
『マーク・トラソリーニ』の検索結果
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チーム一丸となり守備合戦を制した三遠ネオフェニックス、待望の今シーズン初勝利鈴木達也の復帰戦を白星で飾る 開幕から16連敗と不振が続く三遠ネオフェニックスが、レバンガ北海道のホームに乗り込んだ一戦。開幕から欠場を続けていた鈴木達也が復帰し、新戦力のミッケル・グラッドネスが献身的なプレーを見せた三遠が後半をわずか23失点に抑え、今シーズン初勝利を手にした。 三遠は今シーズン4試合目の先発出場となった太田敦也のミドルシュートで先制し、寺園脩斗もドライブで続いたが、シュートタッチが好調なケネディ・ミークスに10得点を奪われ、追いかける展開となった。それでも残り3分、鈴木が今シーズン初めてコートに立つと、すぐさま菅野翔太の3ポイントシュートをアシストしてチームに勢いをもたらし、互角の展開に持ち込んだ。 第2クォーターだけで8本のフリースローを与え、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを許すなど、8点のビハインドを背負ってオフィシャルタイムアウトを迎えた三遠。それでも西川貴之がミドルシュートを沈めて悪い流れを断ち切り、粘り強い守備を軸にどうにか4点ビハインドで前半を終えた。 後半に入っても、三遠は劣勢を強いられたが、集中力は途切れなかった。第3クォーターだけで10本ものオフェンスリバウンドを奪われたが、気持ちを切らさずシュートチェックにいき、セカンドチャンスポイントを与えない。 また、激しくディフェンスするだけでなくローテーションもスムーズだったことでフリーでシュートを打たれるシーンをほとんど作らせなかった。フリースローは8本献上したが、ハーフコートディフェンスの質は高く、北海道のフィールドゴール成功率を10%に抑えこんだ。 オフェンスでは西川貴之がタフショットを沈めて7得点を集中させるなど、このクォーターを14-8と上回り逆転に成功した。 守備が崩れず、今シーズン最少失点での勝利 最終クォーター開始1分、三遠はマーク・トラソリーニに3ポイントシュートを浴び、ターンオーバーから桜井良太の速攻を食らって逆転を許す。しかし、連敗中は接戦に持ち込んでも勝負どころで失速してきたが、この試合ではその脆さを見せなかった。直後、カイル・バローンが3ポイントシュートを沈めて再逆転すると、太田も続きリードを保つ。むしろボールへの執念で上回り、3度のオフェンスリバウンドから寺園脩斗が得点に繋げるビッグプレーが生まれるなど、終盤の勝負強さが光った。 残り47秒、橋本竜馬の3ポイントシュートのこぼれ球を拾った寺園が、コースト・トゥ・コーストを決め、9点差にしたところで勝負アリ。ラスト約2分間を無失点に抑え、最後までディフェンスの強度を保った三遠が最終スコア74-61で勝利した。 敗れた北海道の内海知秀ヘッドコーチは「前半の終わりくらいから悪い流れになってしまい、後半も修正することができませんでした。自分たちの流れに持ち込めなかったのは修正しなければいけない」とコメントした。 橋本は「連敗を止めるために、勝ちたいという気持ちが自分たちよりも上回っていたということだと思います」と話し、「この悪い流れをすぐに断ち切ることができるかどうかも、このチームが先に進むために大事なこと」と、内海コーチと同様に流れが悪かったことを敗因に挙げた。 連敗中は「暗闇の中にいるような感覚」と話した西川は、「アグレッシブに攻めるしかないと思っていた」との言葉通り、バローンに次ぐ16得点を挙げてチームを勝利に導いた。 太田が先発の期待に応え今シーズン初の2桁得点を挙げ、鈴木の復帰により負担が減った寺園も、最終クォーターに大仕事をやってのけた。1勝16敗と厳しい立場にいることに変わりはないが、チーム一丸のバスケが形になり待望の初勝利を手にした三遠の巻き返しに注目したい。2019/12/07Bリーグ&国内
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千葉ジェッツが終盤までビハインドを背負うも、リバウンドで奮闘し北海道に勝利千葉は勝利したが課題が多く残る試合に 千葉ジェッツがレバンガ北海道をホームに迎えた第1戦。残り1分まで拮抗した戦いが続くも、最後にリバウンドが決め手となり千葉が86-82で勝利した。 第1クォーターでは田口成浩やジョシュ・ダンカンがリズムよく3ポイントシュートを決める。さらに、小野龍猛も川邉亮平とのミスマッチを突いてインサイドを攻めるなど21-13と千葉がリードする。それでも第2クォーターに入ると北海道のゾーンディフェンスを攻めあぐねて失速。ディフェンスから流れをつかんだ北海道は、リバウンドからの速攻に加えてマーク・トラソリーニがインサイドでもアウトサイドでもシュートを決め、35-35と同点で前半を折り返した。 後半も北海道のペースで試合は進む。松島良豪と多嶋朝飛のツーガードが速い展開を作り出し、川邉亮平がこのクォーターだけで13得点と活躍。ゾーンディフェンスでインサイドにボールを入れさせず、ターンオーバーから得点を重ねることで8点リードで最終クォーターを迎えた。 ここで悪い流れを断ち切ったのは、インサイドへのパスが通らないと見て個の力で打開を図った富樫勇樹だ。自らドライブで切り込むことで流れを変えると、リバウンドからの速攻で得点に繋げる。ディフェンスの意識を自分に集めた後はフリーになった西村文男や小野の3ポイントシュートで点差を詰めた。 「82点も取られているのは、本当に問題」 残り時間2分を切ったところで、西村のシュートのオフェンスリバウンドをダンカンが取り、そのままバスケット・カウントに。このフリースローを2本とも決めて81-80と千葉が逆転する。ここからシーソーゲームに突入するが、残り37秒で富樫が3ポイントシュートを決めて84-82と千葉が抜け出す。 北海道はタイムアウトを使って最後の攻撃をセットするが、松島とトラソリーニがパス交換を繰り返しても千葉ディフェンスはズレを作らず、トラソリーニにタフショットを打たせる。このリバウンドをマイケル・パーカーがもぎ取り、勝利をつかみ取った。 接戦を演じながらもあと一歩及ばなかった北海道の内海知秀ヘッドコーチは、「ゲーム運びは上手くできていた。リバウンドも全員で頑張って、ファストブレイクに繋げられたところは良かった」と、第3クォーターまで自分たちのペースで進められた試合の収穫を語る。 一方、千葉は連勝を4に伸ばしたが、大野篤史ヘッドコーチは、「準備してきたことが全然できなかったゲームだった」と憮然とした表情。「ディフェンスのコミュニケーションや、自分たちがやろうとしたディフェンスのシステムなど、そういう部分の共通理解があまりなくて、ミスコミュニケーションが本当に多い試合だった」 「82点も取られているのは本当に問題。パーソナルのところでスポットアップシュートが上手な選手に何本も打たせたり、ドライブが好きな選手に何本もさせてしまったり、そういう部分でのコミュニケーションも取れていなかった」と試合を振り返った。 11月16日のB1 9試合の結果 三河106-99富山 千葉86-82北海道 A東京82-67三遠 横浜63-75川崎 新潟63-80宇都宮 名古屋D61-81大阪 SR渋谷90-68京都 秋田 - 島根2019/11/16Bリーグ&国内
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文字通りの『堅守速攻』を体現、レバンガ北海道が島根に完勝し開幕4連勝ターンオーバーからの得点で22-2、守備での勝利 レバンガ北海道vs島根スサノオマジック第2戦。初戦でゲームハイの23得点を挙げたマーキース・カミングスが出場停止となったが、失点を53点に抑える素晴らしいディフェンスを披露した北海道が開幕4連勝を飾った。 ボールが手につかないなど軽率なミスが目立ち先行された北海道。それでも、橋本竜馬が前線からプレッシャーをかけてターンオーバーを誘い、マーク・トラソリーニの連続得点へと繋げて逆転する。橋本のプレーがきっかけとなり、ディフェンスのスイッチが入った北海道はボールマンへ激しいプレッシャーをかけ、島根のオフェンスを停滞させ、約5分間を無失点に抑えた。 オフェンスでは松島良豪が的確にパスを散らし、シュートチャンスをお膳立て。トラソリーニが8得点、内田旦人が7得点を挙げ、19-9といきなり2桁のリードを奪った。 その後、互いに守り合いの展開が続いたが、第3クォーターに入ると、再びディフェンスからペースをつかみ、攻守が噛み合った北海道が強さを見せる。 激しいボールマンへのプレッシャーに加え、周りも連動してパスコースを限定する。24秒バイオレーションを奪い、このクォーターだけで6個のターンオーバーを誘発し、それをしっかり速攻へと繋げていった。 途中14-0のビッグランを作り、第3クォーターを終えた時点で54-34と早々に勝負を決めた。ターンオーバー数で5-18、ターンオーバーからの得点で22-2、そして速攻での得点で20-4と『堅守速攻』を体現した北海道が75-53で完勝した。 引退を表明している折茂が今シーズン初出場 勝利した北海道の内海知秀ヘッドコーチは「昨日の試合の課題であった、良い流れを継続できずに突き離せなかったところを改善できたところはよかった」と、勝負どころを見極め、たたみかけることができた点を収穫に挙げた。 途中出場ながら11得点を記録した内田旦人は守備がもたらした勝利だと強調し、さらなる飛躍を誓った。「昨日に比べてさらにチームの連携やディフェンスの強度を高めたことによる、ディフェンスの勝利だったと思います。レバンガ北海道がディフェンスのチームであることを証明するためにも、次の試合でもさらに高めていけるようにしていきたいです」 また、カミングスの代役を務めたケネディ・ミークスはチームハイの14得点に加え8リバウンド2ブロックと勝利に貢献した。それでも、内海コーチが「果たすべき役割はやってくれましたが、まだまだスタッツには満足していません」と、コメントしたように、ミークスも「ディフェンスとオフェンス両面で最低限の役割は遂行できたと思います」と、及第点を与えるに至った。 そしてこの試合、ここまで出場のなかった折茂武彦もコートに立った。「これだけ出場機会が空いてしまっているので試合勘については全くなかった」と言うように、相手のマークにも苦しめられ無得点終わったが、折茂の出場は確実にチームへ良い影響を与えるはず。そして、「非常に厳しい場面でも、選手一人ひとりがディフェンスに意識を持ってタフにゲームコントロールできていたところが大きかった」と、開幕4連勝に大きな手ごたえを得ているようだ。 次節は千葉ジェッツに連勝を飾ったサンロッカーズ渋谷と戦う。東地区の戦力図を変えるのはどちらのチームとなるか。 宇都宮84-71滋賀 北海道75-53島根 京都91-90富山2019/10/12Bリーグ&国内
