
『満田丈太郎』の検索結果
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チーム一丸のハードワークで大阪エヴェッサが5連勝、シーズン10勝で西地区首位にリバウンド、運動量、プレーの強度で上回る 11月16日に行われた、名古屋ダイヤモンドドルフィンズと大阪エヴェッサの第1戦。ヘッドコーチもロスターも大幅に変更、新たなチームとなった大阪は開幕から9勝4敗と好スタートを切った。ただし、ここまで対戦相手に恵まれた面も大きく、そういう意味で名古屋ダイヤモンドドルフィンズを相手にどれだけの戦いができるか注目される一戦となった。 第1クォーターは点の取り合い。名古屋Dは横への素早いパスワークでズレを作り出して3ポイントシュートを立て続けに決め、中東泰斗が思い切りの良いドライブからキックアウト、張本天傑の2本目の3ポイントシュートで15-11と抜け出しにかかる。次のオフェンスでは再び中東がアタック。これに対して大阪は誰も当たりに行かずイージーレイアップを許すが、緩んでいたのはここまで。アウトサイドのプレッシャーを強めることで3ポイントシュートを打たせず、逆にジョシュ・ハレルソン、今野翔太が3ポイントシュートを決め返す。ベンチスタートの伊藤達哉がリバウンドからボールプッシュ、そのままコースト・トゥ・コーストでレイアップを沈め、流れは大阪へと傾いた。 第2クォーターに入って一度は名古屋Dが追いつくも、その勢いは持続しない。名古屋Dは試合開始から5分半で3本決めた3ポイントシュートが、その後は前半終了までで中務敏宏の1本成功のみ。多投する3ポイントシュートが決まらないことでチームは波に乗れない。 最終クォーター、伊藤の連続得点で勝負を決める 後半も流れは変わらず、大阪がディフェンス力を前面に押し出すことで試合の主導権を握る。大阪はバックコート陣がタイムシェアを徹底、伊藤がオフェンスで大きな役割を果たしていても、疲れで動きが鈍る前に今野翔太と交代させてディフェンスの強度を保ち続けた。アイラ・ブラウンの3番ポジション起用もあり高さのある大阪が常にリバウンドで優位に立ち、運動量とプレー強度でも上回るのだから、名古屋Dにとっては打開するきっかけが見いだせない。 名古屋Dでは満田丈太郎が第3クォーターに2本の3ポイントシュートをねじ込み、しかも1本はバスケット・カウントの4点プレーとハッスルしたが、その勢いはチームに伝わらなかった。 第4クォーター立ち上がりから伊藤の連続得点を皮切りに、名古屋Dのタイムアウトを挟んで11-0のラン。相手の主力が勝負どころに備えてベンチで呼吸を整えている間に、75-52まで一気に突き放して試合を決めてしまった。大阪は余裕を持って終盤の時間帯を乗り切り、最終スコア81-61で勝利している。 リチャード・ヘンドリックスは23得点15リバウンドといずれもゲームハイの数字を残した。それでもヘンドリックスが突出して活躍した印象はなく、まさにチーム全員がハードワークしての勝利だった。これで大阪は1年半ぶりの5連勝、名古屋Dは約2年ぶりの5連敗となった。 11月16日のB1 9試合の結果 三河106-99富山 千葉86-82北海道 A東京82-67三遠 横浜63-75川崎 新潟63-80宇都宮 名古屋D61-81大阪 SR渋谷 - 京都 秋田 - 島根2019/11/16Bリーグ&国内
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後半に失速も、前半のリードを守り切った名古屋ダイヤモンドドルフィンズが3連勝前半の貯金を守り切り、開幕3連勝を達成 ドルフィンズアリーナに三遠ネオフェニックスを迎えた名古屋ダイヤモンドドルフィンズがホーム開幕戦を75-65で勝利した。 第1クォーターは名古屋Dがピック&ロールからズレを作り、次々とシュートチャンスを生み出して得点を決めていく。守備でもボールマンに対して激しいプレッシャーをかけつつ、オフボールで動く選手に対してもマークを外さず、三遠に自由を与えない。 そのため、三遠はボールを動かすことができずに、得点が停滞。さらには、ディフェンスローテーションがうまくいかず、デビン・イーバンクスが開始5分で2つ目のファウルとファウルトラブルに陥った。 第2クォーターに入ると、名古屋Dは前線からプレッシャーを与え、スティールから速攻へと繋げる理想的なバスケを展開しリードを広げた。 また、ディフェンスに定評のある菊池真人が身体を張った巧みな守備でポジションを取らせず、三遠の得点源であるイーバンクスを前半わずか2得点に封じた。 前半だけで9個のターンオーバーを誘発し、そこから13得点を挙げた名古屋Dは、満田丈太郎のミドルシュートで点差を20点に拡大。ディフェンスから自分たちのリズムをつかみ、47-26と大量リードして前半を折り返した。 このまま名古屋Dが押し切るかに思えたが、第3クォーターに入るとこれまでの立場が逆転。トランジションオフェンスを止められず、リズムが出てきた三遠に連続得点を許し、一気に10点差まで縮められた。 それでも、豪快ダンクや3ポイントシュートなどで悪い流れを断ち切り、このクォーターだけで12得点の荒稼ぎを見せた中東泰斗の活躍もあり、65-48と再び突き放して最終クォーターを迎えた。 中東「情けない試合展開になってしまった」 中東の活躍もあり、第3クォーターを凌いだ名古屋Dだったが、三遠が誇るイーバンクス、ジェシー・ゴーバン、太田敦也のビッグラインナップに苦戦し、再び失速する。 三遠の高さを前に消極的なプレーが増え始め、自分たちのリズムでオフェンスを組み立てることができずにシュートが外れていく。そして、残り2分には西川貴之にシュートを決められ、5点差まで迫られた。 だがこの直後、ジャスティン・バーレルがファウルを誘発し、三遠のチームファウルが5つに到達。フリースローで加点しリードを保った名古屋Dは、その後もファウルゲームで得たフリースローを確実に沈め、逃げ切った。 開幕から3連勝となったが、名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは「前半と後半で違うチームになってしまったことが今日の反省点」と、後半の失速を課題に挙げた。 そして、第3クォーターの苦しい時間帯を救った中東も、指揮官と同様に勝利の喜びよりも課題に目を向けた。「前半は自分たちのプレーができたけど、後半は気が緩んで情けない試合展開になってしまい、すごく反省しています」 台風の影響で第2戦は明日の14時5分から行われる。 10月13日のB1 6試合の結果 滋賀90-96宇都宮 三河78-82千葉 名古屋D75-65三遠 京都90-84富山 大阪90-85琉球 新潟62-71川崎2019/10/13Bリーグ&国内
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ブレイクを目指す満田丈太郎の暑い夏「マインドを変えて踏ん張る、その力になる」名古屋ダイヤモンドドルフィンズは2シーズン連続でチャンピオンシップの1回戦で敗れ、西地区で勝つことはできても優勝争いに食い込む難しさに直面することになった。若い選手を多く抱えるチームはまだまだ経験不足であり、現状を打開するには大きな飛躍が欠かせない。加入2年目を迎える満田丈太郎もそう考える一人だ。25歳はもう若手ではない。プレーでも声でもチームを引っ張る存在になり、名古屋Dとともに自分のキャリアも飛躍させると意欲を燃やしている。 「ミスを恐れていたら自分の面白さは出せません」 ──名古屋Dでの1年目のシーズンはプレータイムが平均10分程度となかなか伸びず、そのためにスタッツも落としました。個人の出来としてはどう受け止めていますか? スタッツはほぼほぼ下がりました。ディフェンスのチームルールにアジャストできないところがあって、特に前半戦は苦しみました。このチームでは一人ひとりの役割が明確で、それ以上のことはやらなくていいんです。必要以上にやってしまうと、逆にそこからズレが生まれてしまいます。横浜ビー・コルセアーズに所属していた時は1.3人分ぐらいの勢いでカバーするのが僕の役割でしたが、名古屋Dでは全員でディフェンスするので、普段の練習から必要以上に動いてマークマンを空けてしまうことがあり、実際の試合でもそうなってしまって、それでプレータイムが減りました。 横浜はベテランの選手が軌道修正できるから、僕には「思い切って行ってこい」という感じでした。それが名古屋Dに来たら、しっかり一人の選手として高いレベルを求められました。そこでもっと緻密なプレーができないと競争に勝てません。 それでも、悪戦苦闘する中でもどこが悪いのかは自分にもコーチにも明確に見えていたので、そこを改善しようと日々やってきて、後半戦にはプレータイムも得点も伸びました。経験を得て上に進んでいるという実感はありました。 ──満田選手の持ち味は思い切りの良いプレーであり、日本人選手でも中にアタックできる部分だったり、多彩なオフェンスだと思います。そこは出し切れなかった? 試合にあまり出られなかった分、「ミスをしちゃいけない」というのを意識しすぎて、本来そうであるべき果敢なプレーが少なかったとは思います。やっぱりミスを恐れて果敢にプレーできなかったら自分の面白さは出せません。これは気持ちの問題だけですね。 ──その他、昨シーズンに取り組んでいたこと、名古屋Dに来てからの変化はありましたか? ドライブだとかアタックは大前提ですが、ピック&ロールを使えるようになる必要があると取り組んだ1シーズンでした。ピックを使えるようになってペリメーターでのシュートを決められるようになれば、アタックもより生きます。そこの緩急の使い方を練習でも練習後もずっとやっていました。ただ試合でがむしゃらにアタックするだけでも経験は得られますが、それだけの選手では何年か後に困ると思うので。 以前からピックを使うプレーは下手だと言われていて、横浜でもアシスタントコーチと一緒に取り組んでいました。それを名古屋Dでも継続して、細かな緩急などを練習してレベルアップしていった感じです。実際に後半戦ではピック&ロールを使ってシュートを決める場面が増えていたので、そういう面では悪くなかったと思っています。 3ポイントシュートも40%に近い数字が残せて、そこは維持するようにとコーチからも言われています。得点できる選手が他にもたくさんいるのでちょっと遠慮した部分がありましたが、今シーズンはそういうのなしで、もっと自信を持って打って、確率もキープしたいです。 「代表組に『ぬるい練習やってる』とは言われたくない」 ──今年もオフには3x3に参戦しました。5人制にもプラスになっていると感じますか? そう思います。PREMIER.EXEはチーム数が倍になってレベルも上がっているんです。やっぱり3x3は球際が強くて、フィニッシュまでバチバチぶつかる中で体勢を維持しながら決めきる力がすごく求められます。それに体力的にかなりキツいので、名古屋Dでの練習が始まりましたけど「あの時はもっとキツかった」と思えばもっと頑張れますね。 ──外国籍選手はまだ合流していませんが、チーム練習は始まっています。