
『ドナルド・ベック』の検索結果
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オールスターで勢いに乗る富山に競り勝った新潟、チャンピオンシップへ一歩前進試合巧者ぶりが光った新潟、混戦を制して7連勝 勝率5割超えと前半戦好調の富山グラウジーズは、先週末の地元開催のオールスターの勢いに乗り初のチャンピオンシップ進出を目指し、新潟アルビレックスBBとのアウェーゲームに乗り込んだ。立ち上がりはジョシュア・スミスを軸にしたアグレッシブな攻めでリードを奪うが、開始4分でラモント・ハミルトンをあえてフリーにして『打たせた』はずの3ポイントシュートを決められ、9-11と逆転されたところから相手を勢いに乗せてしまう。 ファストブレイクを連発された後は、柏木真介、五十嵐圭に3ポイントシュートを浴びて13-29と一気に相手のペースに持っていかれた。それでもベンチから流れを変える阿部友和の連続3ポイントシュートで締めて、第1クォーターを19-29と10点差でまとめると、第2クォーターはダバンテ・ガードナー、ハミルトンと相手の外国籍選手にチャンスを与えず、ディフェンスから立て直して35-40、5点差までビハインドを縮めて前半を終えた。 すると後半開始早々、ガードナーが個人3つ目のファウルでベンチに下がりオフェンスの迫力を欠いた新潟に対して富山が逆転する。宇都直輝が作り出すズレをチームとして巧みに使い、スミスが抑えられた時もレオ・ライオンズがうまくフォローして効率良く得点を重ねていく。 それでも中地区首位を走る新潟はホームで負けられないと一歩も引かない。ファウルトラブルのガードナーがコートに戻っても攻守に本来の力強さを出せない状況で、五十嵐が積極的なアタックでスコアラーの役割を担う。試合の流れを読み、チームに必要な役割をこなし、しっかりと結果を出す五十嵐のプレーが試合の流れを変える。富山の指揮官ドナルド・ベックをして「今日は彼が試合を動かしていた」と言わしめるプレーだった。 また、五十嵐がタフショットを決めた直後のリスタートを柏木がかっさらって得点するなど、苦しい展開の中でもベテランが仕事をして流れを呼び戻したし、富山は最も勢いがある時に自分たちのミスで相手に付け入る隙を与えてしまい、両チームの試合巧者ぶりに差が出た。 ガードナーはファウルトラブルに苦しんだが、その分ベンチで休む時間があったために疲弊が少なく、第4クォーターの勝負どころでは呪縛が解けたようなプレーで得点にアシストに大活躍。逆に富山は終盤に打つ手がなくなり、最後のタイムアウトを取った残り3分17秒から無得点と失速。序盤の劣勢を耐えて流れをつかんだものの、最後は力及ばず71-80で敗れた。 五十嵐圭「目の前の試合に集中して戦っていく」 33分のプレーで4本の3ポイントシュート成功を含む21得点を記録した五十嵐は、この試合でB1個人通算での3ポイントシュート成功を300の大台に乗せた。それでも本人は「特に意識はしていませんでした」と淡々。「今まで同様、チャンスがあればシュートを狙っていくという中で、前半に良いシュートを打てて、その流れで2本目を決めることができました。ただ、結果として3ポイントシュートの確率はあまり良くなかったので、そこを上げていくのが今後の課題でもあります」 チームリーダーの五十嵐が見据えるのは、個人の記録ではなくチームの勝利、そしてチャンピオンシップ進出だ。「連勝もしていて、勝率的には勝ち星も先行していますが、個人的には目の前の試合を一戦一戦、戦っていくことを意識しているので、連勝だったり順位は気にせず、まずは、目の前の試合に集中して戦っていくことを考えていきたい」 これで新潟は7連勝。それでも成績上位のチームとは対戦しておらず、真価が問われるのはまだこの先だ。庄司和広ヘッドコーチは勝ってなお「出だしは準備通りにやれたが、セカンドユニットでエクスキューとがうまくできなかったり、プランから外れることがあった。チームのやるべきことに対し、もっと強い強度でやっていかなければ」と課題を語る。 それでも難しい試合展開の中で集中を切らすことなく、終盤の勝負どころでハドルを組んで結束を強め、チームバスケットで勝ち切ったところに今の新潟の強さが見られた。チャンピオンシップ進出へ向けて、勝負どころはまだ先だとしても、チームには手応えが感じられる。2019/01/24Bリーグ&国内