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ディフェンス合戦を制した秋田ノーザンハピネッツがアーリーカップ2年ぶり優勝秋田自慢のプレスディフェンスに北海道が真っ向勝負 アーリーカップ東北の決勝戦は、B1東地区同士の秋田ノーザンハピネッツvsレバンガ北海道の試合となった。 激しいプレッシャーディフェンスを持ち味とする秋田に対し、北海道も同じく強度の高いディフェンスで対抗。ともに相手のディフェンスを崩せずに良いチャンスを作ることができない、得点の動きは重いがコート上でバチバチにぶつかり合うディフェンス合戦となった。良いシュートがないわけではないが、どちらかが一気に流れをつかむような緩みがなく試合は進む。 最終クォーターに入った時点で北海道47-46秋田。ここから秋田が一度は流れをつかむ。野本建吾がディフェンスの間を割って入る強気のアタックでチームに勢いを与え、カディーム・コールビーがスティールから速攻に繋げて逆転に成功。ここからディフェンスの強度をもう一段階上げて試合を締めにかかるが、北海道もここで踏ん張る。 北海道は土曜に山形ワイヴァンズ、日曜にホストチームの仙台89ERSと対戦し、これで3連戦。対する秋田は土曜に試合が組まれておらず、スタミナ勝負になったら分があったはず。それでも北海道は秋田に負けないディフェンスの強度を保ち続ける。残り2分を切って57-57、ここでビッグプレーを決めたのは北海道だった。橋本竜馬と多嶋朝飛が動き回りながらパス交換をしてノーマークを作り出し、多嶋が3ポイントシュートを沈めて抜け出した。 ところが、この直後に市岡ショーンが5つ目の個人ファウルをコールされる。接触に対して厳しすぎる判定ではあったが、これでディフェンスを支えていた市岡が退場し、さらにはチームファウルも5つに到達。ここからもキーナン、マーク・トラソリーニがタフショットを強引にねじ込む以外は、フリースローでしか得点の入らない一進一退の攻防が続く。 キーナン「個人よりもチームのパフォーマンス」 大混戦の決着は、やはりフリースローだった。1点ビハインドから残り26秒で秋田のポゼッション。3ポイントシュートを狙った細谷将司にチェックに飛び込んだ橋本竜馬の手がかかる。重圧が掛かる場面だったが細谷はこのフリースロー3本をすべて決めて勝負あり。 最終的には67-64で秋田が2年ぶりにアーリーカップでの優勝を果たした。北海道のマーキース・カミングスと並ぶゲームハイの22得点、そのうち16点を後半に決めて接戦の中で違いを出したキーナンは「個人よりもチームのパフォーマンスが良かった。開幕に向けてチームのケミストリーを高めていて、そこが上手くできた」と、チーム一丸の勝利であることを強調する。 一方の北海道にとっては、戦いきっただけに勝ちたかった試合。最後はファウルアウトとなった橋本は「勝負どころでのミスで勝ち切れなかった」と悔しがるも、「大会を通してチームが良くなってきている実感は得られたので、もう一度、自分たちがどこを目指し、どこにいきたいかを再確認して、コミュニケーションをとって、チーム力を向上していきたい」とシーズン開幕までにもう一度チーム力を高めることを誓った。 典型的なディフェンス合戦で、両チームとも3ポイントシュートに当たりが来ないロースコアゲーム。秋田にとっては自分たちのスタイルを貫き、チームワークと精神力で東地区のライバルに勝ち切ったことは、開幕に向けて一つ弾みになるに違いない。2019/09/16Bリーグ&国内
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千葉に実力差を見せ付けられる連敗、レバンガ北海道の残留プレーオフ行きが確定ディフェンスで抵抗を試みるもオフェンスが機能せず 4月7日、レバンガ北海道が千葉ジェッツをホームに迎えた第2戦。前日の第1戦では北海道が丁寧なディフェンスで千葉の爆発力を前半は抑え込んだが、後半に入って集中が切れたところで千葉の怒涛のトランジションオフェンスを浴び、最終的には67-97で敗れた。 ここまで10勝44敗、B1残留に向けて良い兆しをつかみたい北海道は、この第2戦でも粘りのディフェンスで全体勝率1位の千葉に抵抗を試みるが、オフェンスが足を引っ張る。千葉の鋭い出足の前に攻撃を組み立てられず、第1クォーターだけでターンオーバー8つを計上。マーク・トラソリーニの3ポイントシュート2本のみのわずか6点で第1クォーターを終えた。 第2クォーターに入ると、ディフェンスが支えられなくなる。途中出場の小野龍猛の3ポイントシュート成功を機に守りどころがつかめなくなり、第1クォーターには決めさせなかった富樫勇樹に5本中3本の3ポイントシュートを決められる。 第3クォーター、前日にここで突き放されたこともあり、北海道は守備のインテンシティを上げて対抗する。それでも一度勢いに乗った千葉は止められず、さらにクォーターの半分でチームファウルが5に到達。フリースローで確実に得点を積み上げる千葉の試合巧者ぶりに加え、ギャビン・エドワーズからダンカンへの連係プレー、石井講祐の果敢なドライブなどオフェンスのバランスの良さが光り、点差は広がっていった。 17連敗「自分たちがチームとして戦えていない結果」 最終クォーターを迎えた時点で45-71。26点差を覆すのは難しい。北海道は最後まで果敢に攻め続けたが、千葉は今節でケガからの復帰となった西村文男、藤永佳昭とどのポイントガードが出ても試合の流れをコントロールし、試合の主導権を渡さなかった。 最終スコア58-91で、北海道は2試合連続での完敗。デイビッド・ドブラスは18得点10リバウンドと及第点の出来だったが、他の部分で違いを作れず。千葉は最も長く出場した選手でもダンカンの26分で、平日開催が続く過密日程を考慮した選手起用でも悠々と大勝した。 北海道にとっては勝率トップの千葉に対し実力の差を見せ付けられた結果に。それとともに、残留プレーオフに回ることも決定した。 折茂武彦はこうコメントする。「今日の試合に関しては、ただただ応援してくれているブースターの方々に申し訳ない気持ち。プロとして見に来てくれた方に満足いただける内容ではなかったのと、戦術、戦略以前の部分で自分たちがチームとして戦えてない結果だと思います。誰一人、来季B2で戦うつもりはないので、最後にしっかり勝ちきれる戦い方を創り上げていきたい」 リーグ単独最下位、17連敗中と苦境に立つ北海道だが、残留プレーオフに向けて気持ちを切り替え、戦う体勢を取る意味でも、レギュラーシーズンのラスト5試合は無駄にはできない。水曜は今シーズン最後のホームゲーム、相手は栃木ブレックスとまたも強敵を迎える。2019/04/08Bリーグ&国内
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攻守でレバンガ北海道を圧倒した千葉ジェッツ、シーズン初の100点ゲームで6連勝19-0のランで主導権を奪取 千葉ジェッツがレバンガ北海道をホームの船橋アリーナに迎えた水曜ナイトゲーム。千葉が目指す激しいディフェンスからのトランジションオフェンスが炸裂し、110-78と今シーズン初の100点ゲームで勝利した。 千葉は小野龍猛が出場せず、富樫勇樹、西村文男、石井講祐のスモールラインナップが先発を務めた。小野は以前から右手首にテーピングを巻いて出場し、痛みがあると漏らしていたが、指揮官の大野篤史は「痛みがあるので、メンバーを変更した」という言葉に留めた。 序盤はマーク・トラソリーニの3ポイントシュート、富樫のフローターでそれぞれ得点し、開始2分で9-9と打ち合いの様相を呈した。それでもバックコート陣が確実にボールを供給し、マイケル・パーカーの13得点を筆頭に、早くも先発全員が得点した千葉が32-24と先行した。 第2クォーターに入ると、ディフェンスの強度を一段上げた千葉の猛攻が始まる。ボールマンへのタイトなディフェンスでボール回しを停滞させ、ショットクロックわずかになったところでタフショットを誘発させる。そのディフェンスリバウンドから次々と走り、アウトナンバーからの3ポイントシュートやレイアップを沈めていった。 千葉は開始から5分間北海道を無失点に抑え、その間に19点を積み上げた。この時間帯を牽引したのが藤永佳昭とアキ・チェンバースのディフェンスだった。高さとフィジカルを兼備したアキは上へのパスを通さず、ボールを手に当てマイボールにし、速攻を繰り出す起点となった。また藤永は相手に執拗にプレッシャーをかけ続け、相手のムービングスクリーンを誘うなどディフェンスの意識を背中で示し続けた。 北海道はデイビッド・ドブラスのポストプレーや桜井良太の3ポイントシュートなどで悪い流れを断ち切ろうとするが、劣勢を覆すまでには至らなかった。 脅威の34アシストを記録し完勝 59-38と大量リードして後半を迎えた千葉だったが、ドブラスの3点プレーとなるバスケット・カウントや桜井の3ポイントシュートなどで、開始3分で14点差に詰め寄られる。それでも微妙な判定ながら、トラソリーニのシュートチェックがノーファウルとなり、石井が3ポイントシュートを沈めると流れは再び千葉に傾いた。 第4クォーター残り8分、ここまでチームハイの17得点を挙げていた桜井がファウルアウトとなり万事休す。その後も攻撃の手を休めない千葉はすべてのクォーターで上回り、今シーズン初となる100点ゲームで勝利した。 千葉はディフェンスが機能し、ターンオーバーは7-15と2倍以上の差がつき、ターンオーバーから18点を記録。また34アシストという数字も驚異的で、いかにオフェンスの遂行度が高かったかを象徴している。 敗れた北海道のジョゼ・ネトコーチは「千葉のオフェンスは素晴らしく、確率の高い数字を残した。その要因の一つとして、自分たちのディフェンスが良くなかったというのも影響している」と完敗を認めた。 北海道はマンツーマンやゾーンディフェンス、マッチアップゾーンなど、多様なディフェンスを用いたが、千葉の勢いを止めるには至らなかった。「いろいろなディフェンスを試し、様々な守り方をしたが、遂行度が良くなかった。遂行度が良くないために戦術を変えたが、根本の解決にはならなかった」 千葉はこれで連勝を6に伸ばし、栃木ブレックスとアルバルク東京の背中をピッタリとマーク。だがトレイ・ジョーンズが左肩関節脱臼の診断を受け、大宮宏正が急性腰痛でベンチ入りせず、小野も欠場となったことで選手のコンディションが危惧される。それでも今日の試合ではしっかりタイムシェアできたことも、次戦へつながる価値ある1勝となったことだろう。2018/10/25Bリーグ&国内