雰囲気はどうですか? 7月16日に始動してほとんど2部練でやっています。代表組(張本天傑と安藤周人)がすごく頑張っているので、帰って来た時に「ぬるい練習やってんじゃん」とは言われたくないし、自分たちもそこに追いつけるように、今は地味な練習ばかりですけどみんな鼓舞しあってやっています。周人は年齢も同じで刺激を受けているし、あの2人の頑張りが新しい風になって、みんなそこに入っていく感じです。 梶山(信吾)ヘッドコーチは「自分でどれだけやれるか、自分で追い込め」と常々言っています。結局は試合も自分たちでやるわけなので、選手が自分たちで突き詰めないといけない。そのためのスキルやサポートは惜しまないという感じです。だからこそ、去年の悔しさと代表組からもらっている刺激はすごく意味があって、僕たち一人ひとりが「やらなきゃいけない」と思っているし、去年よりも確実に良い練習ができています。 ──名古屋Dが壁を破って優勝争いに加わるには、何が必要ですか? みんな仲が良くて派閥もないのがこのチームの良さですけど、逆に試合で雰囲気が悪くなると全員で沈んでしまうことがあります。この間は中務(敏宏)選手とイベントで一緒になり、その話を結構深くしました。誰かが言葉を出さなきゃいけないし、ベンチから出ていく選手が率先して走るようなプレーで盛り上げたり、そういう変化がないと厳しいところで持ちこたえられないぞ、と。 勢いはすごくあるチームなので、そこのマインドを変えて踏ん張る力がつけば全然違うと思います。でも昨シーズンはそれが分かっていてもなかなか難しかった。声を出すにしても、話す側だけじゃなくて聞く側の姿勢もあります。そこは今シーズンは最初から、アーリーカップであったり開幕のところから続けていって、「あの時、しっかり立て直したよな」って経験を重ねていくことで、シーズンの最後には変われると僕は思います。 「自分のキャリアを考えても、ここで化けなきゃ」 ──そのマインドを変える部分で、「俺がやるぞ」という心構えができているようですね。 そうですね。チームのために必要であれば嫌われてもいいぐらいの気持ちで、プレーはもちろんですけど声を出すようにします。横浜ではたくさんの修羅場をくぐってきているメンタルの強いベテランとたくさん接して見てきたつもりなので。 ──昨シーズンは先発出場がありませんでした。先発にこだわる気持ちは? すごくこだわってるわけじゃないですが、数字としてはすべてのスタッツを上げたいです。 ──個人的に満田選手に期待したいのは「2桁得点する試合を増やす」です。日本人で自らアタックして2桁得点できる選手は限られています。その一人が満田選手なんじゃないかと。 そうですね。言うのはタダなので、アベレージで2桁得点を目指します。横浜の時も試合に出始めたらそれぐらいの数字を残していました。僕ももう若手じゃないですし、今シーズンに頑張らないと「名古屋Dでは微妙な選手だよな」という感じになってしまいます。プロバスケ選手としての自分のキャリアを考えても、ここで化けなきゃいけないと思っています。 ──開幕まで先はまだまだ長いですが、ファンの方へのメッセージをお願いします。 今年のドルフィンズはほとんどの選手が残ったので、チーム力を高めて開幕スタートダッシュができると思います。そのために代表組もそうじゃない選手たちも、夏の暑さに負けず厳しい練習をしています。最初からパワー全開で行くつもりなので、ファンの皆さんも最初の応援からボルテージマックスで一緒に戦ってください。 やっぱり、名古屋は大都市でいろんな方が見に来てくれるので、最初からボルテージをマックスに上げるのは簡単じゃないと思います。試合が進むにつれて盛り上がって最後にマックスになる。もし、ディフェンスコールやオフェンスコールの最初の一声からマックスだと僕たちも勢い良く行けます。シュンとなった時に耐えるのが僕たちの課題ですが、そこも皆さんの応援が必ず助けになります。そうしたら僕たちの気持ちも乗って最高の形になります。会場一体になって応援よろしくお願いします。2019/08/09Bリーグ&国内
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終盤の粘りで熱戦を展開した横浜ビー・コルセアーズ、延長で力尽き名古屋Dに敗戦課題のディフェンスが機能し、主導権を握った横浜 横浜ビー・コルセアーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの第1戦。横浜は第4クォーターにこの日最大となる10点ビハインドを背負うも、脅威的な粘りで延長に持ち込んだが、延長ではわずか2得点と失速し、99-106で敗れた。 立ち上がりは川村卓也の3ポイントシュートで先制した横浜が先手を取った。強度の高いディフェンスでズレを作らせず、クレイグ・ブラッキンズからオフェンスファウルを誘発。エドワード・モリスがインサイドへのパスをスティールするなどディフェンスが機能した。オフェンスではプリンス・イベの高さを生かした連続アリウープでリードすると、アグレッシブにシュートを放つブランドン・コストナーが内外から12得点を挙げ、22-15とリードした。 第2クォーターに入ると、昨シーズンまで横浜に在籍した満田丈太郎に難しいレイアップを連続で決められ1点差に詰め寄られたが、モリスがマーキース・カミングスとの1対1を制し、田渡凌がトランジションから連続得点を挙げるなど、逆転を許さず46-42で前半を終えた。 名古屋Dの梶山信吾ヘッドコーチは「横浜のスイッチディフェンスに対応できず、オフェンスのリズムが悪くなって、ディフェンスもソフトになってしまった」と前半を振り返った。それでも「うまくできているところをもっとやろうと話し、後半からオフェンスは改善された」と言うように、後半から名古屋Dが反撃する。 脅威の粘りで10点ビハインドを覆し、延長戦へ 名古屋Dはカミングスを強調するだけでなく、リングへのアタックを意識することで、内外バランスの良いオフェンスを展開。その結果、シュートセレクションが良くなり、5本中4本の3ポイントシュートを成功させた。カミングスが13得点、ブラッキンズが10得点を挙げるなど、32点の猛攻で逆転に成功する。 横浜も高いオフェンス力で食らい付くも、オフェンスを牽引してきたコストナーが4つ目のファウルをコールされベンチに下がったことで勢いを失う。最終クォーターに入っても、カミングスやブラッキンズのインサイドを止められず、ヘルプに行けばパスをさばかれ外から射抜かれるなど、名古屋Dのペースが続く。残り6分、ブラッキンズの2本のフリースローで、横浜はこの日最大となる10点のビハインドを背負った。 だが、横浜はここから驚異的な粘りを見せる。4ファウルで後がないコストナーが2連続3点プレーとなるバスケット・カウントを奪って勢い付き、一気に逆転まで持っていく。ただ、そこで押し切ることはできず、その後は互いにリードチェンジを繰り返す混戦に。残り29秒に田渡凌のロング2ポイントシュートで97-96と逆転するも、リードを守ることができず延長戦へ突入した。 敗れても収穫「良い成長に繋がるゲームだった」 結果から言えば、延長戦での横浜は2-9と失速して力尽きた。横浜を指揮するトーマス・ウィスマンが「オーバータイムに入って外国籍選手を1人欠く状況でした。オープンな3ポイントだったり、決めるべきシュートを決めていれば、同点に持っていける場面もありました。コストナーがいない中、イベがインサイドでの得点源だったが、彼はそこまで得点ができる選手ではない。やはり中で点数が取れないとなると外から打つしかない。そこの外のシュートが入らなかった」と振り返ったように、延長戦へ導いたコストナーが第4クォーターにファウルアウトした影響は大きく、外一辺倒になったことで確率の差が勝敗を左右した。 それでも、第4クォーターで崩れなかった粘りをウィスマンコーチは高く評価した。「一時は10点ダウンになったが、そこから立て直した。その前にディフェンスのミスが目立った部分もあったが、それでも試合を立て直し、最後までどうなる分からない試合が展開できた。良いゲームになったし、良い成長に繋がるゲームだった」 横浜はカミングスに40得点を奪われたが、新戦力のコストナーも39得点を挙げ、最後までどちらに勝負が転ぶか分からない好ゲームを演じた。それだけに修正力が問われる今日の第2戦、昨日のパフォーマンスがフロックではなかったことを示したい。2019/01/06Bリーグ&国内
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琉球ゴールデンキングス、守備に課題も最後に踏ん張り名古屋Dとの打ち合いを制すラストショットまで勝敗が見えない激戦に 10月12日、琉球ゴールデンキングスがホームで名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。最後の最後までもつれた激闘を88-87で制し、開幕3連勝を達成している。 第1クォーター、琉球は岸本隆一、古川孝敏の3ポイントシュートなどで13-3といきなり先行する。しかし、名古屋Dも安藤周人の連続3ポイントシュート成功などですぐに盛り返し、琉球の20-17でこのクォーターを終える。第2クォーター、琉球は並里成が得意のドライブからのレイアップなどで突き放しにかかる。だが、名古屋Dは、このクォーターだけで9得点を挙げたエースのジャスティン・バーレル、さらに満田丈太郎の3ポイントシュートで応戦。琉球の45-41と互角のままハーフタイムを迎える。 第3クォーターに入ると、名古屋Dは琉球のターンオーバーにつけこみ残り約6分には49-51と勝ち越すが、直後に琉球は橋本竜馬の連続得点でリードを奪い返し悪い流れを断ち切る。こうして試合は互いに譲らない攻防となって第4クォーター終盤に突入する。 同点で迎えた残り7秒、琉球は並里がフリースローを獲得し、1本目を外すが、2本目を成功に土壇場で再びリードを奪う。そして名古屋Dは最後の攻撃、本日22得点9リバウンド8アシストと後一歩でトリプルダブルだったバーレルにボールを預ける。バーレルはゴール下に切れ込んでシュートを放つが、惜しくもリングに嫌われて失敗。琉球が辛くも逃げ切り、ホーム開幕戦を勝利で飾った。 「どちらが勝ってもおかしくない試合でした」 試合後、琉球の佐々宜央ヘッドコーチは、スタッツが示すように攻守において対照的なコメントだった。ジョシュ・スコットの21得点を筆頭に5人が9得点以上とバランス良く攻め、88得点を挙げたオフェンス面については高評価。「ホーム開幕試合は独特の雰囲気で、ホームの声援を力にできる一方、期待に応えなければいけない重圧があります。その中で、オフェンスは練習に続いて試合でも思い切りが良く、シュートのタッチも良かったです」 ただ、ノーマークで3ポイントシュートを打たれる場面も目立った守備については、「ディフェンスの内容は予想していた通り」と悪い意味での予感が的中。「第1クォーター、一番ゲームプランとしてやられてはいけないと警戒していた安藤選手に3ポイントシュートを3本決められてしまう。こういうゲームをしていたら勝ち続けていけないです。自分たちのディフェンスがどういったもので、メンバーが変わった中で、どうやって築き上げていけるのか。その課題を勝って反省できる」と厳しいコメントが続いている。 一方、名古屋の梶山信吾ヘッドコーチは、「最後のところ、どちらが勝ってもおかしくない試合でしたが、ディフェンスであともう少しの徹底が足りなかった。特に第4クォーターはもう一歩のところでイージーにやられてしまいました」と振り返る。 輝きを放つ並里「もっと良い姿を見せたい」 この試合、最も輝きを放っていた選手は、bjリーグ時代の2014−15シーズン以来となるチーム復帰を果たした並里成。約26分半の出場でシュート10本中7本成功の16得点7アシスト3リバウンドを挙げ、攻撃の起点として躍動した。ただ、本人は「成長した姿を見せたかったですが、どんな状況でも落ち着いてプレーして試合に絡んでいけるようにならないと。第3クォーター、ターンオーバーで流れを崩してしまった部分があったのでもっと良い姿を見せたい」と満足している様子はない。 名古屋Dの梶山ヘッドコーチは「並里選手にはすごいエナジーを感じました。俺が決めてやるという気持ちが入っていて最後、彼にやられてしまいました」と称えながらも「明日、僕らがどうするのか楽しみにしておいてください」と並里封じへの闘志を燃やしていた。 本日の試合、並里が昨日のようなプレーを見せられるか、名古屋Dが抑え込むことができるのかも勝敗を分ける大きな鍵となってくるはずだ。2018/10/13Bリーグ&国内
