵地で勝たないとシリーズが始まったとは言えない」 トレイルブレイザーズは、ホームでのファーストラウンド第2戦に114-94で勝利し、シリーズを2勝0敗とリードした。だが、デイミアン・リラードに気の緩みは一切見られない。それどころか彼は、「敵地で勝たないとシリーズが始まったとは言えない」と語るなど、すでにロードでの第3戦に向け、臨戦態勢を整えている。 リラードは、第2戦で8本中4本の3ポイントシュートを含む29得点4リバウンド6アシスト3スティールを記録し、相棒のCJ・マッカラムも33得点8リバウンド5アシストの活躍を見せて勝利に貢献した。 以前からサンダーのラッセル・ウェストブルックと激しくやり合っているリラードは、「ラッセル・ウェストブルックと対戦するなら、気持ちの準備が必要になる。そうでなければ上手くはいかないんだ。彼とプレーオフで対戦するのが分かってから、集中している」とコメント。その言葉どおり、リラードは第1戦からチームを引っ張っている。 レギュラーシーズン終盤にケガから復帰したマッカラムも、ここまで順調そのもの。試合後のインタビューでも「コーチが機能するポジションに自分を置いてくれているし、チームメートも素晴らしいスクリーンを張ってくれている。デイム(リラード)も自分を探してパスを出してくれる。あとは自分がキラーになればいいだけの話」と、頼もしい。 ここ2年続けてファーストラウンドでスウィープ負けを喫したブレイザーズだが、理想的な形でシリーズをスタートさせた。ただ、オクラホマシティに場所を移して行われる第3戦からは、その様相はガラリと変わることが予想される。 リラードが言うように、この連勝に浮かれてしまえば、すぐにシリーズの流れは変わってしまうだろう。フィールドゴール20本中5本の成功に終わったウェストブルックは「今日の負けの責任は全て自分にある。今日のようなプレーは、受け入れられない。もっと良いプレーをしないといけない」と、ホームに戻ってからの挽回を誓う。2019/04/17NBA&海外
-
古巣相手に執念のプレーを見せたエネス・カンター、ブレイザーズを悪夢から解放20得点18リバウンド、リラードは「今日のMVP」と称賛 4月14日にホームで行われたサンダーとのファーストラウンド第1戦、トレイルブレイザーズのエネス・カンターは20得点18リバウンドを記録。出場している時間帯の得失点差を表す±の数字でもゲームハイの+15をマークして勝利に貢献した。 カンターは、つい2年前までサンダーの一員だった。当時はディフェンスに難がある選手と評価されていたが、この日は必死にボールに食らい付くディフェンスを見せ、リバウンド争いでもチームに一つでも多くのポゼッションを与えようという執念が見て取れた。 その姿にリラードも心打たれるものがあったのだろう。「努力して、集中して、強い意思があれば、チームのために何かできることがある。カンターはチームに来てから、それを証明している。今夜の試合もそうだった。この試合のMVPだ」とコメントした。 CJ・マッカラムもカンターを称えた。「サンダーを相手にすれば、ラス(ラッセル・ウェストブルック)、PG(ポール・ジョージ)、(デニス)シュルーダーを相手にしなくちゃいけない。どのビッグマンにとっても、彼らを抑えるのは大変な仕事だ。カンターは自分の仕事をきっちりこなしたと思う。しかも、スティーブン・アダムズともマッチアップして抑えた。ヌルキッチがケガをしてから、彼がチームのカギになっている。これからも、高いレベルでプレーを生み出してもらわないといけないね」 リラードやマッカラムがカンターの働きを称賛するのは、この勝利がブレイザーズにとってプレーオフでの連敗を10で止めるものだったからだ。ホームでの第1戦を落とさなかったことも大きいが、スウィープ負けの悪夢から解き放たれたことで、チームの士気は高まる。 もっとも、感謝しているのはカンターも同じ。今シーズンの開幕をニックスで迎えたが、出場機会を得られず、2月のトレードデッドライン後に解雇されている。こうしてブレイザーズに加入し、ユスフ・ヌルキッチが長期離脱となってからは先発を任されるようになった。 「自分はリーグでワーストのチーム(ニックス)で出場機会を得られなかった。彼らは、僕が歳を取りすぎていると思っていたんだろうね。その時の状況、様々な出来事にも腹が立っていた。僕がやりたかったことは試合に出て、勝つことだけだった。数日前、鏡に映る自分に向かって『自分のことを信じてくれるチーム、素晴らしい仲間と一緒にいられて幸せだよな』と言ったんだ。今は最高の気分だ。本当に感謝している」 プレーオフを勝ち抜くには、急に存在感を強める選手、チームに新しいプラスアルファをもたらす選手の存在が不可欠。ブレイザーズは初戦でそれを手にした。カンターがこのパフォーマンスを続けられれば、これほど心強いことはない。2019/04/15NBA&海外