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激しいディフェンスでSR渋谷を押さえ込んだレバンガ北海道、前日の雪辱を果たすトラソリーニとドブラスの2枚看板が大活躍 10月14日、レバンガ北海道が敵地でサンロッカーズ渋谷と対戦。前日は終了間際に勝ち越しを許し66-67と競り負けた北海道だが、この日は持ち味の堅守でSR渋谷のオフェンスを沈黙させ76-57と圧勝した。これで北海道は2勝2敗と勝率を5割に乗せている。 7-7で迎えた第1クォーター中盤から、ライアン・ケリーの3ポイントシュートを含む連続9得点で突き放された北海道だが、ここからエースのマーク・トラソリーニが、巧みにフリースローを獲得して9得点を量産。18-16と勝ち越して第1クォーターを終える。 そこから新外国籍選手のデイビッド・ドブラスがゴール下での軽快なステップワークからシュート6本すべてを決める12得点でオフェンスを引っ張る。SR渋谷もロバート・サクレがこのクォーターで10得点とセンター対決では互角に持ち込むも、他の選手が沈黙。サクレ以外では4点のSR渋谷に対し、ドブラスを起点にバランス良く得点を挙げた北海道が41-30で前半を折り返す。 ベンドラメ礼生の連続得点、満原優樹のシュートなど第3クォーター残り6分で2点差まで詰め寄られるも、ここでトラソリーニが3ポイントシュートを決めると流れは再び北海道へ。桜井良太、多嶋朝飛がゴール下へのアタックから得点を挙げて突き放す。最終クォーターも試合をコントロールし、この日23得点のトラソリーニ、22得点のドブラスの2枚看板を軸に、常に2桁のリードを保つ危なげない展開で逃げ切った。 サクレが奮闘するもSR渋谷は負け越し 北海道のジョゼ・ネトヘッドコーチは、ディフェンスの勝利だったと試合を総括する。「自分たちがどういうチームかコートで証明できた。それはディフェンスであり、選手層の厚いSR渋谷を57点に抑えられた。ディフェンスをしっかりやれば勝てることを示した。コーチがどうこうではなく、選手たちが自分たちのやってきたことを信じ、それをコートで出してくれた」 そして「SR渋谷はタレント力のあるチーム。最初から最後まで同じゲームプランで守備をしたら抑えるのは厳しい。途中でスイッチなどいろいろなディフェンスをやることで、相手がやりたいことをできなくすることができた」と前日に比べて守備に変化をつけたことが、堅守につながった一因と振り返った。 一方、連勝を逃したSR渋谷において、21得点10リバウンドと奮闘したサクレは、「北海道は僕たちがよりフィジカルに戦い、ビッグプレーを決めた。また、自分たちはゾーンオフェンスがうまく行っていなかった」と敗因を語る。 「このスタイルで世界の強豪に勝ってきた」 これで北海道は、シーズン開幕戦こそ74失点を喫したが、以降は53点、67点、57点と相手をロースコアに抑えている。ネトヘッドコーチは「我々がやろうとしていることは、ボールにプレッシャーを掛けてコートを走り回るもの。一見するとクレイジーに見えるかもしれない。ただ、自分はブラジル代表、クラブにおいてこのスタイルで世界の強豪に勝ってきた」と、自身の目指す守備スタイルを説明する。 そして、「日本人選手たちは、私が求めることを遂行できる要素を備えています」と、これまで指揮したチームと変わらぬ堅守を北海道でも構築できると自信を見せる。 今後、北海道は17日と24日の平日に千葉ジェッツ、20日、21日、28日、29日に栃木ブレックスと対戦する。このタフな相手との連戦において、自分たちの目指す堅守がどこまで通用するか、非常に楽しみだ。2018/10/16Bリーグ&国内
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勝負どころでの波状攻撃が光ったレバンガ北海道、大阪を相手に前日のリベンジ成功ピリッとしない展開を救ったハッスルプレー レバンガ北海道がホームの北海きたえーるに大阪エヴェッサを迎えた開幕節の第2戦。一度つかんだ流れを逃さず、怒涛の攻撃でリードを広げた北海道が、70-53で今シーズン初勝利を挙げた。 大阪はエグゼビア・ギブソンが昨日の第1戦で右母指末節骨骨折のケガを負い、第2戦を欠場。外国籍選手が2人しかいない大阪にとっては大きなディスアドバンテージとなった。それでもギブソンに代わって先発を務めたファイ・パプ月瑠がインサイドで踏ん張り、第1クォーターで5得点を記録し互角の展開に持ち込んだ。 大阪の1点ビハインドで迎えた第2クォーター序盤、畠山俊樹がバスケット・カウントを誘発。さらにファウルコールを受けた市岡ショーンが、ボールをゴールの支柱に当て悔しさを表現し、その行為がテクニカルファウルの対象となった。ボーナススローを2投成功させた4点プレーにより、大阪が逆転。その後、北海道はアグレッシブなプレーが裏目となり、関野剛平のファウルで、残り約7分と長い時間を残してチームファウルが4に到達してしまう。 だが、このピンチがチームの集中力を高めることになった。直後、吹っ切れた関野の強気な3ポイントシュートで逆転すると、マーク・トラソリーニの3点プレーとなるバスケット・カウント。さらにトラソリーニのブロックショットから走った関野の速攻で一気に11点のリードを奪った。 北海道が33-29と4点をリードし迎えた後半、デイビッド・ドブラスがハッスルプレーでチームに勢いを与える。ドブラスはオフェンスリバウンド争いから自軍ベンチに飛び込み、マイボールにすることに成功。飛び込んだドブラスを指揮官が抱きかかえるシーンに会場は湧き、北海道の怒涛の攻撃が始まる。ドブラスは直後もオフェンスリバウンドを獲得し、チームにポゼッションをもたらすと、残り7分22秒にはジョシュ・ハレルソンから3つ目のファウルを誘発した。 大阪に立ちはだかった大黒柱トラソリーニ ギブソンを欠く大阪にとってハレルソンのファウルトラブルは痛恨の出来事。大阪はタイムアウトを取り流れを変えようとするが、ここを勝機と見た北海道は止まらない。タイムアウト明けのディフェンスで起点を作らせずにターンオーバーを誘発し、逆に速攻を成功させた。その後もセカンドチャンスから野口大介が3ポイントシュートを沈め、松島良豪のスティールから桜井良太の速攻が飛び出すなど、16点までリードを広げた。 迎えた最終クォーター、劣勢の大阪が意地を見せる。ドライブで突破されても中を絞り、合わせのパスを狙ってターンオーバーを誘発するなどディフェンスからリズムをつかむ。点差を1桁に縮めた大阪に勢いがあったが、大黒柱のトラソリーニが悪い流れを断ち切る。タイム明け後のオフェンスでノーマークを作り、3ポイントシュートを沈め再び点差を2桁に乗せると、その後もショットクロックギリギリから放ったタフショットをねじ込み、チームを救った。 トラソリーニの活躍で落ち着きを取り戻した北海道は、俄然動きが良くなり堅守を披露。オフィシャルタイムアウト後のラスト約5分間、大阪の攻撃をわずか2得点に封じ込め、うれしい今シーズン初勝利を手にした。 「ディフェンスの勝利」でうれしい1勝 勝利した北海道のヘッドコーチ、ジョゼ・ネトは「今日の試合はオフェンスのコントロールをしっかりすることと、まずはディフェンスからしっかりやっていくことを伝えました。そういう意味ではディフェンスの勝利だと思っていますし、チームとして勝利することができるという証明をすぐに示すことができたことは貴重でした」と試合を振り返った。 ゲームハイの25得点を挙げたトラソリーニは「今日は内容も良く、ホームでシーズン初勝利できたことをうれしく思います。やはり、このチームはディフェンスがカギで、相手をロースコアに抑えて、勝っていくチームであることを証明できたと思います」と指揮官と同様にディフェンスを勝因に挙げた。 チームに勢いを与える時間帯を牽引した関野も「昨日は自分の調子が悪く、チームに迷惑をかけて負けてしまいました。チームとしても絶対負けられないという中で、今日は気持ちで勝てた試合だったと思います。ディフェンス面でも相手を53点に抑えられたのは良かったですが、もっと改善できると思っています」と今日の勝利を喜びつつ、さらなる向上を見据えた。 敗れた大阪はハレルソンが15得点、パプが11得点を挙げるが、他の選手の得点が伸び悩んだ。ギブソンの早期復帰を願わずにはいられないが、外国籍選手頼みになるのではなく、チーム全員のステップアップが必要となる。開幕2戦目にして大阪は早くも正念場を迎えた。2018/10/07Bリーグ&国内