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アーリーカップが全国6会場で開幕、B2クラブが『下克上』に挑むもB1の壁は高く群馬、金沢、東京Zは奮闘するも勝負どころで屈する 昨日、バスケの新シーズン到来を告げるアーリーカップが全国6会場で開幕した。 プレシーズンの大会として昨年に創設されたアーリーカップは今回が2度目の開催。見どころの一つが2部リーグのチームが1部に一発勝負で挑む試合だ。B1の開幕は10月第1週だが、B2の開幕はその1週間前。選手の質ではどうしてもB1チームが上だが、代表選手を取られないこと、開幕が早いがゆえのチームの仕上がりはプラスとなる。 もっとも『下克上』はそう簡単ではない。北信越大会では群馬クレインサンダーズが富山グラウジーズに54-84の完敗。前半は10点差と粘ったが、後半になると踏ん張り切れず。代表の韓国遠征に帯同せずチームに戻った宇都直輝がメインでプレーした第3クォーターに突き放された。 北信越大会のもう1試合は新潟アルビレックスBBvs金沢武士団。こちらは金沢のデンゼル・ボウルズが新潟のスコアラー、ダバンテ・ガードナーを上回るペースで得点を量産。第3クォーターを終えて64-64と互角の勝負を展開したが、2人しかいない外国籍選手の一人であるライアン・リードが8分弱を残してファウルアウト。その後は突き放されて77-88で敗れた。 東海大会ではアースフレンズ東京Zが名古屋ダイヤモンドドルフィンズに挑戦。名古屋Dの堅守を速い展開で崩そうと試みるも、これがターンオーバーからの逆襲でイージーシュートを許す展開に。それでも第3クォーターには打ち合いの展開に持ち込み、63-76まで追い上げて最終クォーターへ。試合の流れが東京Zに傾いたかに思われた局面だったが、名古屋Dはここでマーキース・カミングス、満田丈太郎と新加入選手が連続得点。奮闘した東京Zだが、名古屋Dが誇るタレントの個人技に屈する形となった。 終盤に逆転に成功した奈良だが、退場者を出し悔しい敗戦 B1のクラブを最も苦しめたのはバンビシャス奈良だ。関西大会の初戦で滋賀レイクスターズと対戦。滋賀は昨シーズンの正ポイントガードだった並里成、さらには7シーズン在籍したガードの横江豊が退団。その横江が早速、奈良の正ポイントガードとして古巣に立ち向かった。横江は落ち着いたボールさばきでコントロールに徹するかと思いきや、1on1でガンガン仕掛けて突破口を切り拓く。新エースの期待がかかる高橋耕陽、特別指定選手として新加入した21歳の紺野ニズベット翔が目覚ましい働きを見せる滋賀に対し、粘りのバスケットで喰らい付いていく。 第4クォーター残り6分を切ったところで、クラブ創設の2013年から奈良に籍を置く本多純平の3ポイントシュートで63-63の同点に追い付き、続いてポストプレーからゴール下に飛び込む本多に合わせる連携で逆転に成功する。追い上げ、逆転した奈良に間違いなく流れが来ていた。 ところが好事魔多し、である。横浜ビー・コルセアーズから加入して得点源として機能していたジェフリー・パーマーが、ドライブに行ったところを身体で止められたプレーにファウルがなかったとして怒り、テクニカルファウルを取られて退場に。この時点で69-69、どちらが勝つか全く分からない試合だったが、そこからのラスト2分半で奈良は得点を奪えなかった。オールコートプレスを仕掛けるなど最後まで勝利への執念を見せたが、最終スコア69-74で滋賀に屈した。 今日は大会2日目。全国6会場で熱戦が繰り広げられる。2018/09/08Bリーグ&国内
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名古屋ダイヤモンドドルフィンズが補強に成功、満田丈太郎と小林遥太の加入を発表継続路線で今シーズンのチームに戦力を上積み今日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが満田丈太郎と小林遥太を獲得したことを発表した。満田は筑波大出身、23歳のスコアラー。特別指定選手として横浜ビー・コルセアーズに加入した2016-17シーズンは大学時代の最後に負ったケガの影響で満足なプレーができなかったが、ルーキーイヤーの今シーズンは1年を通して尻上がりに調子を上げ、後半戦ではスタメンに定着。課題だった3ポイントシュートを向上させたことで得意のドライブが生きるようになり、2桁得点を連発して、川村卓也に得点を依存する状況を解消する一手となった。地元横浜の出身でもあり、いずれはフランチャイズプレーヤーに、という期待もあったはずだが、このタイミングで新天地を名古屋に求めることになった。26歳の小林は青山学院大から2014年に滋賀レイクスターズに加入し、4シーズンを滋賀で過ごした。もともとは先発ポイントカードだったが、昨シーズン途中に並里成が加入するとベンチに回ることに。昨シーズンは先発28試合、平均14.2分のプレータイムがあったが、今シーズンは先発1試合、平均8.4分のプレータイムと出場機会が激減。シーズンラスト10試合のうち6試合で出場がなく、5月14日に契約満了として自由交渉リストに公示されていた。今シーズンの名古屋Dは激戦の中地区2位争いを制してチャンピオンシップに進出。西地区王者の琉球ゴールデンキングスを相手に第3戦へと持ち込んだものの、アップセットは果たせず。それでも張本天傑と笹山貴哉、中東泰斗の主軸トリオ、大黒柱であるジャスティン・バーレルの残留が決定している。伸び盛りの勢いをうまくチームの力につなげた梶山信吾ヘッドコーチの続投も決まっており、継続路線でさらなる成長を期す。2018/06/05Bリーグ&国内
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逆転勝利を手繰り寄せた3ポイントシュートと速攻、横浜を救った満田丈太郎の進化「川村さんが乗っている時だからこそ自分がやるべき」横浜ビー・コルセアーズは昨日行われ、富山グラウジーズとの残留プレーオフ2回戦を79-76で制し、B1残留を勝ち取った。終盤に失速する悪癖を改善できず、いくつも接戦を落としてきた横浜だったがこの日は一味違った。第4クォーター残り4分で9点のビハインドを背負ったが、ここから逆転でB1残留を決めた。この逆転劇を演出したのは紛れもなく満田丈太郎だ。9点ビハインドの状況で決めた3ポイントシュートが反撃のきっかけとなった。「卓さん(川村卓也)さんが打つフォーメーションで、相手もそれを分かってて先読みしてくるんじゃないかと頭の中であって、案の定フリーになったのでそこまでは想定内でした。後は決めるだけで、迷わないで決めきれたのでホッとしました」川村の動きに2人がつられ、満田はトップの位置でフリーとなった。大事なオフェンスな時こそ、エースを頼る心理が働く。だが満田はその場面で自らのシュートを選択。その思い切りの良さがチームを救った。その後も満田はボールをプッシュし速攻の意識をチームに植え付け、劣勢をはねのけた。「早い展開に持ち込むと勢いにすごく乗るので」と語るように、満田は細谷将司の速攻をアシストし、残り1分46秒には自らがフィニッシャーとなって、速攻から宇都直輝のファウルを誘発。フリースローを2本とも沈めて同点に追いついた。さらに言えば、横浜はレギュラーシーズン中に川村に頼りすぎる悪癖をしばしば問題視されていたが、大一番でそれを乗り越えた。「川村さんの外に頼ってしまうところがあり、僕たちがある程度働かないと川村さんが打てないと思うので。僕が走ると外も空いたり、ドライブで寄ってきてキックアウトができるので、川村さんが乗っている時だからこそ自分がやるべきじゃないかって、そういう思いです」ディフェンスの自己採点は辛辣「20点ぐらいですかね」満田の最終スタッツは7得点6リバウンド3アシスト1スティール1ブロックと、決して突出したものではない。だが最終クォーター終盤の勝敗に直結した働きに加え、宇都を前半で6得点に封じたディフェンスでの貢献も光った。フィジカルでも高さでも負けず、宇都を乗せなかったことが横浜が先行した一つの要因だった。「宇都さんはドライブがあるので、ちょっと離し気味にやっていたんですけど、今日に関してはもう半歩前についていました。後ろ過ぎたらスピードに乗ってドライブされちゃうというケースがあるので、もう半歩だけ前に出て、心理戦というか、ちょっと嫌な間合いだなって思わせるようなディフェンスを心掛けました」と満田は作戦を明かした。その半歩の違いが結果的に宇都を苦しめた。「チームとしてもそうですけど、竹田(謙)さんだったり、高島(一貴)さんが『もうちょっと詰めてもいいんじゃない?』って今週の練習から言っていたので、そういう間合いの取り方を3人で共有した」と、先輩からのアドバイスを忠実に遂行した結果だったという。だが、宇都のアタックをきっかけに後半に逆転を許したこともあり、「20点ぐらいですかね」とディフェンスの自己評価はかなり辛口だ。「前半は結構良い感じに守れたと思っていたんですけど、やっぱり第3クォーター、第4クォーターで宇都さんにやられてしまって相手を勢いづかせてしまったので。日本のトッププレーヤーにつくのには、経験も技術も体力だったりも足りないと実感しました」第2クォーターには宇都の速攻を豪快にブロックし、会場を沸かせたシーンがあった。それでも満田は「あれも結局、最後の場面とかで出たらもっと良いことになってたかもしれないですけど、前半のことでしかないので」と勝敗に直結するプレーを常に求めている。力の抜き方を覚え、飛躍を遂げたシーズンに満田は昨シーズン途中に特別指定選手として横浜に加入した。当時はプレータイムをほとんど与えられず、平均約5分の出場に留まった。だが今シーズンは指揮官の信頼を勝ち取り58試合中42試合に先発。2桁得点を量産する主力選手へと成長したが、その飛躍の理由は『力の抜き方』を知ったからだという。「最初はあまりプレータイムもなかったですし、ただガムシャラに全力でやってたんです。その100%を80%くらいにスローダウンさせてもうちょっと周りを見なさいっていうのはチーム全員から言われていました。『力を抜いてもうちょっと視野を広げて周りを見る』っていうことですかね。かつ自分の速攻を生かすことです。スローダウンしてどうやって自分を生かせるか、いろいろ試しながらやっていたシーズンでした」満田の成長もあり、横浜は苦戦しながらも2年連続でB1残留を果たした。次の目標はもちろんチャンピオンシップ出場だ。満田が伸びる分だけ、横浜の力も底上げされる。「3ポイントシュートだったりロングツーを強化していったら、もっとお前のドライブが生きるよ、と川村さんには言われてます。オフシーズンはひたすら3ポイントシュートを打ち込めと言われているので、しっかり中外できるプレイヤーになりたい」と満田はさらなる成長を誓った。2018/05/20Bリーグ&国内