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辻直人が復活! 3ポイントシュート攻勢で圧倒した川崎が中地区上位対決を制す強みのオフェンスが停滞したことで崩れた富山 1月16日、川崎ブレイブサンダースがホームで富山グラウジーズと対戦。前半はともに点を取り合うハイスコアリングゲームとなったが、後半に守備を立て直した川崎が87-67で快勝している。また、川崎はニック・ファジーカスが22得点11リバウンド7アシスト3スティールとオールラウンドな活躍を見せると、故障から復帰となる辻直人の12得点など計5人が2桁得点。バランスの良いオフェンスが光った。 第1クォーター、川崎はこのクォーターだけで11アシストが示すようにテンポ良くパスを回すことで富山の守備を翻弄し、さらにフィールドゴール16本中13本成功と驚異的な高確率でシュートを決めていく。しかし、富山もジョシュア・スミスの4つを筆頭に計8つのオフェンスリバウンドとセカンドチャンスを作り出すことで食い下がり、川崎の28-20でこのクォーターを終えるも、第2クォーターに入ると富山はターンオーバー奪取から水戸健史がファストブレイクからのレイアップを2本沈めて流れを引き寄せると、大塚裕土の3ポイントシュートも飛び出し肉薄する。 前半はほぼ互角の展開で終わったが、第3クォーターに大きく試合が動く。富山はドナルド・ベックヘッドコーチが「後半の出だし、ディフェンスは良かったですが、オフェンスがうまくいかなかったです。これがゲームのターニングポイントでした。シュートセレクションも悪くフリースローも打てなかったです。前半はフリースロー10本だったのが、第3クォーターは0本でした」と振り返るように、富山は強みであるオフェンスが停滞したことで崩れていく。 そして、この相手の隙を川崎は逃さない。第1クォーターの再現となるバランスの良いオフェンスを展開して着実に得点。逆に富山はスミス、レオ・ライオンズの外国籍コンビの得点のみと対照的な内容となり、このクォーターで川崎が22-12と圧倒して突き放す。第4クォーターに入っても富山は攻撃のリズムを取り戻せず。そのまま川崎が危なげない展開で乗り切った。 リバウンド改善で後半の失点わずか25に 川崎の北卓也ヘッドコーチは、「リーグ1の得点力である富山さんを相手に67点に抑えました。後半のディフェンスが良かったと思います。ライオンズ選手の調子が悪かったとはいえ、起点となるところをしっかり抑えられました」と守備を第一の勝因に挙げる。 後半の失点をわずか25に抑えられたのは、リバウンドへの姿勢の改善によるものだと見ている。「スミス選手に4番の選手がトラップに行っており、そこでアウトサイドの選手がリバウンドに行くのに、うまくローテーションができていない時があった。それでリバウンドを取りきれない部分がありました。また、4番がトラップに行った後、リバウンドに参加していない現状も起きていたので、そこは全員で取りにいこうと伝えました」 また、ベックヘッドコーチが「ターンオーバーから相手のトランジションオフェンスに持っていかれたのが大きな敗因となりました」と語ったように、ファストブレイクポイントで川崎の22-6と大差がついたことも明暗を分けた。 最後に印象的な場面として、川崎が残り2分に注意力不足から相手ゴール下からのパス1本で点を取れてしまった後、北ヘッドコーチがすぐにタイムアウトを取った点を紹介したい。この時、川崎は20点の大量リードを奪っていてすでに勝敗は決しており、通常ならタイムアウトを取るような場面ではなかった。 しかし北は、「得失点のことがあります。富山さんとは今日の試合前、直接対決は2勝1敗で勝っていましたが、得失点で負けていました。終盤に順位争いでもつれた時、得失点も絡んできますので、最後までしっかりプレーしなさいという話をしました」とその意図を明かす。シーズン後半戦に入り、いよいよチャンピオンシップへの順位争いを見据えた戦いへと突入する時期になっていることをあらためて実感する指揮官の発言だった。2019/01/17Bリーグ&国内
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攻守が噛み合い充実するシーホース三河、好調の富山を押し切って連勝を7に伸ばすビッグラインナップを圧力を掛けて主導権を握る シーホース三河がウィングアリーナ刈谷に富山グラウジーズを迎えた第2戦、前日に続き攻守が噛み合った三河が富山を退け、開幕5連敗から一転しての連勝を7に伸ばした。 立ち上がりは両チームともディフェンスを強調し、満足なシュートの形を作らせずに開始4分で三河の3-2と重い展開に。それでもここから金丸晃輔が2本の3ポイントシュートを含む3連続得点、たまらず富山がタイムアウトを取るも、今度は桜木ジェイアールがインサイドを突いて得点。ここで一気に流れを引き寄せるべく、三河は先発の加藤寿一に代えてジェームズ・サザランドを投入し、アイザック・バッツ、桜木との『実質オン3』に。これで富山の攻め手を潰し、サザランドの速攻からのダンクが飛び出し、最後は金丸がミドルシュートをねじ込んで18-11で第1クォーターを終えた。 それでも第2クォーターは富山が流れを引き戻す。船生誠也と阿部友和の連続3ポイントシュートでスタートすると、少しでも間を空けたらシュートを決めてしまう絶好調の金丸に対し、一瞬も隙を作らないタイトなディフェンスで沈黙させる。本来なら攻めの核になるジョシュア・スミスが三河のオン3に対して、ベテランの山田大治とともに守備で奮戦。レオ・ライオンズのセカンドチャンスポイント、船生の速攻が立て続けに決まり24-21とリードを奪った。 ここで三河はオン3を止めて桜木とサザランドのインサイドへと切り替える。