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札幌を愛し、人々に愛されたトラソリーニの1年「自分に合っている確信が持てた」ファンを魅了する『レバンガのバスケ』の中心にレバンガ北海道の2017-18シーズンは飛躍の1年となった。Bリーグ初年度の23勝37敗から勝ち星を3つ積み増して26勝34敗。これだけ見るとさほど変化はないし、東地区では最下位に終わったのだが、2勝11敗と失速した終盤戦を除けば24勝23敗と勝ち越しており、この時点では前年王者の栃木ブレックスとチャンピオンシップ出場を懸けたデッドヒートを演じていた。そして何より、エネルギッシュで攻守にメリハリのあるプレースタイルは見ていて痛快で、北海きたえーるの観客動員はシーズンが進むにつれて右肩上がりに増えていった。ここは運営サイドの努力によるところが大きいが、ファンを魅了して会場に足を運ばせる『プロのバスケ』をチームが展開したからこその成功だ。5月6日と7日のレギュラーシーズン最終節、その随分前にチャンピオンシップ行きの可能性は断たれて消化試合になっていたが、ゴールデンウィーク最終日の6日には6299人と今シーズンのBリーグでの最多入場者数を記録。さらに最終ゲームは平日にもかかわらず4883人の観客を集めた。これが今シーズンのレバンガ北海道の最大の成功と言えるだろう。チームに目を移すと、今シーズンの成功を象徴するのがマーク・トラソリーニだ。イタリアとスペインでプロキャリアを送っていた彼は日本での1年目で平均19.0得点(リーグ3位)、1.5スティール(リーグ2位)、1.3ブロック(リーグ4位)とスタッツリーダーに食い込んだ。206cmのサイズがありながらアウトサイドでもプレーできる柔軟性、ディフェンスで「ガードだって守れる」と豪語するフットワークの持ち主は、攻守の核として56試合に出場しチームを支えた。日本に来て苦しんだのは、コールの軽さと日本語そのトラソリーニには、4月29日の千葉ジェッツ戦を終えたタイミングで話を聞いている。まだ試合を残すタイミングではあったが、シーズンをこう総括してくれた。「チームはもっと上に行くだけの能力があったはずで、その心残りは大きいけど、個人としては日本で最初の1年ということもあり、すごく良かったと思っている。自分のキャリアを振り返ってもオフェンス面では活躍できたと考えていて、このBリーグで自分が得点を決められるという自信を得られた」デビュー戦から3試合続けて20得点オーバーを記録し、順風満帆に活躍したように見えたが、やはり新しい環境への順応には苦労があったそうだ。「レフェリーはヨーロッパに比べると審判の笛が軽くて、ディフェンス面で試合の流れになかなか乗れず、その点は結構難しかった」もっともコート外となると、初めて経験する日本文化にも難なく順応した。「札幌での生活にはすぐに慣れたよ。すでに僕にとってお気に入りの街だ。唯一大変なのは言葉で、プレーする国の言葉を話したいんだけど難しすぎる。まだ『チョットチョット』(ここだけ日本語)だね」「僕はイタリア系カナダ人で、ローマとフィレンツェ出身の祖父母の代にバンクーバーに移り住んだ。もしかすると、そういうこともあって新しい文化や環境に溶け込むのがうまいのかもしれないね」「活躍できたのも、人々が快く迎えてくれたおかげ」5月14日、クラブはトラソリーニと来シーズンの契約が合意に至ったことを発表している。ただ得点できるだけでなく、幅広い対応力を見せたトラソリーニはどのチームにとっても欲しい戦力で、獲得競争となっても不思議はない。それでも取材した時点で気持ちは残留に傾いていたようで、「札幌は気に入っているし、球団もチームメートもファンも素晴らしいから、ここで長くプレーしたい」と話していた。「バスケットボールの面で活躍できたのも、人々が快く迎えてくれてすんなり溶け込むことができたおかげだと思っているんだ」「苦労もあったけど、自分のプレースタイルがこのリーグに合っているという確信が持てたことは僕にとってはすごく喜ばしいこと。この国で長くプレーしたいと思っているよ」クラブから発表された契約延長のリリースには、あらためて札幌の街とファンへ向けた彼の感謝がつづられていた。「今シーズン北海道でプレーできて本当に楽しかったです。札幌の街、このクラブ、スポンサーの皆さま、スタッフ、チームメート、そしてファンの皆さま、すべてが最高でした。来季もレバンガ北海道に戻って来てプレーするということについて、迷うことなく決断しました。皆さまから多くの愛情やサポートをいただいているおかげで、妻も私もこの場所が大好きです。レバンガ北海道では、プライベートの時間も、またコート上でも、自分に合っていると思います。オフシーズンにはしっかり準備して、来季はクラブとしても個人としても、今季以上の良い結果を残したいです。皆さまも良い夏をお過ごしください。またお会いできる日を楽しみにしています」 先週末、北海道のファンは試合がないことに寂しさを感じていたに違いない。それは次の週末も変わらないが、「トラソリーニが戻って来る」という安心感とともに新シーズンを待つことができるのは大きなプラスだろう。選手契約がどうなるかのハラハラドキドキもオフシーズンの楽しみではあるが、信頼できる選手の『相思相愛の残留』は何にも代えがたい朗報だ。2018/05/16Bリーグ&国内
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トランジションバスケットを貫く千葉ジェッツ、粘る北海道を下し東地区優勝へ王手ハイペースの打ち合い、制したのは千葉ジェッツ千葉ジェッツは4月28日、29日に行われたホームでのレバンガ北海道戦に連勝。東地区優勝に向けてマジックを1とする大きな勝利を手にした。昨日の第2戦、試合開始早々両チームは積極的にシュートを狙う。アキ・チェンバースの連続得点で千葉がペースを上げると、北海道もこれに応じる形でマーク・トラソリーニと川邉亮平の得点で食らい付き、開始5分で16-16というハイペースな点の取り合いとなった。それでも北海道はハイペースの展開の中でパスミスが相次ぎ、第1クォーターでターンオーバー6。対照的に千葉はターンオーバーわずか1で、マイケル・パーカーの速攻が飛び出すなど得意のトランジションオフェンスで上回る。26-19と千葉リードで迎えた第2クォーター、北海道のゾーンディフェンスの前に一度は得点が止まるが、その後は5本の3ポイントシュート成功で攻略してみせた。千葉が得意の堅守速攻スタイルを発揮するも、なかなかリードが広がらない。これは北海道のエース、トラソリーニを止められなかったからだ。トラソリーニは強引なアタックからも技巧的なシュートでも、そしてゴール下だけでなくミドルレンジ、また3ポイントシュートも次々と決めた。試合を通じて5本中5本成功の3ポイントシュートを含むフィールドゴール20本中17本成功(85%)で42得点を荒稼ぎ。千葉がどれだけ厳しいディフェンスをしても止まらなかった。第4クォーター立ち上がりから川邉、ダニエル・ミラーに連続得点を奪われ65-62と1ポゼッション差に迫られた千葉だが、ここから攻守のギアを1段階上げる。このタイミングで北海道は頼みのトラソリーニが自らのミスで失ったボールを取り返そうとした結果、個人4つ目のファウルを犯してしまいベンチへ下がる羽目に。ディジョン・トンプソンが欠場している北海道は外国籍選手がミラーだけとなってしまった。この機を千葉は逃さず、9-0のランで76-64と2桁までリードを広げ、その後は付け入る隙を与えず97-84で勝利した。戦線復帰の西村文男が勝利を引き寄せる活躍北海道は東地区首位の千葉を終盤まで苦しめながらも連敗。水野宏太ヘッドコーチは「終盤、自分たちが一つにならなくてはいけない時間帯になかなか一つになりきれず、大事なところでターンオーバーから簡単に点数を入れられてしまう部分があった」と敗因を挙げ、「オフェンスの確率は良く、ディジョン・トンプソンがいない中で84点取って、点数的には勝たなければいけない試合展開に持って行けた中、ファウルトラブルのところでのディフェンスでやり切れない部分が出てしまった」と試合を振り返る。勝利した千葉ジェッツの大野篤史ヘッドコーチは「トラソリーニのところでシュートが当たってしまったので苦労しましたけど、他のところでしっかり絞れました」と語る。「昨日は折茂(武彦)さんのところでやられました。折茂さんの得点はただの得点ではなく、レバンガに勢いを持たせるのでそれだけは徹底して抑えようと。そして後半、マイク(パーカー)がうまく守ってくれて、良いディフェンスからトランジションオフェンスで自分たちの流れを作れた」と、ポイントを押さえた戦い方で勝利を呼び込んだチームを評価した。また千葉では右膝内側側副靱帯損傷で1カ月強の戦線離脱を強いられていた西村文男が今節に復帰。この試合では第4クォーターの勝負どころで粘る北海道を一気に突き放した時間帯の攻撃をリードし、勝利に貢献した。本来であればもっと少ないプレータイムの『試運転』だったはずが、「調子が良かったので引っ張ってしまいました」とは大野ヘッドコーチの弁。西村自身によれば、まだ痛みは残っているものの順調に回復しているとのこと。まだコンディションも試合勘も戻す必要があり、試合後の取材でも「まだハアハアしてるんですけど(笑)」とジョークを交えつつ、このタイミングで戻って来られたことに安堵している様子。ここに来て富樫勇樹とはタイプの異なるポイントカードが復調したことは心強い。千葉はこの勝利で東地区優勝マジックを1に縮めた。レギュラーシーズン残り3試合のカードは川崎ブレイブサンダースと琉球ゴールデンキングス。上昇気流に乗るジェッツはここを勝ち切ってチャンピオンシップを迎えることができるか。楽しみなカードが残っている。2018/04/30Bリーグ&国内