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トランジションオフェンス炸裂、終盤に逆転した横浜ビー・コルセアーズがB1残留横浜が先行するも富山が逆転するシーソーゲームに勝者がB1残留決定となる残留プレーオフ2回戦。横浜ビー・コルセアーズvs富山グラウジーズが中立地である片柳アリーナで行われた。サバイバルマッチに相応しい白熱した戦いとなったが、速攻を連発して終盤に逆転した横浜が、79-76のクロスゲームを制しB1残留を決めた。オン・ザ・コート数はともに「1-2-1-2」を選択。試合後、宇都直輝が「出だしは気持ちの部分で横浜に負けてしまった」とこぼしたように横浜が先手を取った。富山はアグレッシブなディフェンスが裏目に出てしまい、開始2分でチームファウルが5に到達してしまう。横浜はこの機に川村卓也とハシーム・サビート・マンカのピック&ロールで攻め立て得点を重ね、残り3分34秒には、サビートのミドルシュートで15-5と2桁のリードを奪った。インサイドでの得点が伸びない富山はタイムアウトを取り、デクスター・ピットマンの投入で立て直しを試みるも、ウィリアム・マクドナルドのフィジカルな守りを打開できず差は縮まらなかった。第2クォーター、満田丈太郎が宇都の速攻をブロック、田渡凌のアシストからサビートがアリウープを決めるなど、ビッグプレーを連発した横浜だが、最大16点までリードを広げた後はイージーミスを連発して流れを富山に渡してしまう。サム・ウィラードがオフェンスリバウンドからミドルシュートを沈め、上江田勇樹の3ポイントシュートで締めた富山が第2クォーターの終盤に8-0と走って、7点差に詰めて前半を終えた。後半はインサイドの攻防を制した富山のペースに。2本の3ポイントシュートを含む7本すべてのシュートを沈め、第3クォーターだけで18得点の荒稼ぎを見せたウィラードの活躍で富山が逆転した。横浜も田渡の連続得点などで応戦するも、サビート、川村、マクドナルドがオフェンスファウルをコールされるなど波に乗れず、2点のビハインドを背負って最終クォーターを迎えた。宇都の3ポイントシュートが外れ横浜が逃げ切り互いに強みを生かし拮抗した展開が続くが、宇都を起点にオフェンスを展開した富山が次第にリードを広げる。宇都がディフェンスを引きつけ、ウィラードが3点プレーとなるバスケット・カウントを成功させ、残り4分10秒で富山が9点のリードを奪った。このまま富山が押しきるかに思われたが、横浜のトランジションオフェンスがここから火を噴く。満田が3ポイントシュートを沈めると、ディフェンスリバウンドからボールをプッシュし続け、細谷将司とサビートが連続で速攻を決める。残り1分46秒、満田が走り宇都がファウルで止めるも、満田がフリースローを2投沈め、73-73の同点に追いついた。富山はタイムアウトを要求し流れを切ろうとするも、横浜の勢いを止められない。横浜はこの終盤でディフェンスの強度をもう一段高め、宇都からターンオーバーを誘発。そしてインサイドをケアし、外のディフェンスが甘くなった隙を突き、ジェフリー・パーマーが3ポイントシュートを沈め逆転に成功した。その後、ピットマンのフリースローで1点差に詰め寄られるも、川村がファウルゲームで得たフリースローを2本とも沈め、残り14秒で3点差を保った。富山は大塚裕土の3ポイントシュートに懸けるも、横浜はスクリーンをかいくぐりイージーシュートを許さない。大塚のシュートのシュートが外れるも宇都がこぼれ球を拾う。そして同点を狙った宇都の3ポイントシュートが外れ、横浜が逃げ切った。宇都「締め直すことができなかったことは僕の責任です」敗れた富山のミオドラグ・ライコビッチヘッドコーチは終盤の失速を敗因に挙げた。「最後のところまでしっかりとゲームを締めることができませんでした。ターンオーバーから2つの速攻を許し、トランジションをやられ追いつかれました。最後のほうはシュートをしっかり決めきれず、コントロールするのが非常に難しかったです」また調子の良かった上江田勇樹が第3クォーターで4ファウルとなり、ウィラードも4ファウル、ピットマンが3ファウルとファウルトラブルに陥ったことも大きかった。「主要な選手のファールが重なり、普段のローテーションをなかなか出せなかった。ローテーションを変えないといけない、やり方を変えないといけないということで難しい展開になりました」宇都は「途中から自分たちの良さを出せて、リードするところまでいけましたが、最後の3分間、もう一度締め直すことができなかったことは僕の責任です」と敗戦の責を負った。それでも宇都はすでに次なる戦いに意識を切り替えている。「勝てたゲームですし落ち込む気持ちもありますが、まだチャンスはあります。気持ちを切り替えてベストなパフォーマンスを出して、最低限の目標であるB1残留を決めたいです」勝利した横浜はB1残留が決定し、敗れた富山は入れ替え戦に回ることになった。入れ替え戦は熊本ヴォルターズとファイティングイーグルス名古屋の勝者と戦うことになるが、B1ライセンスを保持していないFE名古屋が勝利した場合、富山の残留が決定する。熊本とFE名古屋の勝敗に注目が集まる。2018/05/19Bリーグ&国内
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第2戦の勢いそのままに制空権を支配した横浜ビー・コルセアーズ、B1残留に前進ファウルトラブルにつけ込んだ怒涛のランで先勝横浜ビー・コルセアーズと西宮ストークスによる残留プレーオフ第2戦。ターンオーバーを減らし、インサイドの強みを生かした横浜が、絶対に負けられない第2戦を制し、その勢いのまま第3戦にも勝利。奮闘する西宮を振り切り、逆転で勝ち上がりを決めた。序盤、堅さが見える横浜に対し、ターンオーバーからの速攻、岡田優の3ポイントシュートで7-0と西宮が先行する。だが川村卓也がファウルを受けながら3ポイントシュートを沈める4点プレーでチームを落ち着かせると、その後は拮抗した展開に。岡田は厳しいマークを受けるもそれを上回り、4本すべての3ポイントシュートを成功させ14得点を荒稼ぎする。だが横浜はオフェンスリバウンドで6-2と上回り、8本のアシストを記録したチームバスケットで追いすがり、24-27と3点差まで詰めて第1クォーターを終えた。第2クォーターに入っても一進一退の攻防が続くが、抜け出したのは横浜。チームファウル5に到達した西宮ディフェンスの強度が落ちると、この機を逃さずアグレッシブに仕掛け、このクォーターだけで12本のフリースローを獲得。満田丈太郎が岡田を封じ、インサイド陣も粘りのディフェンスでゴールを死守する。パーマーの3ポイントシュートを皮切りに、前半ラスト3分間で14-0と走った横浜が52-39と逆転し、一気に突き放した。後半、細谷の連続3ポイントシュートなどで横浜はリードを20点に広げる。西宮はドゥレイロン・バーンズの個人技で反撃するも、横浜は西宮のゾーンディフェンスを攻略してリードを保つ。残り3分、再び点差を20に乗せた横浜が102-81で第2戦に勝利した。制空権を支配した横浜が逃げ切り昨日の第1戦は西宮、そして今日の第2戦を横浜が取り、決着は第3戦へ持ち越された。20分間のインターバルを挟んで行われた前後半5分のこの試合、西宮は第2戦の後半で3分間しかプレーしなかった岡田を先発に起用する。髙橋哲也ヘッドコーチはこの起用法を「前半足を痛めてしまったことと、梁川が良かった。第3戦を見据えつつ、このメンバーのほうが第2戦は追いつくには良いんじゃないかという判断で岡田を休めた」と説明した。余力十分の岡田は再びスコアラーとしての期待に応え5得点を挙げ、西宮が11-8とリードして前半を折り返す。後半開始1分、キャメロン・リドリーのオフェンスリバウンドからパスを受けたバーンズの3ポイントシュートで14-8と西宮が抜け出す。横浜にとっては悪い流れだったが、このピンチを細谷将司が救う。強気の3ポイントシュートを沈めた細谷は、さらに直後のディフェンスでオフェンスファウルを誘発し、西宮に行きかけた流れを断ち切った。すると、インサイドに分がある横浜はハシーム・サビート・マンカがフリースローを獲得し、2本目を外すも自らフォローする3点プレーで16-15と逆転する。残り34秒で道原の3ポイントシュートを浴び1点差に迫られた横浜だが、残り5秒で川村がフリースローを獲得。1本目を決めて20-18とするも2本目を外し、西宮にラストチャンスを与えてしまったが、5秒はあまりにも短かった。道原がタフな体勢から3ポイントシュートを狙うも決まらず、20-18で横浜が逃げ切った。一夜にして課題を修正、ターンオーバーを改善辛くも勝ち切った横浜。尺野将太ヘッドコーチは「ターンオーバーを減らすこと、リバウンドを取ってセカンドチャンスを与えないこと。それが今日勝つために必要なことでした。選手がやるべきことをそこを集中してやってくれたおかげです」と勝因を語った。敗れた第1戦では、17-6と西宮の倍以上のターンオーバーを犯して自滅したが、第2戦では7-12、第3戦でも1-6とターンオーバーの改善が勝利に直結した。また第3戦で西宮にシュート確率で劣ったが、オフェンスリバウンドで7-2とし、手数で上回ったことが勝利を引き寄せた。西宮の高橋ヘッドコーチもオフェンスリバウンドを敗因に挙げる。「オープンスリーを打たせないこととインサイドでプレーをさせないことがゾーンのコンセプトでした。横浜はゾーンオフェンスが得意じゃなく、実際インサイドで点は取られなかったが、オフェンスリバウンドを取られセカンドチャンスポイントをやられました。インサイドの弱点をぬぐえなかったです」大一番に勝利した横浜だが、まだ安心はできない。富山グラウジーズvs島根スサノオマジックの勝者との試合が残っている。敗れた西宮は、B2プレーオフの結果次第で、わずかながら残留の可能性が残されている。2018/05/12Bリーグ&国内
