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バックコートへの徹底マークで秋田の爆発力を封じる

第3節にして初のホームでの試合を開催したレバンガ北海道。満員に膨れ上がった北海きたえーるに秋田ノーザンハピネッツを迎えて行われた試合は、一進一退の攻防の中、終盤に抜け出した北海道が76-70で勝利した。

序盤から両チームの守り合いが続き、我慢の展開が続く。北海道はローテーションをうまく駆使し2ポゼッション連続で24秒バイオレーションを奪うなど堅守が光り、ダニエル・ミラーが自分のパスミスを帳消しにするブロックショットで得点を許さない。オフェンス面では折茂武彦の正確なミドルショット、西川貴之の鋭いドライブからのフローターシュートで得点を重ねた。

秋田はセンターのディショーン・スティーブンスにボールを集めペイントエリアで力を発揮する。シュート確率が上がらず苦しむもファールを誘い、フリースローを15本獲得して着実に点差を詰めていく。

32-30と2点リードで後半をスタートさせた北海道は、西川のミドルショットで主導権を握ると、桜井良太がダブルチームに行ってボールをスティール、素早いトランジションから速攻を決めて40-32とリードを広げた。

秋田も谷口大智、菅澤紀行の3ポイントシュートで追いすがるが、西川が思い切りのいい3ポイントシュートで反撃の芽を潰す。青島心のパスカットから速攻を展開し、要所で必ず顔を出す折茂がノーマークで3ポイントシュートを沈めると、観客席のレバンガグリーンから大歓声が上がった。

折茂「チーム全員が自分たちのできる仕事をきっちりできた」

56-47、北海道が9点リードで迎えた第3クォーター、開始早々に背水の陣の秋田から猛反撃を受ける。アグレッシブなディフェンスから安藤誓哉、ケビン・パルマーの連続3ポイントシュートなど8-0のランで1点差に。ミラーが柔らかいタッチでミドルショットを決め流れを戻そうとするが、スティーブンスの好ブロックから早い展開に持ち込まれ、高橋憲一の3ポイントシュートで60-62と逆転される。

北海道はこれまで、こういう接戦で勝負強さを発揮できなかったが、ホームの声援を力に変えた今日は違った。絶好調の西川がドライブで切り込みジャンプショットを沈め同点にすると、野口大介の3ポイントシュート、ミラーのシュートで逆転に成功する。

残り1分30秒パルマーにゴール下で粘られ71-69とされるが、またしても西川がフローター気味の技ありシュートを沈め2ポゼッション差に広げた。その後、集中したディフェンスでフィールドゴールを許さなかった北海道がシーソーゲームを制した。

北海道は西川がゲームハイの24得点、ミラーが15得点。特に終盤の大事な時間帯で活躍し、接戦を制する原動力となった。また折茂が13得点、野口が12得点といぶし銀の活躍を見せた。

水野宏太ヘッドコーチは試合後、「第1クォーターの流れを相手に渡さないという気持ちがエネルギーになり、後半のいい流れに繋がりました」と試合を振り返るとともに、アリーナを埋めたファンに「皆さんと一緒に勝ち取った勝利」と感謝。折茂は「チーム全員が自分たちのできる仕事をきっちりできた」と勝因を語った。

秋田はスティーブンスが16得点7リバウンド2ブロック、パルマーが14得点、モリソンが11得点と外国人選手の活躍が目立った。これは言葉を返せば日本人選手が抑えられたことを意味する。安藤と田口成浩のバックコートが厳しいマークに遭い、外から崩すことができずにインサイドの外国人選手に攻めが偏る結果となった。

6105人もの観客が詰めかけた本日の北海きたえーる。ブースターの声援を力に変え、開幕からここまで最多となる76得点を奪い、勝負どころできっちりと持ち味を発揮する内容での勝利に、チームも観客も大満足の一日となった。