ジャ・モラント

レブロンも脱帽「スーパースペシャルな選手だ」

主力にケガ人を出して5連敗中のグリズリーズが本拠地フェデックス・フォーラムにレイカーズを迎えた一戦。相手は7連勝で西カンファレンス首位を独走するチームで苦戦が予想されたが、ジャ・モラントを中心に今シーズンのベストパフォーマンスを見せ、105-88と快勝した。

立ち上がりにハイテンポなバスケットで9-2とリードするも、レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスのデュオを止められずにすぐさま逆転を許す。このまま一気に押し切られそうな悪い流れだったが、レブロンが一度ベンチに下がった時間帯にジャ・モラントがディープスリーを決め、さらにはヨナス・バランチュナスとのピック&ロールからも得点して再びリードを奪う。その後は矢継ぎ早にセカンドユニットを送り出し、ディフェンスの強度を上げることで主導権を握った。

第2クォーターに入りモラントを休ませた7分半の間、グリズリーズは20-5のランでリードを広げる。タイアス・ジョーンズやジョン・コンチャー、そして渡邊雄太とベンチメンバーの奮闘が効いた。一方でレイカーズは味方への激しいファウルに怒ったマーキーフ・モリスがディロン・ブルックスに詰め寄ってテクニカルファウルをコールされる。モリスの強烈な闘争心が結果としてチームの勢いを削ぐことになってしまった。

点差が開いたところで十分すぎるほど休んだモラントがコートに戻る。レイカーズは守備が自慢のアレックス・カルーソ、エイブリー・ブラッドリーにマッチアップさせるが、モラントは巧みにスクリーンを使ってはマークを引きはがして得点を重ねていった。

後半にレブロンもギアを上げるが、モラントはそれ以上のペースで得点していく。周囲がモラントを巧みにサポートし、特にバランチュナスとの連携はレイカーズのディフェンスを迷わせた。第4クォーター残り3分、83-101となったところでレイカーズはレブロンとデイビスを下げて勝負アリ。グリズリーズにとっては価値ある快勝となった。

モラントは27得点14アシスト、試合を支配する影響力は抜群だった。レブロンはそのモラントを「スーパースペシャルな選手だ」と素直に称えるとともに、「ディロンも素晴らしいプレーで(24得点)、バランチュナスは昨日と今日で50リバウンドじゃないかな(実際はレイカーズ戦が20、前日のキングス戦が25)。本当に良いプレーで僕らを寄せ付けなかった」とチームの戦いぶりに称賛を惜しまなかった。

また渡邊雄太は13分の出場で3得点。速攻から狙ったダンクをカイル・クーズマにブロックされるなど得点は伸びなかったが、フットワーク良くミスマッチを作らせないディフェンスで間違いなくチームの勝利に貢献していた。

グリズリーズにとってはオールスターブレイク後にようやくの初勝利。それでも何とかプレーオフ進出圏内の8位に位置している。ザイオン・ウイリアムソンを擁するペリカンズ、経験豊富なスパーズ、勝負強いブレイザーズに終われる立場で残り22試合を乗り切るには、モラントの活躍はもちろん、チーム一体となっての戦いが求められる。