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終盤に失速した横浜ビー・コルセアーズ、主将の復帰戦に敗れ残留プレーオフが決定キャプテン湊谷の戦線復帰で奮起した横浜だが……横浜ビー・コルセアーズvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズの金曜ナイトゲーム。開幕から4試合目に右足アキレス腱断裂の重傷を負った湊谷安玲久司朱の復帰で意気上がる横浜だったが、決定力不足を露呈し71-77で敗れた。横浜はジェフリー・パーマーが右足首捻挫のためベンチを外れ、苦しい布陣となった。対する名古屋Dはスクリーンプレーからジャスティン・バーレルがノーマークでダンクを決め先制すると、内外パスが良く回り、ズレを作ってはノーマークのシュートチャンスを次々と作り出す。安藤周人が2本、笹山貴哉が1本の3ポイントシュートを沈め、開始7分で15-6と先行した。横浜もターンオーバーから速攻につなげるなど、積極的に仕掛けた満田丈太郎が9得点を挙げ17-21と点差を縮めて第1クォーターを終えた。それでも第2クォーターをターンオーバーでスタートしたように、このクォーターだけで6つのターンオーバーを犯し、そこから失点を重ね最大9点のビハインドを背負った。しかし残り2分55秒、昨年10月9日以来の復帰となった湊谷がコートに入ると流れは横浜に傾く。大歓声の中でコートに送り出された湊谷は川村卓也のミドルシュート、細谷将司の3ポイントシュートを連続でアシスト。劣勢のチームを奮い立たせ、4点差まで詰めて前半を終えた。終盤にミスからの自滅で失速、クロスゲームを落とす後半に入っても湊谷が作り上げた流れは覆らない。横浜はアグレッシブなディフェンスで名古屋Dのパスワークを封じ、このクォーターだけで5つのターンオーバーを誘発。さらにハシーム・サビート・マンカの高さの前に名古屋Dはシュートをためらうようになり得点が止まった。わずかな差ではあれ追いかける展開が続くが、残り58秒に田渡凌が速攻を決め、52-51と逆転。横浜が2点をリードして迎えた最終クォーター。同点になること4回、リードチェンジ4回と文字通り一進一退の攻防が終盤まで続いた。だが接戦で勝ち切れないことが多く、名古屋Dに1点差での負けが2回、2点差での負けが1回と相性の悪い横浜は、終盤の大事な場面で失速する。残り1分6秒、ジャスティン・バーレルに簡単にゴール下を破られ勝ち越されると、直後のリスタートの場面で、サビートがまさかのパスミスを犯しポゼッションを失い、バーレルにミドルシュートを沈められ差は3点に。横浜はタイムアウトを取ってオフェンスをデザインするも、サビートがボールを失い、またしてもバーレルに得点を許した。勝負どころの1分強で2つのターンオーバーとミスが続き、バーレルに8連続得点を許した横浜がクロスゲームを落とした。梶山ヘッドコーチ「僕たちのやろうとしてることができた」横浜の粘りに苦しめられながらも崩れることなく勝利をもぎ取った名古屋D。今日の第2戦に勝ち、新潟アルビレックスBBが三遠ネオフェニックスに敗れれば、中地区2位でのチャンピオンシップ進出が確定する。梶山信吾ヘッドコーチは「1試合を通してゲーム内容はそんなに悪くなかった。僕たちのやろうとしてることはできていました」と総括した。シュートは決まらなかったものの、リングへのアタックからズレを作り、オフェンス優位な状況を確かに作り出していた。「ただディフェンスのところで、リバウンドを取られてしまったり、もう少しフィジカルにやらないといけないところで、できていなかった。少しのディフェンスのミスだったりがこういう試合になってしまった」と接戦に持ち込まれた原因を語った。10月9日以来の復帰を果たした湊谷だったが、復帰戦を勝利で飾ることはできず。「ウチの永遠の課題なんですけど、ディフェンスだったりリバウンドの決定力、これが最後の1分半で切れてしまった」と終盤の失速を嘆いた。サビートのプレータイムが両チーム最長の33分となり、終盤に集中力が落ちたことを考えれば、パーマー不在の影響も少なからず響いた。この一敗で横浜は残留プレーオフへ回ることが決定。それでもキャプテンの湊谷が復帰し、パーマーも軽傷ということを考えれば、今後につながる1戦にはなった。2018/04/28Bリーグ&国内
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桜木ジェイアールが躍動したシーホース三河、終盤に横浜を突き放し地区優勝秒読み態勢へ桜木のインサイドで主導権をにぎった三河中地区首位を独走するシーホース三河が横浜ビー・コルセアーズのホーム、横浜国際プールに乗り込んだ。桜木ジェイアールの個人技で序盤から主導権を握ると、最終クォーターに金丸晃輔の連続ゴールで突き放し、92-70で横浜を退けている。オン・ザ・コートが「1」の第1クォーター、序盤は互いに点を取り合い拮抗するが、桜木の強みを存分に生かした三河が先行する。ダブルチームに来ないと読んだ桜木は老獪なテクニックを駆使し、内外から得点を重ねていく。オフェンスリバウンドを4本奪取、7本のフリースローをすべて沈めた桜木の13得点の活躍に引っ張られた三河が第1クォーターから25-18とリードした。第2クォーターに入ると、ボールをプッシュする田渡凌がオフェンスにリズムを与えた横浜が反撃を開始。残り5分33秒には桜木が個人2つ目のファウルを犯しベンチに退き、直後のオフェンスで満田丈太郎が3ポイントシュートを沈め、31-33と2点差に迫った。しかし、この横浜に流れが行きかけた場面で西川貴之が3ポイントシュートを返してオフィシャルタイムアウトに。三河はここでディフェンスを修正し、アイザック・バッツとコートニー・シムズがインサイドで力を発揮。ともにバスケット・カウントを獲得するなどリードを広げた。「そろそろ汗をかいていいかな」金丸の覚醒で決着13点ビハインドで後半を迎えた横浜は、ハシーム・サビート・マンカがオフェンスリバウンドから得点し、細谷将司の3ポイントシュートなどで食らいつくも、桜木の1on1を止められない。オンザコート「1」の時間帯で圧倒的な存在感を見せる桜木に、このクォーターで12得点を許し、逆にリードを広げられていく。残り3分16秒、金丸のゴール下が決まり68-48と点差は20の大台に。だが横浜は集中力を切らさず、9-0のランで12点差まで詰めて最終クォーターを迎えた。三河は桜木を休ませ金丸へとボールを預けるが、フィニッシュが決まらず得点が伸び悩む。だが比江島慎が2ブロックショットを記録するなど、ここ一番の集中を見せたディフェンスが機能し、10点前後のまま試合は推移する。そして鈴木貴美一ヘッドコーチが「前半7分前後で代えて出さなかったので、通常であれば今日は調子が悪いのかなと下げてしまうでしょうけど、僕はそろそろ汗をかいていいかなって。必ず入ってくると信じていた」と言う金丸がここから爆発する。金丸は約6分間で2本の3ポイントシュートを含む6本のフィールドゴールをすべて成功させる16得点と覚醒。金丸の得点で反撃の芽を摘み、横浜の得点をわずか10点に封じた三河は、苦戦はしたものの20点差をつけて大勝した。三河は今日にも中地区優勝の可能性アリ勝利した三河の鈴木貴ヘッドコーチは「今日はいつもより早めにメンバーチェンジをして、若手がしっかり経験できて最終的に20点離して勝てたのは良かった」と総括。第2クォーターでは比江島と金丸が全休したが、ベンチメンバーが役割をこなしリードを広げたことを収穫に挙げた。敗れた横浜の尺野将太ヘッドコーチは「シーホースさんに対し、どこを最優先で守るのかというところはしっかりエクスキュートしてくれた。選手がミスをしたというよりも、こちらの戦術面での準備が三河さんに上回られてしまった」とコメント。その優先度の面については、第2戦があるため詳しくは明かさなかったが「失点の部分である程度スコアに反映されたかなと思う部分はあります」と話した。比江島を0得点に抑えた一方で、桜木にシーズンハイの31得点を許した偏りがあり、インサイドよりもシューター陣をケアしたということだろう。三河は今日の勝利で連勝を13に伸ばした。もし第2戦に勝利し、名古屋ダイヤモンドドルフィンズが敗れれば、今日にも中地区優勝が決定する。2018/03/25Bリーグ&国内
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『ガス欠』に陥った横浜を終盤に突き放した新潟アルビレックスBB、5連勝で4位浮上ドライブからの連続得点で新潟がペースを握る横浜ビー・コルセアーズと新潟アルビレックスの第1戦、先手を取ったのはアウェーの新潟だった。シンプルなスクリーンプレーからドライブで横浜守備網を突破し、次々とレイアップを沈めていく。ディフェンスでも逆サイドへのパスを手に引っ掛け、速攻を連発した。開始4分半、五十嵐圭の速攻が決まり14-6横浜がタイムアウトを要求した。横浜はコンディション不良で先発を外れた川村をコートに送るが、ダバンテ・ガードナーにバスケット・カウントを許し流れを変えられない。ガードナーが10得点、五十嵐が9得点を挙げた新潟が31-19と先行した。それでも横浜は、第1クォーターでは出せなかったトランジションオフェンスで追い上げを開始。ディフェンスリバウンドからアウトナンバーを作り、川村が3ポイントシュートを沈め、さらにジェフリー・パーマーの3ポイントシュートと、第2クォーター開始2分半で30-35と詰め寄った。だが、新潟はここでタイムアウトを挟んで城宝匡史が4点プレーとなるバスケット・カウントを決めて悪い流れを断ち切り、ボールにプレッシャーを掛け続けゴールを守る。ファウルがかさみ、このクォーターで14本のフリースローを与えてしまうが、フィールドゴールを許さないことで流れを渡さない。城宝が3本の3ポイントシュートを含む10得点を挙げ、ガードナー不在の時間帯もリードを保った。川村の連続3ポイントシュートも実らず新潟が逃げ切り横浜13点のビハインドで迎えた後半、点の取り合いが続く中、細谷将司の2本のドライビングレイアップがリズムをもたらす。ここまでペイントタッチが少なかった横浜に縦の動きが加わりボールが回り始め、川村がタイミング良く3ポイントシュートを沈めていった。横浜が点差を5点に詰めて迎えた最終クォーター、ガードナーとハシーム・サビート・マンカが互いに点を取り合い一進一退の攻防が続くが、ホームの大声援を力に変えた横浜がジワジワと迫る。そして、残り2分52秒、満田丈太郎がフリースローを沈め84-84の同点に追いついた。だが新潟はガードナーがフリースローを沈め逆転を許さなかった。この勝負どころで五十嵐とガードナーのツーメンゲームでズレを作っては次々と加点していく。同点に追い付いた後はガス欠を起こした横浜を相手に、約2分間で8-0のランで突き放した。横浜はファウルゲームに持ち込んだ後に脅威の粘りを見せ、川村が3本の3ポイントシュートを沈めて残り11秒で3点差まで詰め寄るも、最後は川村の3ポイントシュートが外れ、オフェンスリバウンドを細谷の3ポイントシュートにつなげるもこれも決まらず、96-93で新潟が逃げ切った。「試合の入りが悪かったことが悔やまれる」勝利した新潟の庄司和広ヘッドコーチは「第1クォーターで非常に良い入り方ができた」と序盤で得た貯金を勝因に挙げた。「点数はいつも80ちょっと取っているので、良ければこういう点数にはなる」と96点を記録した攻撃力への信頼を語る。だがその一方で「オフェンス重視のメンバーにしてしまうと遂行能力が落ちてしまう場合がある。我慢しれきれていないところもたくさんあったので、その時にチームの約束事の中でプレーできるように」と課題を挙げた。敗れた横浜の尺野将太ヘッドコーチは、前半56失点のディフェンスを敗因に挙げる。「ガードナー選手に寄りすぎて、シューターに気持ち良くシュートを決められてしまった。エネルギーが足りないディフェンスをしてしまって、相手のやりたいことをさせてしまった。後半修正して戦う姿勢を示したが、試合の入りが悪かったことが悔やまれる」富山グラウジーズが大阪エヴェッサに連敗し、新潟は4位に浮上した。2位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズから5位の富山まで3.5ゲーム差と、2位争いは混沌としている。新潟は前節でアルバルク東京から連勝を挙げた勢いそのままに、チャンピオンシップ争いでも台風の目になるかもしれない。2018/03/11Bリーグ&国内