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ジョシュア・スミスがゴール下を支配、京都ハンナリーズが北海道との接戦を制するスミス32得点14リバウンド、京都が高さとパワーで押し切る4月14日、チャンピオンシップ出場に向け負けられないレバンガ北海道は西地区2位京都ハンナリーズと対戦。同日の試合でチャンピオンシップ出場を争う栃木が勝利し、京都はエースのジュリアン・マブンガを欠く状況。北海道としては是が非でも取りたいゲームとなった。立ち上がりを制したのはレバンガ北海道。キャプテンの多嶋朝飛がルーズボールを追い相手ベンチに飛び込む気迫を見せると、得意のトランジションオフェンスが次々に決まり15-8とリードする。しかし、ここからは攻め気が裏目に出てターンオーバーを連発。京都がリズムをつかみ直して追い付き、内海慎吾の3ポイントシュートで22-19と逆転して第1クォーターを終えた。第2クォーター、マーク・トラソリーニのアウトサイドシュートがよく決まり勢いに乗りたい北海道だったが、この試合7アシストの伊藤達哉が起点となり、ジョシュア・スミスをフィニッシャーとする攻撃が上回る。このクォーターだけで13得点と大暴れのスミスに牽引された京都が44-39とリードして試合を折り返した。桜井のハッスルで追う北海道、一歩及ばず後半、苦しい流れを変えたのは桜井良太だった。3ポイントシュートを決めると守備では相手のパスをスティールし、ルーズボールにダイブ。チームに流れを呼び込むと、さらにドライブでマーカス・ダブをかわし巧みにフィニッシュ。完全に勢いに乗った北海道は伊藤、トラソリーニの連携から野口大介のダンクが飛び出し同点。9-0のスコアリングランで追いすがると、アリーナの熱気は最高潮に達した。このまま流れに乗りたい北海道だったが、最終クォーターは両軍3ポイントシュートが1本も決まらない重苦しい展開に。京都はスミスを中心とした粘り強いディフェンスでゴール下を割らせない。膠着した状態の中、ディフェンスで我慢し続けた京都は伊藤達哉が一瞬の隙をつき絶妙なフローターシュートでダニエル・ミラーのブロックをかわし、残り1分43秒で68-73とリードを広げ、そのまま逃げ切った。京都が最終スコア71-73で激闘を制している。ジョシュア・スミス、圧巻の32得点14リバウンド接戦を落としたレバンガ北海道の水野宏太ヘッドコーチは、「オフェンスの部分で決めるべきところを決めきれずに自分たちからミスをして、相手に簡単に得点を与えてしまいました」と敗因を語る。オフェンスについては19得点を挙げた桜井も「オフェンス部分でいうと、トランジションが少なかったと思うので、もっとボールをプッシュして、展開を早くしていくことで、相手を疲れさせることはできたのかなと思います」と語る。この試合、北海道はファストブレイクポイントが7点と伸び悩み、京都のスミスを中心としたハーフコートバスケットに押し込まれる結果となった。接戦を制した京都は、スミスが32得点14リバウンドで試合を支配。13本中12本とフィールドゴール成功率が90%を超える圧巻の出来だった。また司令塔の伊藤達哉は10得点7アシスト4スティールの堂々たる活躍で、新人王有力候補の実力を見せ付けた。それでも接戦を制することができた最大の要因は、不屈の精神で食らい付く北海道にプレッシャーを掛けられ続けた試合終盤にも気持ちを切らすことなく、チーム一丸のディフェンスを続けられたこと。ジョシュア・スミスも試合後には自分のスタッツを誇るのではなく、「最後はみんなでディフェンスで頑張りきれたのが勝因」と語る。エースのジュリアン・マブンガが不在の状況で、東地区で奮闘する北海道に競り勝ったことは、この先に待ち受けるチャンピオンシップに向けて自信になるはずだ。2018/04/15Bリーグ&国内
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課題を修正したレバンガ北海道、栃木との接戦を制しチャンピオンシップ進出に望み1ポゼッション差を行き来する息詰まる攻防に栃木ブレックスとレバンガ北海道のゲーム2。チャンピオンシップを左右する直接対決とあって、文字通り一進一退の攻防が最後まで続いた。それでも栃木のファウルトラブルを機に攻め立てた北海道がリードチェンジ4回、同点になること12回のシーソーゲームを制した。第1クォーター、北海道がトランジションオフェンスから7-0と走り開始6分で15-8とリードするが、栃木も5つのターンオーバーを誘発した強度の高いディフェンスで立て直し、ジェフ・ギブスのインサイドプレーなどで19-20と追撃した。第2クォーター、竹内公輔がこの試合初となる速攻を決めて栃木が同点に追いつくと、得意の堅守速攻で8-0と走り逆転。それでも北海道は栃木の勢いに飲み込まれることなく、マーク・トラソリーニ、桜井良太の3ポイントシュートで立て直し、シュート精度で上回って再び逆転した。後半に入っても2ポゼッション以内の拮抗した展開が続く。栃木がショウディフェンスからのハードプレッシャーでターンオーバーを誘発すれば、北海道はマッチアップゾーンで得点源を封じる。強いて言えば、栃木は56.3%とフリースローが低調だったことが後の展開に響いた。ギブスのファウルトラブルを機に崩れた栃木その後もギブスのバスケット・カウントや折茂武彦の3ポイントシュートなど互いに譲らず、68-68と互角の状態で第4クォーターのオフィシャルタイムアウトを迎えた。ここまで続いた均衡が破れたのは残り3分36秒のこと。ギブスが4つ目のファウルを犯しベンチに退いたのがきっかけだった。ここまで25得点を挙げていたオフェンスの要を失い、さらにこのファウルで栃木のチームファウルは5に到達。インサイドでイニシアチブを握った北海道は、直後のオフェンスで栃木のディフェンスローテーションミスを見逃さず、トラソリーニのダンクで72-70と逆転。その後はチームファウルの優位を生かし、フリースローで加点していった。ライアン・ロシターにティップを許し、3点差と追撃され迎えた残り32秒、北海道はディジョン・トンプソンが時間を使い、自らプルアップジャンパーを沈め勝負を決めた。なおも栃木はファウルゲームを仕掛けるが、北海道はフリースローの得意な多嶋朝飛にボールを集め、その多嶋が残り18秒から得た6本のフリースローをすべて沈めて、83-77で逃げ切っている。前日の課題を修正し、ボールへの執念で栃木を撃破勝利した北海道の水野宏太ヘッドコーチは「昨日取られた20のオフェンスリバウンドを7に減らしたこと」を勝因の一つに挙げた。惜敗した第1戦ではオフェンスリバウンドで20-12と大きく水をあけられ、セカンドチャンスから19点を失ったが、第2戦では7-7とオフェンスリバウンドで互角に戦ったことが大きかった。最終クォーター残り3分を切った場面では、両チームともに多くの選手が一つのボールを追いかけコートにダイブ。結果的に桜井良太が競り勝ち、セドリック・ボーズマンのファウル判定となって、北海道はフリースローを得た。このシーンを振り返り水野コーチは言う。「フィフティーフィフティーの状況の中で、5人全員がルーズボールを取りに行く執念を見せた。そうした一つひとつの執念がプレーで体現されて勝つことができた」敗れはしたものの、随所でビッグプレーを連発した栃木の渡邉裕規は「ウチが勝つような試合内容でしたし、オフェンスで落胆する必要はそんなにない」とポジティブに試合を振り返った。それでも「トランジションディフェンスが良くなかったかな。良い時間を長く作ることができなかった。そこで勝ち切れないのは力がないということ」と敗戦を正面から受け止めた。これで北海道は栃木とのゲーム差を3に戻し、チャンピオンシップ進出に望みをつないだ。だが直接対決で負け越しているため、実質4ゲーム差と依然厳しい状況に変わりはない。それでも「コントロールできないものに関しては考えずに、一戦一戦戦っていかなくてはいけない」と水野コーチが言うように、目の前の試合にすべてを注ぐ気概で悲願のチャンピオンシップ出場を目指す。2018/04/08Bリーグ&国内
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トランジションオフェンス炸裂、千葉ジェッツが連日の100点ゲームで北海道を圧倒ビッグマンが走る千葉のバスケットが機能レバンガ北海道が千葉ジェッツを北海きたえーるに迎えた第2戦。前夜の第1戦はシーズン最多の103失点を喫する完敗、今日の第2戦はそれを上回る106失点を喫しての痛い連敗となった。勝負は立ち上がりで決したと言っていい。帰化選手のマイケル・パーカーを擁する千葉が有利なオン・ザ・コート「1」の第1クォーター、北海道は前日の関野剛平から松島良豪へスタメンを変更し、多嶋朝飛との2ガードで主導権を握ろうとするが、これが思うように機能せず。ギャビン・エドワーズ、アキ・チェンバース、パーカーが走り、さらには小野龍猛がポストプレーで変化を付ける千葉のバスケットに対応できない。打ち合いになっては千葉の勢いを止められない。北海道は第1クォーターからタイムアウトを2回使って立て直しを図るもうまくいかず、途中で0-13のランを浴びて10-31と大差を付けられた。オン・ザ・コート「2」の第2クォーターになってマーク・トラソリーニとディジョン・トンプソンを併用できるようになり持ち直すも、押し返すには至らない。第3クォーター終盤にパーカーがファウルトラブルとなり、北海道に付け入る隙が生まれたかに見えたが、控えビッグマンの荒尾岳が安定したプレーで綻びを見せない。ようやく反撃が始まったのは54-75でスタートした第4クォーターから。松島がインサイドにカットインするトンプソンやトラソリーニに合わせる攻めで得点のペースが上がるが、ディフェンスで千葉を止められない。得点しても、そのままアキ・チェンバースの速攻を浴びて取り返されるシーンが続き、点差を縮めることができなかった。「もっと自分たちから仕掛けなければいけない」千葉は20点前後のリードを保った終盤に主力を温存する余裕の試合運び。最終スコア106-88で完勝した。これで千葉は37勝12敗、アルバルク東京を上回って東地区の単独首位に立った。エドワーズはシーズンハイの30得点、アキ・チェンバースも同じくシーズンハイの24得点と2人で総得点の半分以上を叩き出す大活躍。フィールドゴール成功率は71本中39本で55%。走り勝ってイージーシュートの機会を多く作り出したことで高確率を実現した。北海道はスタメン変更が機能せず、フィジカルなディフェンスで止めに行ったがあっという間にファウルがかさみ、次の策を打てないまま大量ビハインドを背負った出だしの拙さが最後まで響いた。昨日が4015人、今日は4760人と多くの観客を集めたが、リーグトップクラスの強豪相手に力の差を見せ付けられる結果となってしまった。北海道の水野宏太ヘッドコーチは「昨日の試合と同じ流れになってしまい、序盤で失点が増えてしまったことが敗因」と語る。「もっと自分たちから仕掛けなければいけないし、今までと同じことをしていても結果は変わらないので、すべてのクォーターで精度の高いプレーを突き詰めて行きたい」今節、4位の栃木ブレックスが連勝を収めたため、ゲーム差は3に開いた。それでも次節は敵地での栃木戦。北海道にとってはチャンピオンシップ進出に向けて正念場となる。また今回は千葉に連敗を喫したが、まだ4月末に2試合を残している。それまでにチームとしてどれだけステップアップできるか。最後の千葉との連戦は順位関係なしに、チームの成熟度が問われる。2018/04/01Bリーグ&国内