富山はこれに合わせてスミスを休ませるが、ライオンズと山田のインサイドでは三河を止められなかった。サザランドが自由自在のアタックで連続得点、37-30と一気に突き放して前半を折り返した。 金丸は連日の30得点超え「気持ち良かったです」 迎えた後半、富山は第2クォーターに細心の注意を払って抑えた金丸を再び自由にしてしまう。第3クォーター残り7分半、久々にフリーで打てるチャンスを逃さず3ポイントシュートを沈めた金丸は、残り4分半から2ポゼッション連続で3ポイントシュートを決め、その直後にはバッツのイージーシュートをアシスト。桜木のゴール下の得点を挟み、また2本連続で3ポイントシュートを沈める大当たり。このクォーター5本の3ポイントシュート成功、そのうち4本は狩俣昌也のアシストであることも見逃せない。富山が警戒しているにもかかわらず、チームとして金丸をフリーにし、そこを逃さずボールを託す。対する富山は追い付こうと慌ててしまい、自らタフショットを選んで自滅。三河は狩俣が3ポイントシュートで29得点のビッグクォーターを締めた。 66-49で始まった最終クォーターも気を緩めることなく、オフィシャルタイムアウト直前にバッツが速攻からダンクをブチ込んで勝負アリ。三河が91-72と完勝している。 鈴木貴美一ヘッドコーチは開幕から5連敗を喫した時期を「それぞれが自分で何とかしようと個人技に走っていた。今はスタッツを見てもアシストが多く、パスを回している。我々は過去にたくさん勝っているチーム」と振り返る。「5連敗は良い刺激になった。勝ったことがないチームには勝ちが薬になるが、勝っているチームは負けが薬になる」とチームの成長を語った。 昨日は3ポイントシュート8本を決めて31得点を挙げた金丸は、今日は同じく3ポイントシュートを8本を決めて33得点。「気持ち良かったです」と笑顔を見せつつも、「チームでうまくチャンスを作ってくれたおかげ。僕はスクリーンを使ってオープンになり、もらったチャンスに打っているだけです」と、あくまでチームオフェンスの仕上げを担ったことを強調した。 一方、敗れた富山のドナルド・ベックヘッドコーチは、「三河のビッグラインナップに対抗できるのはリーグにも数チームしかいない。それは帰化選手がいるチーム」と、今シーズンから導入された外国籍選手の起用ルールに頭を抱える。富山はこれで7勝5敗。5敗のうち3つは三河相手に喫したもので、同じ中地区で苦手意識を持つことは今後を考えると厳しいところ。プレーオフに進出するチームになるために、クリアしなければならない課題に直面している。2018/11/04Bリーグ&国内
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富山で輝く阿部友和、チームのポテンシャルに自信「僕たちを止めるのは不可能」千葉での「ディフェンスだけのイメージ」からの脱却 阿部友和はキャリア11年目を富山グラウジーズで迎えた。まだ開幕から4試合を終えただけではあるが、約15分間のプレータイムで平均6.5得点を記録する上々のスタートを切った。彼自身も「自分の色をもっと出せる自由さがこのチームにはあると思っています。ノビノビやらしてもらっています」と手応えを感じている。 千葉では富樫勇樹、西村文男に続くポイントガードの3番手という立場。2人が攻撃で光るものを持つ選手である分、阿部はディフェンスから立て直したい時の選択肢となり、その仕事ぶりは十分にリスペクトされていたが、プレータイムは年々減少していた。「千葉ではディフェンスだけのイメージがあったと思います」と阿部は言う。「オフェンスも行けるイメージがもともとはあったはずなので、それを復活させたい。チャレンジですね」 阿部を含め、今シーズンの富山は8人の選手が入れ替わった。またドナルド・ベックが新たなヘッドコーチとなり、昨シーズンとは全く違うチームへと変貌を遂げた。 指揮官ベックが阿部に求めるのはゲームコントロールだ。「試合を落ち着かせて、僕が出ている時はみんなを同じページに立たせたい」と阿部は言う。『同じページ』とはチームケミストリーのことを指す。新外国籍選手のジョシュア・スミスやレオ・ライオンズ、日本人エースの宇都直輝など、実力も個性もあるメンバーたちを、同じ方向に向けさせるのが阿部の役割だ。 まだ4試合だが、3ポイントシュートや切れ味鋭くフィジカル負けしないドライブなど、すでにオフェンス面での強みは披露している。「僕のドライブはコントロールの中に入っている」と阿部が言うように、ただパサーに徹するのではなく、自ら仕掛けることで相手の的を絞らせないようにして、試合を支配しようとしている。 強豪になるために必要なエナジーの安定感 開幕節の横浜ビー・コルセアーズ戦に連勝と、幸先の良いスタートを切った富山だが、先週末の栃木ブレックス戦では連敗を喫した。それでも第1戦では大敗を喫するも、第2戦では終盤に逆転するなど、チームが持つポテンシャルは示した試合だった。 100点ゲームで敗れた第1戦に比べ、特にディフェンス面に進歩があり、「ディフェンスのエナジーが違った」と阿部は言う。