全員でボールプッシュした千葉が走るバスケを遂行
千葉ジェッツvs秋田ノーザンハピネッツの第2戦。前日の第1戦とは打って変わり、この試合では第1クォーターから2桁のリードを奪った千葉が、主導権を渡すことなく102-58で勝利した。
ともに強度が高いディフェンスを仕掛け開始4分間は4-4と重い展開になるが、富樫勇樹がボールプッシュして速いバスケットを展開し、前が空けば自分で3ポイントシュートを打ち、ペイントエリアに入ってディフェンスを引き寄せビッグマンのスペースを作り出すなど見事なゲームメークを披露する。秋田のゾーンディフェンスに対しても千葉は富樫や原修太が3ポイントシュートを狙い、シュートが外れてもビッグマンがセカンドチャンスをモノにすることで第1クォーターを24-13と圧倒した。
第2クォーターに入っても千葉の勢いは止まらない。秋田はカディーム・コールビーが第1クォーターで2ファウル、アレックス・デイビスもこのクォーターで2ファウルを犯し、ビッグマンのプレーが消極的に。対する千葉は、途中出場の西村文男が冷静な状況判断から千葉により勢いを与える。ディフェンスでもビッグマンに対してはダブルチームで抑え込んで3秒バイオレーションを誘発するなど秋田にリズムをつかませず、53-27と大幅リードで前半を折り返す。
第3クォーターになると千葉はディフェンスのギアをさらに上げ、このクォーターだけでファストブレイクを7本成功させる。ハーフコートオフェンスでもズレができるまでパスを回し自分たちのタイミングでシュートを放つことで得点を重ねる。このクォーターの残り5分、富樫が保岡龍斗の3ポイントシュートをブロックし、そのままシャノン・ショーターが速攻を決めて点差は40点に。その後も千葉が主導権を握り危なげなく勝利した。
千葉はこの試合でリバウンドを52-22、セカンドチャンスポイントも19-4と圧倒した。また、ペイントエリアからの得点でも52-24とゴール下を制することで秋田のトランジションバスケを防ぎ、自分たちのバスケットを遂行した。
「全員が共通理解を持ってシーズンを進めていきたい」
勝利した千葉の大野篤史ヘッドコーチは「今日はディフェンスのインテンシティが高かったですし、自分たちがボールを押すというところが良かったです」と総括した。「昨日はボールを持っている人間はしっかり押していてビッグマンも走っていましたが、ウイングが押せていませんでした。ただ、今日はボールを持っている人間だけが押すんじゃなく、全員でボールを押すことがしっかりできたと思います」
千葉はこれで12勝3敗でバイウィークを迎える。大きく勝ち越し順調に開幕ダッシュを切ったように思えるが、大野ヘッドコーチは「3敗のうち2敗はもったいないなと思っています」と言う。「相手に完璧にやられて負けたゲームは宇都宮とのGAME2だけだと思っています。他は自分たちのゲームの進め方の部分でもったいない試合になって2試合を落としてしまった。勝ち越しているから良いのではなくて、そういうもったいない試合を1試合でも減らせるようにしないといけません。勝負は何があるか分からないので、その取りこぼしが命取りになる。レギュラーシーズンの60分の1かもしれませんが、その60分の1で泣くところもあるんだということを全員が共通理解を持ってシーズンを進めていきたいです」