56-56、超ロースコアゲームは延長戦へ
三遠ネオフェニックスvs京都ハンナリーズの一戦。前半は封じられていたジョシュア・スミスが最終クォーターからインサイドを支配し始めたことが決め手となり、京都が延長戦にもつれた超ロースコアゲームを制した。
試合開始から両チームともシュートタッチが悪く、シュートがリングに嫌われるシーンが目立つ。前半を終えて27-23と三遠がわずかにリードするロースコアゲームの様相を呈した。第3クォーターに入ってもディフェンスが目立つことに変わりはなく、プレッシャーを強めた三遠がこのクォーターだけで8個のターンオーバーを誘い、41-29とリードを広げる。
しかし、最終クォーターに入ると京都が反撃を開始する。ボールマンへのプレッシャーを高め、ボールラインを上げさせて24秒バイオレーションを誘発。さらに綿貫瞬がパスカットから自ら3ポイントシュートを沈め、内海慎吾もスティールから速攻を繰り出し点差を詰めていく。
また、ここまで封じられていたスミスが第4クォーターに6得点を挙げてインサイドで存在感を見せ始めると、ジュリアン・マブンガが内外から11得点を荒稼ぎした。残り56秒にスミスがパワープレーからバスケット・カウントを沈めて56-56の同点に追いつく。その後はい互いに守り切り、延長戦へ突入した。
リズムを取り戻したスミスがゴール下を制し、延長だけで7得点を挙げ京都がリード。また1対1からパスアウトする余裕も出てオフェンスが活性化し、ディフェンスでも最後まで粘りを見せた。残り1分27秒、スミスのゴール下が決まり9-0と走ったところで勝負アリ。最後は復帰初戦となったロバート・ドジャーに8連続得点を許すも、ファウルゲームを乗り切った京都が69-64で勝利した。
「戦う姿勢が見せられたのが良かった」
勝利した浜口炎ヘッドコーチは「非常にタフで苦しいゲームだったんですけど、ようやく第4クォーターでインサイドにアタックできて、ターンオーバーも0とそこでリズムをつかめたと思います」と勝因を語った。
第3クォーターで6点しか奪えなかったものの、最終クォーターで27点を挙げ延長に持ちこんだ点については、「激しくディフェンスがきて、ディナイもされてなかなかボールが動かなかったんですけど、ツーガードを入れたことでなんとか踏ん張れた」と、伊藤達哉と綿貫瞬のパフォーマンスを評価した。
ゲームハイの22得点を挙げたマブンガは「第4クォーターの初めの2分で2つのターンオーバーを誘えたこと。我々は第3クォーターに6点しか奪えず、それがターンオーバーが問題だったので、そこをコントロールして戦う姿勢が見せられたのが良かった」とディフェンスの向上を勝因に挙げた。
三遠は第3クォーター終了時点で13点をリードしたが、それと同時に13のターンオーバーを犯し、リードを思うように広げられず、京都に付け入る隙を与えてしまったことが悔やまれる一戦となった。