だがそれに続いて「接戦になり、勝てそうな試合だからエナジーが上がっているようじゃ強いチームにはなれない」と、勝ちに慣れた千葉にいたからこその言葉が出てきた。 事実、強豪チームは総じてディフェンスが安定している。シュートは水物でありタッチに左右されるが、ディフェンスに調子の良し悪しは存在しない。どんな試合でも40分間、集中力を切らさずにエナジーを保つことは簡単ではないが、その波をいかに減らすかが今後の課題となる。 富山は連携面やディフェンスに問題を残しながらも、栃木を最後まで追い詰めた。スミスのインサイドやライオンズの1on1、宇都のトランジションや万能性。今はまだそれぞれが孤立しているかもしれないが、これが一つの形を成した時の破壊力はリーグ屈指のものになるはず。阿部も「これからハマってくれば、本当に僕たちを止めるのは不可能になると思います」とチームが持つポテンシャルに自信を見せた。 水を得た魚のように、ノビノビとプレーする阿部。「このチームをもう1ランク上げたい。シーズンが終わった後の結果で見せたい」というチャレンジの推移に注目したい。2018/10/16Bリーグ&国内
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消耗戦に持ち込み、クラッチタイムに優位に立った栃木が富山との混戦を制す重い展開に持ち込んだ富山が前半をリード 栃木ブレックスが富山グラウジーズをホームのブレックスアリーナに迎えた第2戦。終盤に追いつかれるも、走り合いに持ち込んで上回った栃木が85-80で勝利を収めた。 立ち上がりは持ち味のディフェンスが機能し、トランジションバスケットに持ち込んだ栃木が先行するが、第1クォーターだけで14本のフリースローを獲得するも7本の成功に留まり突き放すチャンスを逸する。その間にレオ・ライオンズの個人技を止められなくなり、逆点を許した。 第2クォーターに入ると、ジョシュア・スミスを起点にした富山が流れをつかむ。栃木はスミスにボールが入った瞬間にダブルチームに行くが、富山はパスアウトからノーマークを作って水戸健史、大塚裕土が3ポイントシュートを沈めリードを広げた。 それでも後半に入ると栃木のトランジションオフェンスが爆発する。ディフェンスのギアを上げてターンオーバーを誘発すると、すかさず速攻に持ち込む。開始1分、トランジションからアウトナンバーを作り、ライアン・ロシターの3ポイントシュートで逆転した。 その後も速い展開を貫く栃木はハーフコートバスケットにもリズムが生まれ、怒涛の攻撃を披露。オフェンスを牽引した田臥がこのクォーターだけで5得点5アシスト、フィニッシャーとなったロシターが20得点を記録し、このクォーターを34-19と圧倒した。 終盤に逆転を許すも、渡邉のクラッチシュートで幕 だが最終クォーターを迎えると、富山が粘りを見せる。スミスが栃木の執拗なダブルチームディフェンスにアジャストすると、パスアウトから優位な状況を作り出す。大塚の3ポイントシュートや阿部友和の3点プレーとなるバスケット・カウントで勢いに乗ると、スミスがオフェンスリバウンドを押し込み2点差に詰め寄ってオフィシャルタイムアウトを迎えた。 良い形を作ってもシュートがリングに嫌われて得点が伸びない栃木を富山が猛追する。残り2分20秒、ライオンズがフローターシュートを決めて、富山が土壇場で75-73と逆転に成功した。 だが、ここで栃木は崩れなかった。素早いボール回しとリングへのアタックからノーマークを作り、ロシターが3ポイントシュートを沈める。ライオンズのフリースローで再び逆転されるも、ここで田臥のアシストから渡邉裕規が値千金の3ポイントシュートを沈めてリードを奪った。 そして残り32秒、クラッチタイムで抜群の勝負強さを見せる渡邉がプルアップジャンパーを沈め、81-77としたところで勝負アリ。栃木はファウルゲームも乗り切って連勝を収めた。 終盤の出来を分けた第3クォーターの走り合い 終盤に逆転を許すも、最後の最後で勝ち切った要因を栃木の安齋竜三ヘッドコーチはこのように語った。「前半は重い展開になってしまったが、第3クォーターで走り合いになった。点の取り合いでいいからどんどん走って、最終的に体力的に勝ればいいという展開。それが最後の局面でのディフェンスとオフェンスにつながったと思う」 34点を奪った第3クォーターの怒涛の攻撃が、スコア上の貯金だけではなく、最終盤のパフォーマンスにつながったということだ。 一方、敗れた富山のドナルド・ベックヘッドコーチは「昨日よりも正確に自分たちのバスケットをやっていたし、リバウンドのアドバンテージがあったことには満足している。ただターンオーバーから自滅してしまった」と総括した。それでも「今日のように集合体になれれば良いチームになっていける。チームとしてはステップアップする良い機会になった」と前を向いた。 これで栃木は開幕から無傷の4連勝を記録。だが次節は3連勝中の前年度王者、アルバルク東京との一戦を迎える。「規律があるチーム。ピック&ロールが多く、そこをどう守るかというところで去年から苦労している」とA東京の印象を語った安齋コーチは「守り方を徹底してウチのバスケットをしたい」と抱負を語った。2018/10/14Bリーグ&国内
