齋藤拓実

「この成長を自信に繋げていきたい」

名古屋ダイヤモンドドルフィンズが三遠ネオフェニックスを迎えた水曜ナイトゲーム。第1クォーターで3ポイントシュート8本中6本成功を含む34得点を挙げ、最後までリードを守り切って勝利した。

名古屋Dの指令塔、齋藤拓実は試合の勝因となった第1クォーターをこう振り返った。「第1クォーターの出だしは、相手がやりたいようなプレーやアリウープなど、イージーバスケットを与えてしまいました。でも、そこで崩れずに自分たちのバスケットである速い展開に持っていき、上手くポストを使いながらインサイドのアドバンテージを生かして試合を運べたのは良かったです」

しかし、第2クォーター以降は三遠のゾーンディフェンスに苦戦し、完全には主導権を握れないまま時間が過ぎた。ディフェンスでも第1クォーターの頭と同じように1プレーで簡単に得点を許す場面が目立ったが、この日の名古屋Dは悪い流れを引きずらずに自分たちのバスケットを立て直すことで、三遠にリズムをつかませなかった。「後半はコミュニケーション不足がすごく多くてイージーバスケットを与えてしまいましたが、その後はすぐに自分たちのバスケを組み立てることができました。そこはタイムアウトでもヘッドコーチやポイントガードの自分がしっかりとしゃべっていたので、上手く立て直せたと思います」と齋藤は手応えを得ている。

というのも、前節の富山グラウジーズとの第1戦でも、名古屋Dは第1クォーターで3ポイントシュート9本中7本を成功させ10点のリードを奪ったが、第2クォーターでは簡単にシュートチャンスを与えてしまい前半終了時点では同点に追いつかれ、勝ちはしたものの拮抗した戦いが続いた。

これまでの名古屋Dであれば、大量リードを奪っても一つのきっかけからズルズルとペースを乱し、点差を詰められることが多かった。そのためチームとして踏ん張りどころで我慢できたことは成長だ。それでも対戦相手の三遠は、開幕から2勝17敗とB1最下位に沈み、この試合はケガ人などを抱えていたためロスターはわずか9人のみという状況。そのため齋藤は手応えを得つつも、危機感も抱いている。

「崩れなかったというポイントは、チームの成長ととらえて良いと思います。ただ、前節の富山戦もそうですが3ポイントシュートがあれだけ上手く入っても結局イージーバスケを与えて崩れてしまったので、強豪相手でも今日の試合のようなプレーを続けられるようにしないといけない。これから年末や年明けには強豪チームとの対戦を控えているので、そういう試合でも崩れないバスケットをして、この成長を自信に繋げていきたいです」

ゾーンオフェンスが上手く遂行できず重い展開の時間が続いても、ディフェンスで耐えてリードを守り切った名古屋D。この試合のような崩れないバスケットをこれから続くリーグ戦でも続けることができるかどうかが、名古屋Dが上位争いに食い込む鍵になる。