
『ジョーダン・ヒース』の検索結果
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最後まで苦戦を強いられるも、ビッグマントリオの長距離砲が火を噴いた川崎が連勝終盤まで続く接戦、ヒースのパスカットで幕 11月10日、川崎ブレイブサンダースがホームで三遠ネオフェニックスと対戦。 川崎は試合終盤の試合運びに拙さを見せたが、ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒース、マティアス・カルファニの『ビッグマントリオ』の3ポイントシュート爆発が光り、81-79で勝ち切った。これで同一カード連勝の川崎は11勝3敗、敗れた三遠は開幕14連敗となっている。 三遠は河内修斗ヘッドコーチが「戦術面、コンディショニングの両方」との理由から、前日に36得点と大暴れしたデビン・イーバンクスからカイル・バーロンへのメンバー変更で臨んだ。イーバンクスに比べ俊敏性では劣るが、サイズとフィジカルのあるバローンはリバウンドなどゴール下での身体を張ったプレーで奮闘。ジェシー・ゴーバン、太田敦也とのインサイド陣を軸に粘りのディフェンスを見せた三遠は、第1クォーター残り3分半の時点で9-3と先手を取った。 しかし、第2クォーターに入ると、川崎はこのクォーターでファジーカスが3ポイントシュート3本中3本成功、ヒースが2本中2本成功と長距離砲が火を吹くことで反撃。39-42と互角の展開で前半を終えた。 後半に入っても両チームは譲らずに僅差で試合は進むが、第4クォーター序盤に川崎はヒースの連続3ポイントシュートなど9連続得点で71-64と突き放しにかかる。だが、三遠も本日20得点の西川貴之、13得点の川嶋勇人らの活躍で巻き返し、拮抗したまま試合は最終盤を迎える。 「選手のエナジーが全体的に少し足りなかった」 川崎1点リードで迎えた残り7.3秒、篠山竜青がフリースローを得るが、ここでまさかの2本連続失敗。しかし、ここでリバウンドをつかんだ三遠のバローンが前を走る寺園脩斗に投げたロブパスをヒースがパスカット。これで川崎がなんとか逃げ切った。 今シーズン初勝利をあと一歩で逃した三遠の河内コーチだが、「チームとして40分間戦えた試合だったと思います。強豪の川崎さんから多くを学ぶことができました」と、悔しい敗戦の中にも収穫はあったと語った。 来週はアルバルク東京が相手と難敵との対戦が続く。それでも指揮官が「ディフェンスの強度に、選手の特徴を生かしたプレー。自分たちの外国籍選手はみんなチーム1年目で、それぞれの良さを生かせるプレーができていない。ケミストリーで学ぶべきものがありました」と語るこの2試合で得た教訓を生かし、少しでもチーム力を高めることで連敗を一刻も早く止めたいところだ。 一方、川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、「最後、競った展開で勝ち切れたのはよかったです」と語るも、勝利への充実感ではなく反省が口を出る。「選手のエナジーが全体的に少し足りなかったです。まず、40分間やりきらないといけないことが今日はできないことが多かった。そうなると、こういうゲームになります。ローテーションで足が動いていなかったりとか、リバウンドでボールを見てしまった。そういう細かいところでやりきれなかったのは反省しないといけない。それができていれば第4クォーターの点差が離れたところから、もう少し楽な展開に持ち込めました」 この試合、川崎はいつもに比べるとプレータイムのシェアをせずに戦った。「12人全員を使い、みんなエナジーを出して流れをつないでいくのが理想です」と言う指揮官だが、だからといって理想にこだわりすぎると弊害も生まれてくるのは把握している。今は理想と現実の間で最適解を見つけている途中だ。 「今年のうちの強みを考えると、勢いに乗った時の流れをつかむ爆発力があります。ただ、タイムシェアのところで、少し選手を変えすぎるとその流れをつかむのが難しくなった試合がいくつかある。その辺を見ながら、その結果として今日はこのような使い方となりました」 「これまでの僕たちにはなかったもの」 勝ちはしたが煮え切らない部分も少なくなかった川崎だが、冒頭で触れた『ビッグマントリオ』の長距離砲は満場一致で評価できるもの。