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富山グラウジーズを率いてBリーグに挑むドナルド・ベック「富山を常勝チームに」Bリーグになって2年連続で残留争いを演じた富山グラウジーズ。B2陥落こそ免れてはいるものの、Bリーグ3年目は上昇に転じなければならない。そんなクラブ首脳陣の意気込みは、ドナルド・ベック招聘という形に現れた。2010年から日本で指揮を執り、トヨタ自動車アルバルクをリーグ優勝に導き、トヨタ自動車アンテロープスを強豪へと成長させた実績の持ち主が、富山を束ねることになった。 「3つの方程式をしっかり遂行できれば勝てる」 ドナルド・ベックは8月6日に実施した就任会見で「富山を常勝チームにしていきたい。まず練習からそれをモットーにしてやっていきます」と、自らのビジョンを力強い言葉で語った。 ベックが率いてきたのはトヨタ自動車の男子チームと女子チーム、大企業に支えられた強豪だ。対する富山は地方のプロクラブで、そんなチームを率いてのBリーグ参戦は彼にとっても大きなチャレンジとなる。「bjリーグでは勝ち星も多かったですが、Bリーグになってからはタフなシーズンを送ってきました。この2シーズンは何とかB1に残る感じでしたが、それよりもっともっと上を目指したい。ゴールとしてはプレーオフ進出が目標です。高い目標ではありますが、ケガがなければ、選手が私のスタイルを学びフィットしてくれれば、必ず果たせると思っています」 ベックのバスケットはどういったものか。コンセプトとなるのは、ディフェンス、リバウンド、オフェンスのエクスキューション(遂行力)だ。「日本で8年間コーチングしていますが、ファイナルに5回行き、2回チャンピオンになっています。自分から見るとディフェンスもリバウンドもオフェンスのエクスキューションも3本の指に入っていました」 トヨタと富山では選手層が違うが、ベックは「興味深いロスターです」と託された戦力への期待を強調する。選手だけでなく新しいスタッフも入ります。すべてが新しく生まれ変わるのです」 まだ外国籍選手が合流しておらず、練習も始まったばかりの状況で詳細は語らなかったが、「3つの方程式をしっかり遂行できれば勝てると選手には説明します」とベックは言う。 成長した宇都がベックと再会、2人の関係性がカギに この夏、エースの宇都直輝、大塚裕土と水戸健史のコアを残して富山のロスターは刷新された。どのチームでも先発を任されるだけの実力を持つ船生誠也、阿部友和。経験豊富な日本人ビッグマンの山田大治と比留木謙司。Bリーグで実績のあるジョシュア・スミスとレオ・ライオンズ。即戦力を続々と迎え入れることで、ロスターは充実し、なおかつバランスも取れたものとなった。 それでも、新たなチームでキーマンとなるのはやはり宇都だろう。2015年夏まで、宇都がアーリーエントリーでトヨタ自動車に加入した年とその次のシーズンにヘッドコーチを務めていたのがベックであり、3年の時を経ての再会となる。「トヨタにいた時もすごく興味深い選手、有望な選手で、大学時代も日本人のガードとしてちょっと違う技術を持っているという印象でした。富山で会ってすごく成長していることが感じられました」とベックは宇都を評価する。 「修正してもらわなければいけない部分もあります」と、自分のバスケットスタイルに組み込む上で課題があることを指摘するとともに「自分のシステムを分かっている宇都がいるのは助けになる」と信頼も見せている。この2人がどのような関係を築くのかが、富山の新シーズンを大きく左右しそうだ。 気になる点を一つ挙げるとすれば、ベックはロスター全員でプレータイムをシェアする全員バスケをモットーとすること。宇都は過去2年間、チームに不可欠な選手としてコートに立ち続け、昨シーズンはプレータイムがリーグ最長の34分半となった。過酷な起用に応えて結果を出し、日本代表に定着するまで評価を高めた宇都が、20分から25分前後にプレータイムを制限されるとなれば、昨シーズンのようなスタッツは残せないかもしれない。指揮官が代われば起用法や求められるプレーが変わるのは当然のこと。そこで宇都がこれまで通りの力を発揮できるのか。そこも大きなカギとなる。 「勝ちがあってこその楽しみ」と勝利を強調 しかし、宇都がいくら目立っても過去2年はB1残留争いを演じたチーム。ここから飛躍するには変化が必要だ。「選手もそうですが、やっぱり勝利がほしい」とベックは言う。「私は65歳で35年間コーチ業をやっています。これはすごく難しいことで、チャレンジです。時間がかかることではありますが、自分もアシスタントコーチもすべてのスタッフが勝利をつかめるように一番の準備をしてシーズンに挑みたい。それは選手へのメッセージでもあり、ファンの皆さんへのメッセージでもあります」 どのチームも勝利を目指して切磋琢磨する状況、昨シーズンの18チーム中15位からスタートする富山で勝利を確約するほどベックは甘くない。しかし、難しいチャレンジであることを示しつつも、プロフェッショナルのコーチとして結果を出すために全力を尽くすことを誓う。 