第3クォーターに森川、第4クォーターに熊谷が活躍
2019年を4連勝で締めくくったシーホース三河が、2020年の初戦で秋田ノーザンハピネッツに快勝した。
立ち上がりから川村卓也がオフェンスをコントロールする三河が主導権を握る。ダバンテ・ガードナーへのダブルチームを逆手に取り、秋田の狙いどころを外すゲームメークで効率良く得点を重ね、開始6分半で17-6と2桁のリードを奪う。
その後は秋田のディフェンスがアジャスト、細谷将司の3ポイントシュートを機に反撃に転じて17-21まで点差を詰める。それでも三河はハーフコートの攻めを確実に遂行し、リバウンドでも強みを発揮することで、ハードに戦う秋田に差を詰められながらも逆転を許さない。第3クォーター序盤に一度は追いつかれたものの、すぐに突き放した後はリードを保ち続けた。ここで大きな働きを見せたのは森川正明だ。
序盤の4分しかプレーしなかった金丸晃輔に代わって投入された森川は第3クォーターに13得点を荒稼ぎ。同点にされた直後、ジャスティン・キーナンとカディーム・コールビーの間に割って入る強引なドライブでフリースローを獲得。これで勝ち越した後、大きく動き回ってトリプルチームで囲まれたガードナーからパスを引き出しての3ポイントシュートを沈めて46-41と突き放す。秋田に最も勢いがあった時間帯に飛び出した一連のビッグプレーで、三河が優位を保ち続けた。
「しっかりオープンでシュートを決められた」
主力にプレータイムが偏る三河に対し、ローテーションを徹底する秋田は第4クォーターになって運動量とボールへの執着心で上回ることで再び勢いを取り戻すものの、今度は熊谷航が立ちはだかる。この試合ではクリエイトを川村に託し、目立つ場面の少なかった熊谷だが、終盤の勝負どころで自分へのマークが甘いと見ると臆すことなくシュートを狙っていった。残り3分と1分の2回、秋田に1ポゼッション差に迫られたところで3ポイントシュートを沈める。どちらもガードナーにダブルチームに行ったところで自分が空いた瞬間を逃さない勝負度胸が光った。
最後まで秋田は勝利への執着心を出したが、三河は試合巧者ぶりを発揮してゲームをコントロール。残り1分を切ってのリバウンド争いで熊谷がファウルを誘い、フリースローを2本沈めて84-77とリードを広げたところで勝負あり。秋田の強烈なプレッシャーディフェンスに煽られながらも落ち着いてプレーを遂行した三河が86-78で勝利している。
三河の鈴木貴美一ヘッドコーチは「秋田さんがいいディフェンスをして追いつかれて苦しいタフな試合になりました。最後はうちらしいバスケットができて、しっかりオープンでシュートを打って決めることができたので良かった」と試合を振り返る。一方で秋田の前田顕蔵ヘッドコーチは「三河さんのオフェンス力に対して必要なときに守れなかった」と悔やんだ。
試合の流れを左右するポゼッションで守り切ることができるか、こじ開けて得点を奪えるか。その差が出た試合だった。