この試合、ファジーカスが6本中5本成功、ヒースが6本中4本成功、カルファニが4本中2本成功と、3人揃って高確率で決めたことが一番の勝因だった。 ここまで自己最多のペースで3ポイントシュートを決め、「今も良くなっている感触はある」と、34歳にしてシュートレンジを広げているファジーカスは、こう自信を見せる。 「僕たちにとって強力な武器だ。ビッズマンが全員3ポイントシュートを決められることにより、大きなスペースが生まれる。これまでの僕たちにはなかったものだ」 川崎の次戦は、敵地に乗り込み横浜ビー・コルセアーズとの神奈川ダービーとなる。ゲーム差は開いているが、地区首位決戦であり会場も大きな盛り上がりとなることが予想される。40分間、やるべきことをやりきることで開幕当初の勢いを取り戻したい。2019/11/11Bリーグ&国内
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川崎が三遠に快勝もファジーカスは「早い段階で試合を決めることが大事」と反省後半に突き離すも、粘られる時間帯が続く 川崎ブレイブサンダースがホームに三遠ネオフェニックスを迎えた第1戦。ニック・ファジーカスがチームハイの24得点を挙げ、5選手が9得点以上を挙げたバランスの良いオフェンスを見せた川崎が97-80で勝利した。 軽快なボールムーブからファジーカスがフィニッシャーとなり、フローターや3ポイントシュートや速攻など次々と得点を重ね、第1クォーターだけで14得点を挙げた。また、ジョーダン・ヒースのアシストから熊谷尚也のアリウープが飛び出すなど、チームオフェンスも噛み合い、25-17と先行した。 第2クォーターに入っても川崎のペースが続き、開始約2分、藤井祐眞のスティールからマティアス・カルファニが速攻を沈め、13点のリードを奪った。 このままリードを拡大していくように思われたが、川崎はここから失速する。佐藤賢次ヘッドコーチが「前半でビッグラインナップは試そうと思っていた」と、話したように、ファジーカス、カルファニ、ヒースを同時起用したが、三遠もデビン・イーバンクス、ジェシー・ゴーバン、太田敦也のビッグラインナップで対抗。 これを川崎は攻めあぐねてターンオーバーを連発し、この試合36得点を奪われたデビン・イーバンクスに連続で3ポイントシュートを許すなど、45-42と点差を縮められて前半を終えた。 セカンドユニットが違いを見せる 後半に入っても、川崎の苦戦は続く。佐藤ヘッドコーチがテーマに掲げる『ソリッドなディフェンス』を遂行するも、一瞬の隙から3ポイントシュートを許すなど、1ポゼッション差の時間帯が続いた。 それでも、チームの完成度と層で上回り、タイムシェアを有効に使った川崎がリードを広げていく。ヒースが連続で3ポイントシュートを沈め、ファジーカスのタッチダウンパスから熊谷が速攻を決めた。 そして三遠のラストポゼッションでは、長谷川技がボールを保持するイーバンクスに執拗なプレッシャーをかけ、オフェンスファウルを誘発するビッグプレーが飛び出す。これでポゼッションを得た川崎は大塚の3ポイントシュートで締め、73-61と点差を2桁に乗せて最終クォーターを迎えた。 第3クォーターを最高の形で終えたことで川崎は勢いに乗った。ファジーカスを全休させながらも、このクォーターで藤井祐眞が9得点3アシストと躍動し、大塚も3ポイントシュートを沈めるなど、セカンドユニットが機能した。 ガス欠に陥り、徐々に集中力が低下していった三遠に対し、全員が強度を落とさずプレーを遂行した川崎は、残り2分にヒースのバスケット・カウントで20点差をつけて勝負を決めた。 ファジーカス「第4クォーター以前は接戦だった」 結果的に大勝を収めた川崎だが、相手は開幕から12連敗中の三遠とあって、苦戦したと言うべきだろう。ファジーカスも「第4クォーター以前は接戦だった」と同調し、言葉を選びながらも現状の課題を口にした。「もっと早い段階で試合を決めることが大事。優勝を目指すチームはそういったメンタルが必要だと思っているが、それがまだできていない」 リーグ10勝一番乗りのチームと未勝利チームの対戦となれば、前者の圧勝と思うのが普通だ。ましてや、優勝を目指すチームであれば、そういった隙を見せることは許されない。 川崎はジョシュア・スミス不在の富山グラウジーズに敗れ、西地区最下位の島根スサノオマジックに敗れるなど、いわゆる格下のチームを相手に勝ちを取りこぼしている。