「勝てるプログラムを作る、そこを重点的に頑張っていきます。目標を成し遂げるためには時間も少し必要ですが、時間がかかると言ってもこのシーズンにしっかり成功を収めたいと思います。1年だけでなく、1年成功したら次の年も、また次の年もと連続して成功していきたい。できるだけ早くトップに上がりたいです。ただそれはチャレンジになります」 「スポーツというのはなかなか面白い仕事です。保証というのがまずない世界なので。それでも皆さんに約束するのは、自分自身がハードワークして一生懸命に選手を鼓舞し、しっかりと準備をしてゲームに臨みます。私のプランは一生懸命プレーすること、賢くプレーすること、そして楽しむことです。最後の『楽しむ』は勝ちがあってこその楽しみだと思っています」 チーム全員が集まって練習を重ねなければ『ベックの富山』の具体的な形は見えてこない。それでも経験豊富な指揮官は、誰よりも勝利にこだわり、富山での野心的なチャレンジに取り組む。2018/08/10Bリーグ&国内
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10月7日開幕のWリーグが開幕記者会見を実施、JX-ENEOSサンフラワーズ吉田亜沙美は「1試合1試合勝つことを意識して」過去最長のレギュラーシーズン&コンパクトなプレーオフ今週末の10月7日に開幕するWリーグが会見を開いた。新シーズンは1ラウンド制を採用、レギュラーシーズンは12チームによる3回戦総当たり制という過去最長のものとなり、上位8チームによる1戦先勝方式プレーオフを実施する。参加チームは前年と変わらず、JX-ENEOS、トヨタ、デンソー、シャンソン、富士通、三菱電機、トヨタ紡織、東京羽田、アイシンAW、日立ハイテク、新潟、山梨の12チームとなる。初参戦となった昨シーズンに27戦全敗で最下位となった山梨クィーンビーズ。水上豊ヘッドコーチは「すべてのチームがクィーンビーズよりもあらゆる面で上で、胸を借りるつもりで戦うが、『勝ち』にこだわって応援してくれる皆さんに少しでも早く1勝をプレゼントしたい」と抱負を語った。その山梨は9連覇中の『女王』JX-ENEOSをホームに迎えて開幕戦を戦う。昨シーズンはファイナルに進出したトヨタ自動車アンテロープスは今オフに大型補強を行っており、ドナルド・ベックヘッドコーチは「うまくミックスして統合してやれるよう努力しているところです」と語る。「オールジャパンだったりプレーオフの時までに、決勝に進めるような強いチームを作っていくこと。もちろん優勝も達成したい」と目標を語った。10連覇を目指すJX-ENEOSサンフラワーズは、日本代表を率いるためにチームを離れたトム・ホーバスに代わり、佐藤清美がヘッドコーチに再任。「連覇したことは横に置いといて、今シーズン選手スタッフがどれだけ集中してゲームに臨むのか。前任のホーバスが非常に選手に厳しかったので、私がそういう厳しい仕事ができるかっていうのも課題だと思います」と抱負を語る。JX-ENEOSの吉田亜沙美キャプテンは「ベースはかわらずディフェンスからブレイクていうアップテンポなバスケット。一瞬の隙も見せずに1試合1試合徹底して、佐藤ヘッドコーチのバスケットの40分間徹底して展開することが必要だと思います。10連覇をあまり深く考えずに1試合1試合勝つことを意識してやっていければ」と、10連覇ではなく『今シーズンの優勝』を目指すと意気込んだ。2017-18シーズンは新たに公式戦全試合をインターネット放送『W-TV』にて無料配信。A代表がアジアカップ制覇、U-19代表はワールドカップ4強、そしてユニバ代表は銀メダル獲得と、代表の各カテゴリーが躍進したこの夏。Wリーグのさらなる盛り上がりに期待したい。2017/10/02Bリーグ&国内
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トヨタ自動車が超大型補強を敢行! 長岡萌映子、三好南穂、馬瓜エブリン、ヒル理奈を加え、目指すは『打倒JX-ENEOS』移籍の少ないWリーグにおいては異例の大型補強を連発トヨタ自動車アンテロープスが大きく生まれ変わろうとしている。矢野良子(3x3に転向)、久手堅笑美(現役引退しサポートコーチに)といった長くチームを支えたベテランが退団する一方で、ヒル理奈、馬瓜エブリン、長岡萌映子、三好南穂の4選手の加入を発表した。選手の移籍が活発ではないWリーグにおいては異例の動きだ。長岡萌映子は23歳、これまで富士通のエースとして活躍したきたものの、昨夏のリオ五輪は不完全燃焼に終わった。昨シーズンも富士通を牽引できず、この夏に新天地を求めることに。現在は日本代表の一員としてヨーロッパ遠征中。移籍が決まって精神的に吹っ切れたのか、昨夜に行われたマケドニアとの国際親善試合ではドライブに3ポイントシュートにと大暴れ、チームハイの21得点で勝利に貢献している。三好南穂は長岡と同じ23歳。シャンソンの司令塔として活躍し、リオ五輪にも吉田亜沙美、町田瑠唯に続く第3のポイントガードとして短いプレータイムながらも存在感を発揮。