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「ただひたむきに」と変わる満田丈太郎、横浜ビー・コルセアーズを変えられるか「1試合を犠牲にしたことに責任を感じています」横浜ビー・コルセアーズは11勝29敗、B1全18チーム中ボトム4に沈んでおり、昨シーズンに続き苛烈な残留争いに巻き込まれている。先週末の川崎ブレイブサンダース戦では、強豪相手に力の差を見せ付けられて連敗。第1戦は30点差をつけられる完敗、第2戦は前半をリードして折り返したものの、後半に逆転負けを喫した。これで4連敗。現状を何とか打破しようと個々が奮闘するも、結果が出ない。そんな中、がむしゃらな働きが一際目立つのがルーキーの満田丈太郎だ。土曜の第1戦、満田は開始10秒と3分に辻直人の3ポイントシュートに対してそれぞれファウルを犯し、川崎を勢いに乗せるとともに自身はファウルトラブルでベンチに下がる不本意な出来に終わった。勝敗が決した後の第4クォーターを除けばプレータイムは6分、先発の役割を果たせなかった第1戦の自分に「審判がどうとかじゃなく、人として終わっていたので」と厳しい自己評価を下す。「そういう部分は絶対に出しちゃいけないんです。年上の選手がいる中でプレータイムをもらっているのだから、言い訳はできません。ただひたむきにやらないといけない。1試合を犠牲にしてしまったことに責任を感じています」第1戦は散々だったが、昨年末から定着していた先発を外れた第2戦にカムバック。ベンチスタートながらハシーム・サビート・マンカの20得点に次ぐ18得点を挙げた。特にサビートが封じられて劣勢となった後半、横浜のオフェンスの中心となった。時には失敗もあるかもしれないが、苦しい時間帯に仕事のできるルーキーに、ファンの期待は集まりつつある。「ヘッドコーチから求められていることをしっかりやる。それを全力でやることが結果につながると信じて、120%でひたすらにやりました」。これが満田が見いだした『回答』だ。「自分で判断して的確なプレーを心掛けています」満田は特に年明けの天皇杯の中断期間明けから調子を上げている。大学キャリアの最後に痛めた腰のケガに長らく苦しめられたが、トレーナーと取り組んだ対応が功を奏して今は問題がない。そしてもう一つ、攻撃面で積極性が出たことも大きいと満田は語る。「川村(卓也)さんから『練習中からしっかり打っていけ』とアドバイスをいただいて、自分らしさを出すことがチームへの貢献になると分かりました」1年前の加入当初の自分を「迷ったプレーをしていました」と振り返る。「止まってパスすればいいのにジャンプして空中で探してパスするようなプレーでミスをしていて、『行くなら行く、パスならパスとメリハリをもっと付けろ』と川村さんに言われて、それをやっていくうちにタイミングを判断できるようになってきました」今の満田は、筑波大時代にスコアラーとして名を馳せたスタイルをBリーグでも発揮しつつある。分かりやすい変化は外のシュートだ。「今まで外がなくて、僕なんかは捨てておいて『打たせておけ』みたいな感じでした。自分がそこを改善しないとドライブも生きないので。アタックするために3ポイントシュートも打っていますし、今は他も補っているところです」と満田は語る。実際、今年に入って12試合で3ポイントシュートは21本中10本成功。47.6%は上々の数字であり、こうなると守る側は『打たせておけ』というわけにはいかない。リングへアタックする際の視野も広がり、自信を持ってドライブできるようになった。「以前はざっくり『アタックしろ』だけだったのが、マッチアップしている時に相手を観察できるようになって、指示も『こういうシチュエーションの時はこう動け』と細かくなりました。それをこなすことに加えて、自分で判断して的確なプレーを心掛けています。指示がより具体的になって、自分としては分かりやすいです。それをしっかり遂行できるように心掛けています」「その積み重ねが最後の1点差になると思っています」しかし、満田のプレーは光ってもチームは連敗。優勝候補である川崎との差を満田はこう語る。「ディフェンスのボールに対する執着心、ハードプレッシャー、そこのクオリティが川崎のほうが確実に上でした。第3クォーターの出足で逆転されたのですが、そこで最悪でもリードを広げさせず我慢しないといけないところで、どんどん離されました。細かい差ですが、一つひとつの差が出てしまいました」チームは奮闘しているし、満田自身は間違いなく調子を上げているが、降格のリスクを負っている状況で余裕のあることは言っていられない。「試合はいつ何が起こるか分からないし、どのチームも必死になって来るので、そこで引かないようにハードに守って、しっかりアタックして。その積み重ねが最後の1点差になると思っています」結果が出ない理由を満田は「積み重ね」という言葉で説明した。「最後の最後までプレッシャーを掛けられるかどうか。その部分が足りないからここまで負けてきています。最後もしっかり力を出す。最後まで何が起こるか分からないことを考えながらハードにプレーする。それを全員ができれば、自ずと勝利はついてきます」横浜はB1で平均年齢が最も高いチームだが、その経験が重要な局面での勝負強さにつながっていないのが現状だ。川村からのアドバイスを満田は着実に成長へつなげているが、「全員が40分間ハードに、一つひとつのプレーを積み重ねる」という満田の声は年上の選手たちに響くだろうか。2年連続の残留プレーオフに進むことになるのでは、あまりにも厳しい。横浜が一つ上のレベルに行くためには、ここで変わるしかない。2018/03/08Bリーグ&国内
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横浜がホームで初の連勝、川村卓也の充実感「みんなで補うことができ始めている」「みなさんに気持ち良い思いをさせれて良かった」横浜ビー・コルセアーズは先週末の島根スサノオマジック戦に連勝し、今シーズン初めてホームコートでの連勝を果たした。1月27日、28日に行われた名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦では2試合続けて1点差で敗れたこともあり、ホームのファンにとっては待望の連勝だった。川村卓也もホームでの連勝について「いつ以来か分からない、僕も記憶にないくらいなので」と前置きし、「皆さんに気持ち良い思いをさせれて良かった」と語った。横浜は現在11勝25敗でリーグ16位と苦戦が続いている。チームの強さと観客の数は少なからず相関関係があるが、横浜はリーグ6位となる平均3000人を超えるファンを獲得している。「僕らのブースターというのはどんな負け方をしても、どんなにひどいゲームをしてもいつも後押しをしてくれてます。そこに甘えちゃいけないんですけど、皆さんのこのチームに対する思いを強く感じていますし、その皆さんに良い思いをさせるっていうのは結果しかないので、今日は結果に出せてホッとしました」と安堵の表情を浮かべた。「僕をシックスマンにしたり試行錯誤があった」川村は直近の10試合のうち8試合で2桁得点を記録し、そのうち半分の4試合は20点を超えるパフォーマンスを見せるなど、好調が続いている。「僕をシックスマンにしたりいろんな試行錯誤があった中で、僕には点数に絡んでほしいということをチームが主張してくれるようになりました」と、得点という分かりやすい役割を任されることでパフォーマンスが上がっていると感じている。川村の個人的なパフォーマンスがチームに勢いを与えていることは間違いない。だが島根との第2戦では川村が9得点だったにもかかわらず、チームは80点を奪い勝利を手にした。それはチームとしての力がついてきたことを意味し、川村も手応えを口にした。「僕が1桁の点数でも他の選手が2桁取って80点に乗るっていうのは、チームとしてみんなでカバーし合える意識とパフォーマンスが両方身に着いてきたのかなと思わせてくれるチーム状況です」自身の得点が勝利に直結することは選手にとって一番気持ちがいい瞬間だが、「チームが勝てればどうでもいい」と川村は勝ちかたにこだわらない。「得点力不足をみんなで補うことができ始めているのかな」とチームの底上げを実感し、そこに喜びを見いだしている。「自分たちが弱いということを認識させてくれます」横浜はシーズン途中にアドバイザーとしてトーマス・ウィスマンを招いた。川村もそれが一つの上昇のきっかけだと証言する。「アドバイザーでトムが入ってきてくれて、大きく変えたことはないんですけど、練習量も増えたし、自分たちが弱いということを普段から認識させてくれます。それをしっかり頭において練習からプレーしているからこそ、一つひとつのシュートの成功で自信を持ってプレーできるようになっていると思います」また、現在5試合連続で2桁得点を記録している満田丈太郎のステップアップを川村は強調した。「ジョーは2、3カ月前まではアウトサイドシュートは全く入らないと言われてました。ペネトレイトだけを警戒されてた選手がこれだけの短期間で成長できるというのは、若いからこそという部分と研究されていない部分もありますが、あいつの成長はこのチームのカギになると僕も思っています」満田は大事な場面でシュートを沈め、相手がタイムアウトを要求せざるを得ない状況を作った。そして川村はそんな満田に駆け寄り、互いにジャンプをして胸を突き合わせ喜びを分かち合った。ただこのようなシーンは特別ではなく、最近の横浜に多く見られる光景だ。それだけチームメートと良い関係が構築されているということで、川村も「ああいうのが自然と出るような良い雰囲気だっていうのを感じ取ってもらえたらうれしいです」と話した。「NBAみたいにハンドシェイクをあえて考えてやってるわけじゃなくて、良いシュートや良いプレーが出た後にエナジーが出た上で出てるので、チームとしては良い雰囲気です」ホームのファンの前で連勝を果たし最高の週末となったが、依然下位にいることは変わらない。それでもチーム力の上昇と自身の好調がマッチし続ければ、周りのチームにとっても横浜は怖い存在になるだろう。余談だがジャンプをし互いに胸を突き合わせるパフォーマンスの名称は決まっておらず、「名前を集めてください」と川村も言っていたので、我こそはと思う人はSNS等で候補を送ってみてはいかがだろうか。2018/02/13Bリーグ&国内
