NBL王者は『挑戦者のスピリット』でBリーグに挑む
昨シーズンのNBLで鮮やかな逆転優勝を飾った東芝ブレイブサンダース神奈川は、川崎ブレイブサンダースと名前を変えて新体制でBリーグへと挑む。晴山ケビンは東海大から2014年に加入し、2年目の昨シーズンにはプレータイムと評価を大幅に積み上げた。3年目で迎えるBリーグで、さらなる飛躍が期待される。
ただ、『TIP OFFカンファレンス』に参加した晴山ケビンは、NBL優勝チームの代表らしからぬ、そして飛躍の時を迎えた注目選手らしからぬ、謙虚な言葉を重ねた。「Bリーグでは川崎はまだまだこれからのチームです。川崎市民のために皆プレーしているので、是非会場に足を運んでいただけたらと思います」
Bリーグ初戦は9月24日、三遠ネオフェニックスとのアウェーゲーム。記念すべきホーム開幕戦は9月30日、金曜ナイトゲームとなる横浜ビー・コルセアーズとのダービーマッチだ。ケビンは言う。「初戦が神奈川ダービーなのはすごく楽しみですし、県全体で盛り上がるためにはありがたいことだと思います。まあ川崎を応援してほしいのですが、まずは盛り上がってもらって。そこで自分が活躍して、たくさんのファンを獲得したいです」
昨シーズンからメンバーはほとんど変わっていない。チームのスタイルとしても「川崎の武器であるディフェンスとトランジションをやっていくのは変わりません」とケビンは語る。では個人的な抱負は? 「ジャンプシュートには自信を持っているので、打つとなればどんな状況でもどんな場面でも、決めてやるという気持ちでやります。ディフェンスも得意なので、Bリーグでエースキラーと呼ばれることを目指してプレーしていきます」
昨シーズンはプレーオフでレバンガ北海道、栃木ブレックス、シーホース三河と強豪を次々と撃破して優勝を決めた。当然、Bリーグでも優勝候補と見なされる。ただしケビンは謙虚だ。「あんまり考えすぎるとプレッシャーになりますから。昨シーズンとは全く違うリーグであって、プレーオフのルールも変わってくるので、王者という気持ちよりチャレンジャーとして挑戦し続けることを考えています」
それでも、「挑戦し続ければ結果は付いてくると思っています。そこは信じてやっていくので」と写真の笑顔を見せる。チームとしても個人としても、これまでの実績に裏付けされた自信がしっかりとあることが感じられる。
むしろ挑戦しなければならないのは観客動員であったり地域密着であったり、バスケットの勝敗とはまた別の部分だ。「そこは全然、王者ではないですね」とケビンは言う。
「昨年までbjリーグだったチームは相当熱いブースターさんがたくさんいると思います。自分たちは今までついてきてくださったファンの方々はもちろんですけど、これからは川崎市民のためにプレーして、感動を与えてファンになってもらうようなプレーをしていかなければいけないので。バスケだけじゃない活動にも積極的に参加して、たくさんの人に試合に来てもらいたいです。そこは去年と全く違うところなので、自分としても頑張ってやっていきたいです」
ただ、プロスポーツクラブが勝って損をすることはない。ファンサービスや地域密着も大事だが、やはり基本はトップレベルのプレーを見せて観客を魅了すること。川崎ブレイブサンダースの激しくアップテンポなスタイルは、バスケ初心者を理屈抜きで「すごい!」と思わせられるもの。川崎ブレイブサンダースと晴山ケビンには、そういった面でも大いに期待したい。