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レバンガ北海道、破壊力抜群のオフェンスと変則ディフェンスを武器にA東京を撃破積極的に仕掛けるディフェンスで北海道が優位にアルバルク東京vsレバンガ北海道の第2戦。終盤に一度逆転を許すも、自慢の攻撃力で上回った北海道が87-81で前日のリベンジを果たした。立ち上がりは0-6と先行された北海道だが、その後は強度の高いディフェンスと素早いローテーションでA東京のオフェンスを封じる。野口大介のミドルシュートで10-10と追いつくと、その後も相手のターンオーバーを得点につなげていき、11-0のランで26-21とリードした。互いにオン・ザ・コート「2」の第2クォーターに入ると、連続でミドルシュートを沈めたディジョン・トンプソンの働きで北海道がリードを2桁に乗せる。点差を縮めたいA東京だが、一人ひとりの強度が高く、変則的なゾーンを併用する北海道ディフェンスの前に、ターンオーバーを連発し得点が伸び悩む。残り4分20秒には安藤誓哉がパスカットからワンマン速攻に持ち込むが、ブロックを警戒してこれを落とし、逆速攻を食らうなど波に乗れない。まるでデジャヴ、アンスポーツマンライクファウルで幕46-34とリードして迎えた後半、開始からアレックス・カークの連続得点、田中大貴の3点プレーとなるバスケット・カウントと0-7のランを浴び、流れがA東京に傾きかけるが、北海道は要所でマーク・トラソリーニや野口が3ポイントシュートを沈めて逆転を許さない。指揮官の水野宏太は「東地区1位のチームであるという姿をまざまざと見せつけられた。それでも流れを完全に渡しきらず、自分たちの流れに戻すことができたのが良かった」と第3クォーターの攻防を試合のターニングポイントに挙げた。それでもA東京は第4クォーターに一度は逆転する。7点あった点差をじわじわと詰め、田中大貴の3ポイントシュートで73-72とリードしたところでオフィシャルタイムアウトを迎えた。だが北海道はここでも踏ん張り、リードチェンジを繰り返す展開に持ち込んで、トンプソンを起点としたオフェンスで着実に得点を重ねていく。残り2分10秒に折茂武彦の3ポイントシュート、残り1分24秒にトラソリーニのレイアップと連続得点を奪った北海道が83-77と一歩抜け出した。A東京はファウルゲームに持ち込み点差を詰めていくが、81-85で迎えた残り16秒、ファウルに行ったジャワッド・ウィリアムズがアンスポーツマンライクファウルをコールされて万事休す。多嶋のアンスポで勝敗が決まった第1戦とは逆に、ウィリアムズのアンスポが決定打となり、この試合は北海道の勝利となった。「北海道のアグレッシブさ、意気込みを感じた試合」勝利した水野ヘッドコーチは「継続して向上していくことを目標にしていく中での勝利だったので、この勝利を喜びたい」と語る。「相手に横綱相撲をさせて、自分たちが押し合いで勝てるわけではない」とA東京との力の差を認めつつ、「特に前半は効果的にディフェンスで仕掛けられた」と、自分たちから積極的に仕掛けたディフェンスを勝因に挙げた。敗れたA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「過去にも2勝2敗、タフな試合を想定したがその通りになった。北海道のアグレッシブさ、意気込みを感じた試合でした」と勝者を称えた。「我々はソリッドに守るディフェンスのチーム。責任を持ってプレーし、チームディフェンスでカバーするスタイルだが、北海道のオフェンスを上回れなかった」と87失点を許したディフェンスを敗因に挙げた。激戦の東地区をリードするA東京だが、これで北海道には3勝3敗と勝ち越せず。東地区の首位をキープしているものの、千葉ジェッツに勝率で並ばれた。北海道は勝率5割をキープし、ワイルドカード2位でのチャンピオンシップ出場に望みをつないでいる。レギュラーシーズンは残り14試合、チャンピオンシップをめぐる戦いは、佳境を迎えている。2018/03/25Bリーグ&国内
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強いぞレバンガ北海道、チームバスケを見せ付け全員得点のおまけ付きで連夜の快勝攻守が噛み合い、前半で2桁リードを奪うレバンガ北海道vs西宮ストークスの第2戦。攻守ともに連動したチームプレーで西宮を上回った北海道が、今シーズン初の100点ゲームで快勝した第1戦に続き、89-60で連勝を収めた。オン・ザ・コート数は互いに「1-2-1-2」を選択。第1クォーター序盤、北海道は流れるようなボールムーブからシュートチャンスを次々と作り出し、得点を重ねていく。ディフェンスでも強度の高いディフェンスでイージーシュートを許さない。マーク・トラソリーニのブロックショットから野口大介のジャンプショットにつなげ、開始6分で13-4と突き放す。終盤に松崎賢人に3ポイントシュートを許すも、折茂武彦が速攻からレイアップを決めるなど優位を保った北海道が20-13とリードした。しかし、第2クォーターに入って西宮のアグレッシブなディフェンスにつかまり、このクォーターだけで6個のターンオーバー。キャメロン・リドリーにインサイドでの得点を許し、残り3分半で31-27と4点差まで迫られた。それでもここからディフェンスを立て直し、ターンオーバーからの逆襲で桜井良太のミドルシュートを決めて流れを呼び戻すと、多嶋朝飛の速攻などで8-2と締め、39-29と点差を2桁に乗せ前半を終えた。インサイドを強調する西宮の攻めを個で組織で封殺勝負が大きく動いたのは第3クォーターだった。西宮は得点源の谷直樹が不在で攻め手を欠き、インサイドを強調することで打開を図る。前日の第1戦ではペイントエリア内40得点と機能したが、北海道の対策が上回った。トラソリーニやダニエル・ミラーが1on1で高い守備力を見せ、さらに周りの選手も駆け引きをしながらダブルチームに行き、タフショットを誘発していく。結果、西宮は単調な1on1でシュートまで持ち込めず、ボールを戻してもズレは生まれず、ショットクロックがわずかなところからタフショットを打つオフェンスを強いられた。対照的に北海道はボールと人が連動したオフェンスを展開し、イージーシュートのチャンスを次々と作り出していく。残り3分7秒、松島良豪からペイントエリアに切れ込む折茂へパスが通り、ノーマークのゴール下を決めて56-35と点差を20に乗せた。第4クォーターを迎えた時点で63-38と勝負はほぼ決していたが、それでも北海道は攻め手を緩めない。新外国籍選手のディジョン・トンプソンが3ポイントシュートを含むすべてのシュートを成功させ8得点。松島の3アシストを筆頭にこのクォーターで8アシストを記録するなど、チームバスケを貫いた。西宮はドゥレイロン・バーンズが最終クォーターに12得点を奪い気を吐くも、すべてのクォーターで北海道に上回られた。結果、89-60で北海道が完勝している。債務超過も解消へ「より皆さんに愛されるクラブに」北海道はトラソリーニがゲームハイの20得点を挙げ、さらには出場した11人すべてが得点を記録した。また松島が9、多嶋が8アシストを記録。前日の30-17に続き、アシスト数で29-11と大きな差を付けた。そして2点シュートは44本中31本成功の70.5%と高確率。アシストからイージーシュートの機会を多く作ったことがチームバスケの完成度を物語る。水野宏太ヘッドコーチも「両日ともアシスト数が多かったのは、自分たちのやりたいバスケットができた結果。ディフェンスも最後まで集中できたし、成長を感じられた」と選手たちを称えた。試合の最後にはチーム代表を務める折茂武彦から、B1ライセンスのために必要な債務超過整理の目途が立ったことが報告され、会場のファンには涙を流して喜ぶ姿もあった。折茂は言う。「これまでの7年間、ブースターの皆様やスポンサーの方々にお金の心配ばかりかけてしまっていましたが、なんとか今期で目処がつく予定でありますので、これからもより皆さんに愛されるクラブになっていけるように頑張っていきます」これで北海道は21勝19敗となり、栃木ブレックスに通算成績で並び、サンロッカーズ渋谷にも1ゲーム差と迫った。チャンピオンシップを狙える位置に再び浮上した北海道にとっては、最高の夜となった。2018/03/07Bリーグ&国内