今シーズンは3ポイントシュート王に輝くも、チームはベスト4止まりだった。22歳の馬瓜エブリンはアイシン・エィ・ダブリュのエースとして活躍していたが、長岡や三好と同じくより高いレベルでのプレーを求めて移籍。妹の馬瓜ステファニーもこの春に桜花学園を卒業してトヨタ自動車に加入しており、このタイミングで揃ってプレーすることになった。24歳のヒル理奈は、桜花学園を卒業後にアメリカに渡り、ルイジアナ州立大学でプレーしながらWNBA入りを目指していたが、帰国してトヨタ自動車への加入を決断。トヨタが掲げるチームバスケットを体現できるガードで、Wリーグではルーキーとなるが即戦力の期待がかかる。キャプテンの大神雄子、リオ五輪で主役を演じた栗原三佳と近藤楓、急成長を遂げた水島沙紀を擁してファイナルに進出した昨シーズンのチームが、今回の補強で大幅に強化されることになる。新加入の4人はいずれも代表クラスであり、まだこれから成長が見込める若い選手。もちろん全員がレギュラー候補となる。Wリーグ開幕は10月7日とまだ4カ月先だが、その前にはチーム内での強烈なポジション争いが行われるはずだ。トヨタ自動車の男子チーム、アルバルク東京を率いたドナルド・ベックが指揮を執るようになって2年、チームは急成長を続けている。昨シーズンは大きな補強がないにもかかわらずファイナルに駒を進めた。大型補強を実施して狙うは、もちろん『女王』JX-ENEOSを超えることだ。単に強いだけでなく、鉄壁のチームワークを誇るようになったトヨタ自動車。新加入の4人がチームの雰囲気に触発され、心機一転でまた一回り成長しすることを願いたい。2017/06/05Bリーグ&国内
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トヨタ自動車アンテロープスの果敢な攻守にリズムを狂わされるも、JX-ENEOSサンフラワーズが『女王』の貫禄でまずは1勝激しい当たりで渡嘉敷を封じ、攻守に走るトヨタが大健闘Wリーグのプレーオフ・ファイナル第1戦が行われた。レギュラーシーズン全勝の『女王』JX-ENEOSサンフラワーズと、レギュラーシーズン20勝7敗で2位のトヨタ自動車アンテロープス。試合前の予想ではJX-ENEOSの優位は揺るがなかったが、試合は思わぬ立ち上がりを見せる。トヨタはスピードと運動量でJX-ENEOSを上回り、攻守ともにアグレッシブなプレーを見せる。JX-ENEOSとしては極めて珍しいことに、相手の勢いに押されてしまう展開に。エースの渡嘉敷来夢は馬伊娜や森ムチャの激しい当たりに苦しみ、司令塔の吉田亜沙美もいつものアグレッシブさを出せない。トヨタは第1クォーターから目まぐるしくメンバーを入れ替えて運動量をキープする。間宮佑圭がポストプレーとゴール下のシュートで繋いでリードを保つが、トヨタの作戦勝ちという面が強い序盤だった。それでも第2クォーター終盤、渡嘉敷に当たりが出始める。2度のオフェンスリバウンドを奪う波状攻撃でジャンプシュートを決めると、ゴール下の合わせでイージーシュートを決めて34-24と点差を2桁に広げる。ただ、流れがJX-ENEOSに傾くと思われたところで、栗原三佳のこの試合2本目の3ポイントシュート、その直後には久手堅笑美のワンマン速攻が飛び出し、36-29。トヨタの善戦が目立つ前半だった。同じアーリーオフェンスで両チームの明暗が分かれる第3クォーターもトヨタの踏ん張りが目立つ展開からスタートする。スクリーンプレーや素早いパスワークにもしっかりと足を使って食らい付き、集中を切らすことなくズレを埋めてイージーシュートの機会を与えない。水島沙紀が3ポイントシュートを決めれば直後のポゼッションで岡本彩也花が決め返すなど、両者一歩も引かない攻防に。その均衡を崩したのは吉田のタフショット気味のジャンプシュートだった。46-43と1ポゼッション差に迫られたところで、それまで無理にシュートを選択せずパスに徹していた吉田の一発が飛び出すと、ここからはトヨタ以上の厳しいディフェンスで失点を許さず、13-0のランで一気に突き放す。トヨタも最後に持ち直して59-49と10点差で最終クォーターに入るが、ここからJX-ENEOSが再び走る。ビハインドを埋めようと攻め急ぐトヨタが慌ててミスをするのとは対照的に、ここからは『守って走る』JX-ENEOSのバスケットを展開した。リバウンドを取っては走り、ターンオーバーを誘っては走る……ここで点差が一気に開いた。残り4分20秒、近藤楓がようやくこのクォーター最初の得点を挙げた時には71-51と20点差に。勝敗が決し、両チームが控えメンバーへと切り替えた後もJX-ENEOSの勢いは止まらず、この最終クォーターのトヨタの得点をわずか4に抑え、終わってみれば84-53と31点差を付けて大勝した。殊勲の間宮「相手は関係なしに、自分たちのバスケを」トヨタのヘッドコーチ、ドナルド・ベックはシュート成功率の低さを敗因に挙げた。「JXは弱点のないチーム。勝つためには完璧な試合をしなければならないところでシュート成功率が40%では勝てない。