横浜ビー・コルセアーズ

ベクトンのファウルアウトが勝負の分かれ目に

横浜ビー・コルセアーズが島根スサノオマジックをホームに迎えた金曜ゲーム。横浜はチームのリーディングスコアラーのロバート・カーターと帰化選手のエドワード・モリスが負傷欠場と厳しい布陣となったが、前線からのプレッシャーディフェンスと粘り強いゾーンディフェンスで接戦に持ち込んだ。

横浜はゾーンディフェンスをスタートから敷いたが、序盤は簡単に失点するシーンが多く2-9と先行された。それでも、レジナルド・ベクトンがリード・トラビスから個人2つ目のファウルを誘発し、途中交代の河村勇輝がテンポアップしたことで流れを変える。ベクトンのインサイド、トランジションからアキ・チェンバースの3ポイントシュートが決まり3点差に迫る。

だが、第2クォーター開始直後、ペリン・ビュフォードにトランジションからの3ポイントシュート、スティールからの速攻を許してしまい出鼻をくじかれる。さらに島根ディフェンスの強いプレッシャーに圧されてボールラインが上がってしまい、簡単にオフェンスがエントリーできずに得点が伸び悩んだ。

それでも、パトリック・アウダが粘り強くインサイドで得点したことでフロアバランスが良くなり、アキが内外から得点。オフェンスが落ち着いたことで、ディフェンスの強度が増した横浜は、終盤に3連続でターンオーバーを誘発するなど、オールコートのゾーンが機能。このクォーターだけで6つのターンオーバーを誘発し、スティールから生原秀将が3点プレーとなるバスケット・カウントを決めて逆転した。

横浜ビー・コルセアーズ

「シュートが入るか入らないかの問題だった 」

その後は互いにリードチェンジする拮抗した展開が続き、横浜の3点リードで最終クォーターを迎えた。2連続で3ポイントシュートを許し、早々に逆転された横浜だが、残り7分16秒にトラビスから個人4つ目のファウルを誘発しベンチへ追いやった。

これでインサイドで優位に立つかと思われたが、直後にベクトンも4つ目のファウルを犯してしまい、ベンチに下がることに。オフィシャルタイムアウト明け、3点ビハインドの横浜はベクトンをコートに戻し勝負をかけるがこれが裏目に。ベクトンは一度はブルックスをシュートブロックするも、こぼれ球を拾われて再びシュートに持ち込まれた際に我慢ができず、5つ目のファウルでファウルアウトとなってしまった。

これで外国籍選手がアウダのみになった横浜はよりスモールラインナップにして、平面のバスケで対抗。森川の3ポイントシュートで1点差に詰め寄ったシーンもあったが、運動量だけでは高さの不利を解消できなかった。残り1分40秒、北川弘に3ポイントシュートを決められ、63-69。直後、フリーを作るも森川が3ポイントシュートを決めきれず、ニカに逆速攻を許し万事休す。終盤に失速し、最終スコア64-74で敗れた。

横浜のカイル・ミリングヘッドコーチは「ビッグマンがケガをしたのもあって、ファウルトラブルを減らすためにゾーンやトラップを起用した。最終的にベクトンがファウルアウトしてしまった後にサイズ感が一気に落ちてしまい、リバウンドやルーズボールをとられたことが敗因の一つ」と試合を振り返った。

また、島根を上回る22本のフリースローを獲得したが11本の成功に留まったことや、3ポイントシュートが21本中5本の成功(23.8%)と低調だったことにも触れ「最終的にシュートが入るか入らないかの問題だった。フロースローに関しても気持ちの問題、これからどれだけ改善できるか」と、語った。

中1日での試合というタフなスケジュールに加え、ビッグマンの2人が戦線離脱と厳しい状況だが、ケガ人が復帰した時にさらに良いチームになるための試練ととらえ、第2戦は勝ち星をつかみたいところだ。