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逆境をプラスに変えるレバンガ北海道の折茂武彦「今後もっと楽しみになります」マイナス要素がある中で強豪を撃破レバンガ北海道は先週末のサンロッカーズ渋谷戦を1勝1敗で終えた。特に第1戦では最高のパフォーマンスを見せ、アウェーで完勝を収めた。チーム2番目の得点源だったグレゴリー・ウィッティントンを失ったにもかかわらず、アルバルク東京やSR渋谷といった強豪から勝ち星を挙げたことは後半戦を戦う上で大きな自信になった。チームのレジェンドである折茂武彦も、第1戦を終えてこんな発言をしている。「悪いことがあったにせよ、これを本当にプラスにとらえないといけない。こうやって渋谷さんに圧勝できましたけど、これでプラスアルファが自分たちにあると思えば、もっと上を目指せるし、可能性もあると思うのでプラスに考えてやりたい」このプラスアルファという部分はもちろん3人目の外国籍選手の存在だ。選手のリクルートについて「報告だけは受けますが、選手である以上は他の選手の評価もしないですし、リクルートも一切関与しません」という折茂だが、「外国人が一人いないので厳しい状況であるものの、言い訳にせず来れてるので、今後もっと楽しみになります」と逆境を追い風にとらえている。観客動員数が好調も「答えなんてない」先日Bリーグはマーケティングレポートを発表した。北海道は昨シーズンの平均入場者数が2796人(6位)だったが、今シーズンは平均3716人(2位)へ増加している。約1000人の観客増加は、伸び率では堂々の1位だ。社長の顔も持つ折茂に観客増の要因を聞くと「正直、答えなんてないんですよね」という言葉が返ってきた。「それをやれば集まるのかって言ったら集まらないわけじゃないですか。だから理由なんか分からない。今まで何をやってきたかを挙げて、それを会社のみんなで共有してそれを続けていくことが大切だと思います。我々は地元密着で、選手が休みの日に一緒にバスケやったり、給食を食べたり、子供たちのために活動したりいろんな活動をしています。それがようやく実を結んだと思います」過去のそうした活動の積み重ねが結果に表れていることは間違いない。だがBリーグになった今、そうしたファンへの活動などは他のクラブも少なからずやっている。ここまで他クラブとの伸び率が違うのは北海道という土地柄も大きいと話す。「あとはマスコミの方々の力は大きいです。北海道は独自の電波があるじゃないですか、番組も出させていただいて、言ってしまえばおじさんおばさんがみんな知ってるわけですよ。やっぱりテレビの電波に乗っかることは非常に大きいことなので、そういう空中戦だったり。でも地道にやっていかないとこうはならないので、これからも続けていくことが大切ですね」「大変なことはもう慣れたので(笑)」北海道は現在19勝17敗と勝ち越しているものの、東地区では最下位となっている。リーグ全体で見れば9位ということを考えれば、東地区がどれだけ激戦区であるかが分かる。川崎ブレイブサンダース、SR渋谷が東地区に移り、「当初は厳しいのかなという思いはやっぱりありました」と折茂も認めている。「日本人は変わらないにせよ、外国人を2人変えてどうチームが機能するかも分からなかったです。さらに言ってしまえばウチみたいなチームが、予算をたくさん使えるところと戦っていかなきゃいけない現状はちょっと厳しいと思っていました」それでも蓋を開けてみれば、「マーク(トラソリーニ)もしっかり機能してますし、ダニエル(ミラー)もしっかり踏ん張ってくれてるので今の順位があるのかと」と当初の心配は杞憂に終わり、周囲からも一目を置かれるチームへと遂げている。「想定内か想定外なのか分からないですけど、チームとしては非常に良い傾向にあると思います」と折茂は言う。その折茂は現役選手、球団の代表取締役、Bリーグ理事という3種の草鞋を履いている。「大変なことはもう慣れたので(笑)、何が大変なのかよく分からないんです」と苦笑を浮かべるも、この大役をこなす術を教えてくれた。「当然、経営のこともあるのでそこが土台になるものの、選手としての立場もあるのでそこはしっかり切り分けながらやります。そこでもBリーグの理事っていう立場になるので、リーグ全体のことも考えつつ。やっぱりみんな一緒にしないで一つひとつ分けてやっていくことがいいのかな、そうすれば引きずらないです」どんな逆境に見舞われても、北海道には百戦錬磨の折茂がいる。後半戦はまだ始まったばかりだが、北の雄はチャンピオンシップ進出を一つも疑わず、前だけを向く。2018/02/14Bリーグ&国内
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攻守が噛み合うレバンガ北海道、決めるべきシュートを決め同地区決戦で先勝&完勝攻守の相乗効果で第2クォーターを圧倒レバンガ北海道が敵地に乗り込み迎えた、サンロッカーズ渋谷との金曜ナイトゲーム。第2クォーターに攻守が連動したチームバスケットで主導権を握った北海道が90-64で完勝を収めた。序盤は17-16で北海道がわずかにリードと拮抗して迎えた第2クォーター、試合は大きく動いた。北海道はSR渋谷を上回るディフェンスの強度と執拗なディナイによりボール回しを停滞させた。大黒柱のロバート・サクレもマーク・トラソリーニの好守の前に沈黙し、前半をわずか2得点に封じられた。ディフェンスでリズムをつかんだ北海道は、オフェンスも活性化。スクリーンのタイミングや角度がばっちり決まり、ピック&ロールから簡単にズレを生み出し、オフェンス優位な状況を作り出す。松島良豪がノーマークのミドルシュートを確実に沈めて流れを作ると、トラソリーニが内外から得点を重ね11得点をこのクォーターで集中させた。水野宏太ヘッドコーチは「渋谷はもともとペイントを固めて外はある程度打たせてくれるディフェンスだった。その代わりリバウンドが強いので、ショートコーナーの松島のシュートだったり、苦しい場面の折茂(武彦)のシュートなど、自分たちが決めるべきシュートを決めきったところがこのシュート確率の高さにつながった。渋谷がディフェンスしづらい状況を作れた」と第2クォーターを振り返った。2ポイントシュートの成功率は渋谷の35.7%に対し、北海道は78.6%と大きく上回り、27-11とビッグクォーターを作り出した。ディフェンスは終始緩まず、要所を締めて完全勝利後半に入っても北海道のパフォーマンスは落ちず、開始1分で点差を20に乗せ、第3クォーター残り5分で58-29とダブルスコアまでリードを広げる。その後は山内盛久がボールをプッシュし、連続得点を奪って流れを変えかけた場面もあった。だが北海道はすぐにタイムアウトを要求。直後のオフェンスで折茂が老獪なテクニックで3ポイントシュートのファウルを誘発し流れを切ると、山内のマッチアップをディフェンスの得意な関野剛平に代え反撃の芽を摘んだ。こうした水野コーチの慢心のない采配も光った。第3クォーターを終えた時点で69-46、北海道が勝利をほぼ手中に収めた。最終クォーターもオフ・ザ・ボールの動きや1対1で負けないディフェンスなど、セカンドユニットも先発と遜色ないプレーを披露した。失点してもすぐに決め返し、SR渋谷に流れを渡さなかった北海道が、すべてのクォーターを上回る完勝を収めた。「セメントの中を歩いているような印象」北海道の良い面が際立った試合だけに水野コーチも相当な手応えを感じた様子で「良い」という言葉を連発。「良いエネルギーを持って高い強度でしっかりディフェンスをすることができ、その流れのまま良いオフェンスに持っていくことができた。良いディフェンスから良い速攻が出た」と試合を振り返る。「全員が得点を取って試合を終えることができた。自分たちは誰か一人に頼ることなくチームを作っていく方針、今日は数字でも出すことができ非常に良かった」と語り、トラソリーニの25得点を筆頭に全員得点での勝利に満足げな表情を浮かべた。一方、大敗を喫したSR渋谷の勝久ジェフリーヘッドコーチは「2018年最初のホームゲームでこんなみっともない試合をして、とても悔しいです」と暗い表情。勝敗を大きく分けた第2クォーターについてはこう語る。「プレーをやめる場面が多かったり、オフェンスでうまくいかなかった時にトランジションディフェンスが遅かったり、ディフェンスでギャンブルしてノーマークを作ったり、何一つ良いことがなかったです」リーグトップ3に入る堅守をこの試合では発揮できず、「ミスもありましたが、動き出しが遅かったり、セメントの中を歩いているような印象」と、最後まで厳しい言葉が目立った。敵地で同地区対決を制した北海道はSR渋谷とのゲーム差を2に縮めた。だが北海道はこれまで、アルバルク東京や川崎ブレイブサンダースなどの強豪に第1戦で勝利するも、連勝ができていない。熾烈な東地区での同一カード連勝は非常に難しいが、それができないと上には行けない。チャンピオンシップを目指す以上は、明日の第2戦を勝ち切れることが求められる。2018/02/10Bリーグ&国内
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堅守を軸に抜け目のなさが光ったアルバルク東京、北海道に完勝し前日の雪辱トランジションバスケで前半に大量リードレバンガ北海道vsアルバルク東京のゲーム2。ゲーム1では最終クォーターの得点をわずか6に封じられ67-73で敗れたA東京だったが、前半からアップテンポなバスケを披露し集中力を切らさず、90-61と前日の雪辱を果たした。序盤は互いに点を取り合い拮抗した展開が続く。だが残り4分を切り、田中大貴のフリースローで15-14とリードした場面から、A東京のトランジションオフェンスが牙をむく。タフショットを打たせ、ディフェンスリバウンドを取るとすかさずボールを前線に送り、正中岳城とブレンダン・レーンが連続で速攻を決めた。ディフェンスでも合わせのプレーを許さない。第2クォーター開始直後、A東京は再びトランジションから田中が2本連続で3ポイントシュートを沈め、リードを広げる。反撃に転じたい北海道だが、ブロックしたボールをマイボールにできない。ショットクロックギリギリでタフショットを打たせても、それを押し込まれるなど、ディフェンスは機能しているがそれが結果に表れない。速攻を防ごうとしたマーク・トラソリーニがアンスポーツマン・ライクファウルをコールされるなど、我慢の時間が長すぎてフラストレーションが溜まっていく。心を折るセカンドチャンスポイントと速攻46-28とA東京がリードして迎えた後半、菊地祥平のドライビングレイアップが決まり、開始1分で点差は20の大台に乗った。ホームの北海道は気持ちが切れず、粘り強いディフェンスで食らい付き、44-56と点差を詰める。だが今日のA東京は畳み掛ける爆発力が光った。