ファジーカスもその点を危惧し、「言い方は悪いが、自分たちよりも順位の下の相手に対してはしっかり勝たなきゃいけない」と話した。 それでも、宇都宮ブレックスと千葉ジェッツに連勝するなど、強豪からもしっかりと勝ち星を挙げ、中地区首位をガッチリキープしていることについて「良いスタートは切れている」と、評価している。 「完成度は分からないが、目指している方向には進んでいる」とファジーカスは言う。安定感が増し、どんな相手に対してもチームが持つポテンシャルを発揮できれば、常勝軍団川崎の悲願達成は現実のモノとなるはずだ。 11月9日のB1 9試合の結果 滋賀89-69富山 宇都宮102-67北海道 名古屋D59-73千葉 大阪78-66横浜 SR渋谷83-72新潟 A東京76-66琉球 川崎97-80三遠 京都78-100秋田 島根81-77三河2019/11/10Bリーグ&国内
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川崎ブレイブサンダース、千葉のお株を奪う『ディフェンスから走るバスケ』で快勝タイムアウトで指揮官の檄、川崎が後半に抜け出す 川崎ブレイブサンダースが千葉ジェッツを相手に敵地で83-73で勝利した。 前半は両チームのエースがオフェンスを引っ張る。川崎はニック・ファジーカスが12得点8リバウンド、千葉はギャビン・エドワーズが11得点8リバウンドと甲乙つけがたい出来で、チームも38-37で川崎が1点リードという接戦になった。 第3クォーターに入り、ファジーカスのセカンドチャンスからの得点で川崎が49-46としたところで、すぐに富樫勇樹がボールプッシュから一気にシュートまで持ち込み、篠山竜青がファウルをしても止められずにバスケット・カウントを献上。この3点プレーで再び1点差に詰められる。 ここで川崎の佐藤賢次ヘッドコーチはタイムアウトを要求。試合後に、このシーンをこう振り返る。「一番やられてはいけないトランジションをやられたということと、プレーとプレーの切り替えのところで、全然準備ができていなかった。ボールもオフェンスも見ていないような状況で、その間に富樫選手にやられたので、何をやっているんだと怒りました。そうしたら、そこから目を覚ましてくれました」 ここから「目を覚ました」の表現通りにディフェンスの強度が一段上がり、タフショットを強いてリバウンドから走る展開へと持ち込む。ここで人一倍ハッスルが目立ったジョーダン・ヒースは「自分たちのエナジーを上げること。そしてディフェンスの強度を上げていく2点をしっかりやっていくことを意識した」と振り返る。藤井祐眞が富樫にプレッシャーを掛けてターンオーバーを誘いレイアップシュートに持ち込み、第3クォーター残り3分で56-49とリードを広げた。 大野ヘッドコーチ「やりたいことを向こうにやられた」 ここで川崎は田口成浩やマイケル・パーカーのハッスルで押し返されるが、63-59で最終クォーターを迎えると再びプレーの強度を上げて自分たちの流れを作り出す。千葉にミスが続く中でも自分たちのプレーを遂行。高さの利を生かしてリバウンドで上回り、攻めに転じれば篠山とファジーカスの鮮やかな連携も決まって、残り4分で75-64と点差を広げた。 点差を広げられた千葉は、残り時間5分の時点でチームファウルが5つに。川崎はアグレッシブに攻めていくことで千葉からファウルを誘い、フリースローも決めてリードを保ち、83-73で川崎が勝利した。 新体制の川崎にとっては、自分たちのバスケットに自信が持てる大きな1勝。一方で主要メンバーが変わらない千葉は2勝4敗と負け越している。 大野篤史ヘッドコーチは敗因をこう語る。「シュートを落としたら次にやることはディフェンスしかないのに、ハッスルバックをやらなかった。逆に向こうはリバウンドを取って、さらにビッグマンも走っていて、自分たちのやりたいことを向こうにやられた印象です」 第3クォーターまでは互角の争いとなったが、タイムアウト一つで立て直した川崎が、新たなチームの持ち味になるべきディフェンスを確実に遂行することで勝利した。 10月19日のB1 9試合の結果 宇都宮92-86三河 A東京93-100京都 横浜64-74島根 千葉73-83川崎 富山76-81大阪 三遠72-87SR渋谷 新潟78-68北海道 滋賀83-67名古屋D 琉球69-87秋田2019/10/19Bリーグ&国内