前半も後半もオープンシュートを打てていたが、それをしっかり決めないと」トヨタの2ポイントシュートの成功率は37%(46本中17本)で、52.7%(55本中29本)のJX-ENEOSとは大きな開きがあった。ベックHCは言う。「これはコーチは修正できません。ウチには良いシューターがいるので、自信を持って打つことです。JXに勝つにはシュートの確率を絶対に上げなければいけない。明日も熊本に移動して練習しますが、しっかり打ち込んで準備します」JX-ENEOSのキャプテン、吉田亜沙美は「前半すごく重いゲームでしたが、ディフェンスを我慢して7点差まで持っていけたのが勝因です」と試合を振り返る。大きなランで圧倒した後半ではなく、悪い流れの中でもリードを保ち続けた前半の『我慢』を勝因と言うところが吉田らしい。「後半しっかり切り替えて、私たちのゲームがやれました。第2戦では前半から、今日の後半のようなバスケットをして、JX-ENEOSらしいバスケットをしたいです」その前半の苦しい時間帯に攻守でチームを支え、結果的に両チーム最多の17得点を挙げた間宮は「ハードにやろうとは意識していました」と、ファイナルらしいゴール下での激しい攻防について語る。予想以上の苦戦は強いられたが、勝ち切ったことでの自信が間宮からは感じられた。「後半には外角のシュートも来たし、オフェンスの動きもスムーズになって、自分たちのバスケができたと思います。第2戦は相手もアジャストしてくると思いますが、そういうのは関係なしに、自分たちのバスケットが自然と出て来たら勝利は見えてくると思います。それを忘れずに自分たちでしっかりやっていきます」ファイナル第2戦は10日(金)、熊本県総合体育館で行われる。2017/03/08Bリーグ&国内
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WリーグファイナルはJX-ENEOSとトヨタの激突! 渡嘉敷来夢「自分たちのバスケを」大神雄子「堂々と戦いたい」Wリーグのプレーオフもいよいよ大詰め。プレーオフのセミファイナルでは、JX-ENEOSサンフラワーズがデンソーアイリスを連勝で破り、トヨタ自動車アンテロープスはシャンソンVマジックとの第3戦までもつれる激闘を制した。ファイナルは5戦3先勝方式。以下の日程で行われる。第1戦 3月 8日(水)19時試合開始 佐賀県総合体育館第2戦 3月10日(金)19時試合開始 熊本県総合体育館第3戦 3月12日(日)15時30分試合開始 代々木第二体育館第3戦 3月14日(火)19時試合開始 代々木第二体育館第3戦 3月16日(木)19時試合開始 代々木第二体育館トム・ホーバス「今シーズン一番良いバスケをやりたい」昨日、ファイナルに向けた記者会見が行われ、両チームのヘッドコーチと選手が出席した。9連覇を目指すJX-ENEOSの指揮官トム・ホーバスは「大事なのは最初のゲーム。そこに勝ったら次のゲーム。レギュラーシーズンで全勝したことなんか考えていたらダメ。昨日より良いバスケをやろう、と選手には言っています」と語る。慢心はないが、自信はある。ファイナル進出を決めた試合の後、「レギュラーシーズンより一つ上に行ったと思う」と語った指揮官は、「ファイナルでは今シーズン一番良いバスケをやりたい」と意気込んだ。JX-ENEOSのエース、渡嘉敷来夢はこう語る。「リーグ戦はJXらしいバスケットができる時もあれば、あまり内容が良くない試合もありましたが、セミファイナルではJXらしいバスケができた。ファイナルでも自分たちのバスケができるよう、あらためて気を引き締めてファイナルに臨みたい」ドナルド・ベック「狙うのはもちろん優勝です」一方でトヨタのヘッドコーチ、ドナルド・ベックは「日本に7年いるが、男子も含めて一番良いプログラムをやっている、見習うべきチームがJX。私のコーチキャリアの23年間で10回目のファイナルになりますが、その中でも最も難しいチャレンジになります」とJX-ENEOSをまずは称えながらも、自らが育て上げたチームにも自信を見せた。「去年は5位のチームですが、大きな選手の加入があったわけでもないのに、既存の選手がハードワークをこなしたおかげでファイナルまで来ることができました。ケガ人も多くいましたが、そういう状況の中を戦い抜いて今ここにいます。狙うのはもちろん優勝です」トヨタを文字通り引っ張って来た大神雄子は「クォーターファイナルから3戦目までもつれ込んで戦ってきて、大事なゲームを何とか勝ち切って、ここまでたどり着いたチームです」と自分たちを表現する。「一つだけJXに勝るとしたら、ファイナルは少なくとも3戦まであって、私たちは3戦を戦ってきていることかなと。コンディションを整えるのが先決ですけど、堂々と戦いたいと思います」JX-ENEOSとトヨタがファイナルで激突するのは2013年以来4年ぶり。それでも、その前は4年連続で対戦していた『お馴染みのカード』が帰って来たことになる。『女王』JX-ENEOSが連覇を9に伸ばすのか、それとも激戦を勝ち抜いてきたトヨタがアップセットを果たすか。注目の第1戦は8日(水)19時試合開始。すべての試合がNHK-BS1で生中継される。2017/03/03Bリーグ&国内