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我慢のバスケで島根を退けた横浜ビー・コルセアーズ、今シーズン初のホーム戦連勝第2クォーターを7点に封じたディフェンスが光る横浜ビー・コルセアーズvs島根スサノオマジックのゲーム2。ディフェンスが機能し、バランスの良いオフェンスを展開した横浜が前半で大量リードを奪い、2桁リードを保ち続けて80-68と完勝した。先手を取ったのはホームの横浜。連動したパス回しからタイミング良くボールが入って開始2分半で9-1と好スタートを切る。その後、ジョシュ・スコットに第1クォーターだけで3つのオフェンスリバウンドを奪われ一度は追い付かれるも、川村卓也の3ポイントシュート、ハシーム・サビート・マンカのインサイドと内外から連続得点を奪い、25-17と横浜がリードした。第2クォーターに入ると、横浜はシュートが入らない時間が続くがチームディフェンスが機能し、守備でリードを保った。特にディフェンスではオフェンスリバウンドを何本も許すも最後までプレッシャーをかけ続け手元を狂わせた。その結果、島根は個人プレーからのシュートがことごとくリングに弾かれた。鈴木裕紀はこのクォーターをこう振り返る。「それぞれが『線』として攻めることができずに『点』で攻めてしまって、連動性を欠くオフェンスになってしまった。自信を持って攻めるところとセルフィッシュになってしまうところがあり、うまく噛み合わなかった」横浜もシュートに苦戦するものの、細谷将司の3ポイントプレーやジェフリー・パーマーの3ポイントシュートなどで、この日最大となる13-0のランを繰り出した。15-7とこのクォーターでも上回り、前半で16点のリードを奪った。「流れが良くない時も焦りがない感覚」第3クォーターに入り、ウィリアム・マクドナルドが11得点、スコットが10得点を挙げ、インサイド陣が安定した力を出し拮抗する展開が続く。7-2とオフェンスリバウンドで上回った島根がわずかに点差を詰めた。最終クォーター残り5分25秒、インサイドで連続失点し10点差に迫られた横浜だが、オフィシャルタイムアウトを待たずにタイムアウトを要求。直後のオフェンスで川村がフリースローを獲得し流れを切ると、残り約3分の場面で満田丈太郎が3ポイントシュートを沈め勝負アリ。点差を1桁に戻されるピンチを切り抜け、終始2桁のリードを保った横浜が嬉しいホーム2連勝を飾った。尺野将太ヘッドコーチは「ホームで2連勝できたことには大きな意味がある。前半良いプレーができて、後半に相手に流れがいく中で、我慢しながら切れることなくプレーできたことが良かった」と力強い口調で話した。その我慢できた部分については、特に第2クォーターでのパフォーマンスを挙げた。「良いオフェンスができていたがシュートが入らなかった。そこで選手が良いシュートを打てていると理解できていたので、打ち続ければ入るし、アタックし続ければファウルは鳴るというところで、ゲームの感覚として流れが良くない時も焦りがないというか、このままいけば大丈夫という意識が共通して持てたのが良かった」PGのテコ入れに手ごたえ一方、敗れた島根の鈴木コーチは80点を奪われたディフェンスを敗因に挙げた。「ボールラインを下げたくなかったので、45度のディフェンスのディナイ、ペイントエリアに簡単にボールを入れさせないという2点、そこが徹底できていなかった。簡単にペイントでスコアされたことが多く、チームとしてやるべきことができなかった。ディフェンスでストップすることができなかったので自分たちの早い展開に持ち込めなかった」今日の敗戦により、島根は今シーズンワーストとなる10連敗を喫した。だが後半のスコアだけに注目すると44-40と島根が上回り、鈴木コーチも収穫を口にした。「今シーズン初めて試したんですけど、テンポアップをするため、ディフェンスの圧を継続的に続けていくために後藤(翔平)をポイントガードで使いました。そのこともあり、この後半は23点、21点とスコアを上げることもできました。プレータイムを伸ばしながらチャレンジしたい」横浜は今シーズン初となるホームでの連勝を飾り、リーグ15位の滋賀レイクスターズとのゲーム差を0.5に縮めた。このホームでの連勝をきっかけに、海賊の逆襲に期待したい。2018/02/11Bリーグ&国内
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勝負どころで崩れなかった横浜ビー・コルセアーズ、新潟を退け連敗ストップ相手のミスにつけ込み、序盤で大量リード新潟アルビレックスBBと横浜ビー・コルセアーズの一戦。横浜は2試合連続で1点差負けを喫し、終盤の試合運びに難があることを露呈していたが、この試合では要所を締めて、序盤に得た大量リードを守り、86-81で逃げ切った。横浜はウィリアム・マクドナルドが欠場したが、序盤から攻守ともにアグレッシブにプレーし先手を取る。ディフェンスでは簡単にボール回しをさせずパスコースを先読みし、ターンオーバーを誘発した。スティールから川村卓也と満田丈太郎が速攻を決め、思い切り良くシュートを放ち、開始5分で15-5と2桁のリードを奪った。ホームの新潟は得点源のダバンテ・ガードナーが横浜のトラップディフェンスの前に得点を伸ばせず。また城宝匡史と遥天翼がともに第1クォーター中盤で2つ目のファウルを犯してベンチに退き、ハシーム・サビート・マンカのブロックショットを警戒した新潟はオフェンスが停滞した。横浜は川村の8得点を筆頭に7人が得点。26-9とスタートダッシュに成功し、第2クォーターに入ってもダブルチームのタイミングなどを変えてガードナーを封じた。ガードナーはこれで冷静さを失い、このクォーターだけで4つのターンオーバーを犯し、前半で7得点と沈黙する。後半に入っても横浜のペースは変わらない。川村がデザインされたプレーから連続得点を挙げ、満田がセカンドチャンスポイントや速攻で得点してリードを広げた。連続得点を与えず、逃げ切りに成功新潟はガードナーにボールを預けるだけの単調な攻めにようやく変化が見られ、追い上げを開始。スクリーンでガードナーのマークを外し、流れの中でガードナーを強調することでオフェンスを活性化させた。一時は18点のビハインドを背負ったが、第3クォーター終了時点で13点に縮め、ガードナーと畠山俊樹の得点でついに点差を1桁に戻す。横浜の選手の脳裏には、前節の2試合連続の逆転負けが浮かんだはずだ。しかし、この試合では追われるプレッシャーに打ち勝った。ジェフリー・パーマーが3ポイントシュートを沈めて再び点差を2桁に広げる。残り5分40秒にまた1桁に詰められたが、直後のオフェンスで川村が3ポイントシュートを決め返した。残り1分41秒には城宝に3ポイントシュートを決められ79-74と肉薄されるも、パーマーがフリースローを獲得し新潟の流れを断ち切る。残り1分に川村がフリースローを沈め、82-75と3ポゼッション差にしたところで勝負アリ。最後まで相手に流れを渡さなかった横浜が第1クォーターのリードを守り切り、勝利を手にした。「チームとして1歩成長できたゲーム」勝利した尺野将太ヘッドコーチは「今週は何があっても自分たちを信じて40分間戦おうと話しました。チームを信じて最後まで戦えた結果だと思います」と試合を振り返った。追い上げられる場面もあったが、最後まで崩れなかったことについては「コートに立っている5人が自分たちのやるべきことを分かって、勝つことだけを信じてプレーしてくれた結果です」と胸を張った。要所で得点し、ゲームハイの28得点を挙げた川村は「先週は良いバスケットを2試合しながらも逆転したことを1週間反省して、今日の勝ちに結びつけたので、チームとして一歩成長できた」とコメント。「誰かが欠けた時にチーム一丸となってまとまる姿勢が40分間できていましたし、みんながカバーして我慢した時間帯が多かった。ウィルがいないのもでかいですけど、それを補う力が僕たちにはできつつあると感じています」と手ごたえをつかんだ様子だった。新潟は前半だけで14のターンオーバーを記録するなど、序盤の大きなビハインドが敗因となった。また課題となっている日本人選手の得点力不足を露呈し、2桁得点を記録した日本人選手がいなかったことも悔やまれる試合となった。2018/02/03Bリーグ&国内
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日本一のトランジションで横浜を退けた千葉ジェッツ、序盤につまづくも逆転で勝利横浜に先行されるもトランジションで反撃千葉ジェッツvs横浜ビー・コルセアーズ第1戦、得意のトランジションが爆発し終盤に突き放した千葉が95-79で勝利を収めた。序盤はアウェーの横浜が素晴らしい立ち上がりを見せる。連動した動きからノーマークを作り、満田丈太郎と細谷将司が3ポイントシュートを決めて先手を取ると、千葉のお株を奪うトランジションから高島一貴が速攻を決めてリードした。逆に千葉は、横浜が良いシュートで終わるためにアウトナンバーを作れず、速攻へと持ち込めない。良いリズムが作れず、3ポイントシュートもリングに弾かれた。それでも千葉は16-26と2桁のビハインドを背負って迎えた第2クォーターから反撃を開始する。ギャビン・エドワーズが先頭を走り、自らもボールをプッシュし、チームに速攻の意識を呼び起こさせる。得意の形が出始めたことでハーフコートバスケットにもリズムが生まれ、シュートの精度が上がる。トランジションから西村文男、レオ・ライオンズ、小野龍猛が3ポイントシュートを沈め、第2クォーター残り5分から16-4と一気にペースアップ。このクォーターだけで30点を奪った千葉が46-43と逆転して前半を終えた。堅守からの速攻、持ち味を出した千葉の完勝千葉は後半も堅守からの速攻を展開し、ハーフコートバスケットでは小野やマイケル・パーカーのインサイドプレーなど強みをしっかりと生かし得点につなげる。後半開始3分で12-2と走り、優位を決定的なものとした。対する横浜は千葉のディナイディフェンスに苦戦し、第1クォーターのような連携プレーが影を潜め、苦しい外からのシュートが多くなる。ハシーム・サビート・マンカのインサイドプレーで得点するも単発で、流れを呼び戻すには至らなかった。第4クォーターに入り、横浜はペースダウンさせてサビートの6連続得点で65-71と2ポゼッションまで詰め寄った。だが千葉はタイムアウトを機に立て直し、再びトランジションオフェンスを展開。