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最終クォーターに20-0のビッグラン、川崎ブレイブサンダースが宇都宮に大逆転勝利攻守が噛み合い、ラスト10分間を25-5と圧倒 川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックスの第2戦。先出し開幕戦が行われた横浜アリーナから本来の本拠地であるとどろきアリーナに戻った川崎は、第3クォーターにディフェンスからリズムを作られ14点のビハインドを背負ったが、ディフェンスを軸にここ一番で攻守が噛み合って最終クォーターを25-5と圧倒、大逆転勝利を収めた。 川崎は佐藤賢次ヘッドコーチが「最もタフな選手5人を選んだ結果」と語る、マティアス・カルファニ、ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒースの実質『オン3』で試合をスタート。しかし、オフェンスは機能したが藤井祐眞と篠山竜青がファウルトラブルに陥り、フリースローで失点を重ねるなど流れに乗れない。そんな試合は後半に入って大きく動き出す。 最初にリズムをつかんだのはアウェーの宇都宮だった。ジェフ・ギブスを筆頭にオフェンスリバウンドでポゼッションを稼ぎ、それをセカンドチャンスポイントに繋げた。比江島慎が個の力で打開しズレを生みだすと、遠藤祐亮が3ポイントシュートを沈めて流れに乗った。 ハリーバックした遠藤がマティアス・カルファニからオフェンスファウルを誘発するなど、ギリギリのところで失点を防いで優位を作っていく。そして、ここを勝負どころと捉えた宇都宮は橋本晃佑、渡邉裕規が連続で3ポイントシュートを沈め、カルファニからシュートファウルを誘発した喜多川修平が3本のフリースローを沈め、リードをこの日最大となる14点へと広げて最終クォーターを迎えた。 宇都宮に訪れた突然のブラックアウト 試合巧者の宇都宮がこのまま試合を押し切るかに思われたが、ここから川崎の脅威の反撃が始まる。佐藤コーチが「最初の2本が上手く行って、そこが糸口になった」と語ったように、ファジーカスが3ポイントシュートとフローターを決めて、早々に点差を1桁に戻した。 強度を高めたディフェンスが機能したことで、オフェンスにもリズムが生まれる。流れが悪かった第3クォーターには6本打って決まらなかった3ポイントシュートを5本連続で成功させ、トランジションオフェンスも炸裂。こうして一気に点差を詰め、残り2分20秒にアーリーオフェンスからフリーになった篠山竜青がロング2ポイントシュートを沈め、逆転に成功する。 川崎は速攻で8-0、ターンオーバーからの得点で11-0と攻守がガッチリと噛み合った。そして、最後までこの良い流れを維持し、ラスト6分34秒で20-0のランを炸裂させ、最終スコア75-69の大逆転勝利を飾った。 川崎の佐藤ヘッドコーチはディフェンスと我慢の勝利と総括した。「激しいディフェンスをされて点が取れず、苦しい試合ではありました。代わった選手がエネルギーを出してやり続ければ必ず後から効く。選手たちに、『10点、15点離れても我慢してやり続けよう』と話をしたら、その通りになりました(笑)。ディフェンスの勝利だと思っています」 勝因となった最終クォーターについて、「特別な指示は出していない」とのことだったが、「篠山、藤井、長谷川(技)とディフェンスを武器としている選手を出して、相手のリズムを崩せたところはある」と、やはりディフェンスでの勝利であることを強調した。 安齋コーチ「『逃げる』オフェンスになった」 一方、敗れた宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「僕の戦術、選手の出し方が一番の原因ではあります」と責任を背負ったが、最後の失速については「やはりメンタルです」と言及した。 「川崎さんがアグレッシブにきてるところで引いてしまった選手がいた。そこでターンオーバーを犯したり、ディフェンスで引きずってイージーにやられだした。それまでは良いアタックからのキックアウトだったり、良い判断から展開できていたが、それが消されてしまった。