ディフェンスから主導権を握ったA東京
栃木ブレックスとアルバルク東京の第2戦。終盤に3点差まで迫られるも、冷静さを失わず安藤誓哉のビッグショットで反撃を振り切ったA東京が71-63で勝利した。
出だしの戦い方に不安を抱える栃木はオン・ザ・コート数を3試合ぶりに「1-2-1-2」に変更した。長谷川健志ヘッドコーチは「今はどうやって1クォーターを戦うかというのを考えている」とその変更理由を説明した。その第1クォーターは遠藤祐亮が積極的にシュートを狙い7得点を上げ、18-16と栃木が先行した。
だが第2クォーターに入るとA東京が持ち前のディフェンス力を発揮する。ボールマンへのプレッシャーが高まったことで栃木はこのクォーターだけで5個のターンオーバーを記録。また遠藤のアンスポーツマンライクファウルや、アンドリュー・ネイミックの不用意なゴールテンディングなど、不要なミスを重ね自らの首を絞めた。
前半はランデン・ルーカスの6得点を筆頭にバランスの良いオフェンスを展開したA東京が35-28とリード。第3クォーターも常に2桁前後のリードを保った状態で試合は進んでいく。
勝負を分けた安藤のクラッチシュート2発
10点差でスタートした最終クォーター、栃木が反撃を開始する。セドリック・ボーズマンがドライブから8得点を積み重ね、ライアン・ロシターもそれに続く。また生原秀将がディフェンスでハッスルし、流れを引き寄せた。残り1分14秒、ロシターの17点目となるシュートが決まり60-64と4点差。ホームの熱気は最高潮となった。
しかし、A東京は冷静さを失わない。安藤がピック&ロールから一瞬の隙を突きドライビングレイアップをねじ込み6点差に。その後は遠藤の3ポイントシュートで再び1ポゼッション差とされるも、残り18秒、ドライブを警戒する田臥勇太の裏をかき安藤が3ポイントシュートを沈める。安藤の勝負どころでの2本のシュートが決め手となり、A東京が逃げ切った。
「我々の勝因は栃木の速いバスケットを許さなかったこと。その次にオフェンスリバウンドをロシター選手や竹内選手に絶対取らせないということが目的でした」とルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチはゲームプランを説明した。リバウンド数では栃木の39に対し37とほぼ互角の戦いを見せ、セカンドチャンスポイントでは5点上回ったことがカギとなった。
また忘れてはいけないのが選手の落ち着きだ。ルカコーチも「終盤の勝負どころで我々の選手は集中力を切らさず冷静にプレーした結果勝てた試合だと思います」と話した。終盤に1ポゼッション差まで詰めよられるも、そこから突き放した精神的タフさが今のA東京にはあった。
発展途上の栃木、競ることはできても逆転できず
栃木は第1戦と同様に粘りを見せたが、競ることはできても試合をひっくり返すには至らず。長谷川ヘッドコーチも「10点のリードをされるとワンチャンスで追いつかない」と話した。
栃木は現在3ポイントシュートの成功率で17位、成功数で最下位と外角のシュートが課題となっている。今日も13本中3本の成功と低調に終わった。「アウトサイドのシュートが入らないですが、言ってもしょうがない。もうちょっと速い展開が作れればペイントのイージーシュートだけではなく、アテンプトも増えるしアベレージも上がってくると思います」とトランジションからの速いオフェンスが現在の得点力不足を解消すると述べた。
これで千葉、A東京を相手に4連敗。なかなか結果が出ない状況だが、長谷川ヘッドコーチは「うまくいかないのは私の責任です。選手の責任はありません」と責任を負い、選手を擁護した。
シーズンハイの15得点を挙げた遠藤祐亮は「オフェンスに関しては最初からアグレッシブにできて自分のリズムを取り戻せた感はあったんですけど、ディフェンスでのミスが目立った。田中(大貴)選手を自由にさせてしまった」と攻守のバランスが悪かったと自分の出来に満足できずにいた。
平日開催となる次節、A東京は川崎ブレイブサンダースと、栃木はサンロッカーズ渋谷との試合が待ち受ける。