A東京、勝負どころで流れを引き寄せる強さを発揮
アルバルク東京は12月6日、敵地で琉球ゴールデンキングスと激突。前日の87失点から一転、チームの根幹である堅守をしっかり取り戻し、今シーズン最少失点で抑える見事なカムバックで85-54と前日の借りを返した。
第1クォーター、A東京はアレックス・カークの3連続得点、先発に抜擢された須田侑太郎のスティールから田中大貴が速攻を沈め8-0のビッグラン。これで琉球がたまらずタイムアウトを取るが、A東京の勢いは止まらずさらに田中がジャック・クーリーとの1対1からレイアップでバスケット・カウントを決めるなど、開始4分で15-3と大量リードを奪った。
第2クォーターに入ると、琉球も反撃を開始。クーリーのインサイドアタックでリズムをつかむと、A東京が取ったタイムアウト明けの守備で24秒バイオレーションを奪取。さらに田代直希がドライブから得点、クーリーへのナイスアシストと活躍し、5点差にまで縮める。しかし、ここでA東京は田中が再びバスケット・カウントを沈め、琉球に傾いた流れを断ち切る。さらにこのクォーターでフィールドゴール3本中3本成功、7得点のケビン・ジョーンズが要所で決め、リードを2桁に戻して前半を終えた。
後半はともにオープンショットを決め切れず、55-45と膠着状態のロースコアで第4クォーターを迎える。ここで均衡を破ったのはA東京で、目立ったのは本日キャリアハイの24分出場を果たした小酒部泰暉だった。持ち前の跳躍力を生かしたオフェンスリバウンドからの圧巻のプットバックなど、大事な出だしで連続得点。さらに田中のジャンパーにより開始2分で14点リードと突き放す。
これで流れをがっちりつかんだA東京は、さらに竹内譲次がレイアップ、3ポイントシュートと前日わずか4分出場に終わった雪辱を果たす連続シュートでダメ押し。最後は集中力を欠いた琉球を圧倒し、31点差の大勝だった。
「選手全員が非常に強いパフォーマンスを見せた」
A東京の指揮官、ルカ・パヴィチェヴィッチは「沖縄というアウェーの難しい場所で、選手全員が非常に強いパフォーマンスを見せて本当に重要な試合を勝つことができました」と連敗を2で止めたことに安堵した様子。前日の課題をしっかり修正できたことが大きな勝因になったと続けた。「カギは昨夜の2つの課題を改善できたこと。昨日はセカンドチャンスから27点を許してしまったディフェンスリバウンドをしっかり取り、そして1対1の守備で簡単に抜かれてレイアップを許したところを修正できました」
指揮官が言及したように、この日の琉球はセカンドチャンスポイントがわずか6失点。正念場でしっかり堅守を復活させ、王者の底力を証明する快勝だった。
一方、出だしでリードを許し、そのまま押し切られる前日と真逆の展開で敗れた琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、何よりもホームでの大敗を深く反省する。「アルバルクさんが意地を見せ出だしから、高いインテンシティと遂行力でプレーしていたのに対し、特に入りと最後で受け身になり、一気にもっていかれてしまいました。どういう状況であれ、ホームの沖縄で30点差で負けるのは許されない。負けたらコーチの責任は当たり前ですが、あえて言わせていただいて準備ができなかったことに責任を感じています」
そして、「受け身になっていたことを示すスタッツがリバウンドで、相手は全員ハードにクラッシュしてジャックにリバウンドを取られないようにしていました」と、パヴィチェヴィッチと同じく明暗を分けた要因はリバウンドだったと振り返っている。
強豪対決は1勝1敗の痛み負け。勢いに乗った時の琉球の圧倒的な爆発力、ここ一番でベストパフォーマンスを見せるA東京の王者らしい勝負強さと、両チームの持ち味がしっかりと出た2日間だった。