川崎さんのディフェンスが素晴らしかったです」 決して悪いオフェンスには映らなかったが、「アグレッシブに来た相手に対し、アタックしてファウルをもらう姿勢がなくなった。どちらかと言うと『逃げる』オフェンスになった」と、分析。確かに、第3クォーターを終えた時点で22本のフリースローを獲得していたが、最終クォーターではわずか2本しか得られなかった。 川崎にとって宇都宮は昨シーズンのチャンピオンシップで完敗を喫した相手。それだけに川崎が生まれ変わったことを証明する開幕節の2連勝となった。 10月6日のB1 9試合の結果 島根63-66名古屋D SR渋谷83-78千葉 富山88-71三遠 京都72-69滋賀 秋田70-77大阪 琉球80-76三河 北海道72-67横浜 A東京94-84新潟 川崎75-69宇都宮2019/10/06Bリーグ&国内
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川崎ブレイブサンダースがタフなバスケットを展開して宇都宮ブレックスに快勝!拮抗した展開を打ち破った篠山竜青のプレー 横浜アリーナで行われた2019-20シーズンのB1開幕戦、川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックスは、78-57で川崎が勝利した。 前半はお互いに一進一退の戦いが続く。川崎は立ち上がりから強度の高いディフェンスで宇都宮に自由を与えない。ただ、新チームとあって早めに選手を入れ替えることで出来にバラつきがあり、宇都宮に流れが行く場面もあったが、どちらにも決定打はなく、33-31で川崎がリードをして前半を折り返す。 両者ともにオフェンスよりディフェンス、積極性より細心の注意を払ったパフォーマンスでロースコアの展開となったが、第3クォーターに入ると試合が動き始める。篠山竜青を起点にズレを作る川崎のオフェンスが宇都宮のディフェンスを上回るようになり、前半にはなかったゴール下でのイージーシュートのチャンスが増え始める。篠山はボールを動かしてチームメートを生かすとともに、自ら打つべき場面では迷わずシュートを決めることでチームを勢いに乗せ、次第にリードを広げていく。 川崎のディフェンスを崩せない宇都宮は、タフショットをねじ込むことで食らい付いていたが、ボールへの執着心を出してセカンドチャンスに繋ぎ、難しいシュートを決めた直後にあっさりとイージーシュートを決められるシーンが目立ち、ディフェンスから流れを呼び込むことができない。重い展開の中でこのディフェンスのイージーなミスは大きな痛手となった。 昨シーズンは機能しなかった川崎の『オン3』が猛威 ここからリズムに乗った川崎は、帰化選手のニック・ファジーカスに加えてマティアス・カルファニとジョーダン・ヒースの『オン3』が猛威を振るう。宇都宮の武器であるリバウンドでも圧倒し、特にカルファニは変幻自在の動きからアシストも4本を記録。拮抗した試合から川崎が抜け出す上で大きな働きを見せた。 最終クォーター、プレーの強度を上げて打開の糸口を探る宇都宮に対し、川崎はリバウンドの優位を保つことで付け入る隙を与えない。シュートが入らなくてもインサイド陣がリバウンドを取り、得点に繋げることで点差を広げていく。藤井祐眞の敵陣からのプレッシャーがきっかけで大塚裕土の速攻が決まり、60-47。残り7分半にして試合の趨勢はほぼ決した。 川崎は篠山がフィールドゴール11本中8本成功(72.7%)の19得点、勝負どころでの活躍が光った。またファジーカスが20得点14リバウンド4アシストと貫録のスタッツを残している。 宇都宮が強みとするリバウンドで川崎が51-35と大きく上回ったのは驚き。ファジーカス、カルファニ、ヒースの3人が2桁リバウンドを記録したことが、この勝利を呼び込んだ。第2戦は10月6日、とどろきアリーナに舞台を移して行われる。2019/10/03Bリーグ&国内
