琉球との初戦に勝利するも「リラックスすることはできない」
千葉ジェッツは、琉球ゴールデンキングスとのチャンピオンシップ、セミファイナル初戦を96-85で制した。この試合、千葉が勝利した最大の要因は、肉弾戦を制してゴール下を支配できたこと。オフェンスリバウンドで19-11、セカンドチャンスポイントで23-13と優位に立ち、シュートが外れてもそこから粘り強く得点を重ねることで流れを引き寄せた。
第1戦、このリバウンド争いで最も目立っていたのがギャビン・エドワーズだ。フィールドゴールは17本中6本成功のみと成功率は低かったが、実に8本ものオフェンスリバウンドをもぎ取り、フリースローを9本中8本と高確率で沈めチームトップの20得点を挙げた。
「個人としてハードにプレーできました。そしてチームとしてハードに戦うことができ、リバウンドをよく取れたことが大きかった」
こうエドワーズは試合を振り返り、リバウンドを制したことの大きさを強調する。「琉球は本当にタフでなディフェンスをしてくるチームです。彼らのようなトップチームを相手にする時、いかに攻撃機会を増やせるかが重要となってきます」
琉球のゴール下にはリバウンド王のジャック・クーリーが君臨しているが、それでも千葉はエドワーズを筆頭に多くのオフェンスリバウンドをつかんだ。それは、チームとして戦えたからこそとエドワーズは言う。
「クーリーは間違いなく多くのリバウンドを取る選手で、彼を相手に個人で対抗するのは難しいですが、みんなで協力してリバウンドを取りに行ったことが重要でした」
琉球の藤田弘輝ヘッドコーチが「強靭なビッグマン3人が、均等なプレータイムでフレッシュな状態でずっとアタックしてきました」と振り返るように、エドワーズ、セバスチャン・サイズ、ジョシュ・ダンカンの強力トリオによるインサイドアタックは、富樫勇樹のシュート力と並ぶ千葉の大きな武器だ。
「そこに到達するには何をするべきか分かっています」
エドワーズはシーズン序盤こそコンディションが上がらずに苦しんだ時期もあったが、今では本来の調子を取り戻している。そして1月31日からベンチスタートへと起用法が変わる中、リーグ最強シックスマンと評しても問題ないインパクトを与えている。
普段から控えめな発言が多いが本人も「このところ、良いプレーはできていると思います。ターンオーバーを減らすことを心がけていて、今日はハードにプレーできました」と良い感触でプレーできていると話す。
これで3シーズン連続でのファイナル進出に王手をかけた千葉だが、「ファイナル出場経験はあるので、そこに到達するには何をするべきか分かっています」と言い、あらためて気持ちを引き締める。
「1つ先行しているからとリラックスすることはできない。『勝つか家に帰るのか』のメンタリティを持ち、引き続き自分たちをプッシュしていきます。明日で決めるという強い気持ちを持って戦う必要があって、今日のようなハードワークを明日も続ければ、勝つチャンスは巡って来ると思っています」
千葉にとって、いかに攻撃機会を増やせるかは今日も大きな鍵となってくる。そのためにはエドワーズがどれだけオフェンスリバウンドに絡んでいけるかが重要なのは間違いない。