ギャビンのコースト・トゥ・コースト、ライオンズの3ポイントシュートで点差を2桁に乗せ、その後も堅守速攻が火を噴く。残り4分52秒、1分間で9-0と走った千葉が点差を20に乗せたところで勝負アリ。千葉ポートアリーナに詰めかけた5909人の前で天皇杯を制した実力を見せつけた。 「オフェンスは何も言うことはない」と指揮官も納得大野篤史ヘッドコーチは「インテンシティの低いディフェンスからジャンプスタートされてしまった」と重い立ち上がりを振り返る。それでもトランジションオフェンスが威力を見せたことで、「オフェンスは何も言うことはないです」と指揮官も納得する出来。「しっかりカムバックして勝利できたので良かった」と安堵の表情を浮かべた。要所で3ポイントシュートを連発した小野も「天皇杯明けで重要視していたので、後半にチームで結束して勝てたので良かった」とホッとした様子。それでも『隙』を見せた第1クォーターの立ち上がりについては「出だしから自分たちのバスケをして相手の出鼻をくじくようにしたい」と反省を語った。敗れた尺野将太ヘッドコーチは千葉のトランジションを警戒していたものの、それを千葉が上回ったと語る。「リーグで一番速いチームだと分かっていたので、そのトランジションにどれだけついていけるかが勝負だと思っていましたが、相手が速かったです」日本一のトランジションを止めることは容易ではない。改善のカギはディフェンスよりもオフェンスだと尺野ヘッドコーチは指摘する。「トランジションディフェンスだけを修正しようとしても、あれはなかなか止められない。良いオフェンスで終わってディフェンスの準備をできる状況を作るために、しっかりオフェンスの修正をします。あとは気合と根性で40分間トランジションディフェンスをしたいです」力の差があるからといって絶対に勝てないとは言い切れない、時には精神面が試合を左右する場合もある。明日の第2戦は千葉の破壊力抜群のトランジションに対し、横浜がどこまで根性を見せられるか、メンタルの強さが問われる一戦となりそうだ。2018/01/21Bリーグ&国内
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気迫で上回った横浜ビー・コルセアーズ、接戦を制する連勝は浮上の転機となるか最終クォーター終盤まで逆転を繰り返す熱戦に富山グラウジーズと横浜ビー・コルセアーズは、昨シーズンの残留プレーオフで対戦した両チームの顔合わせ。11月に行われた横浜のホームゲームは1勝1敗のイーブンに終わったが、今回は中地区最下位でお尻に火が付いた横浜が気迫で上回り、価値ある連勝を手にした。第1戦は4つのクォーターすべてで横浜が上回る完勝。それを受けた昨日の第2戦では富山が守備の課題を修正し、前半の失点をわずか22に抑え、大きくリードして後半へ。それでも、ハーフタイムにオフェンスを修正した横浜が反撃に出る。外国籍選手だけで無理に攻めるのではなく、チームオフェンスを遂行してガード陣も積極的にアタック。こうして第3クォーターを25-10と圧倒し、47-46と逆転して最終クォーターへ。第3クォーターに細谷将司が作り出したアップテンポの良い流れを引き継いだ田渡凌、そのピック&ロールからズレを作る攻めに富山は苦しむ。じわじわと点差を離され、さらには大塚裕土がファウルアウトになる危機的状況に。だが、これを打開したのはエースの宇都直輝だった。自らのスティールから一気に走って得点すると、サム・ウィラードが身体を張ってディフェンスリバウンドを押さえるのを確信して、他の選手より一歩早くスタート。ボールを受け取ると迷わずリングに突き進んでレイアップを沈める連続得点で、57-57と追い付いた。宇都直輝と田渡凌がアップテンポな攻めを演出ここまでは比較的重たい試合だったが、この宇都の連続得点から最終盤にかけて一気にヒートアップする。デクスター・ピットマンがフリースローを2本落として流れが再び横浜に。川村卓也がショットクロックぎりぎりでウィラードを振り切るフェイダウェイシュートを沈め、宇都のドライブをダブルチームで耐えると、速攻に転じた田渡が数的不利をモノともしない強引なアタックを決めきって61-57と再び突き放す。それでも富山も引かない。タイムアウトを取ってデザインしたオフェンス、じっくり一本取りに来るかと思いきや、ウィラードとのシンプルなハンドオフから宇都がギュンとスピードを上げ、高島一貴のファウルを受けながらもレイアップを沈める3点プレーを見せる。続く攻めではウィラードがミドルシュートを落ち着いて沈めて逆転。2711人を集めた富山市総合体育館は大いに沸いた。その後も田渡と宇都の得点でリードチェンジを繰り返し、残り30秒で64-63と富山が1点のリード。横浜はここで最後のタイムアウトを使い、勝負どころのオフェンスをアレンジする。田渡から高島を経由し、オフボールスクリーンで大きく動いた川村にボールを託す。ここ一番で無類の勝負強さを発揮する川村に富山ディフェンスの意識が集中する中、その数秒前に川村にオフボールスクリーンをかけていたジェフリー・パーマーがするすると下がっていた。川村はそれを見逃さず、真正面でオープンになったパーマーにボールを回す。この3ポイントシュートがネットに吸い込まれ、横浜が66-64と逆転した。「後半の遂行力」で勝利をもぎ取った横浜残り20秒、富山は宇都で最後の勝負に出る。ウィラードのスクリーンを使って切り込んだ宇都は、スピンムーブで満田丈太郎とパーマーのダブルチームをかいくぐる。だが、抜けたと思って腕を伸ばしたところに、ハシーム・サビート・マンカのブロックが待っていた。221cmのマンカがこのレイアップを叩き落とし、リードチェンジを繰り返す激闘を横浜が制した。横浜の尺野将太ヘッドコーチ代行は、得点が伸びない前半を受けて「ボールに人が集まる傾向があったので、後半はオフボールのスクリーンを使いながらシュートチャンスの動きを作りました」とハーフタイムの指示を明かす。「後半、選手たちが本当によくプレーで遂行してくれて、そこに尽きると思います」と会心の勝利を振り返った。富山はドリュー・ヴァイニーを欠いていたが、横浜もケガ人が多く、2試合ともに10人で戦わなければならない状況。それでも特定の選手に負担を集中させることなくローテーションし、チームで2勝をもぎ取った。中でも目立った選手を挙げるとすれば満田だろう。スピードのある宇都のマークマンとして土日ともに先発に抜擢された満田は、足を使った粘り強いディフェンスで宇都にプレッシャーを与え続け、富山にリズムを作らせなかった。これで横浜は連敗を6で止めるとともに今シーズン初の同一カード連勝を決めた。それでも中地区最下位であることに変わりはないが、勝利は最良の薬とも言う。ホームに戻ってミッドウィークの新潟アルビレックスBB、そして週末のレバンガ北海道との試合で、チームを一気に浮上させられるかどうか。まだ前半戦ではあるが、ここが正念場だ。2017/12/18Bリーグ&国内
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三遠ネオフェニックス、相手の『守護神不在』を突くビッグランで横浜ビー・コルセアーズを撃破、前日の雪辱を果たす勝負を分けた第3クォーターのパフォーマンス11月5日、三遠ネオフェニックスが敵地で横浜ビー・コルセアーズと激突。第3クォーターに大きく突き放して76-70と勝利し、前日に敗れた雪辱を果たした。ともにオン・ザ・コート「2」で臨んだ第1クォーター、三遠はカルティエ・マーティン、スコット・モリソンの外国籍コンビが序盤から得点を重ね、いきなり15-2と大量リードを奪う。一方、横浜は外国籍選手が2人の状況にもかかわらず、ハシーム・サビート・マンカが第1クォーターで個人ファウル3つと苦しい状況に。だが、ここから満田丈太郎、佐藤託矢と日本人ベンチメンバーの奮闘が盛り返し、三遠の20-15でこのクォーターを終える。互角の展開の第2クォーターを経て、三遠の4点リードで前半を終えた。試合は第3クォーターに大きく動く。三遠は残り8分30秒、田渡修人が3ポイントシュートを決めると、速攻からモリソンがダンク。さらに太田敦也の連続得点などによって、約2分間で連続9得点でリードを2桁に広げる。勢いに乗る三遠はさらに川嶋勇人のレイアップなどで得点を重ね、このクォーターで28-14と横浜を圧倒。リードを18点にまで広げることに成功した。第4クォーター、横浜も意地を見せ、ファウルトラブルで第2、第3クォーターとベンチに下がっていたサビートがこのクォーターだけで8得点6リバウンド2ブロックと奮闘。さらに満田もこの10分間で10得点を挙げて追い上げるが、三遠は大量リードを生かし余裕を持って逃げ切った。『ボールと人が連動したバスケット』が機能三遠の藤田弘輝ヘッドコーチは、「昨日は自分たちのバスケットボールを全くさせてもらえず悔しい試合でした。今日は、自分たちのバスケットができた時間帯が昨日より多かった分、勝てたと思います」とコメント。この『自分たちのバスケット』とは、12得点を挙げた田渡修人が、「しっかりディフェンスに集中し、リバウンドを取って素早い攻守の切り替えから速攻を仕掛けること。そしてハーフコートオフェンスでは、ボールと人が連動したバスケットボールで、それができればどのチームとも戦えます」と語るものだ。65-69で敗れた昨日の試合、三遠は第3クォーターで13-19と劣勢になったことが痛かったが、今日は逆に第3クォーターの出来が勝因になった。前日との違いについて、指揮官は「昨日は第3クォーターにファウルが多くなってゲームの流れが重くなり、相手のペースになってしまいました。今日はエナジーレベルを強調しないといけないことを、選手たちが一番分かっていて、それをコートで表現してくれました」と振り返る。サビート、痛恨のファウルトラブル敗れた横浜の古田悟ヘッドコーチは、第3クォーターの急ブレーキについて「まずは1対1で簡単に抜かれてしまった選手が何人かいて、そこから崩れてしまいました。チームで守る前に、まず個人があります」と守備の乱れを指摘。そして「コートにいるだけで脅威。常に相手に、ブロックをされるというイメージを与えてくれる」と『ゴール下の守護神』として信頼を置くサビートが、痛恨のファウルトラブルで15分30秒のプレータイムに留まったのはあまりに痛かった。ただこの試合、スタッツを見るとリバウンドは三遠より10本少なかったが、アシストは27、スティールは10、ターンオーバーはわずか7など内容は決して悪くない。そしてジェイソン・ウォッシュバーンの長期離脱を受けての外国籍選手2人体制の状況も、「新しい選手も来ていますので、間に合えば来週から出ます。インサイドの選手で、ポストアップも含めて技術的に良い選手と思っています」新メンバーの目処は立っている。このように連勝は逃したが、プレー内容、そしてメンバーも揃ってきつつある横浜。チーム状況は確実に良くなっているだけに、再びホームゲームとなる次週の富山グラウジーズで浮上の弾みとなる結果を残したい。2017/11/06Bリーグ&国内
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