アレックス・カークがオフェンスリバウンドからセカンドチャンスポイントを奪うと、正中がわずかなスペースから3ポイントシュートを沈める。また竹内譲次と正中が一瞬の隙から速攻を決め、第3クォーターラスト3分間で11-2のラン。20点差で最終クォーターを迎えた時点で勝敗はほぼ決していた。このクォーターのオフェンスリバウンドで10-1と大きく差をつけ、最後まで集中力を切らさなかったA東京が、結果的にすべてのクォーターを上回り、完勝を収めた。正中「自分がステップアップしないといけない」ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「北海道のディフェンスに対してピック&ロール中心に攻めましたが、1対1でアタックすること、周りが良いスペースで待つことを心掛けました。そして今日は良くシュートを決めてくれた」と勝因を語る。また「我々は層が厚いので10人から11人が常に全力でプレーして活躍する場を与えてます」とチームの特徴を説明。「ベンチメンバーがしっかり仕事をしてくれました」とセカンドユニットの活躍に満足げな表情を浮かべたように、レーンが16得点、正中が12得点を挙げている点も大きかった。その勝利の立役者のうちの一人となった正中はこう語る。「昨日の敗戦を受けて、誰かがステップアップしていかないといけませんでした。ケガ人が多い中で自分が出場時間を与えられたので、自分がステップアップしないといけないと思いました。正しいプレーをして勝ち切れて良かったです」北海道は終始素晴らしいディフェンスを見せたが、オフェンスリバウンドで5-18と大きく水をあけられ、セカンドチャンスポイントや速攻での失点がかさんだことがこの結果につながってしまった。同地区決戦は1勝1敗の痛み分けとなった。チャンピオンシップ出場を見据えると、激戦の東地区では特に直接対決での勝敗が大きな意味を持つことになりそうだ。2018/02/04Bリーグ&国内
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レバンガ北海道を引っ張るマーク・トラソリーニ「泥臭い仕事」で危機に立ち向かう激戦の東地区で健闘する北海道、攻守の大黒柱昨シーズンのレバンガ北海道は、残留プレーオフへ回ることは避けられたが、23勝37敗と黒星先行で終わった。シーズン終了後には日本人エースの西川貴之が退団し、さらには東地区に降格2チームと入れ替わりで川崎ブレイブサンダースとサンロッカーズ渋谷が編入された。これで東地区は北海道を除きチャンピオンシップに出場したチームとなり、苦戦が予想された。しかし実際は、シーズンの約半分を終えて17勝15敗。昨シーズンは早々に脱落したチャンピオンシップ出場権争いを続けている。この躍進には様々な要因があるが、その中でも一番の要素はマーク・トラソリーニの活躍だ。カナダ出身のトラソリーニは、カナダ人では史上最高のNBA選手と評されるスティーブ・ナッシュと同じサンタクララ大学で1年生から出番を獲得し、2年から4年にかけては中心選手として獲得。イタリアで2年、フランスで1年を過ごし、今シーズン開幕前に北海道へと加入した。開幕から3試合連続で20得点以上を挙げると、10月15日の川崎戦で22得点、11月17日のアルバルク東京戦で28得点と強豪撃破の立役者になるなど不可欠なエーススコアラーとなっている。「インサイドだけでなく、アウトサイドからでも同じように得点できるなど、攻撃面でいろいろなパターンを持っている」と自らの強みを語るように、トラソリーニの魅力は206cmのサイズがありながらゴール下だけでなく、スピードに乗ったドライブに3ポイントシュートと、リングから離れた位置からでも勝負できるビッグマンであることだ。それでも彼は「チームのシステムは素晴らしい。攻撃面において僕のやりたいことをやらせてくれるし、チームメートは僕がプレーしやすいようにボールを渡してくれる」と、自らの好成績は周囲の助けがあってこそと強調する。チームの危機にも「自分がやることはいつも同じ」それでも今、チームは苦しい状況に置かれている。トラソリーニと並び新加入で中心選手となったグレゴリー・ウィッテントンの契約解除、さらに故障者が複数出ている。前節の栃木ブレックス戦では、戦力が揃わない影響が出てしまい2試合連続で大敗を喫してしまった。トラソリーニは言う。「僕たちにとってタフな週末となってしまった。ディフェンスがひどくて多くの得点を与えてしまった。これはフラストレーションを感じることだけど、今は難しい状況にある。チームとして努力を続けて、なんとか乗り越えてたい」この危機にトラソリーニは「自分がやることはいつも同じだ。アグレッシブなプレーを続け、特に攻撃面では得点することでチームを助けていきたい」とエースとしての自覚を見せる。ただ、それは個人でチームを引っ張ることとは違う。「ディフェンスやリバウンドをより頑張りたい。例えば自分が1試合30得点を狙う必要はない。チームとしてステップアップし、スタッツに出ないような小さなことについても大切にしていきたい」と、得点だけでなく泥臭い仕事でもチームに貢献する意識を持っている。「ケガ人が戻ってくれば十分に戦っていける」不祥事にケガ人、そして最下位転落。前を向くのが難しい状況になっているが「特に同じ東地区の相手に勝つことが重要」とトラソリーニは闘志を燃やしている。「早く新しい外国籍選手が加入することを望んでいるし、ケガ人が戻ってくれば十分に戦っていける」と意気込む。まだシーズンは折り返したばかり、リーグ残留だけでなく、上位を狙えるチームへと次のステップに進めるのか正念場を迎えている。当然、トラソリーニにかかる期待は大きい。2月はA東京、SR渋谷、川崎と東地区の強豪との対戦が続く。当然、彼はアレックス・カーク、ロバート・サクレ、ニック・ファジーカスといった強力ビッグマンとマッチアップし、勝たなければならない。北海道が踏ん張り、さらに成長するには、より一層のトラソリーニの活躍が不可欠。重責ではあるが、ここを乗り越えることができれば北海道は胸を張ってB1の強豪と言えるし、トラソリーニはリーグ屈指の実力者と呼べるようになっているはずだ。2018/01/31Bリーグ&国内
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前日に続いてのオフェンス爆発、栃木ブレックスが北海道に連勝して5位に浮上北海道のサイズ不足を突き、オン「1」の時間帯に圧倒1月28日、栃木ブレックスが本拠地ブレックスアリーナ宇都宮でレバンガ北海道と対戦。第3クォーターに33得点とビッグクォーターを作るなど、オフェンス爆発により95-80で快勝した。これで昨年から続く連勝を7に伸ばした栃木は、北海道を抜いて東地区5位に浮上している。第1クォーター、ともにオン・ザ・コート「2」でスタートする中、北海道はマーク・トラソリーニ、ダニエル・ミラーの2人で計14得点をマーク。一方、栃木はジェフ・ギブス、ライアン・ロシターで先発。ギブスがファウルトラブルに陥るも、交代出場のセドリック・ボーズマンが奮闘する。第1クォーターは北海道が20-18とリードしたが、第2クォーターに入ると栃木が前半だけで11得点を挙げた遠藤祐亮の3ポイントシュート2本など確実に加点していく。その一方で野口大介を故障で欠くことで日本人4番のサイズ不足を抱える北海道は、第1クォーターとは一変しゴール下での得点が止まり、35-42と逆転されて前半を終える。そして第3クォーター、再びオン・ザ・コート「1」で栃木が優位に。オフェンスリバウンド6本とゴール下で主導権を握ると、さらに強度の高いディフェンスで北海道のミスを誘い、素早い攻守の切り替えから鵤誠司がこのクォーターだけで11得点と大暴れ。第3クォーター終了時点で75-52と大差をつけた栃木が、そのまま余裕を持って逃げ切った。勝利の立役者となった鵤「エナジーを持ってできた」結果的に栃木は、昨日の100点に続く95点とハイスコアを記録。ロシターの17得点を筆頭に、6人が9得点以上とバランスの良いオフェンスを展開するとともに、オフェンスリバウンド20本と自分たちの強みを発揮できたのが大きかった。勝利の立役者となった鵤は、「第3クォーターの出だし、最初に出ていた5人が良い流れを作ってくれ、それに自分も乗れたことで結果が出ました」と、第3クォーターの活躍について語る。そして、難敵揃いの東地区対決で連勝できたことの要因を「エナジーを持ってバスケができたことが、まず一番にあります。北海道さんもすごくエナジーを持ってプレーしていますが、それを上回れた時間帯が多かったのが勝因でした」と締めくくった。安齋竜三ヘッドコーチは、東地区最下位からの脱出について「やるべきことをしっかりやって積み上げていったものが結果として順位に反映された。まだまだ、後半戦始まったばっかりで、これからどういう状況になるか分からないですが、ポジティブにとらえて、チャンピオンシップへの道のりを目指してしっかりプレーしていきたい」と語る。さらに「一人ひとりが自分の役割をしっかり分かっている。チームとしてやるべきことが明確になり、それを全員が共通し、それに向かって一つひとつ積み上げられています。ただ、もっと共有できるところはあるので、そこでステップアップできればいいと思います」と、チームの成長に手応えを感じている。北海道は最下位転落、司令塔の多嶋「フワッと入った」同地区ライバル相手に痛い連敗を喫した北海道は、グレゴリー・ウィッテントンの契約解除、野口の故障欠場によるサイズ不足をカバーすることができなかった。14得点4アシストと奮闘した多嶋朝飛は、「我慢しながらの展開の中で、自分たちがディフェンス、リバウンド、ルーズボールと40分間相手を上回なければいけない中、第3クォーターの出だしでフワッと入ってしまった。これは誰が出ているとか関係なく、チームとしてすぐに修正しないといけなかったですが、できなかった。これから、こういった部分を改善しかないといけない」と反省点を語り、次週への巻き返しを誓っている。2018/01/28Bリーグ&国内
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