シーホース三河

スピードと高さのミスマッチを突いて得点を重ねる

シーホース三河と信州ブレイブウォリアーズの第1戦。第2クォーターだけで32得点を挙げた三河が85-67で勝利した。

三河はカイル・コリンズワースと熊谷航の2ガードを起用。ポイントガードでありながら198cmと長身のコリンズワースは高さのミスマッチを生かしてインサイドからもボールをさばくと、シェーファー・アヴィ幸樹が上手く合わせることで第1クォーターだけで10得点を挙げる。信州はウェイン・マーシャルのピック&ロールを起点にオフェンスを組み立てる。マーシャルはインサイドだけでなく3ポイントシュートも3本決めて、このクォーターだけで11得点を記録した。

こうして点の取り合いとなり20-19と三河の1点リードで第2クォーターを迎えるが、ここから試合が動き出す。三河はスイッチディフェンスで信州のピック&ロールを封じ、インサイドでもコミュニケーションをしっかりと取ることでミスマッチを作らせない。逆にオフェンスでは高さやスピードのミスマッチを突くことで得点を重ねる。大黒柱のダバンテ・ガードナーは自分で得点を取るだけでなく、ディフェンスを引き寄せて味方のシュートチャンスを作ることでチームでのバスケットを遂行した。また、重量級のガードナーとフットワークが軽いシェーン・ウィティングトンの対極的なビッグマン2人のそれぞれの持ち味を生かしたオフェンスで得点を量産すると、このクォーターを32-15と圧倒し、52-34で前半を折り返す。

後半になると、信州は33得点を挙げたマーシャルと12得点を挙げたアンソニー・マクヘンリーが内外から得点を重ねていくが、他の選手の得点が伸びず点差を縮めることができない。ディフェンスでは三河のエース、金丸晃輔を2点、川村卓也を4点とシューター陣を抑えることはできたが、チームで得点を取りにいく三河を止めることができない。また、インサイドではコミュニケーションミスでダブルチームが機能せずに得点を奪われるなど、攻守に渡ってチームとしてのプレーが少なさが目立った。

後半だけを見ると33-33と互角の戦いとなったが、第2クォーターでビッグクォーターを作った三河は最後までリードを維持した。この試合では特にベンチからの得点が29-10と差がつき、三河は4選手が2桁得点を記録するバランスの良いオフェンスを展開した。対する信州はマーシャルとマクヘンリーが2桁得点を記録するも、栗原ルイスの8得点以外は5点以下に留まった。

勝利した鈴木貴美一ヘッドコーチは「ウチは個人の得点能力が高い選手がいますが、個で攻めるのは良いパターンではありません。このバイウィーク期間にチームで攻める練習をして、それが上手くできました」とチームで勝ち取った勝利だと強調した。