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川崎ブレイブサンダースを託された佐藤賢次ヘッドコーチ、合言葉は「競争」新選手加入によるチーム内競争でチームを底上げ 川崎ブレイブサンダースは今日、2019-20シーズンに向けたプレスカンファレンスを行い、元沢伸夫社長、北卓也GM、佐藤賢次ヘッドコーチと新外国籍選手のマティアス・カルファニ、ジョーダン・ヒースが参加した。 川崎は今オフにヘッドコーチの交代、新たにアシスタントコーチ2名の加入、さらに大塚裕土と熊谷尚也という補強で注目を集めた。これまで補強はルーキーが中心で、ベテラン選手の加入はBリーグになって初めて。佐藤ヘッドコーチは、新チーム始動からの雰囲気についてこう語る。 「チームには『競争』という合言葉を掲げていて、他にもコミュニケーションを大切にしています。ヘッドコーチ経験者のアシスタントコーチが2人来てくれたことで、新しいバスケット、新しい知識、新しい考えが確実にもたらされているし、新しい選手が来てくれたことで違ったスタイルが生まれつつある。それをチームとして形にしていくために、以前よりもいろいろなところでコミュニケーションが増えています」 「川崎はディフェンスのチーム、これはヘッドコーチが代わってもこの軸は変わらない。選手には常にBe Readyと言っています。Bリーグが開幕してインテンシティがどんどん高くなっている中で、今まで通りだと相手に先に準備をされてしまう。どんな時でも常に相手より先に準備をすることを徹底して、動き出しを早くしたり、例年以上に激しいトレーニング、走り込みをやっています」と、新シーズンに向けたチームの取り組みを話した。 カルファニとヒースの獲得についても、佐藤ヘッドコーチはこう明かす。「一番映像で見ていたのは、選手がベンチに戻った時にどういう顔で戻るか、ベンチメンバーがどう迎えていたかとか。そういうところで人間性をチェックしていました。どんなにスキルが素晴らしくても、人間性がない選手とは一緒にやりたくないけど、あの2人はそこが素晴らしいし、ハードワーカーなのですごく動いてくれます。さらに2人はディフェンスにプライドを持った選手です」 チーム内の競争を煽り、ディフェンスを軸として激しいプレーをする。それでいてコミュニケーションも大切にしていく。これが佐藤の掲げる新たな川崎の姿だ。 昨シーズンは来客数が前年対比で121%向上するなど事業面は好調。元沢社長は「昨シーズンに上手くいった事業をもっと良い方向に変えられないかという攻めの姿勢を徹底的にやる」と意気込むが、チームが結果を出すのも大事。優勝候補と言われながらNBLラストシーズンの優勝を最後にタイトルから遠ざかっており、昨シーズンは1年を通して調子が上がらなかった。 そこから反攻に転じるための組織の大幅改変。佐藤ヘッドコーチが率いる新たな川崎ブレイブサンダースがどのようなケミストリーを起こすのかに注目したい。2019/08/29Bリーグ&国内
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川崎ブレイブサンダースの新外国籍選手は高さと走力を兼ね備えたリムプロテクタージョーダン・ヒースは守備をベースにしたチームの象徴に 川崎ブレイブサンダースが新外国籍選手となるジョーダン・ヒースを獲得した。 アメリカ出身のヒースは、208cm109kgのパワーフォワード兼センター。昨シーズンのユーロカップでは平均13.8得点8.1リバウンド(5位)1.5ブロック(3位)を記録し、フィールドゴール成功率は驚異の61.8%をマークした。さらに3ポイントシュート成功率も40%と高く、シュート力を兼ねたビッグマンだ。 ヒースは公式ホームページで以下のコメントをしている。 「日本は初めてですが、日本をすごく好きになれると思います。日本の皆さんは優しく、すごく住みやすそうな国だと思っています。今年の目標としては地区優勝、リーグ優勝を達成したいと思っています。毎試合ファンの皆様のために奮闘したいと思っています」 昨シーズンの川崎は、ニック・ファジーカスが帰化したアドバンテージを生かすことができずに地区優勝を逃し、チャンピオンシップも初戦で姿を消した。結果が出なかった理由の一つに、絶対的なエースであるファジーカスと外国籍選手の連携が最後まで噛み合わなかったことが挙げられるだろう。ヒースは3ポイントシュートを打てる広いシュートレンジを持ち、内外でプレーできるため、ファジーカスとの相性も良さそうだ。 新体制となった川崎はディフェンスをベースにしたチームバスケットを目指している。ヒースはそれを体現する存在となることが期待される。 第2の外国籍選手はどのようなタイプを獲得するのか。常勝軍団復活に向けた、川崎の次なる一手に注目が集まる。2019/08/02Bリーグ&国内